めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島甲状腺、先行調査は地域差無と福島民報、本格調査は別です

 福島の地方紙の福島民報は
 「『甲状腺検査』のうち先行検査で甲状腺がんあるいはその疑いと診断された方の発症頻度を地域別に比較したところ、避難区域等の13市町村<略>で10万人当たり33.5人、<略>会津地方で35.6人と甲状腺がんの頻度はほぼ同じであり、少なくとも事故当時に東京電力福島第一原発の近くにいらっしゃった方に甲状腺がんが多いということはありません。」
との寄稿文を配信しています(1)。それだったら本格調査(2順目)と思い最新の結果(3)を集計したら
 13市町村 検査34,557人中17人(10万人当たり49.2人)
 会津地方  検査32,208人中 5人(10万人当たり15.5人)
で罹患率に3倍以上の差があります。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的に差があるとされる5%(4)を下回る1.7%でした。
チェルノブイリ原発事故後に明らかになった健康被害として、放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児の甲状腺がんがあります(5)。
 福島県では、東京電力福島第一原発事故を踏まえ、子どもたち(事故当時18歳以下)の健康を長期に見守るために、甲状腺(超音波)検査を実施しています(6)。当初の見込みは100万人に1,2名の想定でしたが(7)、最新の結果を集計すると(2)(8)では
  約30万人を検査して190人
の悪性ないし悪性の疑いの方が見つかっています。およそ1万に6人と当初の想定に比べ極めて高い割合です。
どんどん増えて190人になった福島甲状腺の悪性ないし悪性の疑いの方
 ※(6)を集計
 図―1 どんどん増える福島の甲状腺癌

 これについて福島原発事故の為とも(9)、そうでないとも主張があります(10)。現時点の公式見解は
「事故当時5 歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくいと評価する。」
です(11)。 
 また福島県の地方紙・福島民報は
「いずれの地域でも外部被ばく線量は極めて限られており、健康影響を及ぼすような線量では全くありません。
 一方で、県民健康調査で行われている『甲状腺検査』のうち先行検査で甲状腺がんあるいはその疑いと診断された方の発症頻度を地域別に比較したところ、避難区域等の13市町村(田村市や伊達市、川俣町、飯舘村を含む)で10万人当たり33.5人、中通りで38.4人、浜通り(避難区域以外のいわき市、相馬市、新地町)で43.0人、会津地方で35.6人と甲状腺がんの頻度はほぼ同じであり、少なくとも事故当時に東京電力福島第一原発の近くにいらっしゃった方に甲状腺がんが多いということはありません。」
との寄稿文を配信しています(1)。以下に当該分における地域分けを記載します。
甲状腺検査における地域区分
 ※1(12)のデータを元に(13)に示す手法で6月1日に換算
 ※2 避難地域等の13市町村は避難勧奨地点が設定された伊達市を含む(13)
 ※3 福島県の区域分けは(14)による。
 ※4 中道りの範囲については避難地域等の13市町村のうち中通り分(伊達市、川俣町)を除き記載
 図―2 福島民報での甲状腺の区域分け?

 福島の甲状腺検査は2013年に完了した先行調査と、2014年からの本格調査に分かれています(1)。チェルノブイリ原発事故では事故の2~3年後から急な増加が見られます(5)。
1990年位から増えたチェルノブイリの甲状腺癌
 ※1(5)を転載
 ※2 年齢は発症時の年齢
 ※3 チェルノブイリ原発事故は1986年
 図―3 チェルノブイリ原発事故での甲状腺癌発生率

チェルノブイリ原発事故で発生した甲状腺がんは晩発性なので、本格調査の結果がより重要だと思います。6月3日に開かれた福島県の委員会では本格調査2順目(全体では3順目)の結果も出だしたので(16)、本格調査1順目はほぼ完了かと思います。そこで本格調査(1順目)について結果(3)を福島民報の寄稿文にならって集計していました。悪性ないし悪性の疑いの方を集計すると
 避難地域等の13市町村 検査 34,557人中17人(10万人当たり49.2人)
 中通り(避難区域以外) 検査169,931人中41人(10万人当たり24.1人)
 浜通り(避難区域以外) 検査 51,053人中10人(10万人当たり19.6人)
 会津地方        検査32,208人中 5人(10万人当たり15.5人)
で、福島第一原発が所在する避難地域等の13市町村の罹患率は福島県内では第一原発から最も離れている会津の3倍以上の罹患率です。
 このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的に差があるとされる5%(4)を下回る1.7%でした。
 以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果(会津と13市町村の比較)
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(17)による
有意差検定表(13市町村と会津)

