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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(1月3週)―事故から5年10ヶ月以上、外洋から放射性物質―

 福島第一原発汚染水の1月3週(1月9日から15日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①事故から5年10ヶ月以上、外洋から放射性物質
 ②港湾内各所で見つかるストロンチウム90
 ③地下水バイパス山側井戸のトリチウムが上昇中
 ④海岸付近のトリチウムが上昇中
 ⑤サブドレンの累積のトリチウム排出量は約1,300億ベクレル
 
1.事故から5年10ヶ月以上、外洋から放射性物質
 以下に福島第一の外洋の汚染状況を纏めます。
事故から6年近くが経過して、放射性物質が見つかる福島第一沖外洋
 ※1(4)(5)(6)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりまたは1キログラム当たりのベクレル数
 ※3 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
 ※4 集計期間内の最大値
 図―1  福島第一原発の放射性物質濃度

 図に示す通り、事故から5年10ヶ月以上が過ぎましたが、福島第一起きの外洋からは今週も放射性物質が見つかっています。図において「5,6号機放水口北側」から1リットル当たり17ベクレルの全ベータが見つかっています。外洋の海水中においてカリウム40が1リットルあたり12.1Bqが含まれるとされていますが(8)、この値を超えています。事故から5年10ヶ月が経過しましたが、福島の海には福島第一から流れ出た放射性物質で汚染されています。以下に「5,6号機放水口北側」の推移をしめします。
放射性物質が見つかり続ける福島第一沖外洋5,6号機放水口
 ※1(4)にて作成
 ※2 NDは検出限未満(見つからい事)を示す。
 図―2 福島第一沖外洋「5,6号機放水口北側」の放射性物質濃度

 図に示すより時々1リットル当たり12ベクレルを超えています。事故から6年の間、汚染され続けています。

2.港湾内各所で見つかるストロンチウム90
 以下に今週の港湾内の汚染状況を纏めます。
各所でストロンチウム90が見つかる福島第一港湾内
  ※1 (4)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は12月5日
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 図に示す通り多くの地点でストロンチウム90が見つかっています。以下に港湾口の全ベータ濃度の推移を示します。
20(Bq/kg)以上の全ベータが見つかる港湾口
 ※1(4)にて作成
 ※2 NDは検出限未満(見つからい事)を示す。
 図―4 福島第一沖外洋「港湾口」の全ベータ濃度 

 図に示すよう時々、1リットル当たり20ベクレルを超えています。港湾口からは今も放射性が海に流れ出しています。

3.地下水バイパス山側井戸のトリチウムが上昇中
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(9)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(10)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(11)。以下に放射性物質濃度を示します。
各所でストロンチウム90が見つかる福島第一港湾内
 ※1 (10)(11)にて作成。
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(3)、排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で気になったのがE-1井戸です。以下に推移を示します。 
放射性物質濃度が上昇を続けるE-1井戸
 ※(10)を集計
 図―6 E-1井戸の検査結果

 全ベータもトリチウムもどんどん上昇しています。この先が心配です。

4.海岸付近のトリチウムが上昇中
 以下に海岸付近の地下水の放射性物質汚染の状況を示します。
高濃度の放射性物質が見つかる福島第一原発海岸
  ※1 (4)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
 図―7 海岸付近の地下水の放射性物質汚染の状況


 図に示す様に法定限度(3)を大きく超える汚染地下水が見つかっています。この中で最も気になったのがNo1-6井戸のトリチウムです。以下に推移を示します。
上昇が続く1-6井戸のトリチウム ※1(4)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す
 図―8 No0-1井戸のトリチウム濃度

どんどん上昇しています。やがては福島の海に流れ出し汚すことになります。

5.サブドレンの累積のトリチウム排出量は約1,300億ベクレル
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです。サブドレンの運用は2015年9月3日から始り(12)、13日より排水を開始しました(13)。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(13)(14)、濃度×排出量で累積のトリチウム排出量を求めてみました。
約1,300億ベクレルに達したサブドレントリチウム累積排出量
 ※(13)(14)を集計
 図―9 サブドレン累積のトリチウム排出量

 2017年1月14日時点で累積で約1,300億ベクレルに達しました。
 
<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 事故から6年近くになりますが、福島第一原発からの汚染水漏れは止まる気配がありません。福島の皆様は心配だと思います。
 イチゴの日(15)も終わりイチゴの本格シーズンです。福島でもイチゴ栽培が盛んだそうです(16)。福島県会津地方もイチゴの産地です(17)。福島県会津若松市ではイチゴ狩りも楽しめます(18)。会津のイチゴは身の詰まったしっかりした食感で、食べると果汁が溢れるそうです(17)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(19)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(20)を引用
 図―10 福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(1月2週)―外洋から放射性物質―
(2)報道配布資料|東京電力
(3)サンプリングによる監視|東京電力
(4)(2)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(5)(3)中の「1.海水(港湾外近傍)」
(6)(3)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング」⇒「南放水口・排水路」
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)カリウム40 - Wikipedia
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(10)(3)中の「H4エリア周辺観測孔」
(11)(2)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(12)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(13)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(14)(2)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(15)1月15日 いちごの日|なるほど統計学園
(16)福島県オリジナル品種「ふくはる香」をお見逃し無く! | ふくしま 新発売。
(17)いちご | JA会津よつば
(18)フルーツランド北会津
(19)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(20)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
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  1. 2017/01/16(月) 19:43:01|
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