めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

汚染水が逆流した福島第一原発

東京電力の発表を見たら最終段のALPS処理水量を見たら
  2016年9月 8日時点 685,194トン(1)
  2016年9月15日時点 683,921トン(2)
で △1,273トン減です。福島第一では汚染水が「逆流」しました。
 福島第一原発では地下水がタービンや原子炉建屋に流入したり(3)、汚染水の海への流出を阻止する為に設けられた海側遮水壁などの内側に溜まった汚染水をタービン送るなどして(4)(6)、汚染水が増え続けています。
日々増え続ける福島第一原発汚染水
※(7)を集計
 図―1 日々増え続ける福島第一汚染水

 最新のデータ(2)を集計すると約98万トンに達し、まもなく100万トンを突破しそうです。
 タービン建屋等に流れ込んだり、送り込んだりした汚染水を放置すると溢れてしまうので、タービン建屋から汲み上げ
 タービン建屋⇒SARRY⇒淡水化装置⇒淡水化装置廃液(SR処理水)⇒ALPS⇒処理水
の順で処理されます(3)(7)。なお、淡水化装置廃液は、汚染水の性質を明確化するための(=^・^=)の造語で、東京電力はSR処理水と呼んでいます(7)。
 最終段の処理水について満水率を
 満水率=汚染水量÷タンク容量
と定義し、以下に推移しめします。
満水状態が続く処理水タンク
 ※(7)を集計
 図ー2 福島第一処理水タンクの満水率

 図に示しように98%を超える値が継続しています。地震などで、容器内の液体が外部からの比較的長周期な振動によって揺動することにより、構造が破壊されたり、液体が容器から溢れ出る被害などが問題があります(いわゆるスロッシング)(8)。地震などを考慮すればタンクを満タンで使うわけには行きません。東京電力はこの辺りが限界と判断しているようです。ところが限界を超えて汚染水を入れてしまったようです。 東京電力の発表を見たら最終段のALPS処理水量を見たら
  2016年9月 8日時点 685,194トン(1)
  2016年9月15日時点 683,921トン(2)
で △1,273トン減です。前段の淡水化装置廃液(SR処理水)を入れるSR処理水タンクの保管量は増えているので(1)(2)、満タンの処理水タンクから前段のSR処理水タンクに汚染水を逆流させたようです。ALPSは最終段のタンクが満タンの為に、事実上は機能停止しました。ところが東京電力の日報をみるとこの1週間(9月9日から15日)の間、ずっと
「・多核種除去設備(ALPS)運転中」
と記載されています。ALPSが運転されれば増える筈の処理水が減っているのに、ALPSは運転中です。
 この先、汚染水の増加が止まる見込みがあるかと言えば、ありません。東京電力は凍土壁によって汚染水の増加が抑えられることを期待しています(6)(10)。凍土壁は冷凍機・クーリングタワーで冷却した冷媒(ブライン)をブライン移送管で圧送し,地中に配置した凍結管の中を循環させることで周辺の地盤を凍結さ、水の流れを遮断し、汚染水の流れを阻止するものです(11)。東京電力の正式名称は「陸側遮水壁」ですし(11)、報道などでは「凍土遮水壁」との用語が用いられる事もあります(10)。
凍土壁・海側遮水壁・サブドレンピット・地下水ドレンピット
 ※(11)(12)(13)にて作成
 図―3 サブドレン、凍土壁、地下水ドレン、海側遮水壁

 タービン建屋と海の間に氷の「壁」を作り、地下水の流をさえぎり海側遮水壁への汚染水の流を止め、海側遮水壁の内側から汲み上げる(以下地下水ドレンとよぶ(13))汚染水量を減少させ、汚染水の増加を抑えるものです。これについて東京電力は8月末に福島第1原発の汚染水対策の切り札の
「『凍土遮水壁』について、遮水効果を9月後半にまとめる。」
としています(6)(10)。9月後半になったので、地下水ドレン等から汲み上げタービン建屋に送った汚染水量を纏めてみました。
8月後半から1日400トンペースに増加した地下水ドレン等からの汚染水の移送量
 ※1(5)を集計
 ※2 降水量は(15)
 図―4 タービン建屋と海の間から汲み上げた汚染地下水の内、タービン建屋に送った量

