福島県郡山市の人口動態(1)から各年3月から11月までの葬式(死者数)集計したら
事故前年(2011年3月から11月) 2,130人
事故6年目(2016年3月から11月)2,369人
で11.2%増えていました。偶然に起こる確率を計算したら0.04%なので偶然とは言えません。同じ福島県内でもいわき市の人口動態(2)を集計すると
事故前年(2011年3月から11月) 2,672人
事故6年目(2016年3月から11月)2,772人
で2.9%増えていますが、偶然に起こる確率を計算すると9%で、統計的な差(有意差)があるとされる5%(3)を超えているので「偶然」といって構いません。両市の違いを調べたら福島産米の生産量にありました。今年の福島産米の全数・全袋検査数を見ると
福島県郡山市 127万件
福島県いわき市 50万件
で(4)、いわき市は郡山市の半分以下です。これでは
福島産食べて応援、あの世行
です。
安倍出戻り総理が12月10日に福島に行きました。行かれた場所を見ると
①避難地域内の飯舘村のイチゴ農園(5)
②避難区域内の(6)川俣町山木屋の納豆工場(5)
③昼食は避難区域に隣接し(6)、川俣町特産の軍鶏料理を出すレストラン 吟哉(7)
です。安倍出戻り総理が「風評被害」と呼ぶ福島産を避ける行為(8)をはらそうとしているようです。でもこの方は事故前に
「(原発の安全について)御指摘のような事態が生じないように安全の確保に
万全を期しているところである。」と言っています(9)。でもその後の事故報告書で
万全期していない事が明らかになりました(10)(11)。彼を信じて良いか(=^・^=)は疑問です。
福島県は今から140年前に時の明治政府がそれまで交流がなかった3つの地域(岩前、福島、若松)を適当にくっつけてできた県です(12)。その後に山を越えた水路を作り(13)、中部に開拓村を作りました。入植したのは福島県外の元武士だったようです(14)。こうして福島は従来あった3つの地域と県外からの開拓地の4地域ができました。4地域は対立する事も、交流することもなくそれぞれに努力し発展してきまそた。それだけに農業にも多様性があります(15)。
福島県には人口30万人を超える市が二つあります。いわき市と郡山市です。東北地方で人口30万人を超える市が二つあるのは福島県だけです(16)。いわき市と郡山市では成り立ちが違います。
いわき市は炭鉱の街として発展し、その後に工業都市となりました(17)。郡山市は開拓地が発展してできた市です(13)(14)。それだけに農業に対する思い入れも違います。以下に今年(2016年)の福島産米の全数・全袋検査数を示します。

※1(4)を集計
※2 12月6日検査完了時点
図―1 福島県産米全数全袋検査数(2016年)
図に示す通り郡山市は福島県最大のお米の産地です。一方でいわき市は福島県最大の人口(18)と面積(17)を有しながら、6位です。喜多方市は人口5万人に満たない市ですが(19)、そこより少なくなっています。あまり農業に対する思い入れはないと思います。以下に郡山市、いわき市そして相馬・南相馬市の位置を示します。

※1 (20)のデータを(21)に示す手法で12月1日に換算
※2 避難区域は(6)による
図-2 郡山市・相馬市・南相馬市といわき市
福島の除染はほぼ終わりましたが(22)、 図に示す通り国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(23)地域が広く広がっています。安倍出戻り総理の主張する「風評被害」を信じて良いのでしょうか?農業が盛んな郡山市とそれほどでもないいわき市を比較すれば分かると思います。
以下に郡山市の各年3月から11月までの8ヶ月間の葬式(死者)数を示します。

※1(1)を各年3-11月を集計
※2 震災犠牲者は(24)により、行方不明者を含み関連死を含まず
図―3 福島県郡山市の各年3-11月の葬式(死者)数
数値を見ると
事故前年(2011年3月から11月) 2,130人
事故6年目(2016年3月から11月)2,369人
で11.2%増えていました。偶然に起こる確率を計算したら0.04%なので偶然とは言えません。
以下にいわき市の各年3月から11月までの8ヶ月間の葬式(死者)数を示します。

