めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(10月5週)―汚染水タンクが作れません―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、10月5週(10月23日から29日)もしっかりトラブルが起こっています。
 ①汚染水タンクが作れません
 ②フランジタンクの解体は停止したまま
 ③汚染水はこの先も1日500トンづつ増える
 ④海側凍土壁完全凍結も汲み上げ量は減らず。
 ⑤今年も熱中症
 ⑥排気塔には図面に無い構造物が沢山
 ⑦柏崎刈羽、東北電力は入りません
 ⑧福島第一のこれからは「秘密会議」で決めます。

1.汚染水タンクが作れません
 福島第一ではタービン建屋に地下水が流れ込んだり(2)、東京電力が「4m盤」と呼んでいる海岸部から海洋汚染防止の為に汲み上げた汚染水をタービン建屋に送り込んりで、増え続けています(3)(5)(6)。100万トンを突破したことは先週の記事で伝えしました。放置すると建屋から溢れてしまうので、タービン建屋から汲み上げ
 タービン建屋⇒(SARRY)⇒(淡水化装置)⇒SR処理水タンク⇒(ALPS)⇒処理水タンク
に送られます(2)(6)。東京電力は10月27日に最終段の処理水タンク計画の改定案を発表しました(5)。概ね毎週金曜日に汚染水量とタンク容量の実績を発表しています(6)。以下に両者の比較を示します。
計画通りには増えない処理水タンク
 ※(5)(6)で作成
 図―1 処理水の量の計画と実績

 図に示す通り計画では汚染水タンクが増えて行くはずでしたが、10月以降をみると実績では増えていません。福島第一の汚染水タンク計画は発表時点で破綻しています。

2.フランジタンクの解体は停止したまま
 最終段の処理水タンクに送れない汚染水はどうしているかと言えば、前段のSR処理水タンクに貯めています。以下に計画と実績を示します。
計画を超えて増えづづけるSR処理水タンクと汚染水
 ※(5)(6)で作成
 図―2 SR処理水の量の計画と実績

 図に示す通り、タンク容量も汚染水量も計画を超えています。SR処理水タンクを増設できたかと言えば違うようです。
  2014年以前のSARRYは、ストロンチウム90を取り除く機能は無く、セシウムが荒どりされるだけでした(7)。ALPSが動き出したのは2013年3月で(8)、それ以前は福島第一の汚染水はセシウムが荒取りされただけで最終段の汚染水タンクに保管されていました。この汚染水を「濃縮塩水」と呼ばれています(9)。その後にALPSが稼働し(7)、「濃縮塩水」からストロンチウム90を除去する設備もでき(9)、濃縮塩水の量は徐々に減っていきました(6)。ただしタンクから「濃縮塩水」を全て抜き取ることはできずタンクの底に残っています。これを取り除くには濃縮塩水タンクを解体するしかないようです(9)。東京電力は「濃縮塩水タンク」等を解体し、新たな汚染水タンクに置き換える計画を進めています(5)。以下に濃縮塩水タンクとSR処理水タンクの容量の推移を示します。
変わらない濃縮塩水タンクとSR処理水タンクの合計容量
 ※(6)を集計
 図-3 濃縮塩水タンクとSR処理水タンクの容量

 合計すると概ね27万立方メートルで殆ど一定です。一度は利用を終えた濃縮塩水タンクをSR処理水タンクとして再利用しています。本来あれば解体する筈の中古タンクを、汚染水タンクの増設ができないので、再利用するその場しのぎの状態が続いています。

3.汚染水はこの先も1日500トンづつ増える
 先月までは東京電力は福島第一原発の汚染水増加量は一日当たり500トンから間もなく250トンに半減すると言い続けていました(10)。ところが10月27日の発表では、しばらくは一日当たり500トンに訂正しました。
これからも汚染水は日量500トンベースで増えるとする東京電力発表
 ※(5)を引用
 図―4 一日500トンの増加がしばらく続くとする東京電力発表資料

