めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(9月3週)―C排水路の全ベータが急上昇、法令違反に―

 福島第一原発汚染水の9月3週(9月12日から18日)の状況を纏めてました。
 ①C排水路の全ベータが急上昇、法令違反に
 ②港湾内海水から今週も法令違反の汚染海水
 ③外洋からはトリチウム等の放射性物質
 ④地下水バイパス井戸のトリチウムは上昇中
 ⑤海岸付近の井戸のトリチウムが上昇中
 ⑤サブドレン排水1年、累積のトリチウム排出量は約940億ベクレル

1.C排水路の全ベータが急上昇、法令違反に
 福島第一原発構内には幾つもの排水路が走っています(3)。以下に今週観測された各排水路と付近のE-1井戸の放射性物質濃度を示します。
法定限度を超えて汚染された排水が流れる福島第一原発排水路
 ※1(4)(5)(6)を集計
 ※2 値は1リットル当たりで集計期間の最高値
 ※3 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
 ※4 赤丸()はサンプリング地点
 図-1 福島第一原発排水路の放射性物質濃度

 放射性物質の法定限度は1リットル当たりで、セシウム137が90ベクレル、ストロンチウム90が30ベクレルです(3)。全ベータのおよそ半分がストロンチウム90なので(7)、全ベータでは60ベクレルになります。 以下にC排水路の汚染水濃度の推移を示します。
急上昇し法定限度を超えたC排水路の全ベータ
 ※1(4)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-2 福島第一C排水路の放射性物質濃度

 図に示す通り、しばらくは法定限度を下回る状態で安定していたのですが、突然に上昇し法定限度を超えました。以下に過去一年間の1日当たりの平均の排水路別の流量を示します。
他の排水路に比べ、一桁大きいC排水路の流量
 ※1(4)を2015年9月から1年間で集計
 ※2 元データは毎秒であるが、(=^・^=)が1日当たりに換算
 図―3 平均の排水路別の流量(2015年9月から1年)

 図に示す通り、他の3本の排水路(A、物揚場、K)の流量は1日当たり1000トンオーダーでですが、C排水路は1万トンオーダーです。同じ濃度で汚染水が排水路にそそがれても、他の排水路に比べ、一桁大きな影響があります。
 C排水路は図―1に示す様に途中でB排水路と合流いています。B排水路の少し山側(西側)には地下水の放射能汚染を観測するために掘られたE-1井戸があります(6)。以下にE-1井戸の放射性物質濃度を示します。
突然に上昇したE-1井戸の全ベータ濃度
 ※1(4)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-4 E-1井戸の放射性物質濃度

 こちらもC排水路と同様に全ベータ濃度が急上昇しています。
 今週はK排水路も法定限度を超えた汚染排水を海に流しまた。以下に水位を示します。
法令限度を超えた汚染水が流れ続けるK排水路
 ※1(4)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-5 福島第一K排水路の放射性物質濃度

 図に示す通り、こちらは時々、法定限度を超えた汚染排水が流れ続けています。またセシウムの全ベータ濃度がほぼ同じです。一方でC排水路は図―3に示す様に全ベータのみが急上昇しています。図―1に示す様にC排水路に繋がるB排水路の山側(西側)には汚染水タンクがあります。汚染水タンクには色々な種類の汚染水がありますが、その一つに「濃縮塩水」があり、今も3,300トン残っています(8)。以下に「濃縮塩水」の放射性物質濃度を示します。
セシウムに比べ1万倍濃い濃縮塩水の全ベータ
 ※(9)を集計
 図―6 濃縮塩水の放射性物質濃度

 図に示す通り1リットル当たりでセシウムは1万ベクレル程度ですが、全ベータは1億ベクレル程度です。セシウムが低いとは言いませんが、全ベータはセシウムに比べ約1万倍濃くなっています。濃縮塩水の放射性物質の主成分は全ベータです。(=^・^=)は、汚染水タンクの濃縮塩水が外に出て
 汚染水タンク⇒E-1井戸⇒B排水路⇒C排水路⇒福島の海
なんて想像をしてしまいます。

2.港湾内海水から今週も法令違反の汚染海水
 排水路から汚染水が流れればその先の海洋汚染が心配です。以下に今週の港湾内の汚染状況を纏めます。
法定限度を超えて汚染された海水が見つかる港湾内
  ※1 (10)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は8月8日
 図―7 福島第一港湾内の放射性物質濃度