※1(2)を各年3-11月を集計
※2 震災犠牲者は(24)により、行方不明者を含み関連死を含まず
図―4 福島県いわき市の各年3-11月の葬式(死者)数
数値を見ると
事故前年(2011年3月から11月) 2,672人
事故6年目(2016年3月から11月)2,772人
で2.9%増えていますが、偶然に起こる確率を計算すると9%で、統計的な差(有意差)があるとされる5%(3)を超えているので「偶然」といって構いません。
福島県のひらた中央病院が福島産米を避けるか、避けないかのアンケート結果を発表しています(25)。以下に結果を示します。
表ー1 福島産米を避けるか、避けないかのアンケート結果
※1 (25)を集計
※2 「避けない=母数―避ける」で計算
※3 「割合=避けない÷母数×100」で計算

表に示す通り、地域によって大きな差があります。相馬市・南相馬市では福島産米を許容する方は2割程度ですが、郡山市では6割近い方が福島産米を許容しています。いわき市はその中間です。以下に相馬・南相馬市の各年3-10月(市独自の発表は無く、福島県の発表は10月までなので(18))を示します。

※1(18)を各年3-10月を集計
※2 震災犠牲者は(24)により、行方不明者を含み関連死を含まず
図―5 福島県相馬・南相馬市の各年3-10月の葬式(死者)数
数値を見ると
事故前年(2011年3月から10月) 828人
事故6年目(2016年3月から10月)819人
で1.1%減ですが、統計的な差があるとは言えません。
図ー3~5および表―1を合わせると以下の図ができます。

※図ー3~5および表―1で作成
図―6 福島産米を許容する割合と葬式増加率(対事故前)
福島産を許容する方が多い郡山市では葬式が増えていますが、許容する方が少ない相馬・南相馬市では増えていません。いわきは中間です。
これでは
福島産、食べて応援、あの世行
です。安倍出戻り総理は原発事故前に「原発は安全」と嘘を言っていたと同じく「福島産は安全」と嘘を言っているようです。
以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―2 偶然に起こる確率の計算結果
※ 計算方法(=^・^=)の過去の記事(26)による
(a)郡山市 (b)いわき市

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島県は福島産は検査されていて「安全」だと主張しています(27)。ただし、(=^・^=)が福島県等の検査データを検討した限りでは、福島産が「安全」であると確認できませんでした(28)。
このようなデータ出てくるようでは福島の皆様は不安だと思います。
安倍出戻り総理の12月10日の福島訪問では東部が避難地域になっている福島県川俣町(6)で昼食を食べたようです(8)。福島県が力をいれているの農畜産物に鶏肉(軍鶏)があります。福島県川俣町が産地です(29)。総理官邸のHP(30)を見ると安倍出戻り総理は食べたようです。

※(30)を引用
図―7 鶏肉らしき物を摘まむ安倍出戻り総理
福島県は福島産鶏肉は「安全」だと主張しています(31)。でも、福島県川俣町のスーパーのチラシには福島産鶏肉はありません。

※(32)を引用
図―8 福島産鶏肉が無い福島県川俣町のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県川俣町の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
郡山市の現住人口/郡山市(2)
地区別世帯数・男女別人口 | いわき市役所(3)
有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書(4)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報の12月6日検査分まで
(5)
来県の安倍首相 南相馬、飯舘、川俣を視察 イチゴ農園など | 県内ニュース | 福島民報(6)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(7)
レストラン 吟哉(川俣町) | ふくしま気になるお店 | 福島民報(8)
首相動静(12月10日):時事ドットコム(9)
衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書(10)
日本政府、事故調、東京電力発表報告書(11)
国会事故調 | 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会のホームページ(12)
県名の由来 - 福島県ホームページ(13)
安積疏水 - Wikipedia(14)
安積開拓/郡山市(15)
めげ猫「タマ」の日記 福島県について(16)
東北地方 - Wikipedia(17)
いわき市 - Wikipedia(18)
福島県の推計人口(平成28年11月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(19)
喜多方市ホームページ(20)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(21)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(22)
めげ猫「タマ」の日記 除染が終わっても、除染が必要な福島(2016)(23)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(24)
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ(25)
研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ(26)
めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について(27)
水・食品等の放射性物質検査 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ(28)
めげ猫「タマ」の日記 福島産について(29)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(30)
平成28年12月10日 福島県下訪問 | 平成28年 | 総理の一日 | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ(31)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「
畜産編 [PDFファイル/195KB]」
(32)
チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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- 2016/12/14(水) 19:43:10|
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