福島県の地方二紙の今年(2016年)の福島県の十大ニュースを発表が揃いました(1)(2)。そこで(=^・^=)も勝手に福島十大ニュースを選んでみました。

※(3)を12月16日に閲覧
図―1 福島十大ニュースを報じる福島県の地方紙・福島民報
(=^・^=)が選んだ福島十大ニュース(2016)は以下の通りです。
1.福島日本酒、4年連続日本一、酒蔵は経営破たん
2.福島産、食べて応援、あの世行
3.女の子が特異的に生まれる旧計画的避難区域
4.甲状腺174人、これからも増える
5.除染が終わっても除染が必要な福島
6.福島・下水汚泥からヨウ素131、再臨界?
7.避難指示解除も進まない帰還
8.若い女性の脱出で人口が190万人割れ
9.戻らぬ福島産価格
10.福島県140周年、未来は暗い
詳細は以下をご覧ください。
1.福島日本酒、4年連続日本一、酒蔵は経営破たん
酒類総合研究所は5月18日、2015酒造年度(15年7月~16年6月)の清酒の品質を競う全国新酒鑑評会の審査結果を発表しましたが、福島県からは都道府県別で最多の18銘柄が金賞に輝き、金賞銘柄の数で4年連続6度目の日本一になったそうです。これを福島から報道では「4年連続日本一」と表現していました(4)。

※(5)を引用を転載
図―2 福島産のお酒が4年連続で日本一になったと報じる福島民報
(=^・^=)は原発事故によって汚染され、放射線の影響で放射線の分解作用が起こりまろやかなお酒が出たのではないかと考えています(4)。
福島の酒蔵は(=^・^=)の知る限り全国的に展開はしていないと思います。事故前は良く福島にお邪魔させていただきましたが、福島産酒のテレビCMを見ることがありました。

※(5)を引用
図―3 福島県限定?福島産酒のテレビCM
でも福島以外で見た記憶がありません。福島のお酒は福島の皆様向けに作られているようです。福島の皆様が福島のお酒を避けるようになれば経営が成り立ちません。今年は6月に栄川酒造(6)、9月に花春酒造(7)と次々に福島の酒蔵の経営が破たんしました。

※(8)を転載
図―4 福島の酒蔵の経営破綻を報じる福島の地方紙・福島民友
福島の皆さんだって放射線を浴びながら醸造されたお酒はたとえ美味しくても嫌なようです。
2.福島産、食べて応援、あの世行
以下に本記事で出てくる地域を示します。

※1(9)の数値データを元に(10)に示す手法で12月1日時点に換算
※2 避難区域は(11)による
※3 相馬地方の範囲は(12)、安達地区の範囲は(13)による。
図-5 本記事に出てくる地域
図に示す通り安達地区も相馬地区も避難地域に隣接していますが、大きな差があります。以下に安達地区と相馬地区の農業生産額を示します。

※(14)を転載
図―6 福島安達と相馬(飯舘村を除く)の農業生産額
図に示す様に事故前の2010年と13年の農業生産額を比べると
安達地区 2010年91.7億円⇒2013年95.3億円、4%増
相馬地区 2010年82.3億円⇒2013年42.9億円、ほぼ半減
です。
安達地方では福島産米を事故のあと早めに学校給食に使いだしましたが、相馬地方の南相馬市は事故から6年目の今も学校給食に福島産米を使っていません(14)。こうした福島産に対する温度差も農業生産額に影響してると思います。
以下に各年1月から10月の福島県安達地方の葬式数を示します。

※1(14)を転載
※2 震災犠牲者は死者・行方不明者を含み関連死を含まず
図―7 福島安達の葬式数
図に示す通り、事故後に葬式が増え今も元に戻っていません。事故前と6年目の今年を比較すると
事故前(2010年1-10月) 844人
6年目(2016年1-10月) 981人
で、11%増えています。偶然に起こる確率を計算したら2.5%で、5%以下の統計的な差(有意差)があると言えます(14)。
以下に各年1月から10月の福島県相馬地方の葬式数を示します。

