福島県の地方紙の福島民報は「ストロンチウムほぼ影響なし 本県(福島県)沿岸魚類」と報じていました(1)。(=^・^=)なりに調べると事故前に比べ一桁以上も高くなっています。
事故から6年目になりましたが、福島第一原発は今も放射性物質を海に流し続けています。以下に福島第一原発構内の排水路の一つであるK排水路の放射性物質濃度を示します。

※(3)(4)を集計
図―1 福島第一K排水路の放射性物質濃度
図に示す通り、セシウムの他に法定限度を超える全ベータ放射能に汚染された排水が海に流れだしています。全ベータはストロンチウム90と密接に関連した放射能です(5)。以下に福島第一の海岸付近のNo1井戸の放射性物質濃度を示します。

※1(6)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す
図―2 No1井戸の放射性物質濃度
図に示す通り、全ベータとストロンチウム90は連動しています。福島県沖の魚のストロンチウム90汚染が心配されます。これについて福島県の地方紙の福島民報は「ストロンチウムほぼ影響なし 本県沿岸魚類」との表題で
「国立研究開発法人『水産研究・教育機構中央水産研究所』の研究グループは、本県沿岸の魚類に含まれるストロンチウム90の濃度は東京電力福島第一原発事故前と同程度で推移しており、ストロンチウム放出による影響はほとんど受けていないとする研究結果をまとめた。」
と報じていました(1)。だた学会でも論文でもなく11月29日、いわき市の中央台公民館で開かれた福島県漁協組合長会議の席上での発表です(1)。「水産研究・教育機構中央水産研究所」のホームページ(7)に公表されることもありまんせした。発表内容は「福島県漁協組合長」には示されたかもしれませんが、専門家の目にふれることはなかったと思います。(=^・^=)の感覚ではかなり怪しげな発表です。本当かと思い(=^・^=)なりに調べることにしました。
当該の発表の詳細データは見ることができませんでしたが、東京電力は3ヶ月1回(概ね
3,6、9,12月)に福島第一原発沖20km圏内のお魚のストロンチウム90の測定結果を発表しています(8)。一方で事故前より日本各地のお魚のストロンチウム90は測定されているので(9)、比較してみました。

※1(8)(9)にて作成
※2「赤」は福島第一原発沖の東京電力測定結果
図―3 事故前の日本各地の魚と福島第一原発沖20km圏内の魚のストロンチウム90濃度
図に示す様にストロンチウム90の含有量は事故前が1キログラム当たりで0.01~0.1ベクレルですが、福島原発20km圏内では0.1~1ベクレルで、中には1ベクレルを超えるものもあります。事故前と同程度で推移してりのでなく、一桁(10倍)に跳ね上がっています。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島が「安全」と報道には嘘が多くなってきました。最近ではNHKが凍土壁の効果で福島第一の海岸からの汚染地下水の汲み上げ量が1日100トンまでに減った(実は減って以内)との「嘘」を全国放送していました(10)。9月には福島県地方紙の福島民友が、福島の甲状腺と関係が無いと報じていました。この記事のもとになったのが福島県立医大の方の論文ですが(11)、当該論文については9月14日に開催された「第24回福島県「県民健康調査」検討委員会」(12)で議論になり全文の邦訳を公表することが議論になったのですが(13)、今の所は担当課のHP(14)を見る限り公表されていません。内容が酷く公表できないような気がします。
福島のお魚のストロンチウム90も「安心」できないようです。以下に福島第二原発沖2kmの東京電力がT―S7地点のストロンチウム90濃度とカルシウム含有量の相関を示します。

※1(8)(15)で作成
※2 カルシウム含有量は100g当たりのmg数
図―4 ストロンチウム90濃度とカルシウム含有量の相関
図に示す通り、カルシウム含有量が多いほどストロンチウム90も多く含みます。福島沖ではカタクチイワシ等の幼魚である「シラス」(16)の漁が行われていますが、加工品として出荷されるようです(17)。カタクチイワシの煮干しは100g当たり2,200mgのカルシウムを含むのでストロンチウム90も相当な量になると予想されますが、東京電力の発表(8)には含まれていません。
以下に今年の東京電力の検査結果を示します。

※(8)を集計
図-5 福島原発沖20km圏内の魚のストロンチウム90検査結果
サンプル数が少ないので明確には言えませんが(=^・^=)目には上昇しているように見えます。
このような事では福島の民様は不安だとおもいます。
福島県は福島産米のテレビCMを今日まで流しています。福島県喜多方市の小学生の皆様が登場します。

※1(18)をキャプチャー
※2 小学校の位置は(19)よる。
図―6 福島産米のテレビCMに登場する福島県喜多方市の小学生
その中で福島産米の安全をPRしていました(18)。でも、福島県が福島産米の根拠としてる福島県産米の全数・全袋検査は(=^・^=)が調べた限りでは精度を担保データがありません(20)。福島は新米の季節です。福島県喜多方市産米の全数・全袋検査数が約63万件になりした(21)。同市の人口は5万人弱なので(22)市民が食べるには十分な量です。喜多方産米をはじめとする会津米は極上だそうです(23)。でも福島県喜多方市のスーパーのチラシには福島産米はありません。

※(24)を引用
図―7 福島産米が無い福島県喜多方市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県喜多方市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
ストロンチウムほぼ影響なし 本県沿岸魚類 | 東日本大震災 | 福島民報(2)
報道配布資料|東京電力(3)(2)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(4)
2016年8月23日福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)(PDF 138KB)(5)
めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(6)(2)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(7)
国立研究開発法人水産研究・教育機構(8)(2)中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域>201*年度 第*四半期採取分 」
(9)
海水魚中のSr-90の経年変化(10)
めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘放送。福島第一の凍土壁で海岸からの汲み上げ量は100トンに減、実は倍(11)
めげ猫「タマ」の日記 「甲状腺がん、線量関連なし」と福島民友、実は黒に近いグレー(12)
第24回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成28年9月14日)の議事録について - 福島県ホームページ(13)
第24回「県民健康調査」検討委員会 議事録 [PDFファイル/1.03MB]中の33~37ページ
(14)
県民健康調査課 - 福島県ホームページ(15)
五訂増補日本食品標準成分表 [第2章]中の「
10 魚介類(PDF:283KB) 」
(16)
シラス (魚) - Wikipedia(17)
福島県における魚介類の試験操業に関するポータルサイトです中の「 漁協によるスクリーニング検査結果 ⇒
相馬双葉地区」
(18)
TVCM ふくしまプライド。「お米」篇 | ふくしま 新発売。(19)
喜多方市立豊川小学校 - 喜多方市教育ポータル"喜多方市立豊川小学校 - 喜多方市教育ポータル(20)
めげ猫「タマ」の日記 福島産米業務用に好評、TPP早期導入で駆除を!(21)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を11月30日に閲覧
(22)
喜多方市ホームページ(23)
沖縄県へ米のトップセールスを実施 - 喜多方市ホームページ(24)
ヨークベニマル/お店ガイド
スポンサーサイト
- 2016/11/30(水) 19:42:44|
- -
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0