食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。12月中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)(4)(5)(6)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先月に続き今月もしっかりセシウム汚染食品が見つかっています(7)。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
①検査数4,413件中23件の基準超え(全体の0.52%)
②平均は、1キログラム当たり14ベクレル、最大13,000ベクレル(福島県産イノシシ)。

※1 牛肉を除く
※2 単位については(8)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2016年12月)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(9)超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
今月のデータを解析すると以下の特徴が見えてきます。
①青森、岩手のマダラからセシウム、福島は48件全てND
②福島イチゴケーキは無検査イチゴが
③検査無しでも安全?福島・原乳は出荷制限解除
④上昇する福島県田村市産イノシシのセシウム濃度
とても安心できるのではありません。
1.青森、岩手のマダラからセシウム、福島は35件全てND
以下に9月以降のマダラの検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
※3 日付けは捕獲日
図―2 マダラの検査結果
図に示す通り、青森、岩手産マダラからはそこそこセシウムが見つかっていますが、福島産は全数48件で検出限界未満(ND)です。
先週の記事で宮城、茨城、千葉産スズキからセシウムが見つかるけれど、福島産からは見つかっていない旨を記事しましたが(10)、検査結果が新たに発表されたので(6)、以下に記載します。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
※3 日付けは捕獲日
※4 淡水は除く
図―3 スズキの検査結果
図に示すように宮城、茨城、千葉産スズキからセシウムが見つかっているのに福島産スズキからは見つかっていません。
海は繋がっており、汚染源のある福島が他県より低いだのおかしな話です。厚生労働省の発表(1)を見ると福島産マダラ、スズキを含め消費地の検査を除けば、福島産農水産物の検査は福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(12)が実施しています。中立性に疑問があります。
福島県の検査は他より低くでます。福島産は他より低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
2.福島イチゴケーキは無検査イチゴが
クリスマスにはイチゴケーキを楽しまれた方もおおいと思います。福島県福島市のケーキ屋さんでは、福島県県北地方産のイチゴを使ったそうです(12)。検査されているか心配です。以下に今シーズン(6月以降)の福島のイチゴの検査状況を纏めます。

※1(13)の数値データを元に(14)に示す手法で12月1日時点に換算
※2 避難区域は(15)による
※3 (1)(16)にて作成
図-4 福島のイチゴの検査状況
福島県県北地方のイチゴは伊達市と福島市産が主です(11)。ここは図に示す通り国が除染が必要だする毎時0.23マイクロシーベルト超えた(17)地域が広がっています。福島市のイチゴケーキには汚染された台地で栽培され、無検査のまま出荷された無検査イチゴが使われています。福島県県北地方を活動範囲とする福島の農協さんの自主検査結果にはイチゴは出ていませんでした(18)。
福島産は汚染の酷い産地を避けた検査で「安全」とされ出荷されます。
3.検査無しでも安全?福島・原乳は出荷制限解除
厚生労働省は12月26日に、福島県田村市、南相馬市、楢葉町、川内村、葛尾村の避難地域を除く福島原発からの20km圏内の原乳の出荷制限を解除しました(19)。

※(20)を12月27日に閲覧
図―5 「原乳」の出荷解除を報じる福島県の地方紙・福島民報
ところが厚生労働省の発表(1)を過去1年遡ってみたのですが、解除となった地域の検査結果の発表がありません。福島からの報道では
「(福島)県は出荷制限解除に向け、28年5月から12月まで楢葉町の計31検体で放射性物質のモニタリング検査を実施した。全ての検体で食品衛生法の基準値(1キロ当たり50ベクレル)を下回り、政府の定めた解除要件を満たした。県によると、31検体は全て検出下限値未満だった。
政府は他の4市村の一部区域についても乳牛への放射性物質の影響が楢葉町と同程度とみて解除を決めた。」
とのことです(21)。図―4に示すように葛尾村などは楢葉町に比べて汚染が酷く「楢葉町と同程度」とは思えません。福島産は検査していなくても、安全とされ出荷制限が解除されます。
報道(21)では検査結果は「基準値(1キロ当たり50ベクレル)を下回り」であって検出限界未満(ND)とはしていません。結果を公表していない所をみると、基準値以下かもしれませんが、それなりに酷い値だったと想像してしまいます。
福島産は検査してなくても「安全」され出荷されます。
4.上昇する福島県田村市産イノシシのセシウム濃度
以下に福島県田村市産イノシシの検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
※3 日付けは捕獲日
図―5 福島県田村市産イノシシの検査結果
図に示す通り2015,16年と2年連続で上昇しています。最大値は1キログラム当たりで2015年は3,400ベクレルですが15年は13,000ベクレルです。4倍の上昇です。
福島産はセシウム濃度が上昇する事があります。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
・検査していなくても
・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
「(福島)県内では県産農林水産物の安全確保に向けて厳密な検査が続けられている」なんて報道がありますが(22)、福島県の検査はどう見てもデタラメな検査です。これでは福島の皆様は不安だと思います。
もうすぐ大晦日、年越しそばを楽しみにしているかたも多いと思います。薬味にはネギが欠かせないと思います。福島を代表する冬野菜にネギがあります(23)。福島県会津地方でもソバの薬味にネギを使います(24)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産ネギはありません。

※(25)を引用
図―6 福島産ネギが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1010報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1011報) |報道発表資料|厚生労働省(5)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1012報) |報道発表資料|厚生労働省(6)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1013報) |報道発表資料|厚生労働省(7)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(11月3週)―岩手県産サワラからセシウム。福島産は66件全てでND―(8)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(9)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(10)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月3週)―茨城産ブリからセシウム、福島産は69件連続ND―(11)
農林水産部 - 福島県ホームページ(12)
「笑顔の聖夜に」 洋菓子店など、クリスマスケーキ作りピーク:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(13)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(14)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(15)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(16)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を「イチゴ、 イチゴ(施設) 」で12月28日に検索
(17)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(18)
農作物自主検査 | 農業 | JAふくしま未来(19)
原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の解除 |報道発表資料|厚生労働省(20)
福島民報(21)
原乳 出荷制限解除 5市町村、避難設定区域初 | 東日本大震災 | 福島民報(22)
政府、風評対策で新組織 来月にも設置 県産品流通後押し | 東日本大震災 | 福島民報(23)
栄養と美味しさ満点!ふくしまの冬野菜たち! | ふくしま 新発売(24)
ねぎを丸ごと一本! 大内宿の名物蕎麦|食の安全|PRESIDENT Online(25)
アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
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テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記
- 2016/12/28(水) 19:48:36|
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