めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島甲状腺、新規発生者 被ばく線量1mSv以上は58%、全体では38%

 今日(6月3日)に福島県県民健康管理調査27回検討委員会および第7回「甲状腺検査評価部会」がに開かれました(1)。原発事故当時の0-19歳の方のうち、事故後4ヶ月の被ばく線量が
 1ミリシーベルト未満の方 92,534人 
 1ミリシーベルト以上の方 55,892人
で(2)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は38%で1ミリシーベルト以下が大半です。一方で、2順目の検査で新たに甲状腺がんについて悪性ないし悪性の疑いの方の人数は
 1ミリシーベルト未満の方 15人
 1ミリシーベルト以上の方 21人
で(3)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は58%で1ミリシーベルト以上が多くなっており、数字が逆です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら1%で、統計的に差がるとされる5%以下です(4)。
 チェルノブイリ原発事故後に明らかになった健康被害として、放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児の甲状腺がんがあります(5)。
 福島県では、東京電力福島第一原発事故を踏まえ、子どもたち(事故当時18歳以下)の健康を長期に見守るために、甲状腺(超音波)検査を実施しています(6)。当初の見込みは100万人に1,2名の想定でしたが(7)、最新の結果を集計すると(2)(8)では
  約30万人を検査して190人
の悪性ないし悪性の疑いの方が見つかっています。およそ1万に6人と当初の想定に比べ極めて高い割合です。
どんどん増えて190人になった福島甲状腺の悪性ないし悪性の疑いの方
 ※(6)を集計
 図―1 どんどん増える福島の甲状腺癌

 これについて福島原発事故の為とも(9)、そうでないとも主張があります(10)。現時点の公式見解は
「事故当時5 歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくいと評価する。」
です(11)。
事故7年目も汚染されたままの福島
 ※1(12)の数値データを元に(13)に示す手法で6月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(14)による
 ※3 区分は(3)による。
 ※4 原資料(3)は「平成」で記載されているが、西暦に変更
 図-2 福島甲状せん・先行調査の区分

 図に示す通り先行調査は2013年に完了し、2014年から本格調査が始まりました。
 チェルノブイリ原発事故では事故の2~3年後から急な増加が見られます(5)。
1990年位から増えたチェルノブイリの甲状腺癌
 ※1(5)を集計
 ※2 年齢は発症時の年齢
 ※3 チェルノブイリ原発事故は1986年
 図―3 チェルノブイリ原発事故での甲状腺癌発生率

チェルノブイリ原発事故で発生した甲状腺がんは晩発性なので、本格調査の結果がより重要だと思います。
 福島県県民健康管理調査では、甲状腺検査とは別に、原発事故後に4ヶ月間の外部被ばく線量の推計調査をしています(1)。この結果を踏まえ、事故後4ヶ月間の被ばく線量別の人数を発表しています(2)。以下に示します。
1mSv以下が多い基本調査の被ばく線量
 ※(2)を集計
 図―4 事故後4ヶ月間の被ばく線量分布(0-19歳)

図に示す通り1ミリシーベル未満の方が半分以上です。以下に本格調査の被ばく線量別の悪性ないし悪性の疑いかたの人数を示します。
1mSv以上が多い2回目の調査での悪性ないし悪性の疑いの方
 ※(3)による
 図―5 被ばく線量別も悪性ないし悪性の疑いの人数(本格調査)

 図に示す通り、1ミリシーベル以上の方が半分以上です。先行調査は2013年度に終了しているので(9)、2013年以前に見つかった悪性ないし悪性の疑いの方の人数です。人数でみると全体では
 1ミリシーベルト未満の方 92,534人 
 1ミリシーベルト以上の方 55,892人
で(2)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は38%で1ミリシーベルト以下が大半です。一方で、2順目の検査で新たに甲状腺がんについて悪性ないし悪性の疑いの方の人数は
 1ミリシーベルト未満の方 15人
 1ミリシーベルト以上の方 21人
で(3)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は58%で1ミリシーベルト以上が多くなっており、数字が逆です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら1%で、統計的に差がるとされる5%以下です(4)。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果(基本調査との比較)
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(15)による。
有意差検定表(基本調査との比較)

 以下に先行検査で甲状腺癌ないし疑いと診断された方の被ばく線量分布を示します。
1mSv以下が多い先行調査での悪性ないし悪性の疑いの方
 ※(16)による
 図―6 被ばく線量別も悪性ないし悪性の疑いの人数(先行調査)

