めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(9月1週)―汚染水増加量は1日当たり846トン、凍土壁凍結開始後の最高値―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、9月1週(8月28日から9月3日)もしっかりトラブルが起こっています。
 ①福島第一1号機の冷却装置で冷却水が流れなくなり停止
 ②汚染水タンク工事で火事
 ③地下水バイパスポンプが発煙
 ④汚染水増加量は1日当たり846トン、凍土壁凍結開始後の最高値
 ⑤凍土壁の大穴がが拡大
トラブルマップ2016年9月1週
 ※1 位置については(2)で作成
 ※2 トラブルについては後述
 図―1 福島第一トラブルマップ(9月1週)


1.福島第一1号機の冷却装置で冷却水が流れなくなり停止
 事故から5年半経過しましたが、福島第一の核燃料プールには1号機の392本を始め、1~3号機合計で1,573本の核燃料が置き去りにされていす(3)。発熱しているので、暑くならないように冷却をしていますが、その冷却が止まってしまいました(4)(5)。冷却装置は現在は1~3号機のそれぞれに独立でついていますが、これを共用化する公示が東京電力は進めています(5)。このうち1号機については、8月23日に切り替えようとしました(5)。ところが切り替えようとしたら、途中で空気が溜まった部分ができて冷却用の水が鳴れなくなりました(4)(5)。空気が溜まって水の流れを止めたのは「フローグラス」呼ばれる部分です。
空気が溜まったフローグラス
 ※(5)を引用
 図―2 福島第一の核燃料冷却装置の「フローグラス」

 どうする事も出来ず8月28日に元(変更前の状態)に戻したそうです(4)(5)。この結果、「変更」の工事日程の先が見えなくなりました(5)。

2.汚染水タンク工事で火事
 福島第一原発では日々、汚染水が増え続けているので(6)、増える汚染水に合わせ汚染水タンクを作り続ける必要があります。
 9月1日午前9時35分頃、H2タンクエリアでタンク内側で溶接作業を行っていたところ、建設中のタンク外側に設置されているタンク塗装用の回旋ハシゴの防風用ゴムから発火・発煙しました(7)(8)(9)。消防署からは「火災」と判断されたそうです(7)。

3.地下水バイパスポンプが発煙
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです。汲み上げた汚染地下水はいったんタンク(1時貯留タンク)に運ばれ、水質を分析し排水基準を満足したものは、多少の放射性物質が混じっていてもそのまま海に流されます(10)。汚染地下水を汲み上げたり、汲み上げた汚染地下水をタンクに送る為にはポンプを使います(11)。
 8月31日に地下水バイパス一時貯留タンクに汲み上げた汚染地下水を送るポンプを稼働しました。送り先はGr1タンクとのことです。そしたら、「地下水バイパス一時貯留タンクGr1工程異常」および「地下水バイパス循環ポンプ過負荷/地絡」警報が発生が出て、ポンプが自動停止しました(9)。調べたらポンプに電源を供給するケーブル(ボックス内に収納)に焦げた跡が見つかったので、1消防署に通報したそうです(9)。

4.汚染水増加量は1日当たり846トン、凍土壁凍結開始後の最高値
 福島第一では日々、汚染水が増え続けています。汚染水の増加に合わせ、汚染水タンクを増設して行く必要があります。汚染水タンクの増設では2項に記載しあように「火事」も起こしています。
 東京電力は7月末に、福島第一原発の汚染水増加量が8月15日から1日当たり500トンから250トンに減少するとの見積もりを発表しています(12)。
8月15日からは汚染水増加は1日250トンになるとしていた東京電力
 ※(12)を引用
 図―3 8月15日から1日当たり500トンから250トンに減少すると発表する東京電力
 よりどころとしているのが、凍土壁です。凍土壁は福島第一のタービンや原子炉建屋の回りを氷の壁で囲い地下水の流れを阻止し、汚染水の増加を抑止しようとするものです(13)。その第一段階として3月31日より海側の凍土壁の凍結を開始しています(14)。現在、海洋への汚染水流出を抑える為にタービン建屋の海側に海側遮水壁等の「壁」を作り海への汚染水の流れを阻止する試みがなされています。
凍土壁・海側遮水壁・サブドレンピット・地下水ドレンピット
 ※(6)を転載
 図―4 サブドレン、凍土壁、地下水ドレン、海側遮水壁

流れを阻止された汚染水は行き場が無くなるので、これを汲みあげタービン建屋に送っています(6)。東京電力の目論見はタービン建屋と海の間の凍土壁を凍結することにより、海への汚染水の流れを阻止し、汲み上げる汚染水量を減少させ、以て汚染水の増加を抑制しようとするものです(14)。以下にタービン建屋と海の間から汲み上げた汚染地下水の内、タービン建屋に送った量の推移を示します。
日量500トンを超えた地下水ドレン等からタービン建屋への移送量
 ※(16)を集計
 図―5 タービン建屋と海の間から汲み上げた汚染地下水の内、タービン建屋に送った量

