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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

事故6年目も葬式が増えたままの果物作りが盛んな福島盆地、相馬は別

 福島は果樹王国と喧伝されていますが(1)、福島県全域で果物作りが盛んな訳ではありません。主に福島盆地です(2)。ここは福島県内でも汚染が酷く葬式が増えています。福島県の発表(3)、集計すると福島盆地を構成する2市2町(福島市、伊達市、桑折町、国見町)(4)の葬式(死者数)を見ると
 事故前1年(2010年3月から11年2月)3,640人
 事故6年目(2016年3月から17年2月)4,031人
で、11%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.001%で偶然とは思えません。同じ福島でも果物作りがそれ程には盛んでなく、農水産業の生産額を大幅に減らした相馬地方では
 事故前1年(2010年3月から11年2月)1,404人
 事故6年目(2016年3月から17年2月)1,412人
で殆ど変化しておらず、統計的な差はありません。
 福島は果樹王国が喧伝されていますが(1)、福島全体で果物が作られている訳ではありません。以下に福島を代表する果物のモモ(5)の生産量を示します。
福島市、伊達市、桑折町、国見町で大部分を占める福島のモモの生産
 ※(6)を集計
 図―1 福島県の桃の市町村別生産量

 図に示す通り福島盆地を構成する福島市、伊達市、桑折町、国見町で(4)大部分を生産しています。福島のモモ等の果物は福島盆地で作られています。以下に福島の汚染状況を示します。
事故から6年以上過ぎても汚染が広がる福島
 ※1(7)の数値データを元に(8)に示す手法で4月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(9)による
 ※3 福島盆地の範囲は(4)、相馬地方は(10)による。
 図-2 原発事故6年経て、汚染されたままの福島

 図に示す通り福島では福島盆地を中心に国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(11)を超た地域が広がっています。福島は今も汚染されたままです。それでも果物等の福島産は「安全」との主張されています(12)。ただし、福島産が「安全」と主張しているのは安倍出戻り総理、福島県、東京電力等です(13)(14)(15)。この方達は事故前は原発は「安全」だと嘘を言っていました(16)(17)(18)。同じように福島産は「安全」だと「嘘」を言っていないか心配です。そこで(=^・^=)なりに調べて見ることにしました。
 以下に福島産モモの検査結果を記載します。
事故後6年連続でセシウムが見つかる福島産モモ
 ※1(19)を転載
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは厚生労働省発表日
 図―3 福島産モモの検査結果

 図に示す通り6年連続でセシウム入りです。それでも福島県の地方紙・福島民報は「今年のモモは全て検出されず ブドウやナシも同様、安心を」との寄稿文をHPに掲載しています(20)。モモの主要産地は山梨、福島、長野、和歌山ですが(21)、厚生労働省の発表(22)を見ると、この中でセシウムが見つかっているのは福島産モモだけす。2014年から16年の福島産モモの精密検査結果を厚生労働省(22)の発表でみると
 福島県外の検査 検査 19件中4件のセシウム入り(全体の21%)
 福島県の検査  検査288件中3件のセシウム入り(全体の1%)
で、福島県が検査すると100件に1件程度しかセシウムが見つからないのに、福島県外で検査すると5件に1件でセシウムが見つかっています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら5000万分の1でした。以下に偶然に起こる確率の検査結果を示します。
 表―1 偶然に起こる確率の検査結果(モモ)
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(23)による。
有意差検定表(モモ)

 以下にモモの取引価格を示します。
原発事故後に拡大した福島産と山梨産のモモの価格差
 ※(24)を転載
 図―4 東京中央卸売市場のモモの取引価格

 モモの生産量は山梨が全国一位で福島が二位ですが(21)、事故後に福島のモモは山梨産と価格差が開き、2016年も解消することはありませんでした。以下に福島盆地の農水産業の生産額を示します。
事故後も農業生産がそれ程には減っていない福島盆地
 ※(25)を集計
 図―5 福島盆地の農水産業生産額

 「風評被害」が叫ばれていますが(14)、それ程には減っていません。汚染された福島盆地ではセシウム入り農水産物の生産が確り行われています。
避難地域を挟んだ反対側に図―2に示すように福島県相馬地方があります。避難指示が解除されたばかりの福島県飯舘村(9)を除く福島県相馬地方の農業生産額を示します。
事故後に農業生産を減らした福島県相馬地方
 ※1(25)を集計
 ※2 2014年は全村避難の飯舘村(9)を除く
 図―6 福島県相馬地方(飯舘村を除く)の農水業生産額

