fc2ブログ

めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島民友の「心の健康『二極化』」に反論する。

 福島県の地方紙の福島民友が10月3日の1面トップに「心の健康『二極化』」との記事を掲載していた(1)。記事の内容は
 ①うつ病の懸念
 ②放射線の影響
を同列に扱い(2)、「放射線の影響」を精神疾患と同列に扱っていた。同記事では「放射線の影響」は科学的根拠がないとしているが、(=^・^=)なりに調べると十分に科学的根拠がり、うつ病等の精神疾患と同列に扱えるものでは無い。
 福島は原発事故によって汚染されました。
事故から5年7ヶ月が過ぎて、汚染されたままの福島
 ※1(3)の数値データを元に(4)に示す手法で10月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(5)による
 図-1 旧計画的避難区域

 図に示す通り事故から5年7ヶ月過ぎても国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(6)、地域は広く広がり福島は汚染されたままです。多くの福島の方が放射線影響を心配するのは当然の事です。福島県県民健康管理調査によれば、「次世代への
影響(遺伝的影響)の可能性が高い」と答えている人が48.1%を占めています。当然の事だと思います。これについて福島県の地方紙の「福島民友」は10月3日の1面トップで「心の健康『二極化』」との記事を載せました。
遺伝的影響を心の問題と報じる福島民友
 ※(1)を引用
 図―2 「心の健康『二極化』」と一面トップで報じる福島県の地方紙・福島民友

 記事は心の問題として
 ①うつ病の懸念
 ②放射線の影響
を同列に扱い(2)、「放射線の影響」を精神疾患と同列に扱っていました。福島の現状を考えるなら、正常な判断力がある方が「放射線の影響」を心配するのは当然であり、これを精神疾患である「うつ病」と同列に扱うなどあり得ない話でしす。
 当該記事では遺伝的影響について触れていまいた。
遺伝的影響を心配するのは非科学的と報じる福島民友
 ※(1)を引用
 図―3 放射線の遺伝的影響を心配するのは「非科学的」と報じる福島民友

 放射線の遺伝的影響を心配するのは「非科学的」と報じていました。その根拠は広島、長崎の被爆者を対象にした調査で心配が無い事が分かっているとの事でした。
広島、長崎では遺伝的影響はないと報じる福島民友
 ※(1)を引用
 図―4 は広島、長崎の被爆者を対象にした調査で心配が無い事が分かっていると報じる福島民友

 これを福島に当てはめるには2の条件が必要です。
 ①福島では長崎、広島で起こらなら刈った事が起こっていない。
 ②広島、長崎の調査が完璧なものである。
(=^・^=)なりに調べると、どちらも該当しません。
 放射線影響研究所は長崎、広島で遺伝的影響が無いとの根拠に
 ①自然死産などの出生時の異常がない事
 ②出生性比に異常がない事
を挙げています。福島ではどうでしょうか?以下に福島県の自然死産率の推移を示します。
福島原発事故後に増えた自然死産
 ※(9)を転載
 図―5 福島県の自然死産率の推移

 原発事故後に増加し全国平均の1.5倍に達しています。事故前に懐妊したと思われる2010,11年と事故後に懐妊したと思われる12,13年の自然死産率を比較すると図に示す通り増えています。このような事が偶然に起こる確率は1.3%であり(9)、統計的な差があります(10)。
 福島第一原発から20km圏内に当たる警戒区域ややその後に汚染が酷い事が判明した場所に避難区域が設定された計画的避難区域の2種類の避難区域が設定されました。警戒区域は福島原発事故翌日の2011年3月12日に設定されましたが、計画的避難区域が設定されたのは原発事故から1ヶ月以上も後の2011年4月22日です(5)。旧計画的避難区域はいわば「逃げ遅れた」避難区域です。図―1に示す様に飯舘村、葛尾村、川俣町の主な避難区域は「旧計画的避難区域」です。原発事故後(2011年3月から16年8月)に生まれた赤ちゃんの人数を福島県の発表(11)から集計すると見ると
 葛尾村
  男の子  16人
  女の子  39人
 飯舘村
  男の子 124人
  女の子 162人
 川俣町
  男の子 157人
  女の子 200人
で、全てで女の子が多く生まれています。以下に飯舘村、葛尾村、川俣町の合計の各年3月から1年間の赤ちゃん誕生数を示します。
原発事故後に女の子が多くまれるようになった旧計画的避難区域の市町村
 ※1(11)を集計
 ※2 2016年は8月末まで
 図―6 飯舘村、葛尾村、川俣町の赤ちゃん誕生数