※1(14)を転載
※2 震災犠牲者は死者・行方不明者を含み関連死を含まず
※3 飯舘村を含まず
図―8 福島相馬の葬式数
図に示す通り、震災によって大変な犠牲者がでましたが、その後、葬式は増えていません。事故前と6年目の今年を比較すると
事故前(2010年1-10月)1,162人
6年目(2016年1-10月)1,143人
で、少し減っていますが統計的な差あるとまでは言えません(14)。
福島産を福島の皆様が受け入れているか拒否しているかのデータはあまり、発表されることがありません。例えば消費者庁は「風評被害に関する消費者意識の実態調査」を時々発表していますが、区分けは福島でなく「被災地域」と「東京などの都市圏」です(15)。福島産を避ける行為を「風評被害」とされているようですが(16)、もし福島の皆様自身が福島産を避けているようであれば「風評被害」の主張は説得力を持たなくなります。福島の皆様がどの程度、福島産を受け入れているかはトップシークレットのようです。
それでもたまに出てくることがあります。福島のひらた中央病院が地域別のアンケート結果を発表しています(17)。その中から福島産米について示します。
表ー1 福島産米を避けるか、避けないかのアンケート結果
※1 (17)を集計
※2 「避けない=母数―避ける」で計算
※3 「割合=避けない÷母数×100」で計算

表に示す通り福島県郡山市では6割近い方が福島産米を受け入れていますが、相馬地方の相馬市・南相馬市(12)では2割程度で地域により温度差があります。郡山市と相馬地方の葬式の増減を見れば福島産の影響が分かる気がします。相馬地方で葬式が増えていないのは図-8に示す通りです。郡山が気になるので、以下に各年3月から11月の葬式数を示します。

※1(18)を各年3-11月を集計
※2 震災犠牲者は行方不明者を含み関連死を含まず
図―9 福島県郡山市の各年3-11月の葬式(死者)数
数値を見ると
事故前年(2011年3月から11月) 2,130人
事故6年目(2016年3月から11月)2,369人
で11.2%増えていました。偶然に起こる確率を計算したら0.04%なので偶然とは言えません(18)。図-8とは時期が違いますし新地町を含むので、データがる相馬市・南相馬市の3-10月の葬式(死者)数をみると
事故前年(2011年3月から10月) 828人
事故6年目(2016年3月から10月)819人
で1.1%減ですが、統計的な差があるとは言えません(18)。
いわき市の各年3-11月の葬式(死者)は見ると
事故前年(2011年3月から11月) 2,672人
事故6年目(2016年3月から11月)2,772人
で2.9%増えていますが、偶然に起こる確率を計算すると9%で、統計的な差(有意差)があるとされる5%を超えているので「偶然」といって構いません(18)。
表―1と郡山市、いわき市、相馬市・南相馬市の葬式の増加率から以下の図ができました。

※(18)を転載
図―10 福島産米を許容する割合と葬式増加率(対事故前)
そして郡山市も農業が盛んです。以下に福島産米の全数・全袋検査数を示します。

※(19)を集計
図―11 2016年産米の全数・全袋検査数
福島県郡山市の全数・全袋検査数は約129万件で福島県トップです。今年も「福島産、食べて応援、あの世行」だったようです。
3.女の子が特異的に生まれる旧計画的避難区域
福島原発事故によって福島は汚染され避難区域が設定されなした。大きく警戒区域と計画的避難区域です(11)。旧計画的避難区域の範囲は図―5に示す通りです。旧計画的避難区域が設定されたのは事故から1ヶ月以上が過ぎた4月22日で(11)、全村が計画的避難区域となった飯舘村で避難が概ね完了したのは事故から3ヶ月以上が過ぎた2011年6月22なので(20)、旧計画的避難区域はいわば「逃げ遅れた」避難区域です。
福島県59市町村(21)のうち川俣町、飯舘村、葛尾村の1町2村の避難区域は主に「旧計画的避難区域」です。他の56市町村は避難区域の設定が無かったり主な避難区域は旧警戒区域でした(11)。以下に事故以降の2011年3月から16年10までの赤ちゃん誕生数を示します。

※1(22)を転載
※2 2011年3月から16年10月を集計
図―12 2011年3月以降の赤ちゃん誕生数
図に示す通り全てで女の子が多くなっています。
以下に各年3月より翌年2月までの川俣町、飯舘村、葛尾村合計の赤ちゃん誕生数を示します。

