めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(9月1週)―排水路から18日連続で法令違反の汚染排水が流れる―

福島第一原発汚染水の9月1週(8月29日から9月4日)の状況を纏めてました。
 ①排水路から17日連続で法令違反の汚染排水が流れる
 ②港湾内各所で、WHO飲料水ガイドラインを超えて汚染されている海水
 ③外洋からセシウム等の放射性物質
 ④地下貯水槽周辺の観測井戸の殆どで見つかる全ベータ
 ⑤地下水バイパス山側井戸から過去最高の全ベータ
 ⑥サブドレン・トリチウムの8月排出量は約69億ベクレル
等が確認されました。福島は台風が襲いました(1)。雨が降り、汚染水漏れは先週に続き(2)、汚染水漏れが続いています。

1.排水路から18日連続で法令違反の汚染排水が流れる
 台風9号に続き(3)、8月30日は福島を台風10号が襲いました(1)。福島第一でも「雨」降りました。
雨が降った福島第一原発
 ※(5)を集計
 図―1 福島第一の降水量

 この大雨で、福島第一原発内の放射性物質が大量に流されました。
 福島第一原発構内には幾つもの排水路が走っています(5)。以下に今週観測された各排水路の放射性物質濃度を示します。

法令に違反して汚染された排水が流れる福島第一排水路
 ※1(7)を集計
 ※2 値は1リットル当たりで集計期間の最高値
 ※3 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(6)
 ※4 赤丸()はサンプリング地点
 図-2 福島第一原発排水路の放射性物質濃度

 放射性物質の法定限度は1リットル当たりで、セシウム137が90ベクレル、ストロンチウム90が30ベクレルです(7)。全ベータのおよそ半分がストロンチウム90なので(6)、全ベータでは60ベクレルになります。 以下にK排水路の汚染水濃度の推移を示します。
法令に違反して汚染された排水が18日間連続で流れたK排水路
 ※1(7)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-3 福島第一K排水路の放射性物質濃度

 図に示す通り、法令限度を超えた状態が継続しています。1リットル当たりで8月17日の全ベータ540ベクレルに始まり、今日(9月3日)まで18日間連続で、、K排水路からは法令違反の汚染排水が流れています。

2.港湾内各所で、WHO飲料水ガイドラインを超えて汚染されている海水
 排水路から汚染水が流れればその先の海洋汚染が心配です。以下に今週の港湾内の汚染状況を纏めます。
WHOガイドラインを超えて汚染されてる港湾内の海水
  ※1 (8)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は7月25日
  ※5 サブドレン排水口の位置は(9)による。
 図―4 福島第一港湾内の放射性物質濃度

WHO飲料水ガイドラインでは1リットル辺りでセシウム134、137およびストロンチウム90とも10ベクレルです(7)。するとセシウム合計で20ベクレル、全ベータも20ベクレルになります。図に示す通り港湾内ではWHO飲料水ガイドラインを超える汚染海水が見つかっています。以下に1~4号機取水口内北側、1号機取水口および1~4号機取水口内南側の全ベータ濃度の推移を示します。
WHO飲料水ガイドラインを超た汚染が継続している港湾内3地点
 ※1(7)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-5 港湾内3地点の全ベータ濃度

 図に示すとおりこのところWHO飲料水ガイドラインを超えた汚染が継続しています。

3.外洋からセシウム等の放射性物質
 福島第一の港湾と海洋は繋がっています。港湾内に法令に違反する排水が流れ込み、港湾内の海水が汚染されれば、その海水は外洋に出ていきます。港湾内でブロックされる事などありません(10)。以下に「外洋」の汚染状況を示します。事故から5年半経てセシウムが見つかる福島第一沖外洋
 ※1 (7)(11)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
 図―6 福島第一原発外洋の放射性物質濃度
 
 図に示す通り、外洋からセシウム等の放射性物質が見つかっています。以下に南放水口付近のセシウム濃度を示します。
8月になり突然にセシウムが見つかるようになった南放水口付近
※1(7)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-7 南放水口付近のセシウム濃度

 図に示す通り今年(2016年)前半はセシウムが見つかる事はなかったのですが、突然に見つかるようになりました。事故から5年半が経過しましたが、外洋の汚染は継続しています。

