東京電力の発表(1)を集計すると除染を除く原発事故賠償の2016年度下期(2016年10月から17年3月)の賠償支払い額が2,436億円で、それ以前の2年間(2014年10月から16年9月)の6か月間の平均支払額4,850億円の半分になるました。事故から6年以上が経過し、福島へのお金の流れは細りつつあるようです。
福島原発事故後に福島には3本の金脈は繋がれ、福島復興バブルいえる状況(2)が生まれました。汚染された福島を綺麗にし、生活環境を改善する復興予算。福島第一の廃炉費用です。
以下に福島県の予算・決算額を示します。

※1 2009年から14年度は決算(歳出)額(3)
※2 2015・16年度は補正後の予算額(4)
※3 2017年度は(4)による。
図-1 福島県の予算・決算額
図に示す通り、事故前は8,000億円程度でしたが事故後は2兆円前後で推移しています。廃炉については総額8兆円との試算がなされています(5)。仮に40年とすれば(6)年間2000億円です。以下に原発事故賠償の推移を示します。

※(1)を集計(過去分を含む)
図―2 事故賠償の支払額
これまでに除染に10,712億円、それ以外に61,388億円支払われています(1)。除染そのものは国や地方公共団体が実施することになっていますが(7)、費用は東京電力が負担することになっています(5)。賠償に含まれる除染費用は東京電力から国への除染費用の支払いで、その他の金額が福島原発事故によって被害を受けた方への支払だと思います。事故から6年なので、概ね年間1兆円のお金が福島を中心とした事故被害者に支払われています。
事故後に福島に繋がれた3本の金脈で福島県経済は好調のようです。事故前の2010年との比較で2015年は一人当たり県民所得が12.2%増加し、有効求人倍率は0.42から1.42に、新設住宅着工戸数は9,342戸から18,422戸と約倍増しています(8)。
ただ陰りが見えてきたようです。図―2に示すように除染を除く原発事故賠償の2016年度下期(2016年10月から17年3月)の賠償支払い額が2,436億円で、それ以前の2年間(2014年10月から16年9月)の6か月間の平均支払額4,850億円の半分になるました。図―1に示すように福島県予算も前年度(2016年度)に比べ減っています。除染も当初の計画分はほぼ完了しました。今年度は2427億円が福島県予算に計上された環境回復費用(4)が来年度も計上されるかは不透明です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
先月末から今月にかけて避難指示が一斉に解除されました(10)。これらの地域も含め旧避難区域の賠償は来年3月に打ち切られます(11)。福島へのお金の流れは、確実に減って行きます。福島はこれから確実に貧しくなります。それでも「若者の柔軟な発想と、大胆な行動力を地域の活性化に生かしたい。」と福島のマスコミは主張していました(12)。福島の若い皆様にはこうした馬鹿げた主張に惑わされる事無く的確に行動して欲しいと(=^・^=)は思います。事故から7年目になり福島離れは確実に進んでいます。
福島県を代表する農作物にキュウリがあります(13)。福島県須賀川市は福島を代表する産地です(14)。同市ではキュウリを使った名物メニュー「須賀川かっぱ麺」の今期の販売が4月21日から同市で始まったそうです(15)。福島はキュウリの季節です。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(16)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。

※(17)を引用
図―3 福島産キュウリが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県須賀川市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
賠償金のお支払い状況|東京電力(2)
【復興の道標・復興バブル後-5】住宅特需に落ち着き 「高騰イメージ」危惧:復興の道標:福島民友新聞社 みんゆうNet(3)
決算関係資料 - 福島県ホームページ(4)
予算の概要 - 福島県ホームページ(5)
東京電力改革・1F問題委員会(第6回)‐配布資料(METI/経済産業省)中の「
参考資料(PDF形式:783KB)」
(6)
廃炉への軌跡(7)
除染情報サイト:環境省(8)
10の指標にみる福島県のいまVer.24を掲載しました。 - 福島県ホームページ(9)
「福島県の除染対策について」を更新しました。 - 福島県ホームページ(10)
避難指示区域の状況 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ(11)
避難指示解除準備区域・居住制限区域における精神的損害等に係る具体的なお取り扱いについて|東京電力(12)
【4月23日付社説】若者と復興創生/発想と行動力を生かしたい:社説:福島民友新聞社 みんゆうNet(13)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(14)
福島県 すかがわ岩瀬農業協同組合 (きゅうり)~「パリッと新鮮でおいしい 岩瀬きゅうり」~ 月報 野菜情報-産地紹介-2010年9月(15)
名物メニュー「かっぱ麺」販売開始 須賀川・今期は19店舗:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(16)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(17)
ヨークベニマル/お店ガイド
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- 2017/04/23(日) 19:39:51|
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