めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(12月2週)―デブリの冷却が止まる―

トラブルいっぱい福島原発(12月2週)―デブリの冷却が止まる―
 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、12月2週(12月4日から10日)もしっかりトラブルが起こっています。
 ①福島第一でも核燃料プールの冷却が停止
 ②福島第一3号機のデブリの冷却が停止
 ③福島第一サブドレンが汚染水漏れを起こし「停止」
 ④廃炉、除染、賠償に21.5兆円
トラブルマップ(12月2週)
 図―1 福島第一トラブルマップ

1.福島第一でも核燃料プールの冷却が停止
 福島第一原発の1~3号機では、事故から5年9ヶ月が経ちましたが、核燃料プールに使用済み核燃料が放置されています(2)。使用済み核燃料は熱を出し続けるので(3)、冷却を続けなくてはなりません。以下にその概略を示します。
水漏れで機能が停止した核燃料プール冷却系の構成
 ※(4)にて作成
 図―2 福島第一の核燃料の冷却

 大きく1次系と2次系に分かれており、1次系は核燃料プール内の水を循環させ熱交換器に送ります。熱交換器は2次系の水が循環していいて1次系の水を冷やす仕組みなっています。2次系には配管の他に水を循環させるためのポンプ、中に溜まった空気を抜くための「ベント管」、ベント管には中の水が溢れでないように「弁」が付いています(4)。
 12月4日22時39分頃、1号機~3号機共用の使用済燃料プール二次冷却系循環ポンプ(A)の吸込圧力低の警報が発生したので、ポンプ(A)から予備機であるポンプ(B)に切替えを実施したが、ポンプ(A)同様、吸込圧力低の警報が発生したため、ポンプ(B)についても停止操作を実施し、核燃料プールの冷却が停止しました。
 現場を調べたら、1号機使用済燃料プール代替冷却系の一次冷却系ポンプ(A)の軸受け冷却水(共用の二次冷却系により供給)配管のベント弁が「開」状態であるのが見つかりました。本来は閉であるベント弁が開けっ放しになっていたので、そこから水が溢れ出し、共用の二次冷却系の圧力が低下し、冷却が出来なくなったとのことです(4)(5)。
核燃料プール冷却系ベント管
 ※(6)を引用
 図―3 水が溢れだしたベント管

 どうもパトロール中に運転員(東電社員様?)が誤って触れてしまい本来は閉まっているはずの弁が「開き」、水漏れをお越し2次冷却系の水が抜けとまったようです。
 11月22日は福島第二で同じく水漏れで核燃料プールの冷却が止まったばかりです(7)。

2.福島第一3号機のデブリの冷却が停止
 福島第一1~3号機内には事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)(8)が放置されており、取り出しの目途は経っていないようです(9)。こちらも使用済み核燃料と同じく「熱」を出し続けるので、冷やす必要がります。そこで東京電力は原子炉に水を流し込み冷やし続けています(10)。
3号機に残るデブリ
 ※(11)を引用
 図―4 3号機燃料デブリ

 12月5日に3号機の原子炉に水を流す事ができななり「冷却」が止まりました(12)。
3号機「冷却」停止を報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(13)を12月6日に閲覧
 図-5 3号機「冷却」停止を報じる福島県の地方紙・福島民報

 12月5日に3号機原子炉へ水をこり込む装置の点検していたそうです。点検内容は計測機を使って、水が原子炉に送れなくなったら決められた「警報」がでるかです。その作業中は下請けさんがタイベック(防護服(14))を身に着けて行っているのですが、タイベックはぶかぶかだそうです。
ぶかぶかのタイベックスと狭い作業現場
 ※(15)を引用
 図―6 ぶかぶかのタイベック(防護服)

 移動中にタイベックスーツをスイッチに引っ掛けて、3号機原子炉へ水を送るポンプについていたカバーが外れ、さらにスイッチが停止側に動いてしまいした。その結果、3号機原子炉へ水が遅れなくなり、「冷却」が停止しました。
 「警報」は出たのですが、「警報」が出るかどうかの点検作業をしていたものですから本物の「警報」とはなかなか気づかなかったようです。原子炉の「冷却」停止は5日午前10時2分に起こったですが、緊急事態(運転上の制限「常用原子炉注水系において、原子炉の冷却に必要な注水量が確保されていること」を満足できないと)と東京電力が判断したのは28分後の午前10時30分とのことです(16)(17)(18)。以下にカバーが外れてしまったスイッチを示します。
カバーが外れたスイッチ
 ※(15)を引用
 図―7 カバーが外れたスイッチ