 図に示す通り、事故前は男の子が多く生まれていましたが、事故後は女の子が多く生まれるようになりました。合計すると
  男の子 297人
  女の子 401人
です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.08%です。統計的な差があります(10)。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(12)よる。
有意差検定表

 通常は男の子が多く生まれるので(13)、異常な事態です。
 福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの高村昇氏は福島県の地方紙の福島民報に
「 広島・長崎の原爆被爆者が被爆後に妊娠し、生まれてきた世代は『被爆二世』と呼ばれています。それぞれの被爆地で被爆二世の方々に健康影響が出ていないかということは大きな問題であり、現在に至るまで長期間にわたる調査が行われてきました。
 調査の結果、現時点で被爆二世について、特にがんやそれ以外の疾患が増加しているということは認められていません。」
と投稿しています(14)。ただし遺伝に孫の代(3世)で現れる隔世遺伝があります(15)。このような遺伝は二世では分かりません。このような不安にこたえる為に福島では生まれている赤ちゃんの遺伝子に異常な無いかを調べる福島ゲノム調査が2012年に計画されました(15)(16)。それから4年半が経過しましたが、中間結果の発表を(=^・^=)は知りません。いつにまにかうやむやにされてしまったようです。この結果が出れば福島の皆様の放射線の遺伝的影響に対する心配は解消されるのですが・・
 福島では広島、長崎には見られない現象が起きているのに広島、長崎のデータを持ってきて「影響が無い」とされ、これを危惧する事を「非科学的」とされています。科学的調査は計画されたのですが、いつのまにかうやむやにされています。
 

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島では放射線による遺伝的影響が懸念されるのに、福島とは異なる広島、長崎のデータを持ってきて強引に「影響が無い」と主張されている気がします。福島独自の科学的調査は計画されたのですが、いつのまにかウヤムヤです。この問題について(=^・^=)は以前に福島県放射線健康リスク管理アドバイザーを名乗る方から投稿をいただいたのですが(17)、極めて高圧的でかつ非論理的なものでした。投稿内容を見ると放射線生物学や遺伝学に関し相当な知識も持っているのは間違いない方です。福島では放射線による遺伝的影響があるかも知れないのに、その事実が隠ぺいされている気がします。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 10月になり福島も実りの秋です。今、福島県福島市ではリンゴ狩りが楽しめます(18)。福島はリンゴのシーズンです。福島のリンゴは甘みが強く、密入りが良いと言われているそうです(19)。福島県は福島産リンゴは「安全」だと主張しています(20)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産リンゴはありません。
他県産はあっても福島産リンゴが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(21)を引用
 図―7 福島産ナシが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島民友新聞社 みんゆうNet -福島県のニュース・スポーツ-を10月3日に閲覧
(2)福島医大「新センター」・放射線医学県民健康管理センター】心の健康「二極化」:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(5)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(6)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(7)県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ
(8)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 - 放射線影響研究所
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島の自然死産率は全国平均の1.5倍
(10)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(11)福島県の推計人口(平成28年9月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(12)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(13)出生性比
(14)放射線 放射性物質 Q&A これから生まれる子どもに被ばくの影響は | 東日本大震災 | 福島民報
(15)(新)福島におけるゲノム解析による放射線遺伝影響調査(福島ゲノム調
(16)めげ猫「タマ」の日記 とうなった?福島ゲノム調査
(17)めげ猫「タマ」の日記 根拠をねつ造する放影研
(18)福島 りんご狩り特集 | 一般社団法人 福島市観光コンベンション協会公式ページ こらんしょふくしま
(19)特産品情報 | 地区別くらし情報 福島地区 | JAふくしま未来
(20)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(21)イオン福島店
スポンサーサイト



  1. 2016/10/04(火) 19:43:45|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
<<食品中の放射性セシウム検査のまとめ(10月1週)―2000ベクレルのセシウム汚染食品が市場流出― | ホーム | 緊急のお知らせ、お店で販売されていた群馬県産から2000ベクレルのセシウム>>

コメント

消えた事実。消された真実。

ゲノム調査の件は知りませんでした。情報有難うございます。
それにしても色々ありますねェ、、。
福島の新聞社は、人口減っては困る側ですからね、この位の飛ばし記事書くでしょうね(怒)
  1. 2016/10/05(水) 05:26:04 |
  2. URL |
  3. 武尊43 #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/1952-ce84b4c3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)