fc2ブログ

めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

飯舘村60周年―未来は暗い―

 福島県飯舘村は1956年9月30日に大舘村と飯曽村が合併して発足しました(1)。まもなく60周年です。それを記念して昨日(9月25日)に60周年記念式典が行われました(2)。お祝いしたいのですが、未来は真っ暗です。
 福島県飯舘村は福島県北部の阿武隈高原の山の中にある村で(1)、福島原発事故によって放射能に汚染され、全村が避難地域に指定されました。
事故から5年半以上が過ぎても汚染が広がる福島
 ※1(3)の数値データを元に(4)に示す手法で9月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(5)による
 図-1 福島県飯舘村

 事故から5年半以上が経過しましたが、図に示す通り大部分が国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルトを大きく超える(6)、1マイクロシーベルト以上になっています。それでの「安全」とされ来年3月末の避難指示解除が決まっています(7)。
 まもなく60周年を迎えるのですが、それを記念して昨日(9月25日)に60周年の記念式典が開かれました(2)。その様子をNHKが報じていました。
高齢者中心の飯舘村60周年記念式典出席者
 ※(8)を引用
 図―2 飯舘村60周年式典の様子

 NHKの説明では
 「避難先などからお年寄りや親子連れなど多くの住民が集まりました。」
となっていますが(8)、図に示すように親子連れの姿は殆どなく概ね高齢者です。飯舘村は子育て世代から見放されたようです。
 村も躍起になっています。2018年にこども園と小中学校を再開するそうで、整備に57億円をかけるそうです(9)。
飯舘村・豪華教育施設計画を報じる福島民報
※(10)を9月17日に閲覧
 図―3 こども園、小中学校の整備に57億円をかけると報じる福島民報

 ところが通う園児・児童・生徒の見込みは今の所では65人だそうです。一人当たり1億円近い豪華施設です。
 村長は
 、「一人でも多くの子どもが戻ってくるよう整備したい。ハードとソフトで特長ある教育をしていくことが大事」
述べたそうでうが(11)、効果ないと思います。飯舘村では避難先での住宅の居住形態を公表しています(12)。以下に推移を示します。
持家などの自己手配が増える飯舘村の避難先の居住形態
 ※(12)を集計
 図―4 飯舘村民の居住形態

 図に示すように持家などの自力で手配した住居にすむ方がどんどん増えています。飯舘村は避難指示中(7)なので村外です。多くの飯舘村民は村外の新たな住居を設け、村には戻らない事を決めたようです。
 仕方がない事です。飯舘村は人口6,178人の村ですが(13)、原発事故前には3、590頭(乳用320頭、肉用3,260頭)の牛が飼われていました(14)。牛の飼育が盛んな村でした。飯舘村でが牛の飼育に再開の動きがあります(15)。モモの生産量は1位が山梨、2位が福島ですが(16)、以下に福島産モモの価格を示します。
原発事故後に拡大した福島産と山梨産のモモの価格差
 ※(16)を転載
 図ー5 東京中央卸売市場のモモの取引価格
 
 図に示す通り、福島産のもつリスクを正しく理解した消費者が購入を控えるようになり(14)、首位の山梨産との価格差が広がり固定化しています。まして、福島でも汚染が酷い飯舘村産の農畜産物を買う人はいないと思います。2019年以降の「風評被害」の賠償を打ち切る動きがあります(17)。これでは「安心」して牛の飼育は再開できません。仕事がなければ人は戻りません。
 飯舘村が避難地域に指定さたのは福島原発事故から1ヶ月後の2011年4月11日で避難が完了したのは同年6月22日で(1)、いわば逃げ遅れた村です。原発事故以降には女の子が特定的に生まれる奇妙なことが起こっています。
 原発事故後に女の子が特異的に生まれるようになった福島県飯舘村
※(18)を集計
 図―6 福島県飯舘村の赤ちゃん誕生数

 普通は男の子が多く生まれるので(19)、異常な事態です。不気味に感じる人も多いと思います。これでは帰還をためらう人も多いと思います。
 避難指示解除まで最低でも6年の避難生活が続きます。事故当時は小学に入学した子供さんは卒業です。これだけ長い避難生活が続けば、避難先に馴染んでしまい戻る方は小数です。
 原発が事故れば村は滅びます。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 図―1に示す様に飯舘村は事故から5年半以上が、過ぎましたが汚染されたままです。それでも安倍出戻り総理は「安全」だとして飯舘村の避難指示解除を決めました(7)。これでは福島の皆様は不安だと思います。
福島を代表する夏野菜にトマトがあります。9月も末ですが、まだ少し楽しめます。福島県白河市は福島を代表するトマトの産地です(20)。福島県白河市辺りのトマトは引き締まったコクのあるそうです(21)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています(22)。でも、福島県白河市近郊のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県白河市近郊のスーパーのチラシ
 ※(23)を引用
 図―7 福島産トマトが無い福島県白河市近郊のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県白河市や近郊の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

 ―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)飯舘村 - Wikipedia
(2)新たな飯舘へ船出 村制60周年で「祭」 | 県内ニュース | 福島民報
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(5)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(6)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(7)飯舘村における避難指示区域の解除について(METI/経済産業省)
(8)飯舘村 村制60周年祝う式典 - NHK福島県のニュース
(9)認定こども園新設 スポーツ公園隣接整備 30年学校再開の飯舘村 | 県内ニュース | 福島民報
(10)福島民報
(11)こども園やプール、中学校敷地に新設へ 18年4月学校再開の飯舘:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(12)平成28年9月1日現在の村民の避難状況について | 飯舘村災害情報サイト
(13)飯舘村災害情報サイト | 東日本大震災以降の飯舘村の情報をお知らせします。
(14)福島県飯舘村
(15)飯舘牛13頭が帰還 猪苗代から5年3カ月ぶり | 県内ニュース | 福島民報
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島値下がり、山梨値上がり7,8月のモモ価格、当然の結果です。
(17)<原発事故>農林業賠償 2年分一括払い提案 2016年09月22日 河北新報
(18)福島県の推計人口(平成28年9月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(19)出生性比
(20)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(21)特産品 - しらかわ | JA夢みなみ
(22)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(23)イオン白河西郷店
スポンサーサイト



  1. 2016/09/27(火) 19:42:33|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<福島「風評被害」、解消目標は2018年3月、でも30年は続く | ホーム | 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(9月)―事故から5年半、見つかり続けるセシウム汚染食品―>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/1943-89f900e5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)