めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島産キュウリ・価格差縮小(7月)、当然の結果です。

 福島を代表する夏野菜にキュウリがあります(1)。東京中央卸売市場の7月の取引価格(2)を全国平均の価格と比較すると
 2010年 20円高
 2014年  5円高
 2015年 13円高
 2016年 11円高
でした。原発事故前は全国平均に比べ20円程度高く取引されていますが、事故後は数円程度に縮小しました。昨年は13円高と少しは回復したのですが、今年(2016年)は11円高と再び縮小しました。福島県は多様性に富む県です(3)。キュウリも福島県全域で採れる訳でなく、主に伊達市、二本松市、須賀川市です(4)。ここは
 ①伊達市や二本松市は避難地域に隣接し、須賀川市も含め原発事故から5年半が経過したが、国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルトを超えて(5)いる。
 ②3市の葬式は原発事故後に8%増えている。
 ③福島のキュウリは露地栽培が中心であるが(6)、露地栽培の検査が殆ど実施されていない。特に二本松市産は3年連続で検査無しである。
 汚染されていて葬式が増え、しかも検査が無しでは消費者が避けるのは当然です。価格差が縮小したのは消費者の福島産キュウリに対する正しい理解が進んだ結果であり当然の事です。
 福島県を代表する夏野菜にキュウリがあります(1)。6月下旬から9月までがシーズンです(4)。これに合わせてでしょうか?福島県は8月中に福島産キュウリのテレビCMを流していました(6)。福島県は福島産キュウリの拡販に力をいれているようです。価格が気になります。以下に東京卸売市場における7月のキュウリの取引価格を示します。
乱高下するキュウリ価格
 ※(2)を集計
 図―1 各年7月のキュウリの取引価格(東京中央卸売市場)

 乱高下しています。以下に各年7月の東京中央卸売市場の出荷量と取引価格の相関を示します。
入荷量が減ると上がるキュウリ価格
※(2)を集計
 図―2 各年7月のキュウリの出荷量と取引価格(東京中央卸売市場)

 図に示す通り、出荷量が減ると価格が高騰します。今年(2016年)7月の東京中央卸売市場のキュウリの出荷量は687トンで、原発事故以降最低でした(2)。こうした中で福島産の評価が気になります。以下に各年7月の福島産キュウリと全国平均の価格差を示します。
原発事故後に全国平均との価格差が縮まった福島産キュウリ
 ※(2)を集計
 図―3 各年7月のキュウリの取引価格差(東京中央卸売市場) 

 図に示す通り7月の福島産キュウリは全国平均より高値で取引されていました。これは原発事故以降も変わりません。だたし価格差は事故後に縮小しました。事故前(2009、10年)は図に示す通り20円程度は高かったのですが、事故後は数円に縮小しました。それでも昨年は13円にまで回復しました。ただし、今年は11円とまた縮小しました。これは福島産キュウリに対する消費者の正しい理解が進んだ結果であり当然のことです。
 福島県は多様性に富む県です(3)。キュウリが福島を代表する夏野菜だしても、福島全域で採れる訳ではありません。主要な産地は伊達市、二本松市、須賀川市です(4)。以下に3市の位置と相馬地方の位置を示します。
事故から5年半経っても除染が必要な福島のキュウリ産地
※1(7)の数値データを元に(8)に示す手法で10月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(9)による
 ※3 相馬地方の範囲は(10)による。
 図―4 福島のキュウリの産地と相馬地方

 図に示す通り福島のキュウリの主要産地は、国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルトを超えて(5)いる地域が広く広がっています。伊達市や二本松市は避難地域に隣接しています。住民の皆様の健康が心配です。以下に各年8月からの3市合計の葬式(死者)数の推移を示します。
原発事故後に葬式が増えた福島のキュウリ産地
 ※1(11)を集計
 ※2 震災犠牲者は(12)により関連死を含まず。
 図-5 各年8月から1年間の伊達・二本松・須賀川3市の葬式(死者)数推移

 図に示す多り事故前の2009年8月から1年間に比べ、それ以降の葬式が増えています。葬式(死者)数を見ると
 原発事故前(2009年8月から翌年7月) 2,294人
 最近の1年(2015年8月から翌年7月) 2,474人
で、8%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.9%で、偶然とは思えません。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の時事(13)による。
有意差検定表

 ただし福島県内でどこでも葬式が増えているわけではありません。以下に全村避難の飯舘村(9)を除く相馬地方の葬式(死者)数の推移を示します。
原発事故後も葬式が増えない福島県相馬地方
※1(11)を集計
 ※2 震災犠牲者は(12)により関連死を含まず。
 ※3 全村避難の飯舘村(9)を除く。
 図-5 各年8月から1年間の相馬地方の葬式(死者)数推移