4.地下貯水槽周辺の観測井戸の殆どで見つかる全ベータ
 地下貯水槽は一時期、汚染水の保管に利用されていましたが、汚染水漏れををお越し使われなくなりました(12)。ただし、一時は高濃度の汚染水が貯められていたので、周囲に観測井戸を掘り地下水の汚染の有無を観測してます(13)。以下に今週の以下に地下貯水槽周囲の全ベータ濃度を示します。
地下貯水槽周囲の殆んどの観測孔で見つかる全ベータ
 ※1(13)を集計
 ※2 位置は(22)による。
 ※3 NDは検出限界未満を示す
 図-8 下貯水槽周囲の全ベータ濃度

 図に示す通り、先週に続き(2)今週も殆どの観測孔(19本中18本)で全ベータが見つかっています。この中で最も気になるのがA16です。以下に推移を示します。
乱高下しながらも上昇傾向を示すNoA16観測孔の全ベータ
 ※1(13)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 図-9 A16井戸の全ベータ濃度 

 図に示すように乱高下していますが、全体として下がる気配がありません。この先が心配です。

5.地下水バイパス山側井戸から過去最高の全ベータ
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(14)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(15)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(16)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた地下水が見つかる地下水バイパスと山側井戸
 ※1 (15)(16)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―10 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(7)、排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で気になったのはE-1,E-9井戸の全ベータ濃度です。以下に推移を示します。
過去最高を記録したE-1井戸の全ベータ
 ※(15)を集計
 図―11 E-1,E-9井戸のトリチウム濃度

 このうちE-9井戸の全ベータの1リットル当たり31,100ベクレルは過去最高(新記録)です。この先が心配です。

6.サブドレン・トリチウムの8月排出量は約69億ベクレル
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(17)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始まったので(18)1年です。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(19)(20)、濃度×排出量で月間のトリチウム排出量を求めてみました。
8月は69億ベクレルのサブドレントリチウム排出量
 ※(19)(20)を集計
 図―12 サブドレン月間トリチウム排出量

 図に示す通り7月、8月と減少していますが、この先は分かりません。以下にサブドレン放流水のトリチウム濃度を示します。
8月下旬から上昇したサブドレン排水のトリチウム濃度
 図-13 サブドレン放流水のトリチウム濃度

 図に示す通り8月下旬から上昇しています。今後は排出量が増えそうです。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください(一部を除く)。
 事故から5年半が過ぎましたが、福島第一の汚染水漏れは止まりそうにあり、ません。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する夏野菜にピーマンがあります(21)。9月になりましたが、まだまだシーズンは続きます(22)。福島のピーマン産地の一つに安達地区があります。安達地区のピーマンは太陽の光をいっぱい受けて育ち、ビタミンが豊富そうです(23)。福島県は福島産ピーマンは「安全」だと主張いています。でも福島・安達地区のスーパーのチラシには福島産ピーマンはありません。
他県産はあっても福島産ピーマンが無い福島県安達のスーパーのチラシ
 ※(24)を引用
 図―14 福島産ピーマンが無い福島県安達地区のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島・安達地区の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島第一、地下水が急上昇 大雨続き凍土壁2カ所溶ける:朝日新聞デジタル
(2)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(8月4週)―排水路から2,300ベクレルの全ベータ―
(3)福島第1原発、汚染地下水あふれる恐れ 台風9号の降雨影響:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(4)報道配布資料|東京電力
(5)(4)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(6)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(7)サンプリングによる監視|東京電力
(8)(4)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果
(9)2015年9月2日 海洋汚染をより確実に防止するための取り組み(PDF 3.53MB)
(10)安倍首相「汚染水は完全にブロック」 IOC総会で  :日本経済新聞
(11)(7)中の「1.海水(港湾外近傍)」を9月4日に閲覧(5)
(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2016/images3/seawater_map-j.pdf)
(12)[PDF]地下貯水槽からの汚染水漏えい 及び 対応状況 ... - 東京電力
(13)(7)中の「地下貯水槽に関する分析結果」
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(15)(7)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(16)(4)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(17)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(18)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(19)(4)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(20)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(21)夏 | ふくしまの野菜 | JA全農福島
(22)福島県JAたむら&田村市トップセールス/東京青果株式会社
(23)特産品情報 | 地区別くらし情報 安達地区 | JAふくしま未来
(24)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(25)PLANT-5 大玉店 | SUPER CENTER PLANT
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  1. 2016/09/04(日) 19:45:43|
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