めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(12月1週)―東京電力社長、新潟県知事と面会できず―

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、12月1週(11月27日から12月3日)もしっかりトラブルが起こっています。
①凍土壁8ヶ月、東京電力は「効果」を明言せず。
②福島第二には「安全」とパネル展示
③賠償請求書を失くしました
④東京電力社長、新潟県知事と面会できず
⑤福島事故、直接費用は20兆円

1.凍土壁8ヶ月、東京電力は「効果」を明言せず。
 凍土壁は福島第一のタービンや原子炉建屋の回りを氷の壁で囲い地下水の流れを阻止し、汚染水の増加を抑止しようとするものです(2)。その第一段階として3月31日より海側の凍土壁の凍結を開始しています(3)。現在、海洋への汚染水流出を抑える為にタービン建屋の海側に海側遮水壁等の「壁」を作り海への汚染水の流れを阻止する試みがなされています。
凍土壁・海側遮水壁・サブドレンピット・地下水ドレンピット
 ※(2)を転載
 図―1 サブドレン、凍土壁、地下水ドレン、海側遮水壁

 放置すると溢れてしまうので、地下ドレンピット、ウエルポイント(4)あるいは、汲み上げ車両(パキュームカー)(5)で汲み上げています。これらの汲みあげは「4m盤」からの汲みあげと総称されています(4)。汚染水の増加を抑えるには海岸部(4m盤)からの汲みあげ量を減らす必要があります。東京電力は減らす対策として「凍土壁」に期待を寄せています(3)。凍結開始から8ヶ月が過ぎました。以下に汲み上げた汚染地下水のうちタービン建屋に送った量の推移をしめします。
7月後半と変わらない海岸部からタービン建屋への汚染地下水移送量
 ※(5)を集計
 図―2 海岸部汲み上げ汚染地下水のタービン建屋への移送量

 10月後半から減ったようにも見えますが、これは雨が降らなくなったためであり、同じく雨が降らなかった7月後半から8月前半と比べてみると共に1日当たり100トン前後でおおきな変化はありません。
 会見(6)を聞いていたのですが効果は明言していません。なんでも凍土壁の水位が下がるのを待つそうです。以下に東京電力が「海1-①」と呼んでいる部分の配置を示します。
凍土遮水壁・海1-①付近
 ※(7)にて作成
 図―3 海1-①付近の配置

 図に示すようにタービン建屋から海に向かって
  SD2⇒RW30⇒凍土壁⇒Co-15
と並んでいます。流量は「水位差」できまります(8)。Co-15の水位が下がらないと流量抑制の効果はありません。以下に水位を示します。

下がらない凍土壁海側の地下水位
 ※(7)にて作成
 図―4 海1-①の地下水位
 
 図に示す通りCo-15の地下水位はこのところ下がっていません。これからも下がらないと思います。東京電力の主張する「水位が下がるのを待つ」のであれば、永遠に効果は確認できません。報道によると原子力規制委員会は「凍土壁」の効果について年内は判断しないそうです(9)。

2.福島第二には「安全」とパネル展示
 東京電力はこれまでは毎週木曜日にJヴィレッジで会見をひらいていたのですが、12月1日からは富岡町の旧エネルギー館に会見場所を移しました(10)。これで報道関係者の皆様は「旧エネルギー館」に出入りできるようになりました。
 旧エネルギー館の会見に福島県の地元紙の記者がいっていました。同記者は「第2原発はなぜ過酷事故を免れたのか」とのパネルが展示されているのを見つけ、会見でかみついていました。
「来場者に第1原発と比べてもらう形で第2原発の安全性を発信したい思惑もありそうだ。」
とのことです(11)。でも福島第二が安全である訳がありません。汚染水漏れをお越し、使用済み核燃料の冷却が一時停止した事を先週にお伝えしたばかりです(1)。

3.賠償請求書を失くしました
 東京電力は12月2日に福島第1原発事故による営業損害賠償の請求書計3通を失くしてしまったと発表しました(12)。なんでも福島県須賀川市の同社相談窓口に訪れた相談者から「知り合いの賠償が滞っている」と問い合わせあり、調べたら6月6日に書類を受け付けていたが、処理した記録がなく、書類を紛失していることが発覚したそうです。その後、福島県内の他の請求が適正に処理されているか調べたところ、11月29日にさらに2通の紛失を確認したそうです(12)(13)。