 チェルノブイリ事故では影響は出でていない事故直後に行われた先行調査では図―4との比較において、全体の被ばく線量の分布と同じく1ミリシーベルト未満の方が全体の半分以上です。一方で図-5に示す様にチェルノブイリ事故では影響が確認された事故後2~3年目に行われた本格調査では1ミリシーベルト以上の方が大半です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら3.6%で、統計的に差がるとされる5%以下です(4)。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―2 偶然に起こる確率の計算結果(先行調査との比較)
 ※1 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(15)による。
 ※2 ③=①+②
 ※3 ⑥=④+⑤
 ※4 ⑦=①+④
 ※5 ⑧=②+⑤
 ※6 ⑨=⑦+⑧
 ※7 ⑩=⑦÷⑨
 ※8 ①(期待値)=③×⑩
 ※9 ②(期待値)=③×(1-⑩)
 ※10④(期待値)=⑥×⑩
 ※11⑤(期待値)=⑥×(1-⑩)
有意差検定表(先行調査との比較)

 さらに3順目の検査では、数は2名ですが全員が1ミリシーベルト以上でした(17)。
 以下に本格調査における市町村別の罹患率を示します。
地域差がありそうな甲状腺の悪性ないし悪性の疑いの割合
 ※(3)にて作成
 図-7 市町村別罹患率(本格調査)

 図―2と見比べてください。ヨウ素剤は甲状腺被ばくの影響を抑えられるかもしれないと言われています(18)。福島県三春町はヨウ素剤の町民への服用を実施しました(19)。統計的な差はありませんが、図に示す様に三春町の周囲(全て市)の市では悪性ないし悪性の疑いの方が見つかっていますが、三春町では見つかっていません。
 以上を纏めると
 ①全体の被ばく線量に比べ、本格調査で見つかった悪性ないし悪性の疑い方は高線量側にシフトしている。
 ②事故直後の先行調査にくらべ、事故後2~3年後に実施された本格調査では高線量側にシフトしている。
になります。また統計的な差はありませんが
 ③3順目の検査で悪性ないし疑いとされた2名中2名が1ミリシーベルト以上の被ばくである。
 ④ヨウ素剤を使用した三春町では本格調査で悪性ないし悪性の疑いの方は見つかっていないが、周囲の5市では見つかっている
との様子もあります。(=^・^=)は黒に近いグレーだと思っています。
 新潟県は「健康委員会を設置し、福島第一原発事故による健康への影響を徹底的に検証」する発表しています(20)。もし福島事故による影響が否定できないとの結論になれば原発の再稼働論議に影響を与えると思います。新潟県知事は放射線医学について知識があるので(21)、非科学的な誤魔化しはできないと思います。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 増え続ける甲状腺患者、福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する農作物にトマトがあります(22)。6月に入り福島はいよいよトマトの季節です(23)。福島県南会津町は福島のトマトの主要な産地です(22)。福島のトマトは美味しいそうです(23)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています(24)。でも、福島県南会津町のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県南会津町のスーパーのチラシ
 ※(25)を引用
 図―8 福島産トマトが無い福島県南会津町のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県南会津町の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)第27回「県民健康調査」検討委員会及び第7回「甲状腺検査評価部会」 の資料について(平成29年6月5日開催) - 福島県ホームページ 
(2)(1)中の「資料1 県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/533KB] 」
(3)(1)中の資料2-2 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査2回目)】結果概要 [PDFファイル/1MB]
(4)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(5)放射線被曝とがんとの関連性3 | トピックス | 日本臨床検査薬協会
(6)「県民健康調査」検討委員会 - 福島県ホームページ
(7)第3回「県民健康調査」検討委員会(平成23年7月24日開催) - 福島県ホームページ中の「当日配布資料 」
(8)第23回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成28年6月6日)の資料について - 福島県ホームページ
(9)福島原発事故「がん無関係」に反論 神戸の医師が論考発表 2015/7/25 07:02 神戸新聞
(10)福島県における小児甲状腺超音波検査について
(11)県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ
(12)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成28年9月14日~11月18日測定) 平成29年02月13日 (KMZ, CSV)」
(13)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2016年)
(14)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(15)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(16)(1)中の「資料2-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)結果概要【平成28年度追補版】  [PDFファイル/1.19MB]
(17)(1)中の「資料2-3 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査3回目)】実施状況 [PDFファイル/998KB]
(18)ヨウ素剤 - Wikipedia
(19)【ヨウ素剤配布】国指示前に避難拡大 いわき、三春 独自決断 | 東日本大震災 | 福島民報
(20)原発事故に関する徹底的な3つの検証を進めていき ... - 新潟県ホームページ
(21)米山隆一 (政治家) - Wikipedia
(22)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(23)今年もおいしい、トマト!トマト!トマト! | ふくしま 新発売
(24)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(25)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
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  1. 2017/06/05(月) 19:44:26|
  2. -
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