 福島県県民健康管理調査では、甲状腺検査とは別に、原発事故後に4ヶ月間の外部被ばく線量の推計調査をしています(18)。会津地方と13市町村のだけの比較ではデータが無駄になるので、被ばく線量の推計調査に基づき福島県を2つの地域に分けます。市町村別の平均の被ばく線量を推計すると、甲状腺検査受験者のうち0.78ミリシーベル未満の市町村に住む方は133,775人、以上が136,736人でほぼ同数になります。この二つの集団を比較しました。以下に悪性ないし悪性の疑い方の人数の集計結果を示します。
 平均被ばく線量が0.78未満の市町村在住 検査133,755人中22人(10万人当たり16.4人)
 平均被ばく線量が0.78以上の市町村在住 検査136,736人中49人(10万人当たり35.8人)
で罹患率で倍以上の差ががります。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.2%でした。

 表―2 偶然に起こる確率の計算結果(被ばく線量の大小)
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(17)による
有意差検定表(線量の高低)

また福島民報は福島の甲状腺ついて
「チェルノブイリ原発事故では、事故の4~5年後から、事故当時0歳から5歳だった世代を中心に小児甲状腺がんが多発したことが分かっています。一方で、福島ではこれまでのところ事故当時0歳から5歳だった世代での甲状腺がんはほとんどみられず、事故当時の年齢が高い世代に比較的多くみられています。」
との寄稿文を配信しています(18)。以下に先行調査における甲状腺の悪性ないし悪性の疑いの方の年齢部分布を示します。
先行調査の年齢分布
 ※(19)
 図―4 甲状腺の悪性ないし悪性の疑いの方の年齢部分布(先行調査)

 図に示す通り確かに5歳以下の方はいません。以下に本格調査での年齢分布を示します。
本格調査の年齢分布
 ※(3)を集計
 図―5 甲状腺の悪性ないし悪性の疑いの方の年齢部分布(本格調査)

 図に示す通り事故当時5歳以下の方からも見つかっています。さらに全体の分布を見ると低年齢化しています。15歳未満(0~14歳)と15歳以上の悪性ないし悪性の疑いの方の人数を見ると
 先行調査は
  15歳未満 44人
  15歳以上 77人
に対し、本格調査は
  15歳未満 48人
  15歳以上 28人
で、割合が逆転化しています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.1%でした。先行調査に比べ、本格調査では低年齢化が進行しています。
。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―3 偶然に起こる確率の計算結果(年齢分布)
 ※1 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(17)による。
 ※2 ③=①+②
 ※3 ⑥=④+⑤
 ※4 ⑦=①+④
 ※5 ⑧=②+⑤
 ※6 ⑨=⑦+⑧
 ※7 ⑩=⑦÷⑨
 ※8 ①(期待値)=③×⑩
 ※9 ②(期待値)=③×(1-⑩)
 ※10④(期待値)=⑥×⑩
 ※11⑤(期待値)=⑥×(1-⑩)
有意差検定表(年齢分布)

 事故後4ヶ月間の被ばく線量別の人数の分布を示します。
1mSv以下が多い基本調査の被ばく線量
 ※(18)を集計
 図―6 事故後4ヶ月間の被ばく線量分布(0-19歳)

図に示す通り1ミリシーベル未満の方が半分以上です。以下に本格調査の被ばく線量別の悪性ないし悪性の疑いかたの人数を示します。以下に本格調査の被ばく線量別の悪性ないし悪性の疑いかたの人数を示します。
1mSv以上が多い2回目の調査での悪性ないし悪性の疑いの方
 ※(3)による
 図―7 被ばく線量別も悪性ないし悪性の疑いの人数(本格調査)

 図に示す通り、1ミリシーベル以上の方が半分以上です。先行調査は2013年度に終了しているので(9)、2013年以前に見つかった悪性ないし悪性の疑いの方の人数です。人数でみると全体では
 1ミリシーベルト未満の方 92,534人 
 1ミリシーベルト以上の方 55,892人
で(18)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は38%で1ミリシーベルト以下が大半です。一方で、2順目の検査で新たに甲状腺がんについて悪性ないし悪性の疑いの方の人数は
 1ミリシーベルト未満の方 15人
 1ミリシーベルト以上の方 21人
で(3)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は58%で1ミリシーベルト以上が多くなっており、数字が逆です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら1%で(21)、統計的に差がるとされる5%以下です(4)。

 以下に先行検査で甲状腺癌ないし疑いと診断された方の被ばく線量分布を示します。
1mSv以下が多い先行調査での悪性ないし悪性の疑いの方
 ※(20)による
 図―8 被ばく線量別も悪性ないし悪性の疑いの人数(先行調査)

 チェルノブイリ事故では影響は出でていない事故直後に行われた先行調査では図―4との比較において、全体の被ばく線量の分布と同じく1ミリシーベルト未満の方が全体の半分以上です。一方で図-5に示す様にチェルノブイリ事故では影響が確認された事故後2~3年目に行われた本格調査では1ミリシーベルト以上の方が大半です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら3.6%で(21)、統計的に差がるとされる5%以下です(4)。
7)。
 以下に本格調査における市町村別の罹患率を示します。
地域差がありそうな甲状腺の悪性ないし悪性の疑いの割合
 ※(3)にて作成
 図-9 市町村別罹患率(本格調査)