 図に示すように減るどころか増えています。海側から汲み上げてタービン建屋に送った汚染水量は
 8月23日あ546トン
となりました(17)。凍土壁凍結開始後の最高記録です。凍土壁は効果を示していません。
 これでは汚染水の増加は阻止できません。以下に実績を示します。
凍土壁凍結開始後で最高を記録した汚染水増加量
 ※(17)を集計
 図―6 週毎の汚染水増加量

 図に示す通り8月後半に急増しました。先週の発表(18)と今週の発表(19)を集計すると8月19日から25日の平均の
 1日当たりの汚染水増加量は846トン
で、凍土壁凍結開始以降の最高記録です。凍土壁の効果は今週も認められません。

5.凍土壁の大穴がが拡大
 以下に凍土壁と海側遮水壁の水平位置を示します。
凍土壁と海側遮水壁
 ※(20)とGoogle Mapで作成
 図―7 海側遮水壁と凍土壁

 凍土壁の両端は曲がっており流れが集中します。流れる水は凍りません(21)。曲がった部分に流れが集中し、未凍結の部分ができそこから汚染水が海に流れ続けるはずです。以下に海1-①付近の地下の温度分布を示します。
凍土壁にあいている大穴
 ※1(20)にて作成
 ※2 出典がOPで記載しているが、(=^・^=)が海抜に換算
 図―8 海1-①地下の温度分布(9月1日発表)

 図に示すように海抜0m付近に0℃を超える「大穴」が開いています。以下に先週の状況を示します。
凍土壁にあいた大穴
 ※1(22)にて作成
 ※2 出典がOPで記載しているが、(=^・^=)が海抜に換算
 図―9 海1-①地下の温度分布(8月25日発表)

 図―8と9を比較すると7.5℃以上の赤い部分が拡大しています。流のきつい部分に地下水が集中し、大穴を広げているようです。
 以下に海1-①付近の配置を示します。

凍土遮水壁・海1-①付近
 ※(20)にて作成
 図―10 海1-①付近の配置

 凍土壁を挟み海側に観測井戸Co15が、タービン建屋側にRW30がはります。以下に水位をしめします。
下がらない凍土壁海側の地下水位
 ※1(20)にて作成
 ※2 SD2は地下水を汲み上げる為のサブドレンピット
 図―11 海1-①付近の地下水位

 内側(タービン建屋側)の観測孔RW30外側の水位が上昇していますが、凍土壁の外側(海側)にある観測孔Co15の水位はあまり変化していません。これでは海岸との地下水位産は縮小せず、流量の減少は期待できません(6)。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 凍土壁を3月に凍結を開始してからまもなく半年です。効果が見えません。でも東京電力は会見では(9)、効果が間もなく出ると主張しています。東京電力が福島原発事故前に、原発は安全であり事故らないと言っていた(23)のを思いだします。東京電力は福島産を避ける行為を「風評被害」としています(24)。同じように信じることはできないと思います。福島の皆様の反応が気になります。
 福島県が力をいれている畜産物に鶏肉(地鶏)があります(25)。福島県は福島産鶏肉は「安全」だと主張しています(26)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産鶏肉はありません。
他県産はあっても福島産鶏肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(27)を引用
 図―12 福島産鶏肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(8月4週)―ダストモニタ警報2回―
(2)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2016年8月25日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第33回事務局会議)」⇒「【資料2】中長期ロードマップの進捗状況(概要版)(9.44MB)」(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images1/images2/d160825_05-j.pdf
(3)福島第一・第二原子力発電所の燃料貯蔵量 - 福島県ホームページ
(4)2016年08月30日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(5)2016年8月29日1~3号機使用済燃料プール循環冷却設備二次系共用設備1号機試験・検査スケジュールの見直しについて(PDF 143KB)PDF
(6)めげ猫「タマ」の日記 凍土壁が失敗した訳
(7)2016年09月01日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後4時現在】
(8)2016年9月1日福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)(PDF 21.1KB)
(9)2016/09/01(木) 原子力定例記者会見
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて(11)福島県漁連組合長会議説明資料(2014年4月25日掲載)(PDF 1.94MB)PDF
(12)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2016年7月28日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第32回事務局会議)」⇒「【資料3-1】汚染水対策(31.5MB)PDF」(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images1/images2/d160728_06-j.pdf
(13)陸側遮水壁|東京電力
(14)2016年3月31日 福島第一原子力発電所 陸側遮水壁の凍結運転開始についてPDF
(15)報道配布資料|東京電力
(16)(15)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(17)2016年8月29日建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移(PDF 74.6KB)
(18)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(18)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第267報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(19)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第268報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(20)2016年9月1日陸側遮水壁の状況(第一段階フェーズ2)(PDF 4.83MB)
(21)0℃でも凍らない水
(22)2016年8月25日陸側遮水壁の状況(第一段階 フェーズ2)(PDF 8.29MB)
(23)原子力安全・品質保証会議|東京電力
(24)2015年1月16日(いわき市漁協組合員説明会資料)風評被害対策について(PDF 325KB)
(25)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(26)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(27)イオン福島店
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  1. 2016/09/03(土) 19:44:51|
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