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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(1月1週)―外洋からトリチウム―

 福島第一原発汚染水の1月1週(2016年12月26日から17年1月1日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①事故から5年10ヶ月、外洋からはトリチウム等の放射性物質
 ②港湾内各所で見つかるストロンチウム90
 ③地下水バイパス山側井戸の全ベータが上昇中
 ④サブドレンからの2016年のトリチウム排出量約1,153億ベクレル

1.事故から5年10ヶ月、外洋からはトリチウム等の放射性物質
 以下に福島第一の外洋の汚染状況を纏めます。
事故から5年9ヶ月過ぎてトリチウム等の放射性物質が見つかる福島第一沖外洋
 ※1(4)(5)(6)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりまたは1キログラム当たりのベクレル数
 ※3 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
 ※4 集計期間内の最大値
図―1  福島第一原発の放射性物質濃度

 図に示す通り、事故から5年10ヶ月が過ぎましたが、福島第一起きの外洋からは今週トリチウム等の放射性物質が見つかっています。以下に5,6号機放水口北側の推移を示します。
トリチウムが再度見つかるようになった5,6号機北側
 ※1(4)にて作成
 ※2 NDは検出限未満(見つからい事)を示す。
図―2 福島第一沖外洋「5,6号機放水口北側」の放射性物質濃度

図に示す通り、トリチウムは一時は検出限界未満(ND)でしたが最近はまた見つかるようになりました。この先が心配です。

2.港湾内各所で見つかるストロンチウム90
 以下に今週の港湾内の汚染状況を纏めます。
各所でストロンチウム90が見つかる福島第一港湾内
  ※1 (4)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は11月21日
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 図に示す通り多くの地点でストロンチウム90が見つかっています。この中で気になるのが港湾口の全ベータです。以下に推移をしめします。
12月後半から全ベータが見つかりだした福島第一港湾口
 ※1(4)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―4 港湾口の全ベータ濃度

 12月前半は全ベータが見つかることはありませんでしたが、後半は見つかるようになりました。全ベータはストロンチウム90に密接に関連しており(7)、ストロンチウム90による海洋汚染が心配です。

3.地下水バイパス山側井戸の全ベータが上昇中
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(8)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(9)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(10)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた汚染地下水が見つかる福島第一地下水バイパスと山側井戸
 ※1 (9)(10)にて作成。
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(3)、排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で気になったのがE-1井戸です。以下に推移を示します。 
12 月入り上昇したE-1井戸の放射性物質濃度
 ※(9)を集計
 図―6 E-1井戸の検査結果

 12月に入り、全ベータもトリチウムも12月に入り上昇傾向に転じ最大で1リットル当たり
  全ベータ 13,000ベクレル
  トリチウム 2,200ベクレル
に達しました。この先が心配です。

4.サブドレンからの2016年のトリチウム排出量約1,153億ベクレル
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(11)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始り(12)、13日より排水を開始しました(13)。濃度×排出量で月別のトリチウム排出量を求めてみました。
毎月100億ベクレル程度のトリチウムが排出された2016年の福島第一サブドレン
 ※(12)(13)を集計
 図-7 サブドレンからの月別のトリチウム放出量

 先月(2016年12月)は116億ベクレルのトリチウムが海にながされました。昨年(2016年)1年間で1,153億ベクレルです。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 今年も福島第一からの放射性物質漏れは続きそうです。福島の皆様は不安だと思います。
 福島県もイチゴ生産は盛んだそうです(14)。福島県いわき市は福島第二のイチゴ産地のです(15)。同市では昨年末から観光イチゴ園が開幕しました(16)。福島県いわき市はイチゴのシーズンです。福島・いわきのイチゴは甘くて美味しいそうです(17)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(18)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(19)を引用
 図―8 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(12月4週)―サブドレン排水のトリチウム濃度は上昇中―
(2)報道配布資料|東京電力
(3)サンプリングによる監視|東京電力
(4)(2)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(5)(3)中の「1.海水(港湾外近傍)」
(6)(3)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング」⇒「南放水口・排水路」
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(9)(3)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(10)(2)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果
(11)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(12)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(13)(2)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(14)福島県オリジナル品種「ふくはる香」をお見逃し無く! | ふくしま 新発売。
(15)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月2週)―総理に無検査イチゴを食べさせる福島県―
(16)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2015-16 | いわき市 観光情報サイト
(17)甘くて大きくておいしい苺!! - 田人観光いちご園の口コミ - じゃらんnet
(18)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(19)イトーヨーカドー 平店
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  1. 2017/01/02(月) 19:44:29|
  2. -
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:2
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  1. 2017/01/04(水) 13:10:39 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]

Re: 信憑性を増すためにお願い

図表に元データぬついては、※のあと番号を記し、―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―後に番号と元データ先を記載しています。このやり方のメリットは、本文が不必要に長くならない。同じものを何回も使う時に便利ですし
  1. 2017/01/04(水) 21:26:09 |
  2. URL |
  3. mekenekotama #-
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