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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(1月4週)―事故から5年10ヶ月以上、汚染魚が見つかる福島第一港湾内―

 福島第一原発汚染水の1月4週(1月16日から22日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①事故から5年10ヶ月以上、汚染魚が見つかる福島第一港湾内
 ②法令違反の汚染排水が海へ
 ③港湾内で突然に上昇したセシウム137濃度
 ④地下水バイパス山側井戸のトリチウムが上昇中
 ⑤サブドレン排水のトリチウム濃度が上昇
 
1.事故から5年10ヶ月以上、汚染魚が見つかる福島第一港湾内
 以下に福島第一の外洋の汚染状況を纏めます。
事故から6年近く経て、汚染魚や放射性物質が見つかる福島第一沖外洋
 ※1(4)(5)(6)(7)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりまたは1キログラム当たりのベクレル数
 ※3 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は12月5日
 ※4 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)
 ※5 集計期間内の最大値
 図―1 福島第一原発の放射性物質濃度

 図に示す通り、事故から5年10ヶ月以上が過ぎましたが、福島第一起きの外洋からはストロンチウム90の放射性物質や汚染魚が見つかっています。以下に推移を示します。
基準を大幅に超えたヒラメが見つかる福島第一港湾内
 ※(9)を集計
 図―2 福島第一港湾内のヒラメのセシウム濃度

 図に示す通り、基準値の1キログラム当たり100ベクレル(10)を大きく超えたヒラメ見つかっていまいす。しかもピークは上昇している感じです。福島沖のヒラメ漁は昨年8月から再開しています(11)。移動して福島の漁師さんに捕まったりして!大丈夫ですかね?安倍出戻り内閣は操業海域を制限していません(12)。

2.法令違反の汚染排水が海へ
福島第一原発構内には幾つもの排水路が走っています(8)。以下に排水路の汚染状況をしめします。
違法な汚染排水が流れる福島第一排水路
 ※1(6)(13)を集計
 ※2 値は1リットル当たりで集計期間の最高値
 ※3 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※4 赤丸()はサンプリング地点
 図-3 福島第一原発排水路の放射性物質濃度

 1リットル当たりでストロンチウム90の法定限度(告示限度)は30ベクレルです(3)。全ベータの半分はストロンチウム90なので(8)、法定限度は60ベクレルです。今週の測定では図に示すようにK排水路から法定限度を超えた法律違反の汚染排水が福島の海に流れています。以下にK排水路の推移を示します。
違法な汚染排水が度々流れる福島第一K排水路
 ※1(13)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからい事)を示す。
 図―4 K排水路の放射性物質濃度

 図に示すとおり2016年も、K排水路からは違法な汚染排水が度々見つかっています。事故から6年近くになりますが、排水路から福島の海へ汚染排水が流れ続けています。

3.港湾内で突然に上昇したセシウム137濃度
 以下に今週の港湾内の汚染状況を纏めます。
各所でストロンチウム90が見つかる福島第一港湾内
  ※1 (4)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は12月12日
 図―5 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 図に示す通り多くの地点でストロンチウム90が見つかっています。この中で気になるのセシウム137の濃度です。以下に推移を示します。
WHOガイドラインを超えるようなセシウム137が度々見つかる福島第一港湾内
 ※1(4)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―6 港湾内3地点のセシウム137濃度

 図に示す通り突然に上昇しWHOガイドラインの1リットル当たり10ベクレル(3)近くに到達しました。過去には頻繁に超えています。福島第一原発の港湾は汚染されたままです。やがて外洋に漏れ出し、福島の海を汚染し続けます。

4.地下水バイパス山側井戸のトリチウムが上昇中
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(14)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(15)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(16)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた汚染地下水が見つかる地下水バイパスおよび山側井戸
 ※1 (15)(16)にて作成。
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―7 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(3)、排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で気になったのがE-1井戸です。以下に推移を示します。 
トリチウムの上昇が続くE-1井戸
 ※(13)を集計
 図―8 E-1井戸の放射性物質濃度

 全ベータは上昇したと高止まりって感じです。トリチウムの上昇が続いています。この先が心配です。


5.サブドレン排水のトリチウム濃度が上昇
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(17)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始り(18)、13日より排水を開始しました(19)。以下にサブドレン排水のトリチウム濃度を示します。
 トリチウムが上昇したサブドレン排水
※(19)を集計
 図―9 サブドレン排水のトリチウム濃度

 図に示す通りこのところ上昇しています。福島の海をトリチウムで汚すことは間違いありません。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 事故から6年近く経っても、止まる気配がない福島第一の汚染水漏れ、福島の皆様は心配だと思います。
 福島県は1月22日、大相撲初場所で初優勝した大関稀勢の里に、知事賞として福島産イチゴなどを贈ったそうです(20)。
福島産を贈呈を報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(21)を引用
 図―10 福島産イチゴ等の贈呈を報じる福島県の地方紙・福島民報

 福島はイチゴの季節です。福島県伊達市は福島最大のイチゴの産地です(22)。同市産のイチゴはとても甘くてちょっと酸っぱい、新鮮そのものだそうです(23)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(24)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(25)を引用
 図―11 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(1月3週)―事故から5年10ヶ月以上、外洋から放射性物質―
(2)報道配布資料|東京電力
(3)サンプリングによる監視|東京電力
(4)(2)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(5)(3)中の「1.海水(港湾外近傍)」
(6)(3)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング」⇒「南放水口・排水路」
(7)2017年1月19日魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内>(PDF 91.3KB)
(8)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(9)(2)中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内>」
(10)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(11)福島県における魚介類の試験操業に関するポータルサイトです中の「試験操業
(12)食品中の放射性物質の検査結果について(第1016報) |報道発表資料|厚生労働省中の「原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限等(PDF:287KB)
(13)(2)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(15)(3)中の「H4エリア周辺観測孔」
(16)(2)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果
(17)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(18)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(19)(2)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(20)稀勢の里に赤べこトロフィー贈る 内堀知事、県産米や野菜なども | 県内ニュース | 福島民報
(21)福島民報を1月23日に閲覧
(22)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月3週)―福島でイチゴ狩りが始まる。検査結果はありません―
(23)伊達のいちご - 福島県伊達市ホームページ
(24)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(25)西友保原店 - 店舗詳細|SEIYU
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  1. 2017/01/23(月) 19:47:45|
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