めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

葛尾村、避難指示解除2ヵ月半、帰還者は93人、当然の結果です。

 福島県葛尾村が6月12日に避難指示が解除されて(1)から2ヵ月半以上が経過しました。帰還者は93人です。帰還は進んでいませんが、当然の結果です。
 福島県葛尾村は福島県の阿武隈高地の中部にある山村です(2)(3)。
福島県内でも汚染が酷い葛尾村
 ※1(4)の数値データを元に(5)に示す手法で10月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(6)による
 図-1 福島県葛尾村

 図に示す通り事故から5年7ヶ月過ぎても国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(7)の倍以上の毎時0.5マイクロシーベルト、地域が広がっています。
避難指示が解除されても汚染されたままの葛尾村
 ※1(4)の数値データを元に(5)に示す手法で10月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(6)による
 図-2 福島県葛尾村の放射線量

 福島原発事故によって、全村は避難区域に指定されたのですが事故から5年半が経過し「安全」とされ避難指示が6月12日に解除されました(1)。福島県のローカルTV局のFCTが報じる所によれば、避難指示解除から2ヵ月半以上が経過した9月末時点の帰還者は93人です。
葛尾村帰還者が93人と報じるFCT
 ※(9)をキャプチャー
 図―3 葛尾村の帰還者は93人

 葛尾村の発表(10)によると同村の避難者は1,431人ですので全体の6%です。まったく帰還が進んでいません。以下にこれまでの帰還者の推移を示します。
帰還者は93名の葛尾村
 ※(9)(11)にて作成
 図―4 葛尾村の帰還者推移

 図に示す通り、避難指示解除後に60人程度が戻った後は帰還が進んでいません。当然の事です。
 福島原発事故によって当初設定された避難区域には福島第一原発から20km圏内の警戒区域と、その後に放射線量が高い事が判明そ設定された計画的避難区域があります。計画的避難区域が設定されたのは原発事故から1ヶ月以上も後の2011年4月22日です(6)。旧計画的避難区域はいわば「逃げ遅れた」避難区域です。無事では済まなったようです。以下に葛尾村の赤ちゃんの誕生数を示します。
原発事故後、女の子が多く生まれるようになった葛尾村
 ※1(12)にて作成
 ※2 集計期間は各年3月から翌年2月、ただし2016年は同年8月まで
 図―5 葛尾村の赤ちゃん誕生数

 図に示す通り、事故前に懐妊したであろう赤ちゃんが生まれる2011年以前は男の子が多く生まれていたのですが、事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれるであろう2012年以降は女子が多く生まれています。福島原発事故後に生まれた赤ちゃんの人数を集計すると
 男の子 16人
 女の子 39人
です。このような事が偶然に起こる確率は0.2%なので、およそ「偶然」とは言えません。普通は男の子が多く生まれるので(13)「異常」な事態です。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※ 計算方法は(14)による
有意差検定表

 放射性影響研究所は長崎や広島で遺伝的な影響が起こらなかった根拠の一つに、出生性比(お生まれ来る赤ちゃんの男の子と女の子の割合(13))に異常がない事を挙げています(15)。広島や長崎で起こっていないことが、葛尾村で起こっているので、広島や長崎の結果を葛尾村に適応することはできません。ところが福島ではうつ病と放射線の遺伝的影響を心配する心情を同列に扱い、広島、長崎で遺伝的な影響は出ていないので、放射線による遺伝的影響を心配するのは「非科学的」だとの主張が堂々と展開されています(16)(17)。明確な根拠もないのに放射線を心配するのは「精神疾患」みたいた主張です。これでは葛尾村の皆様は安心できないと思います。
 原発事故前の数字ですが、福島県葛尾村では5,200頭の牛(乳用 130頭、肉用5,070頭)が飼育されていました(18)。人口の3倍以上です。葛尾村では畜産は村の主力産業でした。畜産の復活無くして葛尾村の復興は無いと思います。ところが福島原発事故後に福島産牛肉は評判を大きく落としました。福島・稲わら牛問題です(19)。以下に福島産牛肉の2011年の検査結果を示します。
消費地に比べ異常に低い福島産牛肉の2011年の検査結果
 ※(19)を集計
 図―6 福島産牛肉の検査結果(2011年)

