めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(11月3週)―サブドレンから汚染水漏れ―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、11月3週(11月13日から19日)もしっかりトラブルが起こっています。
 ①サブドレンから汚染水漏れ
 ②3号機、核燃料プールの燃料取り出しは1年遅れ
 ③「凍土壁」の効果は見えず
 ④汚染水タンクの解体は進まず
福島第一トラブルマップ(11月3週)
 ※1 位置は(3)にる。
 ※2 リファレンスは本文参照
 図―1 福島第一トラブルマップ(11月3週)

1.サブドレンから汚染水漏れ
 サブドレンは、原子炉建屋とタービン建屋近傍にある井戸のことで、地下水をくみ上げ、海に流す事により、原子炉建屋およびタービン建屋へ流入する地下水の量を低減を目指すものです(4)。
凍土壁・海側遮水壁・サブドレンピット・地下水ドレンピット
 ※(5)を転載
 図―2 サブドレン、凍土壁、地下水ドレン、海側遮水壁

 2015年8月より運用が始まりました(6)。図に示す様に原子炉やタービン建屋近くの井戸から「地下水」を汲みあげるので、汲み上げた「地下水」は汚染地下水です。1リットル当たり1万ベクレルの全ベータが過去には見つかっています(6)。このままでは直接に流せないので「浄化装置」通し排水しますが、浄化装置で全ての放射性物質が取り除ける訳ではありません(4)。
 11月15日午後0時45分頃、サブドレン他浄化設備で汚染水漏れが見つかりまりした。1リットルの汚染水が漏れたとのことです。汚染水漏れを起こしたのは「吸着塔1B」との事です(7)(8)。以下に外観を示します。
汚染水漏れを起こした「吸着塔」
 ※(8)を引用
 図―3 汚染水漏れを起こしたサブドレン浄化設備「吸着塔1B」

 サブドレンが稼働してから1年とすこし、そろそろ劣化が始まったのでしょうか?

2.3号機、核燃料プールの燃料取り出しは1年遅れ
 事故から5年8ヶ月以上が経過しましたが、福島第一の原子炉建屋には核燃料が放置されたままです(9)。このうち3号機については昨年(2015年)6月に発表された計画では、2017年度中に核燃料プールからの燃料取り出しを始めるとしていました(9)。
2017年度3号機燃料取り出し計画を発表する東電資料
 ※(9)より作成
 図―4 2017年度中に3号機核燃料プールよりの燃料取り出しを発表する東京電力資料

 図に示すように核燃料取り出しに先立ち「カバー設置」の作業が2016年度初めより開始されるはずでしたが、今(2016年11月)の所は開始されていません。11月18日に原子力規制委員会の第48回特定原子力施設監視・評価検討会が開かれました(10)。その中で、あらたな計画が発表されました(11)。以下に示します。
3号機カーバー設置は来年からと発表する東電資料
 ※(11)より作成
 図―5 新たな3号機機核燃料プールよりの燃料取り出し計画

 図に示すように「カバー設置」の作業が2017年から始める計画に変更されています。図―4に示すように「カバー設置」には1年半程度の時間を要するとの見込みです。すると3号機機核燃料プールよりの燃料取り出しは2018年6月以降になります。ほぼ1年の遅れです。
 1年前に塚打った計画(11)が、1年で1年先延ばしにされました。これからもどんどん遅れが出てきそうです。福島第一の廃炉は30年から40年と国や東京電力は言っていますが(9)、もっとかかりそうです。

3.「凍土壁」の効果は見えず
 凍土壁は福島第一のタービンや原子炉建屋の回りを氷の壁で囲い地下水の流れを阻止し、汚染水の増加を抑止しようとするものです(5)。その第一段階として3月31日より海側の凍土壁の凍結を開始しています。現在、海洋への汚染水流出を抑える為にタービン建屋の海側に海側遮水壁等の「壁」を作り海への汚染水の流れを阻止する試みがなされています。
 放置すると溢れてしまうので、地下ドレンピット、ウエルポイント(12)あるいは、汲み上げ車両(パキュームカー)(13)で汲み上げています。これらの汲みあげは「4m盤」からの汲みあげと総称されています(12)。汚染水の増加を抑えるには海岸部(4m盤)からの汲みあげ量を減らす必要があります。東京電力は減らす対策として「凍土壁」に期待を寄せています(14)。東京電力は海側凍土壁の凍結に成功したと発表しました(15)。以下に海岸(4m盤)からの汲み上げ量と、汲み上げた汚染地下水のうちタービン建屋に送った量の推移を示します。
7月下旬と変わらない海岸部(4m盤)からタービン建屋への移送量
 ※(13)にて作成
 図―6 海岸部(4m盤)からの汚染地下水のタービン建屋への移送量

 図に示す通り8月後半から福島第一では雨が降り、移送量が増えたのですが、その後に雨が治まり10月半ばくらいから「移送量」はほぼ一定になりました。東京電力の主張通りなら、雨が少なったか7月下旬から8月半ばまでの「移送量」より減っていなくてはなりませんが、ほぼ同じ量です。効果はないようです。11月18日の第48回特定原子力施設監視・評価検討会でも特段の報告がなく、東京電力は「効果」を示せなかったようです。
 以下に東京電力が「海①-1」と院でいる部分の配置を示します。
凍土遮水壁・海1-①付近
 ※(15)にて作成
 図―7 海1-①付近の配置

 図に示すようにタービン建屋から海に向かって
  SD2⇒RW30⇒凍土壁⇒Co-15
と並んでいます。以下に地下水位を示します。
下がらないCo-15の地下水位
 ※(15)にて作成
 図―8 海1-①の地下水位

