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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島値下がり、山梨値上がり7,8月のモモ価格、当然の結果です。

 東京中央卸売市場の7,8月のモモ価格(1)を見たら1キログラム当たりで
  福島産は
   2015年7,8月 429円
   2016年7,8月 394円
で、△35円の値下がり
  山梨産は
   2015年7,8月 429円
   2016年7,8月 394円
で、17円の値上がりでした。これは福島産に対する消費者の理解が進んだ結果であり、当然の事です。
 福島は果樹王国の言われますが(2)、福島県全域で果物が採れる訳ではありません。福島盆地と呼ばれる内陸の北部地域に集中しています。福島盆地は避難地域を除けば、福島県内でも汚染が酷い場所であり、原発事故後に葬式も増えています(3)。
死者数が増えた福島盆地
 ※1(3)を転載
 ※2震災被害者には間接死を含まず。
 ※3集計期間は各年3月から翌年2月までの1年間
 図―1 福島盆地の死者数推移

 汚染されていて、葬式が増えている産地の農産物は買うのをためらうのは当然ですが、検査もいい加減です。
 福島は間もなくリンゴの季節です(4)。それに合わせてでしょうか、福島県は福島産リンゴぼ安全宣言を出しました(5)。以下に福島県のリンゴの生産量を示します。
福島市は約半分を占める福島県のリンゴの生産量
 ※(5)を転載
 図―2 福島県のリンゴ生産量

 図に示す通り福島県福島市がほぼ半分を占めます。以下に福島県の今年のリンゴの検査状況(9月22日時点)を示します。
検査されていない福島市産リンゴ
 ※1(6)の数値データを元に(7)に示す手法で9月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(8)による
 ※3 福島盆地の範囲は(9)による。
 ※4 検査状況は(10)(11)による。
 図-3 福島県のリンゴの検査状況

 図に示す通り最大産地の福島市の検査がありません。福島市等からなる福島盆地(9)には、国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(12)、場所が広がっています。それでも最大産地の福島市を検査せずに福島県はリンゴの「安全宣言」を出しました(6)。
 以下にクロダイの検査結果を示します。
福島は全数ND、宮城、茨城ではそこそこセシウム入りのクロダイ検査結果
 ※1(5)を転載(元データ(10))
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 ※3 日付けは捕獲日
 図―4 クロダイのセシウム濃度

 図に示す通り宮城や茨城ではそこそこセシウムが見つかっていますが、福島産は全数が検出限界未満(ND)です。どちらも汚染源がある福島が低く出ています。お魚には県境は関係ないので、おかしな話です。福島産果物は他よりも低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。福島産果物の特徴を纏めるなら
 ①福島県内でも避難地域に次いで汚染が酷い福島盆地で主に生産されている。
 ②果物作りが盛んな福島盆地では事故以降に葬式が増えている。
 ③汚染の酷い主産地の検査は避けられている。
 ④他より低く出る検査で「安全」とされている。
です。
 福島盆地は2市2町(福島市、伊達市、桑折町、国見町)から成っています。この2市2町とも市や町の花は「モモ」です(9)。それだけモモ作りが盛んな地域です。福島のモモは6年連続でセシウム入りです。
6 年連続でセシウム入りの福島産モモ
 ※1(10)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 ※3 日付けは収穫日
 図―5 モモのセシウム濃度

 消費者の理解が得られるか興味があります。福島を代表する果物はモモですが(4)、モモの生産量は山梨県が第一位で、福島県は第二位です(13)。以下に福島のモモの東京中央卸売市場での取引量を示します。
7,8月がメインの福島のモモの出荷
 ※(1)を集計
 図―6 モモの取引量(東京中央卸売市場)

 図に示す通り7.8月が福島のモモのシーズンです。そこで7.8月のモモの取引価格を調べて見ました。
原発事故後に拡大した福島産と山梨産のモモの価格差
 ※(1)を集計
 図ー7 東京中央卸売市場のモモの取引価格

 福島産モモは事故前から山梨産より安く取引され市場の評価はそれ程には高くありませんでした。事故後は価格差が拡大し、ますます評価が低くなりました。そして回復の兆しはありません。さらに、図に示す通り昨年(2015年)に比べ山梨産は値上がりしていますが、福島産は逆に値下がりしています。1キログラム当たりで
 福島産は
   2015年7,8月 429円
   2016年7,8月 394円
で、△35円の値下がり
  山梨産は
   2015年7,8月 429円
   2016年7,8月 394円
で、17円の値上がりでした。
 これは消費者の福島産に対する正しい理解が進んだ結果であり、当然の事です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 原発事故を起こした方達は、福島産を避ける行為を「風評被害」と呼び、自らの責任を消費者に転嫁しています(14)。そして福島産の買い控えに対する賠償をあと2年半で止めるようです(15)。
平成30年(2018年)は風評被害賠償の打ち切りを報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(16)を引用
 図―8 風評被害賠償は2018年で原則打ち切り?と報じる福島県の地方紙・福島民報

 自らの責任を消費者に転嫁する行為です。これでは福島の皆様は不安だと思います。福島を代表する夏野菜のトマトがあります。9月も末になりましたが、まだ楽しめます(17)。福島のトマトの産地に会津地方があります。会津のトマトの味は格別だそうです(18)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています(19)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(20)を引用
 図―9 福島産トマトが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)東京都中央卸売市場-統計情報検索
(2)果樹王国 - Wikipedia
(3)めげ猫「タマ」の日記 果物作りが盛んな、汚染された福島盆地
(4)福島 果物狩り | 一般社団法人 福島市観光コンベンション協会公式ページ こらんしょふくしま
(5)めげ猫「タマ」の日記 福島県は主産地を検査せずにリンゴの「安全宣言」―他ではセシウム入り―
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(8)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(9)福島盆地 - Wikipedia
(10)報道発表資料 |厚生労働省
(11)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を9月22日に「果物」⇒「リンゴ」で検索
(12)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(13)農林水産省/平成27年産もも、すももの結果樹面積、収穫量及び出荷量
(14)福島風評被害1回―「風評被害」は加害者の論理― - inu*pot*のブログ - Yahoo!ブログ
(15)農林業賠償 2年分一括 県に提示 政府、東電 | 県内ニュース | 福島民報
(16)福島民報を9月22日に閲覧
(17)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(18)トマト | JA会津よつば
(19)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(20)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
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  1. 2016/09/22(木) 19:45:06|
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