食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。12月2週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(4)。今週は基準超えです。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
①検査数1,269件中9件の基準超え(全体の1%)
②平均は、1キログラム当たり5.2ベクレル、最大160ベクレル(栃木県産イノシシ)。

※1 牛肉を除く
※2 単位については(5)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2016年12月2週)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
今週のデータを解析すると以下の特徴が見えてきます。
①宮城、茨城、千葉産ススギからセシウム、福島は31件連続ND
②総理に無検査イチゴを食べさせる福島県
③上昇する福島産クロダイのセシウム濃度
福島産は基準超はありませんでしたが、注意が必要です。
1.宮城、茨城、千葉産ススギからセシウム、福島は31件連続ND
宮城、茨城、千葉産からは見つかっているのに、福島産スズキからスズキからはセシウムが見つかっていない旨を先週の記事で紹介しました(4)。データが追加になったので、以下に記載します。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
※3 日付けは捕獲日
※4 淡水は除く
図―2 スズキの検査結果
図に示すように宮城、茨城、千葉産スズキからセシウムが見つかっているのに福島産スズキからは見つかっていません。海は繋がっており、汚染源のある福島が隣県より低いだのおかしな話です。厚生労働省の発表(1)を見ると福島産スズキを含め消費地の検査を除けば、福島産農水産物の検査は福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(7)が実施しています。中立性に疑問があります。
福島県の検査は他より低くでます。福島産は他より低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
2.総理に無検査イチゴを食べさせる福島県
安倍出戻り総理が12月10日に全村避難が続く飯舘村(8)のイチゴ農園を訪れ、イチゴを試食しました(9)(10)。

※(10)を引用
図―3 福島産イチゴを試食する安倍出戻り総理
福島県は福島産は
「安全な農林水産物を提供するため、県がモニタリング検査を実施するほか、産地においても、米の全量全袋検査などを実施しています。」
と主張しています(11)。当日は飯舘村村長が出迎えており(12)、安倍出戻り総理の訪問は事前に通知されていたはずです。検査をしたか興味があります。
以下に福島県の今シーズン(6月以降)のイチゴの検査状況を示します。

※1 (13)のデータを(14)に示す手法で12月1日に換算
※2 避難区域は(8)による
※3 イチゴの検査状況は(1)および(15)による。
図-4 福島産イチゴの検査状況
図に示す通り、飯舘村の検査結果はありません。飯舘村の放射線量は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(15)の4倍以上の毎時1マイクロシーベルト以上です。
以下に飯舘村の各年3月からの赤ちゃん誕生数を示します。

※1(16)を集計
※2 集計期間は各年3月から翌年2月、ただし2016年は10月まで
図―5 飯舘村の赤ちゃん誕生数
事故後は殆どの年で女の子が多く生まれています。通常は男子が多く生まれるので(17)異常な事です。
汚染が酷く、事故後に女の子が多く生まれるようになった飯舘村産イチゴは確り検査しないと「安全」とは言えません。それを検査をせずに「安全」とし、福島県は安倍出戻り総理に食べさせました。
総理に対してこうですから、一般の消費者に対する対応はもっと酷いようです。以下に福島県のイチゴの生産量を示します。

※(18)より作成
図―6 福島のイチゴの生産量
図に示す通り伊達市がトップで半分近くを生産します。ついでいわき市、福島市、矢祭町です。図―4に示す様に検査結果がありません。飯舘村、伊達市、福島市などは除染が必要な場所が広く広がっています。飯舘村、伊達市、福島市を活動範囲とするJAの自主検査結果(19)を見たのですが、イチゴはありませんでした。それでも福島県は福島産イチゴは「検査で安全が確認された」と主張しています(20)。
福島産は汚染が酷い主産地を避けた検査で「安全」とされ出荷されます。そして飯舘村産イチゴも立派な福島産イチゴです。
3.上昇する福島産クロダイのセシウム濃度
以下に福島産クロダイの検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
※3 日付けは捕獲日
図―7 クロダイの検査結果
しばらくは検出限界未満(ND)が続いていたのですが11,12月にはセシウムが見つかるようになりました。
福島産はセシウムが上昇する事があり、過去に低い値が出ていたとしても「安全」とは言えません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
・セシウム濃度が上昇する事がある福島産
これでは福島の皆様は心配だと思います。
JR常磐線相馬~浜吉田間の営業運転再開を記念し、12月11日に「フルーティア ふくしま」が仙台駅から常磐線原ノ町駅へ臨時運転を行った。車内では沿線のフルーツなどを使用したスイーツが提供されたそうです(21)。冬の間は通常は郡山―仙台間で運行されるようです。12月は福島産洋ナシのスイーツが提供されるそうです(22)。福島は洋ナシのシーズンです。福島の洋ナシは甘いだけでなくコクがあるそうです(23)。福島県は福島産洋ナシは「安全」だと主張しています(24)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産洋ナシはナシです。

※(25)を引用
図―8 福島産洋ナシが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1011報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月1週)―福島産アイナメから13.5ベクレル、福島県検査は69件全数ND―(5)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(6)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(7)
農林水産部 - 福島県ホームページ(8)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(9)
来県の安倍首相 南相馬、飯舘、川俣を視察 イチゴ農園など | 県内ニュース | 福島民報(10)
平成28年12月10日 福島県下訪問 | 平成28年 | 総理の一日 | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ(11)
水・食品等の放射性物質検査 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ(12)
首相動静(12月10日):時事ドットコム(13)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(14)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(15)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を「イチゴ、イチゴ(施設)」で12月13日に検索
(16)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(16)
福島県の推計人口(平成28年11月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(17)
出生性比(18)
作物統計調査>市町村別データ> 平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の9-3 野菜(果菜類) ⇒ 福島県 ⇒Excel」
(19)
農作物自主検査 | 農業 | JAふくしま未来を12月13日に閲覧
(20)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(21)
JR常磐線相馬~浜吉田間運転再開「フルーティア ふくしま」移設区間を走行 | マイナビニュース(22)
フルーティアふくしま | 東日本旅客鉄道株式会社 仙台支社(23)
福島の桃・洋梨・りんごの産直販売【佐藤果樹園】~贈答用・わけあり家庭用(22)(20)中の「
くだもの編 [PDFファイル/197KB]」
(23)
イオン福島店
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テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記
- 2016/12/13(火) 19:47:58|
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