めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

常磐線、相馬―浜吉田再開、未来は暗い

 東日本大震災の津波被災で不通となっていたJR常磐線の相馬(相馬市)―浜吉田(宮城県亘理町)間(23.2キロ)は12月10日に運転が再開されました(1)。これでこれまで孤立していた小高(南相馬市)-相馬地方と仙台圏が約5年9カ月ぶりに鉄路でつながりました。
 常磐線再開を報じる福島民報
※(2)を引用
 図―1 常磐線再開を報じる福島県の地方紙・福島民報

でも未来は暗いと思います。
①若い女性が逃げて行く沿線
②観光客が回復しない沿線
③農業が回復しない沿線

1.常磐線とは
 常磐線(じょうばんせん)は、東京都荒川区の日暮里駅から福島県の太平洋側を経由して宮城県岩沼市の岩沼駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線です。先の震災と原発事故によって一時は全線が普通になりました。昨日時点で岩沼―亘理、相馬―小高、竜田―日暮里間が再開しています(3)。
避難地域の近くを走る常磐線
 ※1(4)の数値データを元に(5)に示す手法で12月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(6)による
 ※3 常磐線の位置は(3)による。
 図―2 常磐線(福島県区間)

 図に示すよにこれまで相馬―小高間はどことも繋がっていない孤立した路線でしたが、亘理―相馬間が昨日(12月10日)再開し(1)、小高―相馬間の孤立が解消され、これで沿線の南相馬市、相馬市、新地町(以下沿線2市1町と略す)の各駅から仙台まで行けるようになりました。これで福島復興を期待する方もいるようですが、上手くいくのでしょうか?
 
2.若い女性が逃げて行く沿線
 福島からは20代前半を女性を中心に事故後福島脱出が止まらず、人口減が起こりついに福島県の人口は今年11月1日時点190万人を切りました(7)。
5年目より増えた6年目の20代前半女性の社会減
 ※(7)を転載
 図―3 福島県の20代前半の社会手的増減(各年3から10月)
 
 20代前半女性の福島脱出は事故から数年たったいまでは20代後半の方の減少に聞いてきます。これは今回の運転再開で便利になる沿線2市1町ではさらに顕著なようです。以下に20代後半女性の沿線2市1町の人口を示します。
減り続ける沿線の20代後半の女性人口
 ※(8)を集計
 図ー4 減り続ける沿線2市1町の20代後半人口

 20代後半の女性の人数は
  事故前の2011年3月     2,687人
  最新データのある2015年9月 1,700人
で、約26%減っています。特に南相馬市が酷く、南相馬市の20代後半の女性の人数は
  事故前の2011年3月     1,574人
  最新データのある2015年9月   895人
で、約43%減っています。
 福島の女性の平均の初婚年齢は27.9歳ですので(9)、この世代の女性がいなくなるということは、男性がパトーナーに恵まることにあり、結婚難を生じ子供が生まれなくなることを意味します。以下に各年11月から翌年10月までに赤ちゃんの誕生数を示します。
事故後に減った沿線の赤ちゃん誕生数
 ※1(9)を集計
 ※2 集計区間は各年11月から翌年10月の1年間
 図ー5 事故後に減った沿線2市1町の赤ちゃん誕生数

 図に示す通り事故後は減ったままです。赤ちゃんが生まれなくなった要因は事故の影響も含めいろいろな要因があると思います。事故直後は放射線影響や避難によりエッチがしにくい環境になった事もあると思います。事故から数年がたち居住環境も改善はされているだろうし、現在の主因は子供を産む女性がいなくなったことです。赤ちゃん誕生数を見ると
 事故前(2009年11月~12年10月) 952人
 最新1年(2015年11月~16年10月)720人
で約24%減です。
 以下に福島県の赤ちゃん誕生数を示します。
沿線程には減っていない福島県の赤ちゃん誕生数
 ※1(9)を集計
 ※2 集計区間は各年11月から翌年10月の1年間
 図―6 福島県の赤ちゃん誕生数