 図―2と見比べてください。ヨウ素剤は甲状腺被ばくの影響を抑えられるかもしれないと言われています(22)。福島県三春町はヨウ素剤の町民への服用を実施しました(23)。統計的な差はありませんが、図に示す様に三春町の周囲(全て市)の市では悪性ないし悪性の疑いの方が見つかっていますが、三春町では見つかっていません。
 以上を纏めると
 ①会津と避難区域等の13市町村の比較や被ばくの少ない市町村と大きい市町村で比較すると地域差が認められる。
 ②悪性なないし悪性の疑いの方には5歳以下の方からも見つかり、先行調査と本格調査の比較で、本格調査で低年齢化が進行している。
 ③全体の被ばく線量に比べ、本格調査で見つかった悪性ないし悪性の疑い方は高線量側にシフトしている。
 ④事故直後の先行調査にくらべ、事故後2~3年後に実施された本格調査では高線量側にシフトしている。
になります。また統計的な差はありませんが
 ⑤3順目の検査で悪性ないし疑いとされた2名中2名が1ミリシーベルト以上の被ばくである(16)。
 ⑥ヨウ素剤を使用した三春町では本格調査で悪性ないし悪性の疑いの方は見つかっていないが、周囲の5市では見つかっている
との特徴が読み取れます。
 それでも
「放射線の影響とは考えにくい」
とされていました。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 今日の大ニュースは「共謀罪」法案の異常な方法による採決と(25)、無いとされた加計学園の文書が再調査で出て見つかった(26)ことでしょうか?
 「共謀罪」と「総理のご意向」を報じる福島民友
※(27)を引用
 図―10 「共謀罪」と加計問題を報じる福島の地方紙・福島民友

 安倍出戻り内閣の本質が事実であろうとも政権に不利になる事実は隠ぺいすることだと思います。もし福島甲状腺が放射線によるものとなれば政権にたいする影響はおおきいと思います。「共謀罪」と同じように理解不能な説明がされ、加計問題と同じように隠ぺいがなされると思います。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島ではサクランボの収穫が始まりました(28)。福島のサクランボはとっても甘いそうです(29)。福島県は福島産は検査で「安全」だと主張しています(30)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(30)を引用
 図―11 福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)放射線 放射性物質 Q&A 甲状腺がん 浜通りの割合高い? | 東日本大震災 | 福島民報
(2)第27回「県民健康調査」検討委員会及び第7回「甲状腺検査評価部会」 の資料について(平成29年6月5日開催) - 福島県ホームページ 
(3)(1)中の資料2-2 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査2回目)】結果概要 [PDFファイル/1MB]
(4)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(5)放射線被曝とがんとの関連性3 | トピックス | 日本臨床検査薬協会
(6)「県民健康調査」検討委員会 - 福島県ホームページ
(7)第3回「県民健康調査」検討委員会(平成23年7月24日開催) - 福島県ホームページ中の「当日配布資料 」
(8)第23回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成28年6月6日)の資料について - 福島県ホームページ
(9)福島原発事故「がん無関係」に反論 神戸の医師が論考発表 2015/7/25 07:02 神戸新聞
(10)福島県における小児甲状腺超音波検査について
(11)県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ
(12)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成28年9月14日~11月18日測定) 平成29年02月13日 (KMZ, CSV)」
(13)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2016年)
(14)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(15)福島県 - Wikipedia
(16)(1)中の「資料2-3 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査3回目)】実施状況 [PDFファイル/998KB]
(17)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(18)(1)中の「資料1 県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/533KB] 」
(19)放射線 放射性物質 Q&A 甲状腺がん発症 事故が原因か | 東日本大震災 | 福島民報
(20)(1)中の「資料2-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)結果概要【平成28年度追補版】  [PDFファイル/1.19MB]
(21)めげ猫「タマ」の日記 福島甲状腺、新規発生者 被ばく線量1mSv以上は58%、全体では38%
(22)ヨウ素剤 - Wikipedia
(23)【ヨウ素剤配布】国指示前に避難拡大 いわき、三春 独自決断 | 東日本大震災 | 福島民報
(24)記者会見〜第 27 回「県民健康調査」検討委員会 OPTVstaff
(25)「共謀罪」異例の採決省略 自民幹部も「やり過ぎだ」:朝日新聞デジタル
(26)<加計調査、首相「率直に反省」 記録文書の存在巡り - 共同通信 47NEWS/a>
(27)
福島民友新聞社 みんゆうNet -福島県のニュース・スポーツ
(28)初夏の味覚 サクランボの収穫始まる | NNNニュース
(29)福島発!甘いさくらんぼ。(国見町) | ふくしま 新発売。
(30)水・食品等の放射性物質検査 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(31)ヨークベニマル/お店ガイド
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  1. 2017/06/16(金) 19:43:01|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

ぶぶ

私達の間では甲状腺癌は本来女性に多発すべきものであるはずが男性に見られることからこの事が原発事故の影響である証拠で有ると言われています。
  1. 2017/06/20(火) 04:09:32 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

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