食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。13月3週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(4)。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
①検査数1,442件
②平均は、1キログラム当たり2ベクレル、最大97ベクレル(千葉県産ギンブナ)。
基準超は見つかっていませんが、今週のデータを解析すると以下の特徴が見えてきます。
①茨城産ブリからセシウム、福島産は69件連続ND
②もうすぐクリスマス、汚染の酷い主産地のイチゴを検査しない福島県
③福島県旧信夫村産大豆のセシウム濃度は過去最高
およそ安心出来ません。
1.茨城産ブリからセシウム、福島産は69件連続ND
厚生労働省は茨城産ブリからセシウムが見つかったと発表しました(8)。福島産ブリが気になります。以下にブリのセシウム検査結果をしめします。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
※3 日付けは捕獲日
図―1 スズキの検査結果
厚生労働省の発表(1)を集計すると2015年以降で福島産は69件連続で検出限界未満(ND)です。図に示すように茨城産だけでなく、宮城産ブリからそこそこセシウムが見つかっています。
宮城、茨城、千葉産からは見つかっているのに、福島産スズキからスズキからはセシウムが見つかっていない旨を先週の記事で紹介しました(4)。福島と千葉産のデータが追加になったので、以下に記載します。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
※3 日付けは捕獲日
※4 淡水は除く
図―2 スズキの検査結果
図に示すように宮城、茨城、千葉産スズキからセシウムが見つかっているのに福島産スズキからは見つかっていません。今週も千葉産スズキからはセシウムが見つかったと発表がありました。5件全数で検出限界未満(ND)です(10)。これで今年九月以降で36件連続で検出限界未満(ND)です。
海は繋がっており、汚染源のある福島が隣県より低いだのおかしな話です。厚生労働省の発表(1)を見ると福島産スズキを含め消費地の検査を除けば、福島産農水産物の検査は福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(7)が実施しています。中立性に疑問があります。
福島県の検査は他より低くでます。福島産は他より低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
2.もうすぐクリスマス、汚染の酷い主産地のイチゴを検査しない福島県
もうすぐクリスマスです。イチゴケーキを楽しみにしている方も多いと思います(11)。福島県もイチゴ生産は盛んだそうです(12)。福島県最大のイチゴの産地の伊達市(13)でもイチゴの収穫が始まりました(14)。福島はイチゴののシーズンに入りました。先週の記事(4)でも検査状況を報告したのですがやっぱり気になります。今週の状況について報告します。
以下に福島県のイチゴの生産量を示します。

※(15)より作成
図―3 福島のイチゴの生産量
図に示す通り伊達市がトップで半分近くを生産します。ついでいわき市、福島市、矢祭町です。以下に検査状況を示します。

※1 (16)のデータを(17)に示す手法で12月1日に換算
※2 避難区域は(18)による
※3 イチゴの検査状況は(1)および(19)による。
※4 イチゴマーク一つが検査1回
※5 2016年6月以降の検査を集計
※6 旧信夫村(福島県西白河郡)の範囲は(20)による。
図-4 福島産イチゴの今シーズン検査状況および旧信夫村
図に示す通り、生産量1~3位の伊達市、いわき市、福島市の検査結果はありません。図に示す通り伊達市や福島市は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(21)地域が広がっています。福島のイチゴは汚染された地域で栽培されています。そして検査はされていません。それでも福島県は福島産イチゴは検査で安全が確認されたと主張しています(22)。
気になるが福島県飯舘村産イチゴです。福島県飯舘村は避難地域にありますが、年間を通じイチゴが生産されています(23)。イチゴ産地で最も汚染が酷い場所です。それでも、図に示す通り今シーズンの検査結果が見当たりません。飯舘村産イチゴといえでも立派な福島産イチゴです。
だだし福島県に検査能力が無いわけではなさそうです。図に示す通り福島のイチゴ産地の中ではセシウム汚染がマシな矢祭町産は3回検査しています。福島県伊達市、福島市そして飯舘村を活動範囲とする農協さんの自主検査結果(24)を見たのですが、イチゴがありませんでした。
福島産は汚染が酷い主産地を避けた検査で「安全」とされ出荷されます。
3.福島県旧信夫村産大豆のセシウム濃度は過去最高
以下に福島県旧信夫村(西白河郡)産大豆のセシウムの検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
※3 日付けは収穫日
図―5 福島県旧信夫村(西白河郡)産大豆の検査結果
図に示す通りいったんは下がったのですが、今年(2016年)は去年に比べて大幅な上昇です。過去最高の1キログラム当たり53ベクレルを記録しました(25)。
福島産はセシウムが上昇する事があり、過去に低い値が出ていたとしても「安全」とは言えません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
これでは福島の皆様は不安だと思います。
まもなくクリスマスです。チキン料理を楽しみにしている方も多いと思います。福島県が力をいれている農畜産物に鶏肉(軍鶏)があります(26)。福島県福島市で今年も軍鶏祭が開かれました(27)。福島県は福島産イチゴと同じく鶏肉も「安全」だと主張しています(22)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産鶏肉はありません。

※(28)を引用
図-6 福島産鶏肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1012報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月2週)―総理に無検査イチゴを食べさせる福島県―(5)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(6)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(7)(3)中の「1 自治体の検査結果⇒
検査結果(PDF:1,248KB) 」
(8)(7)中のNo3523
(9)(7)中のNo535、537、539、546、547
(10)(3)中の「2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果⇒
検査結果(PDF:156KB)のNo165,166,167、237,238」
(11)
農林水産部 - 福島県ホームページ(12)
Xマスケーキ(12月18日) | 県内ニュース | 福島民報(13)
福島県オリジナル品種「ふくはる香」をお見逃し無く! | ふくしま 新発売。(14)
クリスマスおいしく彩る イチゴ収穫本格化:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(15)
作物統計調査>市町村別データ> 平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の9-3 野菜(果菜類) ⇒ 福島県 ⇒Excel」
(16)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(17)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を「イチゴ、イチゴ(施設)」で12月20日に検索
(18)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(19)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を「イチゴ、イチゴ(施設)」で12月20日に検索
(20)
西白河郡 - Wikipedia(21)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(22)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(23)
安倍晋三内閣総理大臣が来村しました | 飯舘村災害情報サイト(24)
農作物自主検査 | 農業 | JAふくしま未来(25)(3)中の「2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果⇒
検査結果(PDF:156KB)のNo35」
(26)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(27)
第12回川俣シャモまつりin四季の里報告 - 川俣町公式ホームページ(28)
イオン福島店
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- 2016/12/20(火) 19:42:40|
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