4.東京電力社長、新潟県知事と面会できず
 全国的に鳥インフルエンザが広まっているようです。福島でも鳥インフルエンザが見つかったそうです(14)。
福島での鳥インフルエンザ発見を報じる福島民友
  ※(15)を12月3日に閲覧
 図―5 福島でも鳥インフルエンザが見つかったと報じる福島県の地方紙・福島民友

 
 東京電力は新潟県内限定でテレビCMを流すなど、同社の柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に躍起になっているようです(16)。ところが今年10月の知事選挙で野党系の柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に慎重な方が当選し、10月25日に新知事に就任しました(17)。東京電力は新知事との面会を申し入れたのですが、いまだ実現していません。
 当初は11月22日に会うことになっていたのですが、福島で地震が起こり中止になりました(18)。代わりに11月29日を設定したのですが、新潟で鳥インフルエンザが見つり対応の為に中止になりました(19)。会う約束したのに天変地異のために2回も会うことができなくなりました。新潟県知事と東京電力社長はよほど相性が悪いみたいです。

4.福島事故、直接費用は20兆円
 11月27日に東京電力福島第1原子力発電所で起きた事故の賠償や廃炉費用の合計が20兆円を超えるとの報道が流れました(20)。
 賠償、廃炉、除染で20兆円になると報じる福島県の地方紙・福島民友
 ※(15)を11月29日に閲覧
 図―6 賠償、廃炉、除染で20兆円になると報じる福島県の地方紙・福島民友

 ところが2日後の11月29日には、22.6兆円になったとの報道がながれました(21)。2日で2兆、1日1兆円で増えてしまいました。内訳は
 廃炉 現行2兆円  ⇒8.2兆円
 賠償 現行5.4兆円⇒8兆円
 除染・中間貯蔵施設 3.6兆円⇒6,4兆円
 合計 現行11兆円 ⇒22.6兆円
です。
 出所は経産省のリークのようですが(20)(21)、経産省のお役人が良心的で、福島が当初の想定よりも大変な事態なので早く国民に知らせなければ、なんてことは絶対にないと思います。意図があるはずです。意図については想像するしかありませんが、22.6兆なら大変な「利権」です。電気代が上がるくらいなら柏崎刈羽の再稼働をとの「世論形成」を狙っているかも知れません。
 だたし彼等の失敗には触れられていません。こうした事態をまねいた要因の一つに再稼働を目指し実施した柏崎刈羽原子力発電所への「安全投資」があったはずです。でも3項に記載したように、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働は見通せません。無駄な出費です。新潟の読者に聞くと、柏崎刈羽原子力発電所は事故を起こし、地元には電気を供給してない(22)東京電力の発電所なので、反原発と言うよりは「柏崎刈羽原子力発電所」の再稼働には反対だとの方が多いようです。こうした声は経産省も察知していたようです。柏崎刈羽原発を分社化して「身売り」をして東京電力から切り離す構想を抱いています(23)。すくなくとも再稼働の見込みの無い柏崎刈羽原子力発電所に「安全投資」させ、国民負担を増やしたのは安倍出戻り内閣の失策です。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 12月2日のNHKの番組で、福島から自主避難された小学生がいじめに会って不登校になった(24)ニュースを流していました。いじめはそこそこあり(25)、いじめで自殺のニュースはみるのですが、不登校程度で全国ニュースにするのは異例だと思います。このニュースは福島県の地方紙の福島民友が大きく扱っていたのは図-5に示す通りです。
 報道側の意図を考えたくなります。事故後に若い女性を中心とした「福島脱出」が止まらず福島県は人口減に苦しんでいます(26)。福島の皆様が福島県外に出たらいじめられるとの印象を与えるのは有効な対策になるはずです。(=^・^=)の住む街に避難されているかたにはお願いしたのですが、福島民友は従前に
「 原発事故に伴い、中通りなどから県外へと住まいを移した自主避難者は3万人を超えるとされる。放射性物質による健康被害への懸念が強く、健康への関心が高い層が中心とみられている。この層の県外流出は、県内の小売業にも客層の変化という形で微妙な影を落としている。」
と(27)、と自主避難者を批判するような記事を配信しています。福島には自主避難者に対する反発があります。戻っても自主避難した事でいじめにあうリスクもあると思います。ただし、そのような事が起こっても決して報道されることはないと思います。(=^・^=)の街の方と協力していじめを減らすしていくのも「選択肢」だと思います。
 本文に記載した通り、福島原発はトラブル続です。福島の皆さんは不安だと思います。
 福島県県北地方では特産のあんぽ柿の出荷が始まったそうです(28)。福島は柿のシーズンです。
あんぽ柿は「安全」と報じる福島県のローカルTV局(FCT)
 ※(29)を引用
 図―7 あんぽ柿は「安全」と報じる福島県のローカルTV局(FCT)