※1(22)を転載
※2 2016年は10月まで
図―13 川俣町・飯舘村・葛尾村の合計の赤ちゃん誕生数
図に示す通り事故前の1年間は通常通り男の子が多く生まれていますが、事故は女の子が多く生まれるようになりました。2011年3月以降を合計すると
男の子 307人
女の子 416人
で、女の子が多くなっています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.005%で、偶然を主張するには無理があります。通常は男の子が多く生まれるので(22)異常な事態です。
多くの方が生まれて来るなら男の子でも女の子でも良いと思います。まして福島の女性はお隣の茨城や宮城に比べても大変に綺麗です。

※(23)を引用
図―14 「産めなくなったら・・」と質問する福島県飯舘村の綺麗な女性
でも心配な事があります。放射性影響研究所は広島や長崎の原爆投下で遺伝的な影響が生じていない根拠として
①赤ちゃんの男女比に異常が起きていない。
②自然死産の増加が認められない
ことを上げています(24)。赤ちゃんの男女比に異常は記載の通りです。そして事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれるであろう2012年、13年には自然死産も増えています(25)。福島では今年、遺伝的欠陥で色素が合成できないアルビノ・ヒメマスが見つかりました(26)。
4.甲状腺174人、これからも増える
チェルノブイリ原発事故後に明らかになった健康被害として、放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児の甲状腺がんがあります(4)。
福島県では、東京電力福島第一原発事故を踏まえ、子どもたち(事故当時18歳以下)の健康を長期に見守るために、甲状腺(超音波)検査を実施しています。当初の見込みは100万人に1,2名の想定でしたが、最新の結果を集計するとでは
約30万人を検査して174名
の悪性ないし悪性の疑いの方が見つかっています。およそ1万に5、6人と当初の想定に比べ極めて高い割合です(27)。

※(27)を集計
図―15 どんどん増える福島の甲状腺癌
これについて福島原発事故の為とも、そうでないとも主張があります。現時点の公式見解は
「事故当時5 歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくいと評価する。」
です(27)。
福島の甲状腺検査は「先行調査」と「本格調査」に分かれており、先行調査は2013年に完了し、2014年から本格調査が始まりました。今年あたりから本格調査の結果が出てきます。以下に「本格調査」です。以下に先行調査と本格調査の被ばく線量別(原発事故後に4ヶ月間の外部被ばく線量の推計値)の悪性ないし悪性の疑いかたの人数を示します。

※1(27)を転載
※2 原発事故後に4ヶ月間の外部被ばく線量の推計
図―16 本格調査の被ばく線量別の悪性ないし悪性の疑いかたの人数
図から人数を集計すると
1ミリシーベルト未満の方 12人
1ミリシーベルト以上の方 21人
で、1ミリシーベルト以上の方が多くなっています。
以下に調査対象となる事故当時0~18歳にほぼ近い0~19歳の方の事故後の4ヵ月間の被ばく線量の分布を示します。

※(27)を転載
図―17 原発事故後4ヶ月間の事故当時0~19歳の方の被ばく線量
原発事故当時の0-19歳の方のうち、事故後4ヶ月の被ばく線量が
1ミリシーベルト未満の方 92,254人
1ミリシーベルト以上の方 46,601人
で、図―16、17を比較すると
①「本格調査」で悪性ないし悪性の疑いとされた方は1ミリシーベルト以上被ばくしている方が多い(図ー16)。
②全体の被ばく線量分布では1ミリシーベルト未満の方が大多数(図―17)
との逆転現象が起きています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.026%です(27)。
今月27日に「第25回福島県『県民健康調査』検討委員会」が開かれ、新たなデータが発表になると思います。そしたら最新のデータを紹介したいと思います。
5.除染が終わっても除染が必要な福島
福島第一原発事故では大量の放射性物質がばら撒かれました。福島県の資料お見るとセシウム137だけで15,000兆ベクレルとしています。

※1(29)を転載
※2 テラは10
12で「兆」のこと
図―18 セシウム137だけで15,000兆ベクレルばら撒かれたとする福島県資料
(=^・^=)の試算では広島原爆がばら撒いたセシウム137は183兆ベクレルですので、80倍以上になります。
原発事故後に福島県は「除染」をするので「安全」「安心」だと言ってた気がします(1)。事故から5年9ヶ月が経ち、除染が上手く行ったか(=^・^=)なりに調べてみました。
以下に福島県の住宅除染の進行状況を示します。

