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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

食品中の放射性セシウム検査のまとめ(10月1週)―2000ベクレルのセシウム汚染食品が市場流出―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。10月1週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先月に続き今週もしっかりセシウム汚染食品が見つかっています(4)。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
  ①検査数1,088件中6件の基準超え
  ②平均は、1キログラム当たり6ベクレル、最大2,000ベクレル(群馬県産ムラサキシメジ)。
事故から5年7ヶ月経ても市場に流出するセシウム汚染食品
   ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(5)を参照
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2016年10月1週)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

 基準超の食品が群馬、山梨で見つかっています。今週のデータからは以下の特徴が読み取れます。
 ①2000ベクレルのセシウム汚染食品が市場流出、発表は1週間後
 ②宮城県産スズキから20ベクレル、福島は10件全数ND
 ③福島県伊達市産ヤマメのセシウム濃度は上昇中
 ④福島県福島市でリンゴ狩りが始まる。検査結果はありません。
事故から5年7ヶ月が過ぎましたが、福島産も含めセシウム汚染食品にまだまだ注意が必要です。

1.2000ベクレルのセシウム汚染食品が市場流出、発表は1週間後
 市場に流通している群馬県産ムラサキシメジ(野生キノコ)から、1キログラム当たり2,000ベクレルのセシウムが見つかりました。もっと不気味なのは同じく市場に流通している産地不詳のハツタケ(野生キノコ)から、1キログラム当たり400ベクレルのセシウムが見つかりました。産地不詳では対策が取れません。ともに検査は9月27日に終わっていたのですが、発表は1週間後の10月4日です。危険なセシウム汚染食品が見つかったのに、直ぐに発表される事は無く、発表は1週間後です。これでは安心してお買い物はできません。
 以下に市場に流出した「群馬県産」を示します。なお、日付は購入日でベクレル数は1キログラム当たりの値です。
 ①ナメコ      2012/12/09   190ベクレル
 ②ナメコ(天然)  2013/10/22   590ベクレル
 ③原木シイタケ粉末 2014/08/26   140ベクレル
 ④シシタケ     2015/09/14   180ベクレル
 ⑤サクラシメジ   2015/09/14   420ベクレル
 ⑥フウセンタケ   2015/09/14   240ベクレル
 ⑦マイタケ粉末   2015/09/14   120ベクレル
 ⑧ムラサキシメジ  2016/09/26  2,000ベクレル
なんかパワーアップしている感じです。そして5年連続で市場にセシウム汚染食品を流出させています。全てがキノコやキノコの加工品なので、群馬県の栽培を除くキノコの検査状況を示します。
キノコが検査されない空白域が多くある群馬県
 ※(1)を集計
 図―2 群馬県のキノコの検査状況

 出荷制限もされず原発事故以降に一度も検査されていない市町村が多く存在します。セシウム汚染食品の市場流出が見つかっても放置されます。これからも群馬県産セシウム汚染食品の市場流出は続くはずです。

2.宮城県産スズキから20ベクレル、福島は10件全数ND
 宮城県産スズキから1キログラム当たり20ベクレルのセシウムが見つかりました(3)。福島産が気になります。以下に7月以降の宮城、福島、茨城、千葉県産のセシウムの検査結果を示します。
宮城、茨城、千葉ではセシウムが見つかるのに、セシウムが見つからない福島産スズキ
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは捕獲日ないし購入日
 図―3 スズキのセシウム濃度(2016年7月以降)

 図に示す通り宮城、茨城、千葉産からはそこそこセシウムが見つかっていますが福島産は全数(データを数えると10件)で検出限界未満です。汚染源がある福島産が宮城、茨城、千葉産に比べ低く出るなどおかしな話です。福島産を検査しているのは全て福島県農林水産部(7)に属する福島県農業総合センターです(7)。厚生労働省の発表(1)を見ると福島産農水産物の出荷前検査は全てを「福島県農業総合センター」が実施しています。
 福島産は他よりも低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。

3.福島県伊達市産ヤマメのセシウム濃度は上昇中
 以下に福島県伊達市産ヤマメのセシウム濃度を示します。
上昇する伊達市産ヤマメのセシウム濃度
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは捕獲日ないし購入日
 図―4 福島県伊達市産ヤマメのセシウム濃度