 図―6は現場の再現写真との事ですが(16)、かなり狭い場所です。
 この件についてNHKは直ぐには報道しなかったようです。東京電力は5日13時から臨時会見を開き(19)(20)、それ以前に第一報を出していたのですが(21)、当時の夕刻18時頃にNHK福島のホームページ(22)を見たのですがこのニュースは掲載されていませんでした。
デブリ冷却停止を直ぐに報じないNHK
 ※(22)を5日夕刻に閲覧
 図―7 3号機冷却停止を報じないNHK

他局(FCT、FTV等)は5日のお昼のニュースで取り上げています(23)(24)。NHKは福島第一のトラブル報道には熱心ではないようです。でも、廃炉が順調だとのプロパガンダには熱心なようです。11月21日の19時台の番組では「凍土壁」の効果で、福島第一海岸部からの汚染地下水汲み上げ量が100トンにまで減ったと「デマ」を全国放送していました(25)。
 海側(地下水ドレンおよびウエルポイント?)からの汲み上げ量が1日100トン前後まで減ったと報じていました(25)。
海側からの汲み上げ量が1日100トン前後まで減ったと報じるNHK
 ※NHKは11月21日の19時台の番組をキャプチャー
 図―8 海側からの汲み上げ量が1日100トン前後まで減ったNHK

 以下に汲み上げ量とタービン建屋に送った量を示します。
11月でも1日当たり200トン程度の海岸部からの汲み上げ量
 ※1(25)を転載
 ※2 汲み上げ車両はバキュウームカーのようなもの
 図―9 汲み上げ量とタービン建屋への移送量

 図に示す通り、11月以降をみても1日当たり100トンでなく200トンです。NHKは「嘘」を放送しています(25)。
 原発の近くに住む皆様に言いたいのですが、原発がトラぶってもNHKは直ぐに報道する事はありません。その代わり「安全」「安心」とのデマを放送しそうです。

3.福島第一サブドレンが汚染水漏れを起こし「停止」
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです。汲み上げた汚染地下水は浄化装置をとうした後に、海に流されます。ゆうまでのなく、浄化装置を通しても、全ての放射性物質が除去できる訳ではありません。
 12月6日午前6時43分頃、サブドレン浄化建屋において、漏えい検知器が警報を出しました。東電社員様は調べたらサブドレン配管から水が滴り落ちていたそうです。漏れた水は漏えい範囲は約5m×2m×深さ2mmに広がり約20リットルとの事です。その後に配管のうち3箇所を交換し、漏れは止まったそうです。
 運転が再開できたのは同日17時7分で約10時間にわたり動作が停止しました。

4.廃炉、除染、賠償に21.5兆円
 経済産業省は福島第一の廃炉、除染、賠償に21.5兆円かかる旨を正式発表しました(28)。
事故処理に21.5兆円と報じる福島民友
 ※(29)を引用
 図―10 廃炉、除染、賠償に21.5兆円と報じる福島地方紙・福島民友

 経産省の資料(28)は1枚ものなので詳細は見ていただけばともいますが、概略は以下の通りです。
 廃炉 8兆円
 賠償 7.9兆円
 除染 4兆円
 中間貯蔵施設 1.6兆円
 合計  21.5兆円
です。
 負担先は
  東京電力 15.9兆(廃炉、賠償、除染)
  大手電力  5.7兆円(賠償)
  新電力   0.24兆円(賠償)
  国(税金) 1.6兆円(中間貯蔵施設)
で、基本は電気代に上乗せになるか税金です。
 (=^・^=)が気になったのは賠償支払い額の見込みです。以下に半年毎の賠償支払い額を示します。
 半年で5000億円程度の東京電力賠償額
※(30)を集計
 図―11 東京電力の賠償支払い額

 図に示す通り、概ね半年当たり5000億円程度で、除染を除いて総額で6兆円を既に支払っているので、残りは2兆円です。福島の賠償あと2、3年で打ち切りでしょうか?そして福島のローカルTV局のFCTが報じるところによれば「帰還困難区域」の復興費用(含む除染)は国(税金)で賄われるそうです(31)。総額はもっと大きくなると思います。

4.凍土壁効果見えず
  凍土壁は福島第一のタービンや原子炉建屋の回りを氷の壁で囲い地下水の流れを阻止し、汚染水の増加を抑止しようとするものです(32)。その第一段階として3月31日より海側の凍土壁の凍結を開始しています(33)。現在、海洋への汚染水流出を抑える為にタービン建屋の海側に海側遮水壁等の「壁」を作り海への汚染水の流れを阻止する試みがなされています。凍土壁から漏れた汚染地下水は海側の地下水ドレンで汲み上げられ一部はタービン建屋に送られます(34)。以下に海岸部からタービン建屋への移送量を示します。
7月末と変わらい海岸からタービン建屋への汚染地下水移送量
 ※(34)を集計
 図―12 海岸部からタービン建屋への移送量

