めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(12月5週)―5,600万ベクレルが汚染水漏れ―

 新年あけましておめでとうございます。本年もめげ猫「タマ」の日記の応援、宜しくお願いします。
 今年の第一弾は福島原発のトラブルの週報です。年末もトラブルが起こります。12月5週(12月25日~31日)も先週に続き確りトラブルは起こっています(1)。福島原発のトラブルは時を選ばないようです。福島原発のトラブルの週報を年末年始くらいは休みにしたかったのですが、無理でした。12月5週は以下のトラブルが起きました。
 ①福島第一で5,600万ベクレルが汚染水漏れ
 ②ALPS止まる
 ③原子力規制委「凍土壁」は遮水効果が低いから、「安全上の問題」は少ない
 ④トレンチの穴埋めに待った
 ⑤「休工」でダストが減少?
福島第一トラブルマップ(12月5週)
 ※ 位置は(3)による
 図―1 福島第一トラブルマップ(12月5週)

1.福島第一で5,600万ベクレルが汚染水漏れ
 福島第一では原子炉やタービン建屋に地下水が流れ込む等して、日々汚染水が増えています。放置すると溢れてしまうのでこれを汲みあげ処理設備を通した後で汚染水タンクに蓄えています(4)。以下に福島第一の汚染水の流をしめします。
福島第一汚染水処理の流れ
 ※(5)を転載
 図―2 福島第一原発の汚染水処理の流れ
 
事故当初は多核種除去設備(ALPS)も(6)、第一段のSARRYにはストロンチウム90を取り除く機能がなく(7)(8)、ストロンチウム90を含んだ汚染水がそのまま淡水化装置に送られていました。淡水化装置は汚染水を「淡水化」する装置ではなく、汚染水を「淡水(RO処理水)」とより濃い「濃縮塩水」に分離するための装置です(10)。濃縮塩水は福島第一のタンク内汚染水の中で、もっとも素性が悪い汚染水です。以下に汚染状況をしめします。
1リットル当たり一億ベクレル程度の全ベータに汚染されている濃縮塩水
 ※(11)を集計
 図―3 濃縮塩水の放射性物質濃度

 図に示す通り初期のものは1リットル当たり1億ベクレル程度の全ベータで汚染されています。事故から6年近くが経ちましたが、RO濃縮塩水のうち2,700トンが処理されずに残っています(12)。福島第一原発の汚染水タンクには事故当初に作られたフランジ型と(14)その後に導入された溶接型(16)がります。フランジ型タンクの寿命は「5年」と言われています(17)。事故から6年が経過したので、そろそろ寿命です。このフランジ型タンクにRO濃縮塩水が約1,700トン保管されています。RO濃縮塩水はいつ汚染水漏れをおこしてもおかしくない状態です。
 12月29日午前9時25分頃、福島第一原子力発電所構内H8タンクエリア付近において、RO濃縮塩水移送ポンプ出口配管にあるドレン弁下部に滴下跡が見つかりました。滴下跡が確認された床面には、約60cm×60cmの水溜まりがあり、このドレン弁の先端にある閉止栓から一分間に1滴程度の割で汚染水が漏れているのが確認されました。漏れた汚染水は床面に約60cm×60cm×深さ1mmの範囲に広がり、量は、約0.4リットルとのことです。漏れた汚染水は分析するには量が少なく類似の汚染水を分析したら、1リットル当たりで
・セシウム134 :1,200ベクレル
・セシウム137 :7,300ベクレル
・セシウム合計  :8,500ベクレル
・全ベータ放射能 :5,600万ベクレル
の放射性物質が含まれていたそうです(16)。今も所、何処から漏れだしているかは分からないそうです(17)。

2.ALPS止まる
 福島第一では日々汚染水が増え続けています。放置すると溢れるので、これを汲みあげ汚染水処理設備を通したあと汚染水タンクに保管しています。
増え続ける福島第一汚染水
 ※(18)を集計
 図―4 増え続ける福島第一原発汚染水