図に示す通り港湾内3地点で法定限度を超える汚染海水が見つかっています。以下に1~4号機取水口内北側、1号機取水口および1~4号機取水口内南側の全ベータ濃度の推移を示します。
法定限度を超えて汚染された海水が度々に見つかる福島第一港湾内
 ※1(10)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-8 港湾内3地点の全ベータ濃度

 図に示す通り、法定限度を超える法律違反の汚染海水が8月後半から見つかり続けています。

3.外洋からはトリチウム等の放射性物質
 福島第一の港湾と海洋は繋がっています。港湾内に法令に違反する排水が流れ込み、港湾内の海水が汚染されれば、その海水は外洋に出ていきます。以下に「外洋」の汚染状況を示します。
事故から5年半以上過ぎて、放射性物質が見つかる福島第一原発沖外洋
  ※1 (5)(10)(11)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
 図―9 福島第一原発外洋の放射性物質濃度

 事故から5年半以上が経ちましたが、外洋からはトリチウム等の放射性物資が見つかっています。以下に5,6号機排水口北側の放射性物質濃度の推移を示します。
トリチウムが再び見つかるようになった5,6号機放水口北側
 ※1(10)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-10 5,6号機排水口北側の放射性物質濃度

 図に示す通り、一時は見つからなくなったトリチウムが再び検出されるようになりました。

4.地下水バイパス井戸のトリチウムは上昇中
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(12)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(6)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(13)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた汚染地下水が見つかる地下水バイパスおよび山側井戸
 ※1 (6)(13)にて作成。
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―11 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(3)、排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。E-1井戸については1項で記載の通りですが、これを除き気になったのは地下水バイパスNo8のトリチウム濃度です。以下に推移を示します。
上昇傾向が続く地下水バイパスNo8井戸のトリチウム濃度
 ※(13)を集計
 図―12 地下水バイパスNo8井戸のトリチウム濃度

 図に示す通り、上昇傾向を示しています。この先が心配です。

5.海岸付近の井戸のトリチウムが上昇中
 以下に海岸付近の井戸の地下水の放射性物質濃度を示します。
法定限度や排水基準を大きく超えた汚染地下水が見つかる福島第一の海岸
 ※1 (10)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―13 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 図に示す様に事故から5年半が経過しましたが、法定限度や排水基準を大きく超えて汚染された地下水が見つかっています。今週、この中で気になったのがNo1-17井戸のトリチウムです。以下に推移を示します。
8月に入り急上昇するNo1-17井戸のトリチウム濃度
 ※1(10)を集計
 図―14 No1-17井戸のトリチウム濃度

 図に示す通り8月以降に急に上昇しています。この先が心配です。

6.サブドレン排水1年、累積のトリチウム排出量は約940億ベクレル
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(14)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始り(15)、13日より排水を開始しました(16)。1年です。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(16)(17)、濃度×排出量でこの1年間のトリチウム排出量を求めてみました。
1年間で約940億ベクレルとなったサブドレンの累積トリチウム排出量
 ※(16)(17)を集計
 図―15 サブドレンの累積トリチウム排出量

 累積で915億ベクレルと1000億ベクレル寸前です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 汚染水漏れが続く福島第一原発では福島の海は不人気なようです。福島では今年は2カ所の海水浴場を開設しましたが、来場者は6万7390人で、原発事故前の二割程とのことです(18)
今年の福島いわきの海水浴客は事故前の2割と報じるFCT
 ※(18)をキャプチャー
 図―16 海水浴場の来場者は事故前の2割程度と報じる福島のローカルTV局(FCT)

 不人気なのは福島の海だけではなさそうです。福島のモモもそろそろ終わりです(19)。これから福島のモモを楽しむには「加工品」が頼りです。福島県は福島産モモは「安全」だと主張しています(20)。だったら加工品も「安全」です。でも、福島県いわきのスーパーのチラシには福島産モモの加工品はありません。
他県産はあっても福島産モモ缶が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(21)を引用
 図―17 福島産モモの加工品が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)もいわき市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(9月2週)―排水路の法令違反の汚染排水は止まらず―
(2)報道配布資料|東京電力
(3)サンプリングによる監視|東京電力
(4)(2)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(5)(3)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング」⇒「南放水口・排水路」
(6)(3)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第270報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(9)(2)中の「水処理設備の放射能濃度測定結果 」
(10)(2)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(11)(3)中の「1.海水(港湾外近傍)」
(12)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(13)(2)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(14)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(15)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(16)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(17)(2)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(18)ニュース|福島中央テレビ
(19)フルーツを食す - 福島市ホームページ
(20)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(21)平尼子店 | マルト - 店舗情報
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  1. 2016/09/19(月) 19:40:53|
  2. -
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