食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。11月4週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(4)。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
①検査数1,528件
②平均は、1キログラム当たり2ベクレル、最大54ベクレル(福島県産ナメコ)。
基準超は見つかっていませんが、データを解析すると以下の特徴が読み取れます。
①基準超も出荷制限されない福島産ナメコ
②福島ボウボウ、県漁連20.4ベクレル、福島県は96件全数ND
③伊達・あんぽ柿の出荷が始まる。今年は精密検査は致しません。
④福島県西会津町産ナメコから過去最高のセシウム
福島産には注意が必要なようです。
1.基準超も出荷制限されない福島産ナメコ
福島県が力をいれている農林産物に「ナメコ」があります。10、11月が本格シーズンです。主産地は福島県の会津地方だそうです(7)。先週の記事で福島県会津美里町産ナメコから基準値(5)を超える1キログラム当たり110ベクレルのセシウムが見つかりました。データが追加になったので推移をしめします。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 日付けは収穫日
図―1 会津美里町産ナメコのセシウム濃度
でも出荷制限も(8)、出荷自粛もありません(2)。
福島産は基準超が見つかっても「安全」とされ出荷されます。
2.福島ボウボウ、県漁連20.4ベクレル、福島県は96件全数ND
以下にボウボウの検査結果を示します。

※1 福島産(漁連)は福島産のうち福島県漁連の検査結果を示し、(9)を集計
※2 福島産(県)は福島産のうち福島県の検査結果を示し、(1)を集計
※3 宮城産は(1)を集計
※4 日付けは収穫日
※5 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
図―2 ボウボウの検査結果
福島県漁連が検査した福島産ボウボウからは1キログラム当たり20.4ベクレルのセシウムが見つかっています(10)。宮城産ボウボウからもセシウムが見つかっています(11)。両者の検査結果をみれば汚染源がある福島産が高く出ているので整合性があります。でも7月1日以降の福島県の検査結果(1)は96件全数で検出限界未満(ND)です。
先週の記事(4)で、宮城、茨城、千葉産のスズキからはセシウムが見つかっているのに福島県が検査した福島産スズキからはセシウムが見つかっていない旨を記事にしました。データが追加になったので以下に記します。

※1 (1)を集計
※2 日付けは収穫日
※3 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※4 淡水で採れたものは除く
図―3 スズキの検査結果
今週も茨城産や千葉産のスズキからは確りセシウムが見つかっています(12)。でも今週の発表でも福島産スズキは全数が検出限界未満です(13)。これで福島産スズキは28件全数で検出限界未満(ND)です。汚染源がある福島産が宮城、茨城、千葉より低くでるなどおかしな話です。福島県漁連を除けば、福島産の農水産物を検査しているのは福島県農林水産部に所属する福島県農業総合センター(14)です(13)。中立性に疑問があります。
福島産は他よりも低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
3.伊達・あんぽ柿の出荷が始まる。今年は精密検査は致しません。
福島の冬を代表する果物にあんぽ柿があります(15)。でもあんぽ柿は福島全域で生産されている訳ではありません。伊達地方(伊達市、桑折町、国見町)が中心です(16)。以下に位置を示します。

※1(17)の数値データを元に(18)に示す手法で11月1日時点に換算
※2 避難区域は(19)による
※3 伊達地方の範囲は(15)による
図-4 福島県伊達地方
図に示しように伊達地方は避難地域に隣接し、事故から5年8ヶ月が経過しましたが国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた地域が広がっています。福島のあんぽ柿は汚染された地で生産されます。全農福島は11月17日まに15,048点を出荷したと発表しました(21)。確り検査して欲しいと思います。以下に精密検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2 日付けは生産日
※3 NDは検出限外未満(見つからない事)を示す。
図―5 あんぽ柿の検査結果
図に示す通りこれまで、基準値の倍以上の1キログラム当たり200ベクレルを超えるセシウムが見つかっています。それでも今年(2016年)は検査結果がありません。ただし、主産地の伊達地区以外は確り検査しています。
福島産は汚染の酷い産地を避けた検査で「安全」とされ出荷されます。
あんぽ柿については福島県の農協は全数検査をしていると主張していますが(20)、簡易検査であり抜き取りで精密検査を実施し問題が無い事を確認する必要がありますが、そのようなデータは発表してません(20)。
4.福島県西会津町産ナメコから過去最高のセシウム
以下に福島県西会津町産ナメコのセシウム濃度を示します。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 日付けは収穫日
図―6 福島県西会津町産ナメコのセシウム濃度
厚生労働省は福島県西会津町産ナメコから1キログラム当たり54ベクレルのセシウムが見つかったと発表しました(23)。図に示す通り原発事故以降最大です。
事故から5年8ヶ月以上が経過しましたが、福島産はセシウム濃度が上昇するものがあります。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
・基準超でも出荷制限されない福島産
・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
これでは福島の皆様は心配だと思います。
福島は今、ナメコのシーズンです(7)。福島のナメコは美味しいそうです(24)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産ナメコはありません。

※(25)を引用
図―7 福島産ナメコが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1009報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(11月3週)―岩手県産サワラからセシウム。福島産は66件全てでND―(5)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(6)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(7)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(8)(3)中の「
原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限等(PDF:289KB) 」
(9)
福島県における魚介類の試験操業に関するポータルサイトです(10)(9)中の「
相馬双葉地区 中の「ボウボウ、生、2016/11/17,相馬沖」
(11)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1006報) |報道発表資料|厚生労働省中の「1 自治体の検査結果⇒
検査結果(PDF:896KB) 中のNo3500」
(12)(3)中の「1 自治体の検査結果⇒
検査結果(PDF:880KB) 中のNo1275,1276、1995」
(13)(3)中の「2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果⇒
検査結果(PDF:171KB) 中のNo264,265,266、377,441
(14)
農林水産部 - 福島県ホームページ(15)
冬 | ふくしまの果物 | JA全農福島(16)
あんぽ柿について | ふくしまの果物 | JA全農福島(17)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(18)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(19)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(20)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(21)
あんぽ柿検査情報 | 冬 | JA全農福島(22)(21)中の「
平成28年11月17日現在pdf[270KB]」
(23)(3)中の「2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果⇒
検査結果(PDF:171KB) 中のNo105
(24)
福島県産なめこの美味しさの秘密とは!? | ふくしま 新発売。(25)
イオン福島店
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- 2016/11/29(火) 19:43:02|
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