食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)(3)。5月3週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(4)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかり汚染食品が見つかっています(5)。今週は基準超えです。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
①検査数1,333件中15件の基準超え
②平均は、1キログラム当たり6.3ベクレル、最大240ベクレル(宮城産タケノコ)。

※1 牛肉を除く
※2 単位については(6)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2017年5月3週)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(7)超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
今週のデータを分析すると
①市場で売られている新潟県魚沼市産コシアブラ基準超のセシウム、安倍出戻り内閣は公表しません。
②茨城産カナガシラから12ベクレルのセシウム・福島産は188件連続ND
③汚染が酷く、葬式が増えた二本松市産キュウリの検査をしない福島県
④上昇傾向を示す福島県鮫川村産タケノコのセシウム
等の傾向があり、およそ安心できるものではありません。
1.売られていても公表されない事があるセシウム汚染食品
新潟県魚沼市は福島県に接する市です(8)。同市産のセシウム汚染コシアブラが市場に流出してしまったと5月11日に新潟県は発表しました(9)。ところが厚生労働省の発表には新潟県産コシアブラから基準超のセシウムが見つかったとの発表(4)はありません。詳細なデータ(10)には当該のコシアブラが抜けていました。
安倍出戻り内閣は市場に流出し、販売される事になったセシウム汚染食品ですら公表ししません。国民の安全を守るのであれば直ちに公表し注意喚起するはずですが!
本件は読者のコメントで気づきました(11)。全国には47都道府県がありその全ての広報をチェックするのは時間的に(=^・^=)には無理です。コメントをお寄せいただいた読者に感謝します。
以下に新潟県魚沼市の位置、福島県内の日本100名山の位置と2015年11月から1年間で飛んで来た福島県内放射性物質の量を示します。

※1 (12)を転載
※2 ①は「飯豊山」、②は「吾妻山」、③は「安達太良山」、④は「磐梯山」、⑤は「 会津駒ヶ岳 」、⑥は「 那須岳 」
図―2 放射性物質が飛んで来た量と日本100名山
新潟県魚沼市に接する福島県側では1平方メートル当たり数万ベクレルの放射性物質が降り注いでいます。本データは航空機モニタリングの数値データより計算していますが(12)、近々のデータ(13)では新潟県が対象から外れているので新潟県側の見積もりができません。それでも福島県側のデータから類推しそれなりのセシウムの降下があったと想像できます。以下に新潟県魚沼市産コシアブラの検査結果を示します。

※1 (1)(3)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
※3 日付けは収穫日ないし購入日
図―3 新潟県魚沼市産コシアブラの検査結果
図に示す通り急に上昇しています。図―2と合わせそれなりのセシウムの降下が今も続いており、結果としてセシウム汚染を増大させたと想像できます。
2.茨城産カナガシラから12ベクレルのセシウム、福島産は188件連続ND
茨城県産カナガシラから12ベクレルのセシウムが見つかったと発表がありました(14)。福島産が気になります。以下にカナガシラの検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
※3 日付けは捕獲日
図―4 カナガシラの検査結果
図に示す様に茨城だけでなく千葉産カナガシラからもセシウムが見つかっています。一方で福島産は厚生労働省の発表(1)を数えると連続188件で検出限界未満(ND)です。
先週の記事(5)で福島産以外のマダラやスズキでもセシウムがに見つかっているのに福島産からは見つかっていない旨をかきました。カナガシラだけでなくマダラやスズキも福島産は隣県に比べ低く出ます。汚染源があるのにおかしな話です。厚生労働省の発表(1)を見るとカナガシラ、マダラ、スズキを含め福島産農産物を検査しているのは福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(15)が実施しています。中立性に疑問があります。
福島産は他より低く出るおかしな検査で安全とされ出荷されます。
3.汚染が酷く、葬式が増えた二本松市産キュウリの検査をしない福島県
福島を代表する野菜にキュウリがあります(16)。今年も出荷が始まりました(17)。伊達市、二本松市、須賀川市等が主要な産地です(16)。以下に検査状況を示します。