 図に示す通り福島県の検査では当時の暫定基準である1キログラム当たり500ベクレル(20)を超える物は見つかっていなのですが、消費地の検査ではこれを大きく超えています。この結果、福島産牛肉は値段を下げました(21)。当然の事です。しかも、今になっても何故にこのような事が起こったか明確な説明を知りません。一番分かり易い説明は福島県の検査が他よりも低くでる検査だと思います(22)。これでは消費者の信頼は得られません。葛尾村で肉牛生産を再開しても消費者が受け入れる筈がありません。葛尾村は福島の中でも汚染が酷い場所です。
 牛肉生産を再開するなら確りとした保障が必要です。ところが「風評被害」の賠償を2年半後の2019年で打ち切る動きがあります(23)。これでは村に戻って肉牛生産を再開使用する方は少数だと思います。
 生活も不便です。村で再開した商店は無く、移動販売車があるのみです(24)。村に帰ってら買い物ができません。
以上を纏めると
 ・葛尾村は汚染されており、放射線影響のリスクが残っている。
 ・葛尾村の主力産業のに牛生産は、消費者に受け入れられる見込みが無い。一方で賠償は先行き不透明である。
 ・葛尾村に戻っても、買い物すらできず生活が不便である。
これでは村に戻る人は少数です。
 原発事故で汚染された町や村は「消滅」か「原子力ムラ」(25)しかありません。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 避難指示が解除された地域の復興は強引に進められているようです。昨年9月に避難指示が解除された福島県楢葉町産の米が今年からJAを通じても販売されるそうです(26)。
楢葉町産米はJAに出荷されると報じるFCT
 ※(27)をキャプチャー
 図―7 福島県楢葉町産米がJAを通じても販売されると報じる福島のローカルTV局(FCT)

 ところが楢葉町からは福島原発から直接に飛ばされた思われる高濃度に汚染された物体がこれまでに6個見つかっています。汚染が酷い物は1キログラム当たり62.5億ベクレルの全ベータに汚染されています(28)。水田に紛れ込みお米を汚染しないか心配です。全ベータはストロンチウム90由来でしが(29)、食品の基準にはストロンチウム90はありません(30)。楢葉町で見つかったは汚染物体は氷山の一角です。水田に紛れ込みお米を汚染した可能性が否定できません。でも、ストロンチウム90の検査はありません。JAに出荷されるので、他と区別される事無く、普通の福島産米として販売されるはずです。これでは福島の皆様は心配だと思います。
 10月に入り福島の稲刈りは本格化したはずです(31)。福島は新米のシーズンです。福島県いわき市産米の全数・全袋検査は8万件を超えました(32)。いわき市の人口は35万人弱なので、いわき市民が食べるには十分な量です。福島県いわき市には「Iwaki Laiki」なるブランド米があるそうです(33)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(34)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(35)を引用
 図―8 福島産米が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)平成28年6月12日、居住制限区域と避難指示解除準備区域の避難指示が解除されます - 葛尾村ホームページ
(2)葛尾村 - Wikipedia
(3)葛尾村の紹介 - 葛尾村ホームページ
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(5)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(6)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(7)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(8)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ
(9)(8)中の「2016年10月3日(月)放送」
(10)葛尾の帰還者は72人 村発表 | 県内ニュース | 福島民報
(11)葛尾村からの避難者の状況(8月1日現在) - 葛尾村ホームページ
(12)福島県の推計人口(平成28年9月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(13)出生性比
(14)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(15)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 - 放射線影響研究所
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島民友の「心の健康『二極化』」に反論する。
(17)福島医大「新センター」・放射線医学県民健康管理センター】心の健康「二極化」:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(18)京都市:放射性物質に汚染された稲わらを食べた可能性のある牛の肉の流通調査結果等について
(19)報道発表資料 |厚生労働省
(20)食品中の放射性物 質の新たな基準値
(21)福島牛なお「風評価格」…もうけなく廃業農家も : 福島原発 : 読売詳報_緊急特集グループ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
(22)めげ猫「タマ」の日記 福島産について
(23)農林業賠償 2年分一括 県に提示 政府、東電 | 県内ニュース | 福島民報
(24)「かつらお暮らしのガイド」の発行について - 葛尾村ホームページ
(25)めげ猫「タマ」の日記 楢葉町避難指示解除1年、新規転入者は305人―未来は原子力ムラ―
(26)楢葉でコメ全袋検査 基準超なし、6年ぶり市場へ | 県内ニュース | 福島民報
(27)(8)中の「2016年10月5日(水)放送」
(28)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(10月1週)―福島第1・引き留め鉄構 40年間無点検―
(29)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(30)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(31)福島の食と年中行事 10月 - 福島市ホームページ
(32)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を10月6日閲覧
(33)トップページ - いわき市役所
(34)いわき市産ブランド米「Iwaki Laiki」好評販売中 | いわき市 観光情報サイト
(35)水田畑作課 - 福島県ホームページ
(36)ヨークベニマル/お店ガイド
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  1. 2016/10/06(木) 19:50:09|
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