※(29)を転載
図―19 福島県の除染の進行状況
事故から6年近くが経過し、図に示す通り福島の除染は当初の計画をほぼ達成したようです。福島県川俣町は
「『復興・創生期間における東日本大震災からの復興の基本方針(平成28年3月11日閣議決定)※』において、一般住宅等(住宅、駐車場等)の面的除染については、今年度をもって終了することが示されています。」
と広報しています(30)。でも図-5に示すように国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(31)地域が広く広がっています。福島の除染は終りましたが、除染が必要です。
6.福島・下水汚泥からヨウ素131、再臨界?
再臨界は核分裂反応が再発する現象です。ヨウ素131は核分裂生成物の一つですか、半減期が短く直ぐに無くなるので、環境中でヨウ素131が見つかれば、再臨界の可能性があると考えられます(32)。以下に各浄化センターの汚泥のヨウ素131濃度を示します。

※(33)を集計
図-20 県北および県中浄化センターの汚泥のヨウ素131濃度
図に示す通り両浄化センターでヨウ素131が同期して見つかっているので、福島第一では「再臨界」が起こっているようです。
7.避難指示解除も進まない帰還
福島では今年6月に葛尾村(34)、7月に南相馬市(35)の避難指示が解除されました。また昨年9月には楢葉町(36)の避難指示も解除されています。このうち南相馬市と楢葉町は帰還者を定期的に発表しています(37)~(40)。
以下に南相馬市小高区の帰還者数を示します。

※(37)(38)にて作成
図-20 南相馬市の帰還者数
事故前は12,842人の方が暮らしていましたが、12月8日時点で住民登録してるのは8,557(41)で3分の2に減少しています。そのうち帰還されたんは1,010人(40)で帰還率11.8%です。図に示す様に8月末までは帰還者は増えていたのですが、その後は大きな増加はありません。今後も劇的な増加は無いと思います。
以下に楢葉町の帰還者の推移を示します。

※(39)(40)で推計
図―21 楢葉町在住者の内訳
楢葉町は住民登録している方のうち楢葉町在住者(39)(以下町内在住者とする)の人数と、避難指示解除時点で楢葉町民だった方のうち楢葉町に戻られた方(以下帰還者)(40)の人数を公表しています。両者の差(町内在住者数―帰還者数)で新規の住民の人数を推計できます。
12月2日時点の帰還者数は対象7,297人中737人で10.1%で、南相馬市小高と同様に10%程度です。一方で、新規住民は確実に増えています。楢葉町や周辺には多くの原子力施設(廃炉ないし廃炉対象施設)が立地し多くの方が働いています。帰還は進みませんが、新規住民は確実に増えています。多くは原子力(廃炉)関係者だと思われます(42)。
以下に帰還者の年齢分布を示します。

※(40)を集計
図―22 楢葉町帰還者の年齢分布
図に示す通り60歳代以上方が大半です。次世代を担う子供の帰還は進んでいません。
来年の春には川俣町東部(山木屋)、冨岡町の大部分、浪江町東部、飯舘村の大部分の避難指示解除が計画されています(43)~(46)。こちらも子供達の帰還は厳しいようです。川俣町東部(山木屋)では今年1月に子供達に楽しんでもらうためにスケートリングを復活させました。以下に川俣町山木屋からの15歳以下の方の推移を示します。

※(47)を転載
図―23 15歳以下の川俣町山木屋からの避難者数
どんどんへっています。今年1月にスケートリンク再開した後も減少は止まりません。2016年度も新入生が無く、小学校1,2,3年生はいなくなりました。山木屋小学校は2018年度に再開するそうです。でも今の5,6年生は中学生になっているので6年生だけの小学校になります。そして1年で卒業するので、小学校は1年で事実上の廃校です。中学校も今の小学4年生が卒業する2021年度以降は生徒がいなくなり事実上の廃校です(47)。
8.若い女性の脱出で人口が190万人割れ
福島では原発事故後に人口が減り続けています。

※(48)を集計
図―24 減り続ける福島県の人口
2016年11月にはついに190万人を切る1,899,486人となりました。 戦後最低です。福島の人口減の要因に出生数の減少があります。