 福島県全体でも減っていますが沿線2市1町に比べれば減っていません。数値を記すと
 事故前(2009年11月~12年10月) 16,058人
 最新1年(2015年11月~16年10月)13,813人
で約14%減で治まっています。
 常磐線の運転が再開しました。でも沿線は若い女性が脱出し、子供が生まれなくなっています。

2.戻らぬ観光客
 2015年3月1日に地図でみると常磐線にほほ平行して走る常磐道が全通しました。この時には観光活性化などの復興の加速が期待されました(10)。以下に沿線2市1町の観光客入り込み数を示します。
セデッテかしまを除くと回復しない沿線の観光客
 ※1(11)を集計
 ※2 セデッテは「セデッテかしま」を略した。
 図―7 沿線2市1町の観光客入り込み数

 図に示す通り一見すると、2014年に比べ15年は増えたようにも見えます。でも2015年4月25日にオープンした「セデッテかしま」(12)を除くとそれ程には増えていません。以下に「セデッテかしま」や周囲を示します。
常磐道SAと一体のセデッテかしま
 ※Google Mapに加筆
 図―8 「セデッテかしま」や周囲

 図に示す通り常磐道のサービスエリアと一体となった施設です(12)。実態は高速道路の開通に合わせ設置したサービスエリアの休憩所(「セデッテかしま」)を統計上の観光施設に指定し、観光客入込数を「水増し」しているだけです。図―7に示すように「セデッテかしま」を除けば、観光客入り込み数はそれ程には回復していません。常磐道の全通によって観光客の回復が期待されましたが、効果は見えません。同様に常磐線の再開しても観光客は回復しそうもありません。

3.回復しない農水産業
 以下に沿線2市1町の農水産業の生産額を示します。
事故後、大きく減ったままの沿線の農水産業生産額
 ※(13)を集計
 図―9 沿線2市1町の農水産業の生産額

 図に示す通り事故前は100億円を超える規模がありましたが、事故後は40億円程度に激減しています。特に水産業の低迷が酷く事故前は20程度ありましが、事故後は数千万円に低迷しています。
 しかたが無い事です。福島第一原発からの汚染水漏れは今も続いています。
 法律違反の汚染排水がたびたび流れるK排水路
 ※1(14)を転載
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―10 法律違反の汚染排水が度々流れる福島第一K排水路

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 常磐線は再開しましたが、順調とはいかないようです。12月10日午前5時45分頃に、再開してばかりの福島県新地町の区間で鳥さんと衝突事故を起こし遅れをだしました(15)。再開当日からケチがつういた感じです。福島県の地方紙の福島民友は、本日(12月11日)付の社説で常磐線運転再開にちて
「各自治体は再開通による利便性の向上を広くアピールし、地元を離れた人の帰還や、新たな定住者の増加につなげてほしい。
 沿線には、相馬野馬追など歴史と文化に育まれた観光素材が多い。鉄路の再開を機に、東北新幹線や仙台空港を利用して仙台圏を訪れた観光客に足を運んでもらい、交流人口の拡大を図りたい。」
と論じていましたが(16)、無理な気がします。
 福島の様子を見ていると、福島復興には若い女性の福島脱出を止めることが最重の課題だと思います。福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。
再開セレモニーは花束を贈る福島の綺麗な女性
 ※(17)をキャプチャー
 図―11 福島県新地町の再開式典で花束を渡す福島の綺麗な女性