東京電力の発表を(=^・^=)なりに集計すると約101万トンです。増える汚染水に合わせ汚染水タンクを作り続けなくてはならないのですが、タンクの増設が間に合わない場合は汚染水処理を止めることになります。汚染水処理の最終段は図―2に示す通り多核種除去設備(ALPS)です。ALPSには多核種除去設備、増設多核種除去設備、高性能多核種除去設備がありますが(16)、今週の運転状況をしめします。

 表―1 多核種除去設備等の運転状況
 ※1(16)(17)、(19)~(23)で作成
 ※2 APLSは多核種除去設備、増設は増設多核種除去設備、高性能は高性能多核種除去設備
 ※3 〇―運転中、×―停止
止まる日の方が多いALPS

 図に示すように7日間で動いたのは3日です。先週もALPSは止まっています(1)。増える汚染水にタンクの増設が間に合わず汚染水処理が停滞してしまいました。

3.原子力規制委「凍土壁」は遮水効果が低いから、「安全上の問題」は少ない
  凍土壁は福島第一のタービンや原子炉建屋の回りを氷の壁で囲い地下水の流れを阻止し、汚染水の増加を抑止しようとするものです(24)。その第一段階として3月31日より海側の凍土壁の凍結を開始しています(25)。現在、海洋への汚染水流出を抑える為にタービン建屋の海側に海側遮水壁等の「壁」を作り海への汚染水の流れを阻止する試みがなされています。
凍土壁・海側遮水壁・サブドレンピット・地下水ドレンピット
 ※(24)を転載
 図―5 サブドレン、凍土壁、地下水ドレン、海側遮水壁

12月26日の「第49回特定原子力施設監視・評価検討会」で原子力規制員会に対し東京電力は凍土壁の状況について説明していました(13)。図―5に示す通り、凍土壁に並行して海側に「海側遮水壁」があります。凍土壁をすり抜け海側遮水壁に到達した汚染水を放置すると海に流れ汚染するので、汲みあげています(25)(26)。海側からの汲み上げ量で凍土壁をすり抜けた汚染地下水量が概ね評価でいます。以下にに推移をしめします。
凍土壁凍結開始前に比べそれ程には減っていない海岸からの地下水くみ上げ量
 ※1(27)より作成
 ※2 数値は月平均の1日当たりの汲み上げ量
 図―6 海側から汲み上げた汚染地下水量

 東京電力はこれを元に、近々では1日当たりの汲み上げ量は「凍土壁」の効果により1日当たり134トンにまで減ったと主張していました(13)。ただし当初は1日当たり70トンまで減るといっていたので(28)、倍です。原子炉やタービン建屋の周りでは井戸を設け地下水を汲み上げています(サブドレン)(26)。これも汚染地下が海に流れるのを阻止する効果があるはずです。
 凍土壁は図―5に示すようにタービンや原子炉建屋の全周を囲むように設けられています。海側部分については全面的に凍結をしていますが、山側は一部で未凍結な場所を残しています。12月26日の会合では山側も全面的に凍結する事を東京電力は主張しました(13)。これに対し原子力規制委は「(凍土壁は)遮水効果を上げておらず、山側を閉じても危険な状況は無いのではないか」として、段階的に凍結箇所を増やしていき、最終的に山側の全面凍結を認める方向です。
 これで凍土壁は遮水効果を発揮できなことが確定した感じです。東京電力が主張するとおり「遮水効果」が見えたら原子力規制委は、リスク回避のため凍土壁の凍結の許可を取り消すはずです。勿論、効果が無ければそのまま凍結が進行します。

4.トレンチの穴埋めに待った
 福島第一ではタービン建屋から海に向かって東京電力がトレンチと呼ぶ地下道が伸びています。
タービン建屋から海岸に向かって伸びるトレンチ
 ※(29)より作成
 図―6 タービン建屋から海に向かって伸びるトレンチ(地下道)