※1(48)を転載
※2 集計期間は各年11月から翌年1月の1年間
図―25 各年11月から1年間の出生数
図に示す通り2013年以降は出生数が減り続けています。何故に出生数が減ったかといえば若い女性の福島脱出があります。以下に2016年3月から10月の社会的増減(転入者数―転出者数)を示します。

※(48)を転載
図―26 福島県の2016年3月から10月の社会的増減
図に示す通り20代前半女性の社会減が顕著です。この世代は数年先には子供を産みお母さんになるであろう方です。以下に20代前半の社会的増減を各年3月から10月の社会的増減を示します。

※(48)を転載
図―27 福島県の20代前半の社会手的増減(各年3から10月)
図に示す通り女性は男性に比べ減少幅が大きくなっています。治まるどころか逆に増えています。20代前半の社会的増減を見ると
2015年3-10月 1,389人減
2016年3-10月 1,610人減
で16%増えています。
福島は若い女性が脱出し、子供が生まれなくなり男と老人の地になります。
9.戻らぬ福島産価格
福島を代表する農産物にモモとキュウリがあります(49)。モモは全国第二位(50)、キュウリは3位です(51)。
モモの生産量は山梨県が第一位で、福島県は第二位です。.8月が福島のモモのシーズンです。そこで7.8月のモモの取引価格を調べて見ました。

※(50)を転載
図―28 東京中央卸売市場のモモの取引価格
福島産モモは事故前から山梨産より安く取引され市場の評価はそれ程には高くありませんでした。事故後は価格差が拡大し、ますます評価が下がりました。そして回復の兆しはありません。さらに、図に示す通り昨年(2015年)に比べ山梨産は値上がりしていますが、福島産は逆に値下がりしています。1キログラム当たりで
福島産は
2015年7,8月 429円
2016年7,8月 394円
で、△35円の値下がり
山梨産は
2015年7,8月 429円
2016年7,8月 394円
で、17円の値上がりでした。
キュウリは宮崎は冬場、群馬は春と秋、福島は夏場と出荷時期がずれており概ね互いに競合することはあまりありません。でも9月、10月は違います。福島産と群馬産が同時に市場に出ます(52)。そこで各年9、10月の東京中央卸売市場のキュウリの平均取引価格を示します。

※(52)を集計
図―29 各年9、10月のキュウリ平均取引価格(東京中央卸売市場)
事故前(2010年以前)はそれ程の差はありませんでした。事故後は差が開きましたが、2014,15年は戻っています。しかし 各年9、10月の東京中央卸売市場のキュウリの差は(1)、1kg当たりで
2015年9、10月
福島産 348円
群馬産 314円
で福島産が34円高
2016年9月
福島産 348円
群馬産 459円
で、福島産が△111円安、事故後で最大です。
これは消費者の福島産に対する正しい理解が進んだ結果で当然の事です。福島のキュウリは福島県全域でとれるのでなく、伊達市・二本松市・須賀川市が主要な産地です。図ー5に示す通り福島のキュウリの主要産地は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(31)地域です。福島のキュウリは汚染された台地で作られています。
以下に福島のキュウリ主要産地3市(伊達市・二本松市・須賀川市)の各年11月から翌年10月までの葬式数を示します。

※1(52)を転載
※2 震災犠牲者は行方不明者を含み関連死は含まず
図―30 福島のキュウリ主要3市の各年10月から1年間の葬式(死者)数
図に示す通りキュウリ主要3市では事故後に急に葬式(死者数)が増え、今も戻っていません。事故前と近々の一年を比較すると
事故前1年(2009年10月から10年9月) 2,294人
近々の1年(2015年10月から16年9月) 2,486人
で、8.4%増えています。偶然に起こる確率を計算したら0.5%で、およそ偶然とは言えません。
福島県のオリジナル米に「天のつぶ」があります。福島の主力のコシヒカリに負けない美味しさ、倒れにくく病気に強く、収穫量も多い。またコシヒカリより稲刈り時期は早いので(53)、稲刈り作業を分散できます。これと同じ考えで開発されたお米にお隣の新潟県のこしいぶきがあります(54)。2016年10月の60キログラム当たりの取引価格をみると
福島、天のつぶ 12,554円
新潟、こしいぶき 13,668円
で(55)、8%の価格差がついています。ちなみに福島産天のつぶの60kg当たり12,554円は各同県オリジナル米で最低価格です。
10.福島県140周年、未来は暗い
福島県はの1976年8月21日にそれまで地域的繋がりも、連携もなった3つの地域を時の明治政府が適当にくっ付けてできた県です。今年で140周年を迎えました(56)。
福島県の140年の歴史を見ると、それぞれの地域が互いに対立する事もなく交流することもなく独自に発展を遂げてきた県だと思います(57)。今から5年9ヶ月前の「人災」で運命は一変したと思います。
以下に安倍出戻り総理が出戻った2012年12月から翌13年5月末までの福島県福島市の放射線量を示します。