 凍土壁を挟んで山側にRW30が、海側にCo-15が配置されています。凍土壁凍結開始後に海側のCo-15の水位はあまり変化しませんが、山側のRW30の水位は上昇しています。流量を決めるのは「落差」です(16)。海への流量を決めるのは海側のCo-15と海岸の地下水位の差になります。Co-15の水位が下がら以上は落差は縮小しなので「流量」も減りません。流れる水は凍りません(17)。凍土壁で水の流が悪くなっても、内側(RW30)の水位が上昇し、水を流そうとする圧力が増すので、凍土壁を超えて海に向かう「水」の量が変わるはずがありません。


4.汚染水タンクの解体は進まず
 福島第一のタービン建屋から汲み上げた汚染水は汚染水タンクに貯められています。汚染水タンクにはフランジ型と溶接型があります(18)(19)。フランジ型のタンクは寿命が5年とも言われていますので(20)、事故から5年以上経て、寿命を迎えています。東京電力はフランジ型タンクを解体し溶接型タンクに置き換えるリプレース工事をすると発表しています(18)。
 2014年以前のSARRYは、ストロンチウム90を取り除く機能は無く、セシウムが荒どりされるだけでした。ALPSが動き出したのは2013年3月で、それ以前は福島第一の汚染水はセシウムが荒取りされただけで最終段の汚染水タンクに保管されていました。この汚染水を「濃縮塩水」と呼ばれています。その後にALPSが稼働し、「濃縮塩水」からストロンチウム90を除去する設備もでき、濃縮塩水の量は徐々に減っていきました。ただしタンクから「濃縮塩水」を全て抜き取ることはできずタンクの底に残っています。これを取り除くには濃縮塩水タンクを解体するしかないようです(1)。以下に濃縮塩水タンクとSR処理水タンクの容量の推移を示します。
変わらない濃縮塩水とSR処理水タンクの合計容量
 ※(22)を集計
 図-9 濃縮塩水タンクとSR処理水タンクの容量

 合計すると概ね27万立方メートルで殆ど一定です。一度は利用を終えた濃縮塩水タンクをSR処理水タンクとして再利用しています。本来あれば解体する筈の中古タンクを、再利用するその場しのぎの状態が続いています。
 東京電力の汚染水タンク増設計画を見ると(18)、フランジタンクを解体し新たに溶接型タンクを新設をメインにいます。
リプレイスが中心の福島第一汚染水タンク増設計画
 ※(18)を集計
 図―9 2016年10月以降の福島第一汚染水タンク増設計画

 古いフランジタンクの解体ができなければ、新規に汚染水タンクが作れなくなり、やがて汚染水が溢れてしまうかもしれません。




<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 トラブル続きの福島原発、福島の皆様は不安だと思います。
 福島県会津地方の特産品の、みしらず柿の献上箱詰めが行われたそうです(23)。福島県県北・伊達地方の特産品のあんぽ柿(24)の「自主回収」が行われたので(25)、こちらも出荷が始まったようです。福島は「柿」のシーズンです。
みしらず柿、献上・箱詰めを報じるFTV
 (26)をキャプチャー
 図-10 「みしらず柿の献上箱詰め」を報じる福島のローカルTV局(FTV)

福島県は福島産柿は「安全」だと主張しています(27)。会津のみしらず柿はとても食味がよくよいそうです(28)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産柿はありません。
他県産はあっても福島産柿が無い福島県会津若松市のスーパーのチラシめげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(11月2週)―福島第一のダストモニタが警報―
(2)中長期ロードマップ|東京電力
(3)(2)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2016年10月27日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第35回事務局会議)⇒【資料2】中長期ロードマップの進捗状況(概要版)(8.87MB)
(4)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(5)めげ猫「タマ」の日記 凍土壁が失敗した訳
(6)2015年9月2日 海洋汚染をより確実に防止するための取り組み(PDF 3.53MB)
(7)2016年11月16日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(8)2016年11月15日福島第一原子力発電所サブドレン他浄化設備建屋における水溜まりの発見について(PDF 40.1KB)
(9)(2)中の「2015年6月12日(廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議第2回)⇒(資料3)東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ(案)(1.43MB)
(10)第48回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(11)資料1:福島第一原子力発電所3号機原子炉建屋使用済燃料プールからの燃料取り出しに向けたオペレーティングフロアの線量低減について[東京電力]【PDF:7MB】
(12)第47回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会中の「資料3:陸側遮水壁(山側)の一部閉合[東京電力]【PDF:2MB】
(13)報道配布資料|東京電力中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(14)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(15)2016年10月27日 陸側遮水壁の状況(第一段階フェーズ2)(PDF 10.8MB)
(16)水力発電所の出力と有効落差の関係
(17)0℃でも凍らない水
(18)(2)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2016年10月27日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第35回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(22.7MB)
(19)原子炉の安定化|東京電力
(20)タンク耐用年数、根拠なし 第一原発 | 東日本大震災 | 福島民報
(21)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(10月5週)―汚染水タンクが作れません―
(22)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(23)会津身不知柿、献上箱詰め 組合長「この日を迎えられて良かった」:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(24)特産品情報 | 地区別くらし情報 伊達地区 | JAふくしま未来
(25)お知らせ | JAふくしま未来
(26)福島のニュース (11月17日ひる放送) FTV8
(27)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「くだもの編 [PDFファイル/197KB]
(28)みしらず柿 | JA会津よつば
(29)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
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  1. 2016/11/19(土) 19:42:24|
  2. -
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