 福島のあんぽ柿はきれいなアメ色をした色つや、表面はしっかり乾燥し中はトロリとした口当たりの良さが特徴だそうです(30)。図―7に示す通り「安全」とも報じられています。でも、福島県県北地方の福島県福島市のスーパーのチラシには福島産柿はありません。
他県産はあってもお福島産柿が無い福島県福島市のスーパーのチラシ 
 ※(31)を引用
 図―8 福島産柿が無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(11月4週)―福島第2で核燃料プールから水漏れ―
(2)めげ猫「タマ」の日記 凍土壁が失敗した訳
(3)2016年3月31日 福島第一原子力発電所 陸側遮水壁の凍結運転開始についてPDF
(4)第47回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会中の「資料3:陸側遮水壁(山側)の一部閉合[東京電力]【PDF:2MB】
(5)報道配布資料|東京電力中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(6)2016/12/1(木) 原子力定例記者会見
(7)2016年12月1日陸側遮水壁の状況(第一段階フェーズ2)(PDF 6.71MB)
(8)水力発電所の出力と有効落差の関係
(9)福島第1の凍土壁全面凍結、年内は判断せず 規制委  :日本経済新聞
(10)原子力定例会見開催日(12月1日)のご案内について|報道関係各位一斉メール|東京電力ホールディングス株式会社
(11)安全強調か...パネル「第2原発はなぜ過酷事故を免れたのか」:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(12)原子力損害賠償に関する書類の紛失について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(13)東京電力、賠償請求書を「紛失」 相談窓口の問い合わせから発覚:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(14)福島で鳥インフル 県内平成23年以来 強毒性か確認へ | 県内ニュース | 福島民報
(15)福島民友新聞社 みんゆうNet -福島県のニュース・スポーツ-
(16)新潟県の皆さまへ(新潟本社)|東京電力ホールディングス株式会社
(17)米山隆一 (政治家) - Wikipedia
(18)新潟県:東京電力幹部との面会の延期についての知事コメント
(19)新潟県:知事と東京電力數土会長、廣瀬社長との面会を延期します
(20)福島廃炉・賠償費20兆円 経産省推計、想定の2倍  :日本経済新聞
(21)福島原発事故処理に22.6兆円 廃炉8.2兆円、新電力も負担 - 共同通信 47NEWS
(22)【経済インサイド】電力自由化、仁義なき戦い 東京電力が東北電力エリアの新潟に進出!? 柏崎刈羽原発再稼働の切り札か?(1/4ページ) - 産経ニュース
(23)原発「統廃合」の迷路:電力は「反対」メーカーは「推進」 フォーサイト-新潮社ニュースマガジン:時事ドットコム
(24)担任が避難者児童に「菌」|社会|新潟県内のニュース|新潟日報モア
(25)“いじめ追跡調査” 小学校高学年の加害者は減少
(26)めげ猫「タマ」の日記 福島県の人口190万人割れ、若い女性の福島脱出の効果
(27)みんゆうNet 原発災害・「復興」の影-【6】健康志向の顧客減少 自主避難で小売業にも客層の変化(福島民友ニュース)
(28)特産あんぽ柿全国に出発 伊達で1250トン出荷へ | 県内ニュース | 福島民報
(29)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2016年12月1日(木)放送」
(30)特産品情報 | 地区別くらし情報 伊達地区 | JAふくしま未来
(31)イオン福島店
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  1. 2016/12/03(土) 19:46:09|
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コメント

安倍出戻り内閣と経産省のチョンボなのは確かですね。そして予算から浮かして懐に(天下り)入れさせる分が回せなくなったから、もんじゅを文科省から取り上げる算段をしてる、安倍と経産省てなところでしょう。何でも文科省が未だもんじゅやりたい、と云いに行ったら、安倍は首を縦に振らなかったそで。経産省(祖父ちゃん時代からの、長い付き合い)の窮状を優先したってこと。
  1. 2016/12/04(日) 01:34:52 |
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  3. 武尊 #-
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