 そのためには若い女性に魅力のある町作りが欠かせません。でも安倍出戻り総理の関心は彼が「風評被害」と呼ぶ(18)、およそ安全とは言えない福島産(19)を消費者が換え控えることのようです。 
 新地町の再開記念式典には安倍出戻り総理も行きました(20)。その後に各所を視察したようです。
 午前11時6分、同県南相馬市の精密機械メーカー着。桜井勝延市長出迎え。視察。ロボット関連事業者らと意見交換
 12時10分、同県飯舘村のいちご農園「いいたていちごランド」着。菅野典雄村長出迎え。視察。
  12時49分、同県川俣町の納豆製造業「カミノ製作所」着。古川道郎町長出迎え。視察。社員らと懇談。
 12時41分、川俣町の日本料理店「吟哉」着。昼食。
とのことです(20)。
 いいたていちごランドは今も全村避難が続く飯舘村(6)にあるイチゴ農園で2014年8月より出荷を再開しました(21)。これも立派な福島産イチゴです。安倍出戻り総理が行かれたので、今もあきらめずにイチゴを生産しているようです。もうすぐクリスマスです。イチゴケーキを楽しみしている方も多いと思います。避難地域で採れたイチゴを使ったイチゴケーキを誰かが食べる事になるかも知れません。
飯舘村でイチゴを試食する安倍出戻り総理
 ※(22)を引用
 図―12 飯舘村でイチゴを試食する安倍出戻り総理

 カミノ製作所は避難地域になっている川俣町山木屋(6)にあり、2015年12月22日より納豆の出荷を再開しました(23)。わざわざ避難区域でつくられた「納豆」を食べたいと思う方は、少数派だと思います。
 レストラン 吟哉は川俣町特産の川俣シャモを使ったメニューを豊富にそろえている。2012年12月にオープンし、スーパーマーケットの「ファンズ川俣店」2階で営業しているとのことです(24)。
 こんな事では福島の皆様は不安だと思います。
 福島県福島市の小学生の皆さんが自分達で育てたリンゴを販売したそうです(25)。福島はリンゴの季節です。福島のリンゴは甘みが強く、密入りが良いと言われているそうです(26)。福島県は福島産リンゴは「安全」だと主張しています(27)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産リンゴはありません。
他県産はあっても福島産リンゴが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(28)を引用
 図―13 福島産ナシが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)利便性向上、復興後押し 相馬-浜吉田間再開 JR常磐線 | 県内ニュース | 福島民報
(2)福島民報を12月11日閲覧
(3)常磐線 - Wikipedia
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(5)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(6)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(7)めげ猫「タマ」の日記 福島県の人口190万人割れ、若い女性の福島脱出の効果
(8)福島県の推計人口(平成28年11月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(9)福島県女性の平均初婚年齢第1位|婚活ニュース郡山(福島県)エリアからのお知らせ|お見合いパーティー・婚活・恋活ならVОW
(10)常磐道、3年遅れの全線開通 いわき―相馬1時間短縮  :日本経済新聞
(11)福島県観光ホームページ 統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(12)南相馬鹿島サービスエリア - Wikipedia
(13)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(12月1週)―排水路から法律違反の汚染排水が海へ―
(15)<常磐線>鳥と衝突、再開下り始発に遅れ12月11日 河北新報
(16)【12月11日付社説】常磐線再開通/浜通り復興加速の追い風に:社説:福島民友新聞社 みんゆうNet
(17)常磐線 相馬~浜吉田が再開 - NHK福島県のニュース
(18)平成28年6月3日 福島県下訪問 | 平成28年 | 総理の一日 | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ
(19)めげ猫「タマ」の日記 福島産について
(20)首相動静(12月10日):時事ドットコム
(21)復興庁 | イチゴの出荷再開(福島県飯舘村)[平成26年7月31日]
(22)安倍総理 福島の復興状況視察:TXNニュース:テレビ東京
(23)【川俣】山木屋の"名物納豆"復活 カミノ製作所、芳醇な香り広がる:中通り地区:福島民友新聞社 みんゆうNet
(24)レストラン 吟哉(川俣町) | ふくしま気になるお店 | 福島民報
(25)トピックス | JAふくしま未来
(26)特産品情報 | 地区別くらし情報 福島地区 | JAふくしま未来
(27)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(28)イオン福島店
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  1. 2016/12/11(日) 19:41:59|
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