※1 (18)のデータを(19)に示す手法で5月1日に換算
※2 避難区域は(20)による
※3 検査結果は(1)および(21)による
図-5 福島産キュウリの検査状況
図に示す通り福島のキュウリ産地は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(22)地域が広がっています。確り検査して欲しいと思います。でも図に示す様に二本松市産キュウリの検査結果がありません。
二本松市は同市、本宮市、大玉村で構成される安達地区の市です。この中で人口が最も多いのが二本松市です(23)。以下に年度毎と安達地区の葬式数を示します。

※1(23)を各年度月について集計
※2 震災犠牲者は(24)により、行方不明者を含み関連死を含まず
図―6 福島・安達の各年度の葬式(死者)数
図に示す様に
事故前(2009年度) 1,064人
2016年度 1,205人
で、事故前に比べ13.3%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.3%でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果
※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事による(25)。

同じ福島でもキュウリやモモの主要な産地ではない相馬地方(16)の各年度毎の死者数を以下に示します。

※1(23)を各年度月について集計
※2 震災犠牲者は(24)により、行方不明者を含み関連死を含まず。事故が起こった2010年度に割り付け
図―7 福島・相馬の各年度の葬式(死者)数
図に示す様に
事故前(2009年度) 1,422人
2016年度 1,398人
で、少し減っていますが統計的な差はありません。
福島のキュウリは汚染が酷く、葬式が増えた二本松市を避けた検査で「安全」とされ出荷されます。
4.上昇傾向を示す福島県鮫川村産タケノコのセシウム
以下に福島県鮫川村産タケノコの検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
※3 日付けは収穫日
図―8 福島県鮫川村産タケノコの検査結果
図に示す通り上昇すています。
福島産はセシウムが上昇することがあります。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
・売られていても公表されない事があるセシウム汚染食品
・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
・セシウム汚染が酷く葬式が増えた産地を避けた検査で安全とされる福島産
・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
結局は怪しげな産地は避けるべきと思います。福島の皆様の考えが気になります。
福島を代表する野菜にトマトもあります(16)。今年も出荷が始まりました(26)。南会津町も主要な産地です(16)。福島のトマトは美味しいようです(27)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています(28)。でも福島県南会津町のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。

※(29)を引用
図―9 福島産トマトが無い福島県南会津町のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県南会津町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
新潟県:魚沼市産こしあぶらの放射性物質検査を実施しました(4)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1033報) |報道発表資料|厚生労働省(5)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(5月2週)―青森産マダラからセシウム・福島産は138件連続ND―(6)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(7)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(8)
魚沼市 - Wikipedia(9)
新潟県:魚沼市産こしあぶらの放射性物質検査を実施しました(10)(4)中の「1 自治体の検査結果⇒
検査結果(PDF:6,076KB) (11)
めげ猫「タマ」の日記 福島・楢葉町から高濃度の汚染が疑われる物体が見つかる。8個目(12)
めげ猫「タマ」の日記 事故6年、放射性物質が飛び交う福島(13)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成28年9月14日~11月18日測定) 平成29年02月13日 (KMZ, CSV)」
(14)(10)中のNo2542
(15)
農林水産部 - 福島県ホームページ(16)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(17)
広報誌 | JAふくしま未来中の「
Vol.15(2017.05)」
(18)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成28年9月14日~11月18日測定) 平成29年02月13日 (KMZ, CSV)」
(19)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2016年)(20)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(21)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を「キュウリ 、 キュウリ(施設)」で5月17日に検索
(22)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(23)
福島県の推計人口(平成29年4月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(24)
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ(25)
めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について(26)
トピックス | JA夢みなみ(27)
今年もおいしい、トマト!トマト!トマト! | ふくしま 新発売。(28)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(29)
リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
スポンサーサイト
テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記
- 2017/05/17(水) 19:41:08|
- -
-
| トラックバック:0
-
| コメント:1
ホントひどいと思います。厚生省ホームページ見ても新潟県コシアブラの情報がない❗びっくりですね。新潟は日本海側でまだましというイメージありますがコシアブラだけは絶対ダメと思っています。たくさん食べていた方は前立腺癌になり苦しんでいるようです。知人より❗また他の知人は肝内胆管で手術しています。きちんと報道してほしいですね。
- 2017/05/17(水) 23:48:45 |
- URL |
- ぶぶ #-
- [ 編集 ]