 図に示す通り8月後半から1日400トン程度の汚染水が汲み上げられタービン建屋に送り込まれています。減る気配もありません。以下に汚染水増加量を示します。 
8月後半から1日800トン弱に増加した福島第一原発の汚染水増加量
※1 汚染水増加量は(7)を集計
 ※2 降水量は(15)を集計
 図-5 日々の汚染水の増加量

 図に示す通り8月中旬くらいから1日当たり800トン程度のペースで増えています。汚染水の増加も収まらず凍土壁の効果は見えません。
  以下に凍土壁と海側遮水壁の水平位置を示します。
凍土壁と海側遮水壁
 ※(16)とGoogle Mapで作成
 図―6 海側遮水壁と凍土壁

 凍土壁の両端は曲がっており流れが集中します。流れる水は凍りません(21)。曲がった部分に流れが集中し、未凍結の部分ができそこから汚染水が海に流れ続けるはずです。以下に海1-①付近の地下の温度分布を示します。
大穴が空いたままの凍土壁
 ※1(20)にて作成
 ※2 出典がOPで記載しているが、(=^・^=)が海抜に換算
 図―8 海1-①地下の温度分布(9月1日発表)

 図に示すように海抜0m付近に0℃を超える「大穴」が開いています。以下に先週の状況を示します。
凍土壁にあいた大穴
 ※1(22)にて作成
 ※2 出典がOPで記載しているが、(=^・^=)が海抜に換算
 図―9 海1-①地下の温度分布(8月25日発表)

 図―8と9を比較すると7.5℃以上の赤い部分が拡大しています。流のきつい部分に地下水が集中し、大穴を広げているようです。
 以下に海1-①付近の配置を示します。

凍土遮水壁・海1-①付近
 ※(16)にて作成
 図―10 海1-①付近の配置

 凍土壁を挟み海側に観測井戸Co15が、タービン建屋側にRW30がはります。以下に水位をしめします。
海側の地下水位が下がらない凍土壁
 ※1(16)にて作成
 ※2 SD2は地下水を汲み上げる為のサブドレンピット
 図―10 海1-①付近の地下水位

 内側(タービン建屋側)の観測孔RW30外側の水位が上昇していますが、凍土壁の外側(海側)にある観測孔Co15の水位は下がっていません。流れる水は凍りまません(18)。凍土壁で大部分(例えば99%)を凍らせたとしても、内側の水位は上昇しますが、流量は落差が大きくなるほど増すので(19)、僅かに空いた穴に流れが集中するだけで、トータルの流量は変りません。凍土壁では汚染水の流を減らすことはできず、汚染水の増加を抑える効果もありません。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 本文に記載の通りALPSは実質的に停止状態なのに東京電力は運転中と発表しています。東京電力は嘘つきです。これでは福島の皆様は心配だと思います。
 お彼岸なので、ご先祖様に果物をお供えする方も多いと思います。福島は果樹王国です(20)。福島県は福島産果物は「安全」だと主張しています(21)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには、福島産のお供えようの果物はありません。
他県産はあっても福島産お供え用果物が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―11 福島産お供え用果物が無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も*の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第269報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(2)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第270報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(3)原子炉の安定化|東京電力
(4)報道配布資料|東京電力
(5)(4)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(6)めげ猫「タマ」の日記 凍土壁が失敗した訳
(7)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(8)スロッシング - Wikipedia
(9)福島原子力事故に関する更新|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社
(10)遮水効果明示が鍵、凍土壁進行に正念場 東電、9月後半に評価:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(11)陸側遮水壁|東京電力
(12)海側遮水壁|東京電力
(13)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(14)2016年3月31日福島第一原子力発電所 陸側遮水壁の凍結運転開始について(PDF 544KB)
(15)(4)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(16)2016年9月15日陸側遮水壁の状況(第一段階フェーズ2)(PDF 5.54MB)
(17)2016年8月25日陸側遮水壁の状況(第一段階 フェーズ2)(PDF 8.29MB)
(18)0℃でも凍らない水
(19)水力発電所の出力と有効落差の関係
(20)果樹王国 - Wikipedia
(21)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(22)イオン福島店
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  1. 2016/09/17(土) 19:49:28|
  2. -
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  4. | コメント:2
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  1. 2016/09/18(日) 19:04:20 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]


小姑様
ありがとうございます。今後も宜しく願います。
  1. 2016/09/19(月) 18:57:59 |
  2. URL |
  3. mekenekotama #-
  4. [ 編集 ]

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