※(58)を転載
図―31 人的操作でさがった福島県福島市の放射線量
図に示す通り12年12月には毎時0.8マイクロシーベルトだったものが13年5月末には0.4マイクロシーベルト以下に下がっています。半年で半減するなどおかしなことです。この間に福島県が実施した事は
①計算式を含む調整
②放射線量の低い場所へ測定器を移動する
③放射線量測定器の周りの除染
等です(58)。福島県は人為的操作によって放射線量の測定値が低くでるようにしました。福島県はこの結果を用い、放射線量が下がったと喧伝しています。

※(56)を引用
図―32 人為的操作で下げた放射線量データで放射線量が下がったと喧伝する福島県
以下に宮城、茨城、千葉産、福島産スズキの検査結果を示します

※1(59)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
※3 日付けは捕獲日
※4 淡水は除く
図―33 スズキの検査結果
図に示すように宮城、茨城、千葉産スズキからセシウムが見つかっているのに福島産スズキからは見つかっていません。海は繋がっており、汚染源のある福島が隣県より低いだのおかしな話です。厚生労働省の発表を見ると福島産スズキを含め消費地の検査を除けば、福島産農水産物の検査は福島県農林水産部に属する福島県農業総合センターが実施しています。中立性に疑問があります(59)。
それでも福島県は
「安全な農林水産物を提供するため、県がモニタリング検査を実施するほか、産地においても、米の全量全袋検査などを実施しています。」
と主張しています(60)。
こんな事では福島は信頼されず未来は暗いと思います。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
今年の1年を見て福島の皆様も「福島」を信頼していなと思います。
もうすぐクリスマスです。イチゴケーキを楽しみしている方も多いと思います。福島県もイチゴ生産は盛んだそうです(61)。安倍出戻り総理は福島のイチゴ農園を訪問し、高設栽培されているイチゴを摘みとって試食をしたり、農園主より品質の良いイチゴが生産できている説明を受けたそうです(62)。福島では今シーズンのイチゴの収穫が始まりました(63)。福島県相馬市のイチゴ園も年明けにはオープンします(64)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(65)。でも、福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。