 梅雨明け後の7月末に比べて今週も減っている様子がありません。凍結開始から8ヶ月以上が過ぎましたが凍土壁の効果は見えません。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 トラブル続きの福島第一原発、福島の皆様は不安だと思います。
 福島県会津地方の特産品のみしらず柿が海外に輸出され、完売したそうです(35)。福島特産のあんぽ柿もシーズンを迎えました(36)。福島の柿は美味しいそうです(37)。福島県は福島産柿は「安全」だと主張しています(38)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産柿はありません。
他県産はあっても福島産柿が無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(39)を引用
 図―13 福島産柿が無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。



―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(12月1週)―東京電力社長、新潟県知事と面会できず―
(2)福島第一・第二原子力発電所の燃料貯蔵量 - 福島県ホームページ
(3)放射性崩壊 - Wikipedia
(4)2016年12月5日福島第一原子力発電所 使用済燃料プール循環冷却二次系設備停止について(PDF 300KB)
(5)2016年12月05日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(6)東京電力ホールディングス 写真・動画集| 福島第一原子力発電所 使用済燃料プール循環冷却二次系設備停止について
(7)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(11月4週)―福島第2で核燃料プールから水漏れ―
(8)燃料デブリ(ネンリョウデブリ)とは - コトバンク
(9)格納容器内部調査|東京電力
(10)原子炉の安定化|東京電力
(11)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2016年11月24日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第36回事務局会議)⇒【資料2】中長期ロードマップの進捗状況(概要版)(7.20MB)
(12)2016/12/5(月) 福島第一原子力発電所3号機復水貯蔵タンク炉注水ポンプ(B)の停止における臨時会見
(13)福島民報
(14)化学防護服TOP│旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ ホームページ
(15)東京電力ホールディングス 写真・動画集| 福島第一原子力発電所 3号機原子炉注水停止に伴う運転上の制限からの逸脱ならびに復帰について
(16)2016年12月5日福島第一原子力発電所 3号機原子炉注水停止に伴う運転上の制限からの逸脱ならびに復帰について(PDF 116KB)
(17)2016年12月06日福島第一原子力発電所の状況について(日報)午後5時現在】
(18)2016/12/8(木) 原子力定例記者会見
(19)福島第一原子力発電所3号機復水貯蔵タンク炉注水ポンプ(B)の停止における臨時会見の開催案内について|報道関係各位一斉メール|東京電力ホールディングス株式会社
(20)2016/12/5(月) 福島第一原子力発電所3号機復水貯蔵タンク炉注水ポンプ(B)の停止における臨時会見
(21)福島第一原子力発電所3号機復水貯蔵タンク炉注水ポンプ(B)の停止(LCO逸脱)|報道関係各位一斉メール|東京電力ホールディングス株式会社
(22)小学生が12年後の自分に手紙 - NHK福島県のニュース
(23)ニュース|福島中央テレビ
(24)福島のニュース (12月5日ひる放送) FTV8
(25)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘放送。福島第一の凍土壁で海岸からの汲み上げ量は100トンに減、実は倍
(26)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(27)2016年12月07日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(28)東京電力改革・1F問題委員会(第6回)‐配布資料(METI/経済産業省)中の「参考資料(PDF形式:783KB)
(29)福島民友新聞社 みんゆうNet -福島県のニュース・スポーツ-
(30)賠償金のお支払い状況|東京電力(過去分を含む)
(31)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2016年12月8日(木)放送」
(32)めげ猫「タマ」の日記 凍土壁が失敗した訳
(33)2016年3月31日 福島第一原子力発電所 陸側遮水壁の凍結運転開始についてPDF
(34)報道配布資料|東京電力中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(35)会津身不知柿の輸出拡大 マレーシア、タイで需要増 | 県内ニュース | 福島民報
(36)トピックス | JAふくしま未来
(37)特産品情報 | 地区別くらし情報 伊達地区 | JAふくしま未来
(38)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「くだもの編 [PDFファイル/197KB]
(39)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
スポンサーサイト
  1. 2016/12/10(土) 19:41:03|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<常磐線、相馬―浜吉田再開、未来は暗い | ホーム | 群馬は値上がり、福島変わらず9,10月のキュウリ価格(対前年)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/2021-8052ec55
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)