図に示す通り事故以降に大幅に農水産業の生産額を減らしています。 
 安倍出戻り総理、福島県あるいは東京電力の主張道理にモモ等の福島産果物が安全ならば、福島産の生産が続く福島盆地も福島産の生産が大幅に減った相馬地方も保健状況に変化がないはずです。
 以下に福島盆地を構成する2市2町の葬式(死者)数を示します。
事故後に葬式が増えた福島盆地
 ※1(3)を集計
 ※2 震災・津波犠牲者は(26)により、行方不明者を含み関連死を含まず。
 図-7 福島盆地の葬式(死者)数

 図に示す通り、事故後に増加し 
 事故前年 (2010年3月から11年2月)3,640人
 事故6年目(2016年3月から17年2月)4,031人
で、11%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら70.001%で偶然とは思えません。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
 表―1 偶然に起こる確率の検査結果(福島盆地・葬式)
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(23)による。
有意差検定表(福島盆地・葬式)

 以下に飯舘村を除く相馬地方の葬式(死者)数を示します。
事故後も葬式が増えていない福島県相馬地方
 ※1(3)を集計
 ※2 震災・津波犠牲者は(26)により、行方不明者を含み関連死を含まず。
 図-8 相馬地方(飯舘村を除く)の葬式(死者)数

同じ福島でも果物作りがそれ程には盛んでなく、農水産業の生産額を大幅に減らした相馬地方では
 事故前1年(2010年3月から11年2月)1,404人
 事故6年目(2016年3月から17年2月)1,412人
で殆ど変化しておらず、統計的な差はありません。
 以上を纏めると、原発事故前年と6年目を比較して
 ①果物作り盛んで、農業生産がそれ程には減っていない福島盆地では葬式(死者数)が増えている。
 ②果物作り盛んでなく、農業生産を大幅に減らした相馬地方(飯舘村を除く)では葬式(死者数)が増えていない。
との結果を得ました。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島ではモモの季節までは少し時間がかかりそうですが、イチゴが楽しめます。福島県相馬市で今週末(4月15日)にイチゴ祭りが開かれます(27)。福島県相馬市のイチゴは美味しいそうです(28)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(29)。でも、福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
 ※(30)を引用
 図―9 福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県相馬市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)果樹王国ふくしまを守りたい | 一般社団法人福島市公設地方卸売市場協会
(2)くだものづくりがさかんな福島盆地
(3)福島県の推計人口(平成29年3月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(4)福島盆地 - Wikipedia
(5)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(6)作物統計調査>市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の「10 果樹 ⇒福島県⇒Excel」
(7)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成28年9月14日~11月18日測定) 平成29年02月13日 (KMZ, CSV)」
(8)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2016年)
(9)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(10)HOME of 相馬広域観光
(11)除染の目標・計画などについて | 除染・放射線Q&A | 除染情報プラザ:環境省
(12)除染の目標・計画などについて | 除染・放射線Q&A | 除染情報プラザ:環境省" target="_blank" title="農産物等の放射性物質モニタリングQ&A  - 福島県ホームページ">農産物等の放射性物質モニタリングQ&A  - 福島県ホームページ
(13)安倍内閣総理大臣 東日本大震災三周年記者会見 | 首相官邸ホームページ
(14)福島県風評・風化対策強化戦略について - 福島県ホームページ
(15)2015年1月16日(いわき市漁協組合員説明会資料)風評被害対策について(PDF 325KB)
(16)衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書
(17)福島第一原子力発電所3号機におけるプルサーマル実施に係る安全確認 - 福島県ホームページ
(18)原子力安全・品質保証会議|東京電力
(19)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2016年)―デタラメな検査で安全とされる福島産―
(20)放射線 放射性物質 Q&A 本県産のモモからセシウムは検出されているのか | 東日本大震災 | 福島民報
(21)都道府県別桃(もも)収穫量ランキング | 日本一・ランキング 2014
(22)報道発表資料 |厚生労働省
(23)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(24)めげ猫「タマ」の日記 福島値下がり、山梨値上がり7,8月のモモ価格、当然の結果です
(25)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(26)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(27)4月15日イチゴ祭り「アサリ汁」振る舞いも 相馬の和田観光苺組合 | おでかけ | 福島民報
(28)【相馬市】いちご狩り 1/13(日)オープン! | 相双ゆたどさ
(29)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(30)Webチラシ情報 | フレスコキクチ
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  1. 2017/04/13(木) 19:43:16|
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