福島第一原発汚染水の10月3週(10月10日から15日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、各所で汚染が見つかっています。
①外洋3地点から全ベータ
②排水路から外洋へWHO基準を以上のセシウムが直接排出
③港湾内2地点のストロンチウム90は上昇傾向
④海岸井戸で過去最高の汚染、4週連続
⑤サブドレン排水のトリチウムは累積1000億ベクレル突破
1.外洋3地点から全ベータ
以下に福島第一原発沖外洋の放射性物質濃度を示します。

※1(4)(5)(6)にて作成
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
※4 集計期間内の最大値
図―1 福島第一原発外洋の放射性物質濃度
図に示す通り、福島第一起きの外洋からは今週も確り放射性物質が見つかっています。この中で最もきになったのは5,6号機放水口北側です。以下に推移を示します。

※1(4)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す
図―2 5,6号機放水口付近の放射性物質濃度
図に示す通り事故から5年7ヶ月、放射性物質が見つかり続けています。
2.排水路から外洋へWHO基準を以上のセシウムが直接排出
福島第一原発構内には幾つもの排水路が走っています(7)。以下に排水路の汚染状況をしめします。

※1(7)を集計
※2 値は1リットル当たりで集計期間の最高値
※3 数値は1リットル当たりのベクレル数
※4 赤丸(
●)はサンプリング地点
図-3 福島第一原発排水路の放射性物質濃度
図に示す通りA排水路は他の排水路と違い、外洋に直接流れています。A排水路のセシウム濃度(今週の最高値)は1キログラム当たりで
セシウム134 1.7ベクレル
セシウム137 10ベクレル
です(7)。WHO飲料水ガイドラインではセシウム134,137とも上限を1リットル当たり10ベクレルで規定しています(3)。規定と同等の汚染排水が外洋に直接垂れ流されています。以下にA排水路の放射性物質濃度の推移を示します。

※1(7)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す
図―4 A排水路の放射性物質濃度
図に示す通り、これまでも度々WHO飲料水ガイドラインを超える汚染排水が外洋に直接に流れています。
3.港湾内2地点のストロンチウム90は上昇傾向
以下に今週の港湾内の汚染状況を纏めます。

※1 (4)を集計
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は9月5日
図―5 福島第一港湾内の放射性物質濃度
図に示す通り多くの地点でストロンチウム90が見つかっています。港湾を経由しストロンチウム90は外洋に流出しているはずです。以下に1~4号機取水口内北側および南側のストロンチウム90濃度を示します。

※1(4)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す
図―6 1~4号機取水口内北側および南側のストロンチウム90濃度
このところ上昇傾向です。
4.海岸井戸で過去最高の汚染、4週連続
以下に海岸付近の地下水の放射性物質汚染の状況を示します。

※1 (4)を集計
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は9月2日
図―7 海岸付近の地下水の放射性物質汚染の状況
ストロンチウム90の法定限度は1リットル当たり30ベクレルで(3)、全ベータの半分はストロンチウム90なので(7)、全ベータの法定限度が60ベクレルです。図に示す様に法定限度を大きく超える汚染地下水が見つかっています。このうち1リットル当たりの全ベータでNo1の17,000ベクレルとNo3-2の3,700ベクレルは過去最高です。先週(1)、先々週(9)、3週前(10)にも過去最高を更新しているので、4週連続で過去最高の汚染を更新しています。以下にNo1井戸の放射性物質濃度を示します。

※1(4)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す
図―8 No1井戸の放射性物質濃度
図に示すように全ベータ濃度は今年に入り1リットル当たり12,000ないし13,000ベクレルで高い値ですが安定していました。ところが9月に入り再上昇し、過去最高を更新中です。この先が心配です。
5.サブドレン排水のトリチウムは累積1000億ベクレル突破
サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(11)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始り(12)、13日より排水を開始しました(13)。1年です。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(13)(14)、濃度×排出量でこの1年間のトリチウム排出量を求めてみました。

※(13)(14)を集計
図―9 サブドレンの累積トリチウム排出量
累積で1,007億ベクレルと1000億ベクレル突破しました。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
止まる事のない福島第一原発からの汚染水漏れ!福島の皆様は心配だと思います。
福島県が力をいれている畜産物に鶏肉(軍鶏)があります(15)。福島県福島市は年に1回のペースでシャモ祭が開かれます(16)。福島県は福島産鶏肉は「安全」だと主張しています(17)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産鶏肉はありません。

※(17)を引用
図―10 福島産鶏肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(10月2週)―海岸井戸で過去最高の汚染―(2)
報道配布資料|東京電力(3)
サンプリングによる監視|東京電力(4)(2)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(5)(3)中の「1.海水(港湾外近傍)」
(6)(3)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング」⇒「南放水口・排水路」
(7)
めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)(2)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(9)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(10月1週)―排水路、海岸、外洋で過去最高の汚染―(10)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(9月4週)―港湾内、排水路、海岸で過去最高の汚染―(11)
サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力(12)
(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力(13)
集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力(14)(2)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(15)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(16)
第12回川俣シャモまつりin四季の里報告 - 川俣町公式ホームページ(17)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(18)
イオン福島店
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- 2016/10/16(日) 19:42:39|
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こんばんは。しいたけ農業の泉景子です。2日以内にタマさんが持っているハズの放射線測定の資格の県知事のサインと判子がついている【修了書】をこのblogに載せてくださいね。私は意図なんてありませんし、私の事を何も知らないのに【意図があった】とか失礼にもほどがありますので。どれ程辛い事があり何年も泣きながらやっと再開したんです。
何も知らないのに名前を間違えたり意図があったとかあまりにも失礼すぎますからね。
人の努力も名誉も踏みにじるですから。
今後とも宜しくお願い致します。
mail連絡しない場合は法と警察出しますので宜しくお願い致しますね。
- 2016/10/16(日) 21:07:51 |
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- 泉景子 #-
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泉景子様
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- 2016/10/17(月) 19:30:10 |
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- mekenekotama #-
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