※(66)を引用
図―34 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県相馬市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
読者が選ぶ県内十大ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(2)
「炉心溶融の隠蔽」1位 読者が選ぶ県内十大ニュース | 県内ニュース | 福島民報(3)
福島民報を12月16日に閲覧
(4)
めげ猫「タマ」の日記 福島産新酒4年連続日本一、放射線で変質、安全なの(5)
会津ほまれ : 福島県民ならみんな知ってる?福島ローカルCM大集合! - NAVER まとめ(6)
福島・栄川酒造を支援=ヨシムラ傘下で再建-地域活性化機構 時事通信-2016/06/27(7)
<花春酒造>事業譲渡 新会社で経営再建へ | 河北新報オンラインニュース(8)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(9月4週)―地下水ドレンがオーバーフロー―(9)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(10)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(11)
区域見直し等について - 福島県ホームページ" target="_blank" title="区域見直し等について - 福島県ホームページ">区域見直し等について - 福島県ホームページ
(12)
相馬地方とは | 相馬広域観光案内(13)
安達地方広域行政組合(14)
めげ猫「タマ」の日記 お葬式、農業生産額4%増の福島安達の11%増、半減の相馬は減(2016年1-9月、対事故前)(15)
食品と放射能に関する消費者理解増進の取組|消費者庁(16)
福島県風評・風化対策強化戦略について - 福島県ホームページ(17)
研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ(18)
めげ猫「タマ」の日記 農業が盛んな福島県郡山市の葬式は11.2%増、いわきは別(19)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を12月日に閲覧
(20)
飯舘村 - Wikipedia(21)
福島県市町村要覧(22)
めげ猫「タマ」の日記 女の子が特異的に生まれる全村避難の旧計画的避難区域(2016年10月)(23)
承太郎のブログ: 飯舘村の女子高生「子供が産めない体になるのではないかと不安」(24)
原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 - 放射線影響研究所(25)
めげ猫「タマ」の日記 福島の自然死産率は全国平均の1.5倍(26)
めげ猫「タマ」の日記 福島に遺伝的欠陥で色素が合成できないアルビノ・ヒメマス現る。(27)
めげ猫「タマ」の日記 福島甲状腺、新規発症者率、被ばく線量1mSv未満は0.013%、1mSv以上は0.045%(28)
第25回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成28年12月27日)の開催について - 福島県ホームページ(29)
めげ猫「タマ」の日記 除染が終わっても、除染が必要な福島(2016)(30)
過去に一度も除染を実施していない一般住宅等の除染に係る最終申し込みの受付について - 川俣町公式ホームページ(31)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(32)
めげ猫「タマ」の日記 再臨界について(33)
流域下水道終末処理場における下水汚泥等の放射性物質濃度・空間線量結果について(10月末現在) - 福島県ホームページ(34)
葛尾村の避難指示解除について - 葛尾村ホームページ(35)
南相馬市 - Wikipedia(36)
楢葉町 - Wikipedia(37)
避難の状況と市内居住の状況 - 南相馬市(38)
南相馬市復興事業等の主な進捗状況 - 南相馬市(39)
避難指示解除後の町内帰還世帯・人数について|楢葉町公式ホームページ(40)
県内外の避難先別世帯数・人数について|楢葉町公式ホームページ(41)(7)中の「
?南相馬市復興事業等の主な進捗状況について(平成28年11月) [460KB pdfファイル]」
(42)
めげ猫「タマ」の日記 楢葉町避難指示解除1年2ヵ月、新規転入者は338人―未来は原子力ムラ―(43)
川俣町における避難指示区域の解除について(METI/経済産業省)(44)
来年1月解除案を撤回=福島・富岡町の避難指示-政府:時事ドットコム(45)
役場機能 本庁舎帰還へ…浪江・富岡 : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(46)
飯舘村における避難指示区域の解除について(METI/経済産業省)(47)
めげ猫「タマ」の日記 小学校1、2,3年生がいない川俣町山木屋小学校、スケートリンクも効果無し(48)
めげ猫「タマ」の日記 福島県の人口190万人割れ、若い女性の福島脱出の効果(49)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(50)
めげ猫「タマ」の日記 福島値下がり、山梨値上がり7,8月のモモ価格、当然の結果です。(51)
日本のキュウリ生産量ベスト10: なんでもベスト10(52)
めげ猫「タマ」の日記 群馬は値上がり、福島変わらず9,10月のキュウリ価格(対前年)(53)
福島県の新しいお米「天のつぶ」 - 福島県ホームページ(54)
こしいぶきの特徴 | JA全農にいがた -- 365日、新潟産。(55)
米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等:農林水産省中の「
平成28年産米の相対取引価格・数量(平成28年10月)(速報)(PDF : 132KB)」
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めげ猫「タマ」の日記 福島県140周年、未来は暗い(57)
めげ猫「タマ」の日記 福島県について(58)
めげ猫「タマ」の日記 5月測定器の周りを除染で福島県の放射線量が激減!―補正式が必要(59)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月2週)―総理に無検査イチゴを食べさせる福島県―(60)
水・食品等の放射性物質検査 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ(61)
福島県オリジナル品種「ふくはる香」をお見逃し無く! | ふくしま 新発売。(62)
安倍晋三内閣総理大臣が来村しました | 飯舘村災害情報サイト(63)
クリスマスおいしく彩る イチゴ収穫本格化:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(64)
福島県相馬市 観光のご案内 イチゴ狩り(65)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(66)
Webチラシ情報 | フレスコキクチ中の「相馬店」
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- 2016/12/16(金) 19:49:11|
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