めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(2月1週)―凍土壁で海岸への漏れ量が減った、実は事前に汲み上げています。

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、2月1週(1月29日から2月4日)もしっかりトラブルが起こっています。
 ①ALPS停止
 ②福島第一原発2号機、格納容器内、大穴で自走ロボットの通路を塞ぐ
 ③凍土壁で海岸への漏れ量が減った、実は事前に汲み上げています。

福島第一トラブルマップ(2月1週)
 ※ 位置は(3)による。
 図―1 福島第一トラブルマップ(2月1週)

1.ALPS停止
 福島第一では日々汚染水が増え続けています。放置すると溢れるので、これを汲みあげ汚染水処理設備を通したあと汚染水タンクに保管しています。
増え続ける福島第一汚染水
日々・増え続ける福島第一汚染水
 ※(5)を集計
 図―2 増え続ける福島第一原発汚染水

東京電力の発表を(=^・^=)なりに集計すると約102万トンです。増える汚染水に合わせ汚染水タンクを作り続けなくてはならないのですが、タンクの増設が間に合わない場合は汚染水処理を止めることになります。汚染水処理の最終段は多核種除去設備(ALPS)です(5)。ALPSには多核種除去設備、増設多核種除去設備、高性能多核種除去設備がありますが(3)、今週の運転状況をしめします。

 表―1 多核種除去設備等の運転状況
 ※1(7)~(11)で作成
 ※2 APLSは多核種除去設備、増設は増設多核種除去設備、高性能は高性能多核種除去設備
 ※3 〇―運転中、×―停止
時々止まるALPS

 表に示す通り2月2日と4日に止まっています。
 以下に処理水タンク容量と汚染水量(処理水量)の1月26日発表の計画と実績を示します。
計画に比べ遅れ気味の処理水タンクの増設
 ※ 実績は(5)を集計、計画は(13)による。
 図―3 処理水タンク容量と汚染水量(処理水量)の計画と実績

 図に示す様に計画発表から数日ですが、汚染水タンクの増設が遅れ気味です。汚染水タンクが作れなければ処理を止めるしかありません。



2.福島第一原発2号機、格納容器内観察、大穴で自走ロボットの通路を塞ぐ
 東京電力は2号機格納容器内の観察を試みています。最初に先端にカメラが付いた棒を格納容器ないにいて「下見」した後で、自走式ロボットを入れ本格的な調査をする予定でした(14)。1月30日と2月2日に最初の棒の先にカメラを付けた調査の結果が発表になりました。ポイントは2点です。
  第一のポイントは格納容器内の放射線量が毎時530シーベルトである事です(1)。
2号機格納容器内で530(Sv/h)の放射線量が観測されたと報じるNHK
 ※(2)をキャプチャー
 図―4 2号機の放射線量

第二のポイントは今後の調査で自走式ロボットを入れる予定の圧力容器の下にある「足場」に大きな穴が開いているとこでいす。1月30日の調査した画像を解析した結果、1m四方の大きな「穴」がみつかったそうです(16)。
 2号機格納容器内足場の「穴」(2月2日発表)
 ※(17)に(16)に基づき加筆
 図―5 画像解析の結果で見つかった新たな「穴」

 穴は合計で2つ見つかりました(18)。以下に「穴」の位置を示します。
自走式ロボットの走行ルートを遮る格納容器内足場の「穴」
 ※(19)を参考に(16)に加筆
 図―5 福島第一格納容器内の「足場」で見つかった「穴」の位置

 図に示す通り、自走式ロボットの走行ルートに大きな「穴」がりロボットが先に進めません。東京電力の発表資料(16)では
 「堆積物除去装置や自走式調査装置の投入可否の検討を進める。」
と記載しています。このままでは自走ロボットによる調査が困難になります。

3.凍土壁で海岸への漏れ量が減った、実は事前に汲み上げています。
 凍土壁は福島第一のタービンや原子炉建屋の回りを氷の壁で囲い地下水の流れを阻止し、汚染水の増加を抑止しようとするものです(19)。その第一段階として3月31日より海側の凍土壁の凍結を開始しています(20)。現在、海洋への汚染水流出を抑える為にタービン建屋の海側に海側遮水壁等の「壁」を作り海への汚染水の流れを阻止する試みがなされています。
凍土壁・海側遮水壁・サブドレンピット・地下水ドレンピット
 ※(19)を転載
 図―4 サブドレン、凍土壁、地下水ドレン、海側遮水壁

 放置すると溢れてしまうので、地下ドレンピット、ウエルポイントあるいは、汲み上げ車両(パキュームカー)で汲み上げています。当初は汲み上げた汚染地下水は浄化装置をした後で「排水」する計画でした(21)、汲み上げた汚染地下水から排水基準を超えるトリチウムが見つかり、一部はタービン建屋に送られ汚染水増加の要因になっています(12)。以下に海岸から汲み上げた量のうち排水された量とタービン建屋に送られた量を示します。
10月以降減っている海岸からの汚染地下水くみ上げ量
 ※1 「移送」はタービン建屋に送った量
 ※2(23)(24)を集計
 ※3 2017年1月は24日まで
 図―5 海岸から汲み上げた汚染地下水の行先