 図に示す通り、今年5月には1キログラム当たりで10ベクレルを切ったのですが、その後に上昇し10月4日の基準値(6)寸前の1キログラム当たり91ベクレルまで上昇しました。福島産は一度下がっても上がる事があるので注意が必要です。

4.福島県福島市でリンゴ狩りが始まる。検査結果はありません。
 10月に入り福島県福島市ではリンゴ狩りがスタートしました(8)。検査されているか心配です。以下に福島県のリンゴの検査状況を示します。
検査されない福島県福島市産リンゴ
 ※1(9)の数値データを元に(10)に示す手法で10月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(11)による
 ※3 検査状況は(1)(2)による
 図―5 福島産リンゴの検査状況(2016年)

 図に示す通り福島市産リンゴの検査結果がありません。福島市は図に示す通り国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルトを超(12)える地域が広がっています。他ではセシウム入りリンゴも見つかっています。
 以下に福島県のリンゴの生産量を示します。
福島市は約半分を占める福島県のリンゴの生産量
 ※(13)を集計
 図―6 福島県のリンゴ生産量

 図に示す通り福島県福島市は福島産リンゴの半分程度を生産する福島県最大のリンゴの産地です。3項に示す様に福島産はセシウムが上昇する事があります。福島産は定期的に検査されなければ「安全」とは言えません。福島は汚染された最大産地の福島市産を検査しないままリンゴのシーズンを迎えました。それでも福島県は福島産リンゴは「安全」だと主張しています(14)。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 ・事故から5年7ヶ月を経て、市場流出が続くセシウム汚染食品
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
 ・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
 これでは福島の皆様は心配だと思います。安倍出戻り総理夫人が福島で稲刈りをしたそうです(15)。
福島で稲刈りをする安倍出戻り総理夫人
 ※(16)をキャプチャー
 図―7 安倍出戻り総理夫人の稲刈りを報じる福島のローカルTV局(TUF)

 採れたお米は山口の蔵元で醸造され東京で販売されるそうです(15)。福島では販売されません。福島では売れる見込みがないのでしょうか?・・・・。福島は「新米」の季節を迎えました。
 福島県喜多方市の全袋検査数が5万件を超えました(17)。喜多方市の人口は約5万人(18)なので市民が食べるには十分な量です。喜多方市等が属する福島県会津地方の米は、食味が良いことで知られています。食味検定では、会津米は特Aの評価を得ており、最高の食味であることが認められています(19)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(20)。でも、福島県喜多方市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県喜多方市のスーパーのチラシ
 ※(21)を引用
 図―8 福島産新米が無い福島県喜多方市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県喜多方市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第1001報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(9月)―事故から5年半、見つかり続けるセシウム汚染食品―
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)農林水産部 - 福島県ホームページ
(8)福島 りんご狩り特集 | 一般社団法人 福島市観光コンベンション協会公式ページ こらんしょふくしま
(9)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(10)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(11)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(12)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(13)作物統計調査> 市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の「10 果樹」⇒「福島県]⇒「Excel」
(14)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(15)福島で酒米稲刈り 安倍首相夫人ら参加 銀座ミツバチプロジェクト | ホッとニュース | 福島民報
(16)Nスタふくしま20161003 TUFchannel
(17)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(18)人口データベース - 喜多方市ホームページ
(19)会津米 | JA会津よつば
(20)水田畑作課 - 福島県ホームページ
(21)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
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テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記

  1. 2016/10/05(水) 19:46:05|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<葛尾村、避難指示解除2ヵ月半、帰還者は93人、当然の結果です。 | ホーム | 福島民友の「心の健康『二極化』」に反論する。>>

コメント

かなり正確に調べられていてとても感謝しています。スズキの20ベクレル出は新潟県のものですね❗ありとあらゆるものがもうらされていると理解できます。大変なご苦労と思います。
  1. 2016/10/07(金) 00:03:36 |
  2. URL |
  3. ぶぶ #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

ぶぶ様
お褒めの言葉ありがとうございます。自作のボットで、pdfからデータベースに落とせるようにしているので、ご想像に比べればかなり短時間でできます。ご心配無用です。

  1. 2016/10/07(金) 19:45:28 |
  2. URL |
  3. mekenekotama #-
  4. [ 編集 ]

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