 中には高濃度の汚染水が溜まっており、ここを通じ汚染水が海に流れ出す危険があったので、凍結して汚染水の流れを止め抜く計画でした、上手く行かず(30)、結局はセメントで埋めてしまうことになりました(31)。ただし凍結はそのままで、水位を見る為に図の立坑Cは一部は埋めないままです。これについて東京電力は立坑Cを埋め、その後に凍結を解除する計画を原子力規制委に申請しました(13)(28)。これに対し原子力規制委はまず凍結を止めて異常がない事を確認してから、埋めるべきと待ったを掛けました。

5.「休工」でダストが減少?
 福島第一では敷地境界付近の空気中の放射性物質の量をダストモニタで測っています(32)。以下に推移をしめします。
ダストモニタの値が下がった年末年始
 ※(32)を1月1日に閲覧
 図―7 ダストモニタの計測値の推移

 図に示す通り年末になり急に下がっています。東京電力の会見によると(33)、福島第一の廃炉作業も年末年始はお休みだそうです。廃炉作業中止で下がった感じです。廃炉作業は放射能に汚染された埃を巻き上げているようです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島第一の2016年はトラブルに始まり(34)、本稿にある通りトラブルで終わった感じです。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 1月に入り福島はイチゴの季節です(35)。福島県もイチゴ生産は盛んだそうです(36)。福島県最大のイチゴ産地の福島県伊達市(37)でもでもイチゴの収穫が始まりました(38)。福島・伊達のイチゴは「旬」だそうです(39)。福島県伊達市のイチゴは、とても甘くてちょっと酸っぱいそうです(40)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(41)。でも、福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(42)を引用
 図―8 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(12月4週)―福島第二、4度目の「廃炉決議」―
(2)中長期ロードマップ|東京電力
(3)(2)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2016年12月22日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第37回事務局会議)⇒【資料2】中長期ロードマップの進捗状況(概要版)(6.89MB)
(4)原子炉の安定化|東京電力
(5)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(11月3週)―地下水バイパス止まる―
(6)汚染水の浄化処理|東京電力
(7)第二セシウム吸着装置(SARRY) 同時吸着塔の導入に伴う補足説明資
(8)サリー (機械) - Wikipedia
(9)淡水化装置|東京電力
(10)報道配布資料|東京電力
(11)(9)中の「水処理設備の放射能濃度測定結果 」
(12)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第284報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(13)第49回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(14)(13)中の「資料2:フランジ型タンクの使用状況と今後の対応方針について[東京電力]【PDF:2MB
(15)(2)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2016年12月22日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第37回事務局会議)【資料3-1】汚染水対策(25.2MB)
(15)タンク耐用年数、根拠なし 第一原発 | 東日本大震災 | 福島民報
(16)016年12月29日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後4時現在】
(17)2016年12月30日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(18)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(19)2016年12月25日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(20)="2016年12月26日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(21)2016年12月27日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(22)2016年12月28日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(23)2016年12月31日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(24)めげ猫「タマ」の日記 凍土壁が失敗した訳
(25)2016年3月31日 福島第一原子力発電所 陸側遮水壁の凍結運転開始についてPDF
(26)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(27)(9)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(28)第47回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(29)(13)中の「資料4:2号機海水配管トレンチ立坑Cの状況と今後の対応について[東京電力]【PDF:3MB】
(30)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(10月1週)―9月は5人のけが人・病人―
(31)めげ猫「タマ」の日記 勝手に福島原発十大トラブル2015
(32)福島第一原子力発電所敷地境界付近でのダストモニタ計測状況|東京電力
(33)2016/12/26(月) 原子力定例記者会見
(34)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(1月1週)―福島第一にキツネ―
(35)特産品情報 | 地区別くらし情報 伊達地区 | JAふくしま未来
(36)福島県オリジナル品種「ふくはる香」をお見逃し無く! | ふくしま 新発売。
(37)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月2週)―総理に無検査イチゴを食べさせる福島県―
(38)クリスマスおいしく彩る イチゴ収穫本格化:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(39)トピックス | JAふくしま未来
(40)伊達のいちご - 福島県伊達市ホームページ
(41)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(42)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
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  1. 2017/01/01(日) 19:45:19|
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