福島からの報道(1)(2)と福島県の観光統計(3)から推定すると、福島県田村市のあぶくま洞の今年の入場者数は1割減になりそうです。
福島県田村市は、福島県中部の山の中にある市です。同市は高原都市を主張していますが(4)、どう見ても単なる山間僻地です(5)。同市にはあぶくま洞なる鍾乳洞があり(6)、多分、同市の観光の目玉だと思います。以下に位置を示します。

※1 (7)のデータを(8)に示す手法で10月1日に換算
※2 避難区域は(9)による
図-1 福島県田村市とあぶくま洞
今は解除されましたが、同市東部は避難区域になっていました(9)。東部を中心に国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(10)地域が広がっています。図に示す様にあぶくま洞の東は除染が必要です。日本には鍾乳洞がいくつもあります(11)。わざわざ汚染された福島の鍾乳洞に出かける人はそう多くはないと思います。以下にあぶくま洞等の観光客入り込み数を示します。

※(3)より作成
図―2 あぶくま洞等の観光客入り込み数
図に示す通り事故前の3年を平均すると年間50万人程度でしたが、原発事故後に大幅に減り回復の兆しがありません。それでも累積で10月23日に2,200万人の入場者数を達成したそうです(1)(2)。一見、観光客が戻ったような記事ですが、数値を追いかけるとそのような事はありません。2,100万人を達成したのが2010年9月だそうです(1)。図―1の2011年から15年の数値を合計すると約82万人なので、過去6年で100万人の観光客が来たとしても、過去5年で82万人なので、過去1年では18万人です。去年は約22万人なので2割減です。これはあくまで推計の数字ですが1~2割減になりそうです。
当該の報道は
「あぶくま洞は、1973(昭和48)年6月に開洞し、ピーク時は入洞者数が年間100万人を超えた。東日本大震災前は30万人前後で推移していたが、震災があった2011年度は5万3千人にまで落ち込んだ。入洞者数は徐々に戻っており昨年度は20万人が訪れた。」
と結び観光客が回復して2,200万人を達成したような書き方ですが、だったら今年の人数を記載してもいいはずですが、そのような数字はありません(1)(2)。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島発の報道には怪しげな物が多い気がします。あぶくま洞について言えば2年程前に、7割程度まで回復したとの報道がなされました(12)。でも実際は図―2に示すように4割程度です。このような怪しげな情報が飛び交う福島では福島の皆様は不安だと思います。
福島産日本酒は4年連続で日本一になったそうです(13)。福島県田村市にも金賞に輝いた「あぶくま」と吟醸酒があるそうです(13)(14)。でも福島県田村市のスーパーのチラシには、福島産吟醸酒はありません。

※(15)を引用
図―3 福島産吟醸酒が無い福島県田村市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県田村市の皆様を見習い「フクシマ産」の飲食は致しません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
あぶくま洞、入洞2200万人突破 6年ぶりの節目祝う、福島県田村 :福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(2)
あぶくま洞入洞2200万人 滝根震災後から客数回復 | 東日本大震災 | 福島民報(3)
福島県観光ホームページ 統計資料一覧 - 福島県ホームページ(4)
めげ猫「タマ」の日記 田村市10周年、未来は暗い(5)
景勝地 - 福島県田村市ホームページ(6)
あぶくま洞 - Wikipedia(7)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(8)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(9)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(10)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(11)
日本観光鍾乳洞協会(12)
めげ猫「タマ」の日記 福島・あぶくま洞、観光客が事故前の7割に回復と「毎日」―本当は半分にも届かない―(13)
平成27酒造年度全国新酒鑑評会金賞受賞数4年連続日本一! - 福島県ホームページ(14)
あぶくま-日本酒物語(15)
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- 2016/10/24(月) 19:44:17|
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