 図に示す通り、少し減っていますが統計的な差はありません。なにが違うか(=^・^=)なりに見ると農林水産業(1次産業)の回復の度合いです。以下にキュウリの主産地(伊達市、二本松市、須賀川市)と飯舘村を除く相馬地方の農林水産業の生産額の推移を示します。
 農林水産業が回復した福島のキュウリ産地、回復しない相馬地方
 ※1(13)を集計
 ※2 全村避難の飯舘村(9)を除く。 
 図―6 農林水産業の生産額の推移

 図に示す通りキュウリ産地の3市の合計は
  原発事故前の2010年  185億円
  事故後3年目に2013年 188億円
で、事故後3年にして原発事故前を上回りキュウリ産地の農林水産業はある意味で「復興」を果たしたともいえます。一方で相馬地方(飯舘村を除く)は衰退したままです。
 福島のキュウリの主産地は事故から5年半経っても汚染されています。それでも農業は復興しました。ただし葬式(死者)数は事故前の水準に戻っていません。汚染されいて葬式が増えた所で生産される福島産キュウリは確り検査して欲しいと思います。福島のキュウリの主力は露地栽培です(5)。以下にキュウリ産地3市の施設栽培をの除くキュウリの検査件数を示します。
検査されなくなった施設栽培を除くキュウリ
 ※1(14)を集計
 ※2 日付けは厚生労働省発表日
 ※3 施設栽培を除く
 図―7 伊達、二本松、須賀川3市のキュウリの検査数(施設栽培を除く)

 図に示す通り、検査数がどんどん減っています。特に二本松市産は3年間、検査がありません。でも福島県に検査能力が無いわけではありません。以下に以下にキュウリ産地3市の施設栽培のキュウリの検査数を示します。
検査継続される施設栽培のキュウリ
※1(14)を集計
 ※2 日付けは厚生労働省発表日
 図―8 伊達、二本松、須賀川3市の施設栽培キュウリの検査数

 こちらはそれ程に減っていません。施設栽培とそれ以外で何が違うかと言えばセシウム汚染リスクです。以下に福島県中通り産のモモの検査結果を示します。
施設栽培は低く出る福島産モモの検査結果
 ※1(14)を集計
 ※2 日付けは検査日
 図―9 福島県中通り産モモのセシウム含有量

 図に示す通り、施設栽培以外ではそこそこセシウムが見つかっており、事故から6年目の今年も確りセシウムが見つかっています。一方で、施設栽培では原発事故後から1回のセシウムが見つかっていません。そして3市のキュウリは露地栽培が主力にもかかわらず施設栽培を中心に検査が進められています。
 福島産キュウリは福島県内でも汚染されていて葬式が増た地域で作られ、しかも主力の露地栽培の検査が殆どありません。消費者が避けるのは当然です。価格差が縮小したのは消費者の福島産キュウリに対する正しい理解が進んだ結果であり当然の事です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 本文に記載通り事故から5年半が経過しましたが、福島産キュウリは不安だらけです。多くの福島の皆さんが福島産に不安を抱いているようです。
 9月に入り(=^・^=)の住む街ではモモよりナシが多く並ぶようになりました。福島ではナシの「幸水」が出荷のピークを迎えたそうです(15)。福島は日本で第4位のナシの産地です(16)。福島のナシは美味しいそうです(17)。福島県は福島産ナシは「安全」だと主張しています(18)。でも福島県白河市のスーパーのチラシには福島産ナシは無しです。
 他県産はあっても福島産ナシが無しの福島県白河市のスーパーのチラシ
 ※(19)を引用
 図-10 福島産ナシが無い福島県白河市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県白河市を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)夏に美味しいきゅうり!その“目利き”を伝授します! | ふくしま 新発売。
(2)東京都中央卸売市場-統計情報検索を各年7月につて、野菜⇒果菜類⇒きゅうりで検索
(3)めげ猫「タマ」の日記 福島県について
(4)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(5)福島県 すかがわ岩瀬農業協同組合 (きゅうり)~「パリッと新鮮でおいしい 岩瀬きゅうり」~ 月報 野菜情報-産地紹介-2010年9月
(6)TVCM(ふくしまプライド。「野菜」篇) | ふくしま 新発売。
(7)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(8)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(9)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(10)相馬地方とは | 相馬広域観光案内
(11)福島県の推計人口(平成28年8月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(12)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(13)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(14)報道発表資料 |厚生労働省
(15)トピックス | JAふくしま未来
(16)ナシ - Wikipedia
(17)土にこだわるおいしい梨(福島市) | ふくしま 新発売。
(18)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(19)チラシ - ホーム
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  1. 2016/09/02(金) 19:42:52|
  2. -
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