 東京電力の計画は当てにならないようです。

4.海側凍土壁完全凍結も汲み上げ量は減らず。
 凍土壁は福島第一のタービンや原子炉建屋の回りを氷の壁で囲い地下水の流れを阻止し、汚染水の増加を抑止しようとするものです(11)。その第一段階として3月31日より海側の凍土壁の凍結を開始しています(12)。現在、海洋への汚染水流出を抑える為にタービン建屋の海側に海側遮水壁等の「壁」を作り海への汚染水の流れを阻止する試みがなされています。
凍土壁・海側遮水壁・サブドレンピット・地下水ドレンピット
 ※(35)を転載
 図―5 サブドレン、凍土壁、地下水ドレン、海側遮水壁

 放置すると溢れてしまうので、地下ドレンピット、ウエルポイント(13)あるいは、汲み上げ車両(パキュームカー)(3)で汲み上げています。これらの汲みあげは「4m盤」からの汲みあげと総称されています(14)。汚染水の増加を抑えるには海岸部(4m盤)からの汲みあげ量を減らす必要があります。東京電力は減らす対策として「凍土壁」に期待を寄せています(15)。東京電力は海側凍土壁の凍結に成功したと発表しました(16)。以下に海岸(4m盤)からの汲み上げ量と、汲み上げた汚染地下水のうちタービン建屋に送った量の推移を示します。
日量70トンよりはるかに多い4m盤からの汲み上げ量
 ※(3)(5)にて作成
 図―6 海岸部(4m盤)からの汚染地下水の汲み上げ量とタービン建屋への移送量

 東京電力は海側凍土壁が完成すれば、海岸部(4m盤)からの汲み上げ量は1日当たり70トンまで減ると主張しているのですが(14)、図に示す通り海側凍土壁が完成しても、3倍程度の200トンを超える汚染地下水を汲み上げています。図に示す通り汲み上げた汚染水の大部分はタービン建屋に送っているので、これからも汚染水は増え続けます。

5.今年も熱中症
 福島第一の廃炉作業は過酷なようです。夏になると過去5年間、毎年のように下請けさんが熱中症になっています。東京電力の発表によると今年も4人の方が熱中症になったそうです(17)。

6.排気塔には図面に無い構造物が沢山
 福島第一原発の排気塔内部で「梁」ような物が見つかり、排気塔の内部調査を中止せざるを得なくなった旨を先週の記事に書きました。その後に追加の調査結果が発表になりました。図面にない色々な物が見つかったそうです(18)。
図面に無いものが多数見つかる福島第一排気塔内部
 ※(18)を引用
 図―7 福島第一の排気塔で見つかった「図面に無い物」

 以下に模式図を示します。

図面に無い物が多数見つかる排気塔内部(模式図)
 ※(18)を引用
 図―8 福島第一の排気塔で見つかった「図面に無い物」(模式図)

7.柏崎刈羽、東北電力はいりません
 東京電力は新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を目指していますが、新潟県に再稼働に慎重な知事が誕生したしたため、当面は再稼働が見込めなくなりました。そのため安倍出戻り内閣は柏崎刈羽原発を分社化し、どこかに「身売り」して東京電力の看板を外す計画をたてました。あてにしている身売り先は東北電力です(19)。
 これについて東北電力の社長は10月27日の定例記者会見で、経済産業省が検討する東京電力の原子力事業分社化を巡り、新会社を東北電と提携させる構想が浮上していることについて「他社との連携は全く念頭にない」と述べ、実現に否定的な考えを強調したそうです(20)。東北電力は柏崎刈羽原発はいらないようです。

8.福島第一のこれからは「秘密会議」で決めます。
 東京電力の経営改革や福島第1原発の廃炉支援策を検討する経済産業省の有識者会合「東京電力改革・1F(福島第1原発)問題委員会」が、開催自体を公表していない非公式の会合を複数回開き、廃炉費用の試算や東電の支援策など重要案件を議論していたことが10月27日、分かったそうです(21)。
経産省の秘密会議を報じる福島民友
 ※(22)を引用
 図―9 福島第一の「秘密会議」を報じる福島県の地方紙・福島民友

