消費者庁は「風評被害に関する消費者意識の実態調査」と表し、福島産等の汚染が疑われる食品についての意識調査を毎年3月と10月に実施しています。10月の結果を見たら
「基準値以内であってもできるだけ放射性物質の含有量が低いものを食べたい」
との質問に
42%の方が「はい」
と答えていました。前回の16年3月の調査では41.1%が「はい」なので、逆に上昇しています。これは福島産等の汚染が疑われる食品に対する消費者の理解が進んだ結果であり、当然の事です。
福島原発事故によって福島は汚染されました。以下に福島の放射線量分布を示します。

※1(2)の数値データを元に(3)に示す手法で10月1日時点に換算
※2 避難区域は(4)による
図―1 福島県の放射線量分布
図に示す通り、国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(5)地域が広がっています。避難地域を除けば、伊達市、二本松市、須賀川市が酷そうです。ここは福島を代表する夏野菜のキュウリの主要な産地です(6)。以下に葬式(死者数)数の推移を示します。

※1(7)を集計
※2 震災犠牲者は(8)により関連死を含まず。
図-2 各年9月から1年間の伊達・二本松・須賀川3市の葬式(死者数)推移
図に示す通り、事故後に葬式が増えています。原発事故前と最近の1年を比較すると
原発事故前(2009年9月から10年8月)2,294人
最近の1年(2015年9月から16年8月)2,490人
で、8.5%増えています。偶然に起こる確率を計算したら0.5%なので偶然とは言えません(9)。なおキュウリの主産地でない福島県相馬地方の葬式は増えていません(10)。
確り検査されているとも言えません。農作物の栽培には施設栽培とそれ以外の栽培がありますが(11)、福島のキュウリは施設栽培以外が主流です。以下に福島の施設栽培以外のキュウリの検査数を示します。

※(9)を転載
図―3 福島産キュウリの主産地(施設栽培以外)の検査件数
図に示す通り、原発事故からどんどん検査数が減り、キュウリの主要産地の伊達市、二本松市、須賀川市でみると、今年は伊達市の1件のみです。福島産は
・汚染された土地で栽培されている。
・産地では葬式(死者数)が増えているが、そうでもない所は増えていない。
・検査は殆どされなくなった。
等の特徴があります。消費者が福島産等の汚染が疑われる食品について警戒し、避けるのは当然の事です。
消費者庁は「風評被害に関する消費者意識の実態調査」と表し、福島産等の汚染が疑われる食品についての意識調査を毎年3月と10月に実施しています。10月の結果が発表になったのでまとめてみました。
以下に
「基準値以内であってもできるだけ放射性物質の含有量が低いものを食べたい」
との回答結果をしめします。

※(1)を集計
図―4 「基準値以内であってもできるだけ放射性物質の含有量が低いものを食べたい」との回答結果
図に示すように4割近い方が「はい」と答えています。多くの方が放射能汚染食品を警戒しています。図に示す通りその割合は改善していません。数値を記載すると
2016年 3月 41.1%
2016年10月 42.0%
で逆に上昇しています。
以下に産地を気にする人の割合を示します。

※(1)を集計
図-5 産地を気にする割合
図に示す通り7割程度で推移しています。当然ながら福島産は価格が低迷しています。
福島を代表する果物はモモですが、モモの生産量は山梨県が第一位で、福島県は第二位です。福島のモモのシーズンです(14)。そこで7.8月のモモの取引価格を調べて見ました。

※(14)を転載
図ー6 モモの7、8月の平均取引価格(東京中央卸売市場)
図に示す通り、原発事故以降に山梨と価格差が広がり回復の兆しがありません。
福島を代表する夏野菜にトマトがあります(15)。7~9月ピークです(16)。現時点(10月19日)では9月の発表がまだなので(17)、以下に各年7,8月の福島産トマトの東京中央卸売市場での平均取引価格を示します

※(16)を転載
図―7 トマトの7、8月の平均取引価格(東京中央卸売市場)
図に示すように事故は福島産トマトと全国平均の価格差は殆どありませんでしたが、事故後は価格差が開いたままです。
福島を代表する野菜にアスパラガスもあります(15)。こちらは5~8月がピークなので、5-8月の平均価格を生産量日本一の北海道、全国平均と比較してみました(。

※(18)を転載
図―8 アスパラガスの5~8月の平均取引価格(東京中央卸売市場)
図に示す通り、原発事故前は全国平均、北海道産、福島産に大きな価格差はありませんでした。事故後に価格差が開き、6年間解消していません。
福島産は事故6年目も価格が低迷しています。これは消費者が福島産を正しく理解した結果であり、当然の事です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
今年も福島県は福島産米のテレビCMを流し始めました。その中で福島産米の安全をPRしていました。

※(19)をキャプチャー
図―9 福島県の福島産米テレビCM
でも、福島県が福島産米の根拠としてる福島県産米の全数・全袋検査は(=^・^=)が調べた限りでは精度を担保するものがありません(20)。福島の皆様の理解がえらるか興味があります。
福島県郡山市産米の全数全袋検査数が42万件を超え(21)、福島県随一となりました。安全なので学校給食にも出され(22)子供達に強制的に食べさせています。福島県郡山市のお米はあさか舞といって、おいしい米として高い評価を受けているそうです(23)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産米はありません。

※(24)を引用
図―10 福島産米が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
食品と放射能に関する消費者理解増進の取組|消費者庁(2)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(3)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(4)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(5)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(6)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(7)
福島県の推計人口(平成28年9月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(8)
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ(9)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(10月2週)―福島で570ベクレルの食事が出される―(10)
めげ猫「タマ」の日記 福島安達の葬式は14.2%増(2015年9月から1年、対原発事故前)、相馬は減(11)
露地栽培と施設栽培とは? | さんりはま(12)
東京都 JA全農東京-月報 野菜情報?産地紹介?2014年5月(13)
農林水産省/平成27年産もも、すももの結果樹面積、収穫量及び出荷量(14)
めげ猫「タマ」の日記 福島値下がり、山梨値上がり7,8月のモモ価格、当然の結果です(15)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(16)
めげ猫「タマ」の日記 野岩鉄道30周年、未来は暗い(17)
東京都中央卸売市場-統計情報検索(18)
めげ猫「タマ」の日記 福島アスパラ価格差は事故6年目も解消せず(19)
TVCM ふくしまプライド。「お米」篇 | ふくしま 新発売。(20)
めげ猫「タマ」の日記 福島産米業務用に好評、TPP早期導入で駆除を!(21)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を10月20日に閲覧
(22)
自主検査実施について | JA郡山市の米「あさか舞」(コシヒカリ・ひとめぼれ)(23)
郡山の味自慢「あさか舞」/郡山市(24)
イトーヨーカドー 郡山店
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- 2016/10/20(木) 19:44:57|
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歯科医師会での勉強会で本当の基準値は40ベクレルとはっきり言っていました。ちなみに山形の歯科医師会です。そして新潟のNHKの特集番組で11年に40ベクレルとはっきり言っていました。またNHKの特集番組で泉田知事のものも自信が本当の基準値は40ベクレルとはっきり言っていました。なのでこの数字はほぼ間違いないと思っています。泉田知事ってすごく勉強してるな~って思った記憶があります。歯科医師会の内容と変わらない内容だったと思っています。それだけに出馬断念にがっかりする思いが強かったです。
- 2016/10/20(木) 22:51:28 |
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