町の東南部が旧計画的避難区域に指定された福島県川俣町の7月の赤ちゃん誕生数を見たら
男の子 1人
女の子 3人
で女の子が多くなっています(2)。これでは数が少ないので、福島原発事故以降の2011年3月から16年7月までの赤ちゃん誕生数を集計すると
男の子 154人
女の子 198人
で、女の子が多くなっています。飯舘村、葛尾村も川俣町と同様に避難区域は主に旧計画的避難区域なので、これを含め集計すると2011年3月から16年7月までに生まれた赤ちゃんは
男の子 291人
女の子 397人
で女の子が多く生まれています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.005%で、偶然で説明するのは無理です。通常は男の子が多く生まれるの(3)で異常な事態です。
福島原発事故によって福島は汚染され、避難指示がだされました。当初設定された避難区域には福島第一原発から半径20km圏内の警戒区域(1)とその後の放射線量が高い事が判明し設定された計画的避難区域があります(4)。

※1(5)の数値データを元に(6)に示す手法で8月1日時点に換算
※2 避難区域は(1)による
図-1 旧警戒区域と旧計画的避難区域
図に示すように福島は事故から5年5ヶ月以上が経過しましたが、今も国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超(7)えた地域が広がり汚染されています。
警戒区域は事故翌日の3月12日に設定されましたが、計画的避難区域は事故から1ヶ月以上も後の2011年4月22日でした。しかも直ぐに避難が実施された訳でなく(4)、例えば全避難区域が計画的避難区域となった福島県飯舘村(1)で避難が概ね完了したのは、事故から3ヶ月以上過ぎた2011年6月22日です(8)。いわば逃げ遅れた避難区域です。
福島県川俣町の7月の赤ちゃん誕生数を見たら
男の子 1人
女の子 3人
で女の子が多くなっています(2)。以下に原発事故前1年間(2010年3月~12年2月)と事故後各年の1年間(各年3月~翌年2月、ただし2016年は3月まで)の赤ちゃん誕生数を示します。

※1(2)を集計
※2 2016年は7月まで
図―2 福島県川俣町の赤ちゃん誕生数
図に示す通り事故前の1年は通常通り男の子が多く生まれていましたが、事故後は6年連続で女の子が多く生まれています。6年連続ですので偶然に起こる確率は2
6の1、すなわち64分の1で2%弱です。
女の子が多く生まれる現象は川俣町と同様に主な避難区域が旧計画的避難区域であった飯舘村や葛尾村でも起きています。事故後の2011年3月~16年7月までの赤ちゃん誕生数を福島県の発表(2)から集計すると
飯舘村
男の子 117人
女の子 156人
葛尾村
男の子 16人
女の子 39人
です。以下に川俣町・飯舘村・葛尾村の各年3月から1年間の赤ちゃん誕生数を示します。ただし2016年は7月までです。

※1(2)を集計
※2 2016年は7月まで
図―3 川俣町・飯舘村・葛尾村の合計の赤ちゃん誕生数
図に示す通り事故前の1年間は通常通り(3)男の子が多く生まれていますが、事故は女の子が多く生まれるようになりました。事故後の2011年3月から16年7月までの川俣町・飯舘村・葛尾村の合計の赤ちゃん誕生数は
男の子 291人
女の子 397人
です。カイ自乗検定と呼ばれる手法(9)でこのような事が偶然に起こる確率を計算すると0.005%でした。偶然を主張するには無理があります。以下に計算過程を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果
※ 計算方法は(9)による。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
男の子でも女の子で生まれて来れば良いと考える方が多いと思います。まして福島県の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。

※(10)を転載
図-4 福島県川俣町の綺麗な女性
でも図-3に示すように女の子が多く生まれるようになったのでなく、男の子が生まれなくなったです。もっと心配なこともあります。
福島県県民健康管理調査によれば、48.1%の方が放射線は「次世代への(遺伝的)影響の可能性が高い」と回答しています(11)。 福島では遺伝的欠陥で色素が合成できないアルビノ・ヒメマスが見つかりました(12)。
放射線の影響は「積算線量」が重要だそうです(13)。福島の放射線量は下がっていますが、「積算線量」は確実に増え続けています。これまで見つからなかった事が5年後に出てきても不思議はありません。
福島県の県放射線健康リスク管理アドバイザーの高村昇氏は福島県の地方紙の福島民報に、広島や長崎の二世調査の結果から
「次世代への影響は考えにくいと思われます。」
と寄稿しています(14)。でも遺伝には孫の世代で見える「隔世遺伝」があります(15)。このような遺伝は「二世調査」では分かりません。
放射性影響研究所は広島や長崎の原爆投下で遺伝的な影響が生じていない根拠として
①赤ちゃんの男女比に異常が起きていない。
②自然死産の増加が認められない
ことを上げています(16)。以下に福島県の自然死産率の推移を示します。

※(17)を転載
図―5 福島県の自然死産率の推移
赤ちゃんの男女比は本文に書いた通りです。福島では広島や長崎では見つからなかったことが福島では起きています。広島や長崎のデータを元に福島は「安全」と主張しても成立しません。
福島の皆様の遺伝的影響を心配する声(11)に答えるためでしょうか?福島で遺伝子の異常の有無を調べる福島ゲノム計画が2012年提唱されました。計画でな2013年度から調査を開始し、来年度(2017年度)に終える計画でした(18)。計画が提唱されて4年になりますが、進められているようなニュースを(=^・^=)は知りません。いつの間にかうやむやになった感じです。
旧計画的避難区域が主な避難区域である自治体で生まれて来る赤ちゃんの男女比が狂ったことは福島県当局も認識しているともいます。福島県放射線健康リスク管理アドバイザーを自称するかたから「攻撃」を受けた事があります(19)。自称される方のコメントを見ると放射線生物や分子生物学についてよく知っており、普通の方が偽装するのは無理です。福島では怪しげな事は封印されるようです。これでは福島の皆様は不安だと思います。
福島県が力をいれている畜産物に鶏肉(地鶏)があります。福島県川俣町は産地の一つです(20)。福島県川俣町では特産品の地鶏のPRの為でしょうか?この週末(8月27-28日)に「第14回川俣シャモまつりin川俣2016開催」が開催されます(21)。でも福島産鶏肉の評判は良くないようです。福島県は福島産鶏肉は「安全」だと主張していますが(22)、川俣町のお隣の福島県福島市のスーパーのチラシには福島産鶏肉はありません。

※(23)を引用
図―6 福島産鶏肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(2)
福島県の推計人口(平成28年8月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(3)
出生性比(4)
計画的避難区域について -首相官邸ホームページ-(5)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(6)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(7)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(8)
飯舘村 - Wikipedia(9)
めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について(10)
めげ猫「タマ」の日記 除染が終わっても、除染が必要な福島(11)
県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ(12)
めげ猫「タマ」の日記 福島に遺伝的欠陥で色素が合成できないアルビノ・ヒメマス現る。(13)
放射線の健康への影響は積算線量が決める(14)
放射線 放射性物質 Q&A これから生まれる子どもに被ばくの影響は | 東日本大震災 | 福島民報(15)
隔世遺伝 - Wikipedia(16)
原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 - 放射線影響研究所(17)
めげ猫「タマ」の日記 福島の自然死産率は全国平均の1.5倍(18)
(新)福島におけるゲノム解析による放射線遺伝影響調査(福島ゲノム調(19)
めげ猫「タマ」の日記 根拠をねつ造する放影研(20)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(21)
第14回川俣シャモまつりin川俣2016開催 - 川俣町公式ホームページ(22)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(23)
チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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- 2016/08/24(水) 19:43:16|
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