食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。8月4週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム汚染食品が見つかっています(4)。今週は基準超えです。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
①検査数634件中2件の基準超え(全体の0.32%)
②平均は、1キログラム当たり2ベクレル、最大260ベクレル(岩手県産イクマ)。

※1 牛肉を除く
※2 単位については(5)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2016年8月4週)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
福島産からは基準超えが見つかっていませんが、今週のデータからは福島産について以下の特徴が読み取れ、およそ安心はできません。
①クロダイは宮城も茨城もセシウム入り、でも福島は全数ND
②福島県はナシの安全宣言、主産地の福島市産は検査されていません。
③福島・相馬のサメのセシウム濃度が突然に上昇
1.クロダイは宮城も茨城もセシウム入り、でも福島は全数ND
以下に福島県が検査した福島産、宮城産、茨城産クロダイの本年度の検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2 日付は捕獲日
※3 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
図―2 クロダイのセシウム濃度
宮城産や茨城産ではそこそこセシウムが見つかっていますが、福島産クロダイは全数がNDです。汚染水漏れが続く福島第一(7)がある福島産が宮城や茨城より低くでるなどおかしな話です。福島産クロダイを検査しているのは福島県農林水産部に所属する福島県農業総合センター(8)です。中立性に疑問があります。厚生労働省の発表(1)を見ると、消費地の検査を除き福島産農水産物の全てを実施しています。福島産は宮城や茨城より低く出る検査機関が検査して「安全」が主張されてる(9)ようです。
2.福島県はナシの安全宣言、主産地の福島市産は検査されていません。
福島県は果樹王国と言われていますが(10)、福島県内全域で果樹の生産が盛んな訳ではありません。避難地域に次いで汚染が酷く葬式が増えている福島市を中心とする福島盆地が主産地です(11)。8月も下旬になり福島市はナシの季節を迎えました(12)。福島県はナシは全国で第4位の産地ですが、その大部分を福島県福島市で生産します(13)。以下に福島盆地と福島市を示します。

※1(14)の数値データを元に(15)に示す手法で8月1日時点に換算
※2 避難区域は(16)による
※3 福島盆地の範囲は(17)による。
※4 相馬地方の範囲は(18)による。
図-3 福島盆地と福島市および相馬地方
福島市のナシは8月16日に出荷が始まりました(19)。図に示す通り福島県福島市は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(20)地域が広がり避難地域についで汚染が酷い場所です。確り検査して欲しいと思います。

※(21)をキャプチャー
図―4 福島県福島市のナシの収穫を報じる福島のローカルTV局(TUF)
福島県は福島産ナシは検査で基準値以下が確認されたと主張しています(22)。福島市産ナシが検査されているか心配です。厚生労働省の発表(1)や福島県が提供する福島産農林水産物の検査結果を検索するサイトを見たのですが(23)、福島市産ナシの検査結果がありません。福島市を管轄する農協の自主検査結果を見たのですが(24)、ナシの記載は無しです。福島産ナシは汚染が酷い主産地の福島県福島市産の検査結果が公表されないまま、検査されていて「安全」と主張され市場に出ています。
福島産はセシウム汚染が酷い産地を避けた検査で「安全」とされ出荷されます。
3.福島・相馬のサメのセシウム濃度が突然に上昇
福島県相馬地方は図―3に示す様に福島県沿岸部北部に立地し(18)、北を宮城県と接しています。以下に福島県相馬地方産の今年のサメの検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2 日付は捕獲日
※3 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
図―5 サメのセシウム濃度
図に示す通りしばらく検出限界未満(ND)が続いたのですが、8月22日の厚生労働省の発表で(3)でセシウムが見つかりました。
事故から5年5ヶ月以上が経過しましたが、福島産は今もセシウム濃度が上昇することがあります。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
これでは福島産、食べて応援 あの世行きです(25)。福島の皆様は心配だと思います。
福島県は福島産野菜のテレビCMを流しています。そこにはトマトも登場します(26)。福島のトマトは7月から10月がシーズンです(27)。福島の今はトマトの季節です。福島のトマトは昼夜の温暖差により引き出される、適度な酸味とあふれる甘みが自慢だそうです(28)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています(22)。福島県郡山市は福島のトマトの主要な産地です(27)。でも福島県郡山市のスーパーの今日のチラシには福島産トマトはありません。

※(29)を引用
図―6 福島産トマトが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第995報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(8月3週)―宮城産のシログチからセシウム、福島相馬は76件全てND―(5)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(6)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(7)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(8月3週)―港湾内から法令限度を超える汚染海水―(8)
農林水産部 - 福島県ホームページ(9)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(10)
果樹王国 - Wikipedia(11)
めげ猫「タマ」の日記 果物作りが盛んな、汚染された福島盆地(12)
フルーツを食す - 福島市ホームページ(13)
ナシ - Wikipedia(14)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(15)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(16)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(17)
福島盆地 - Wikipedia(18)
相馬地方とは | 相馬広域観光案内(19)
トピックス | JAふくしま未来(20)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(21)
スイッチ20160819 TUFchannel (22)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(23)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を8月24日に「日本ナシ」「福島市」で検索
(24)
農作物自主検査 | 農業 | JAふくしま未来(25)
めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援、あの世行き(原発事故5年目)―福島産を許容する地域では葬式が7.4%増加―(26)
TVCM(ふくしまプライド。「野菜」篇) | ふくしま 新発売。(27)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(28)(27)中の「トマト」(
https://www.pref.fukushima.lg.jp/download/1/tomakyu1.5.pdf)
(29)
イトーヨーカドー 郡山店
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テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記
- 2016/08/23(火) 19:42:45|
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