 汚染水の増加を抑えるには海岸部からの汲みあげ量を減らす必要があります。東京電力は減らす対策として「凍土壁」に期待を寄せています(13)。
 1月27日に開かれた原子力規制委・第50回特定原子力施設監視・評価検討会(22)で東京電力は「凍土壁」の効果で減った主張していました(25)。以下に凍土壁と海側遮水壁の水平配置を示します。
凍土壁と海側遮水壁で囲まれる福島第一海岸
 ※1(26)にて作成
 ※2 点線部分の山側は一部で凍結しない場所があり(26)
 図―6 凍土壁と海側遮壁の水平配置

 海側遮水壁は海岸に作られた壁で、汚染地下水が海に流れ出るのを止めるとされています(27)。図に示すように海岸部は凍土壁と海側遮水壁に囲まれているので、「凍土壁」が効果を示せば汚染地下水が凍土壁から漏れ出なくなり汲み上げ量が減るはずです。図―5に示すように減っています。東京電力1月19日は1日当たりの汲み上げ量が106トンまで減ったと主張し手います。
海岸からの汲み上げ量が1日当たり106トンとなったと主張する東京電力
 ※(23)を引用
 図―7 1日当たり106トンまで汲み上げ量が減ったとする東京電力

 流速は水位差に依存し、水位差が「0」になれば流速は「0」になり、水の流れは止まります(28)。図―8に示す様に凍土壁は側面(北側と南側)も凍らせているので、効果があれば横からも漏れません。ダムのように作用し、凍土壁で囲まれた内部の水位は一定になり水位差が無くなり、水の流れが止まるはずです。「凍土壁」の内側には幾つも井戸があります。以下に図―6に示す山側にあるGi-4と海側にあるGi-23の水位を示します。
2016年10月以降は縮小しない凍土壁内側の山側-海側の水位差
 ※(26)にて作成
 図―8 凍土壁内側の山側(Gi-4)と海側(Gi-23)の地下水位

 図に示す通り2016年10月位から水位差が一定なので凍土壁内の山側から海側への流れはそれ程には変らないはずです。でも、図-5に示す様に海岸(凍土壁と海側遮水壁で囲まれたエリア)からの汲み上げ量は減っています。2016年10月以降は地下水の流れが変わらないのに、海岸部への漏れ量が減っています。どこかで地下水が消えています。以下に図―6に示すRW30とSD2の地下水位を示します。
突然に下がるSD2の地下水位
 ※(26)にて作成
 図―9 RW30とSD2の地下水位

 図―5に示す取りこの二つの井戸は近接しています。ところが図に示す通り1月中旬位にRW30の地下水位は上昇しているのにSD2の水位は下がっています。SD2はサブドレンの井戸であり(26)、地下水を汲み上げるポンプが付いています(21)。図に示す通り、恒常的にRW30に比べSD2の地下水位が低くなっています。SD2等のサブドレン井戸で凍土壁から漏れて海岸部に流れる前に汲み上げています。
 東京電力は凍土壁で海岸への漏れ量が減ったと主張していますが、実は事前に汲み上げています。
 

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 トラブル続きの福島第一原発では福島の皆様は心配だと思います。
 福島を代表する農畜産物に鶏肉(軍鶏)があります(29)。福島の鶏肉(軍鶏)は美味しいそういです(30)。福島県は福島産鶏肉は「安全」だと主張しています(31)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産鶏肉はありません。
他県産はあっても福島産鶏肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(32)を引用
 図―10 福島産鶏肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(1月4週)―3号機の核燃料プールからの使用済み核燃料取り出しは「半年」遅れ―
(2)中長期ロードマップ|東京電力
(3)(2)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2017年1月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第38回事務局会議)⇒【資料2】中長期ロードマップの進捗状況(概要版)(8.63MB)
(4)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(5)原子炉の安定化|東京電力
(6)"2017年01月29日 福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(7)2017年01月30日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(8)017年01月31日 福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(9)2017年02月01日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(10)2017年02月02日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(11)2017年02月03日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(12)2017年02月04日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(13)(2)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2017年1月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第38回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(31.1MB)
(14)(2)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2017年1月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第38回事務局会議)⇒【資料3-3】燃料デブリ取り出し準備(2.81MB)
(15)福島第一原発2号機 格納容器で高い放射線量 推定 | NHKニュース
(16)2017年2月2日2号機 原子炉格納容器内部調査におけるペデスタル内事前調査の実施結果(画像処理の結果)(PDF 3.99MB)
(17)東京電力ホールディングス 写真・動画集| 2号機 原子炉格納容器内部調査におけるペデスタル内事前調査の実施結果(画像処理の結果)
(18)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘発信―福島第一2号機、今後、ロボットによる詳しい調査を行うことにしています。実は調査できるか不明
(19)東京電力記者会見|TEPCOニュース|東京電力
(19)めげ猫「タマ」の日記 凍土壁が失敗した訳
(20)2016年3月31日 福島第一原子力発電所 陸側遮水壁の凍結運転開始についてPDF
(21)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(22)第50回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(23)(22)中の「資料2:地下水流入対策の現状[東京電力]【PDF:3MB】
(24)報道配布資料|東京電力中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(25)(22)中の「会議映像
(26)2017年2月2日陸側遮水壁の状況(第二段階)(PDF 7.29MB)
(27)海側遮水壁|東京電力
(28)水力発電所の出力と有効落差の関係
(29)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(30)(29)中の「地鶏兄弟
(31)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「畜産編 [PDFファイル/195KB]
(32)イオン福島店
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  1. 2017/02/04(土) 20:43:35|
  2. -
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