 東京電力は隠ぺい体質ですが(23)、安倍出戻り内閣も隠ぺい体質です。しかたが無い事です。トップの安倍出戻り総理は凄い嘘つきです(24)。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 トラブル続の福島原発では福島の皆様は不安だと思います。現福島県知事が就任してから間もなく2年になろうとしています(25)。現知事になって変った事に、知事がスーパーのチラシに登場するようになった事があります。
チラシに登場する福島県知事
  ※(26)を引用
 図―10 スーパーのチラシに登場する福島県知事

それだけ福島の皆さんの福島産離れが進んでいると思います。
 福島県は福島産米のテレビCMを流しています。その中で福島産米の安全をPRしていました(27)。でも、福島県が福島産米の根拠としてる福島県産米の全数・全袋検査は(=^・^=)が調べた限りでは精度を担保データがありません(28)。福島市は新米の季節です。福島県郡山市産米の全数・全袋検査数が約 74万件になりました(29)。福島県のトップです。福島県郡山市の人口は約35万人なので(30)十分な量です。福島県郡山市のお米はあさか舞といって、本当に美味しいそうです(31)。でも福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(32)を引用
 図―11 福島産米が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(10月4週)―福島第一汚染水100万トン突破―
(2)原子炉の安定化|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(4)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況」
(5)(4)中の「2016年10月27日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第35回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(22.7MB)
(6)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(7)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(8)多核種除去設備(ALPS)におけるホット試験の開始について|東京電力
(9)RO濃縮水処理設備について - 東京電力
(10)(4)中の「2016年9月29日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第34回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(27.8MB)PDF ※2016/10/11 更新
(11)陸側遮水壁|東京電力
(12)2016年3月31日 福島第一原子力発電所 陸側遮水壁の凍結運転開始についてPDF
(13)めげ猫「タマ」の日記 凍土壁が失敗した訳
(14)第47回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会中の「資料3:陸側遮水壁(山側)の一部閉合[東京電力]【PDF:2MB】
(15)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(16)2016年10月27日 陸側遮水壁の状況(第一段階フェーズ2)(PDF 10.8MB)
(17)(4)中の「2016年10月27日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第35回事務局会議)⇒【資料3-7】労働環境改善(4.15MB)
(18)(4)中の「2016年10月27日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第35回事務局会議)⇒【資料4】1/2号機排気塔周辺における線量調査結果について(2.03MB)
(19)めげ猫「タマ」の日記 新潟は新知事初登庁・安倍出戻り内閣は東電原発事業の子会社化、それより廃炉を!
(20)<東北電>東電との原子力提携を否定 | 河北新報オンラインニュース
(21)東電委、廃炉費用など密室議論 非公式会合を複数回:主要:福島民友新聞社 みんゆうNet
(22)福島民友新聞社 みんゆうNet -福島県のニュース・スポーツ-を10月27日に閲覧
(23)原発事故と東電の隠蔽体質|WEBRONZA - 朝日新聞社
(24)めげ猫「タマ」の日記 嘘つき安倍出戻り総理(2016)
(25)内堀雅雄 - Wikipedia
(26)イオン福島店
(27)TVCM ふくしまプライド。「お米」篇 | ふくしま 新発売。
(28)めげ猫「タマ」の日記 福島産米業務用に好評、TPP早期導入で駆除を!
(29)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を10月27日に閲覧
(30)郡山市の現住人口/郡山市
(31)郡山の味自慢「あさか舞」/郡山市
(32)2016年10月27日(木)発行の鎌倉屋折込チラシです。
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  1. 2016/10/29(土) 19:44:53|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

密室で幾ら議論しても、出てくるモノは出てくる。止まらない、、。
一般国民をどうやって誤魔化して税金にシフトするかを話し合ったんだろう。
まァ、一般人は気が付かずに払い続けるんだろうなァ、、。
仕方がない、とか言いながら(怒)
  1. 2016/10/30(日) 04:35:31 |
  2. URL |
  3. 武尊 #-
  4. [ 編集 ]

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