めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

只見線復旧決定・未来は暗い

 福島県会津若松駅と新潟県小出駅を結ぶJR只見線のうちの不通区間の会津川口駅(福島県金山町)と只見駅(福島県只見町)の2022年3月までの復旧が決まりました(1)。でも
 ①回復しない沿線観光客
 ②減り続ける沿線人口
などの特徴があり未来は暗いと思います。
 2011年に福島県を襲った災害・事故では福島第一原発事故が有名ですが、それ以外も災害は起こっています。その一つに2011年7月末に発生した新潟・福島豪雨があります(3)(4)。これもかなり酷い災害ですが、福島原発事故があまりに大きすぎて、福島沿岸の津波被害(5)と同様にあまり報道されなかったような気がします。
 只見線は福島県会津若松駅と新潟県小出駅を結ぶ全長135.2kmのJR東日本の鉄道路線です(6)。
除染が必要な場所もある只見線沿線
 ※1(7)のデータを元に(8)に示す手法で6月1日に換算
 ※2 避難地域は(9)による。 
 図―1 JR只見線

 図に示す通り沿線には国が除染が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(10)場所もあります。2011年の豪雨で、このうち福島県内の会津川口と只見間の27.6kmが不通になったままいまだに復旧していません(6)。
只見線の不通区間
 ※1(7)のデータを元に(8)に示す手法で6月1日に換算
 ※2 図―1の □を拡大
 ※3 不通区間は(1)および(6)による 
 ※4 凡例は図―1に同じ
 図―2 JR只見線不通区間

これについては不通区間の沿線住民は相当に怒っているようです。2011年豪雨では只見線沿線以外にも磐越西線、上越線、飯山線でも豪雨被害が発生し、鉄道が寸断されました(11)(12)(13)。沿線でも大変な豪雨被害を出しました(3)(4)。沿線にはダムや水力発電所があります(14)(15)(16)。飯山線沿線にはJR東が所有する水力発電所もあります(16)。こちらでは豪雨被害がダムや発電所の為の声が出た(=^・^=)は事実を知りません。でも、只見線沿線は違います。豪雨が起こったのは電力会社のダムや発電所の管理に問題があったとして、裁判になっています(17)。沿線住民の怒っているようです。
 ようやく上下分離方式・復旧費用の3分の2の地元(福島県および沿線自治体)負担で、2022年3月までの再開が決まったようです。
只見線復旧決定を報じる福島民報
 ※(18)を6月18日に閲覧
 図―3 只見線復旧を報じる福島県の地方紙・福島民報

 復旧費用は81億円を見込み、3分の1の27億円をJR東が、残りを54億円を福島県(33億円)と福島県と会津地方の17市町村にる積立金(21億円)で負担するそうです(1)。現在は積立金に約6千万円の寄付が寄せらています(19)。
 以下に復旧後の費用分担について記載します。
54億円払いその後もJR東にお金を払う福島県
 ※(1)を元に作成
 図―4 只見線復旧後の費用分担

 只見線の復旧工事が終わると、JR東から福島県へ只見線の土地と施設が譲渡されます。実質は54億円での買い取りだと思います。福島県は鉄道施設を保有しても実際には運行を行わない第三種鉄道事業者になります(20)。これをJR東に貸し付け、JR東は第二種鉄道事業者として自社が所有する車両で列車を運行します。借りているので鉄道施設の賃料が発生しますが減免処置で実質無料です(1)。一方で福島県は鉄道施設の維持管理をJR東に委託し、維持管理費用を支払います。その金額は年間2億1000万ですが3分の2を福島県が、残り3分の1を会津地方17市町村で分担するそうです(1)。
 結局は復旧費用のうち54億円を福島県や地元市町村が負担し、その後は毎年2億1000万円をJR東に支払うことで、只見線を再開して貰うみたいです。「被災前と同じ運行本数を維持する意向だ。」との報道がなされていますが、これって1日3往復です(6)。地方創生の視点を加味し、
 ①鉄道を核とした新たな地域振興策の展開が可能になる
 ②只見線の歴史的価値が守られる
などとの報道がなされていますが(1)、まず歴史的価値は福島県内のJR路線としては最も低いと思います。地図で見ると福島県内のJR路線は東北本線、常磐線、奥羽本線、磐越西線、磐越東線、水郡線、只見線の7路線ありますが、開通時期を見ると
東北線(21)
 1887年7月16日  福島県内部分開通(郡山以南)
 1887年12月15日 福島県内全通
常磐線(22)
 1897年2月25日 福島県内部分開通(平:現いわき駅以南)
 1898年8月23日 福島県内全通
奥羽本線(23)
 1899年5月15日 福島県内全通
磐越西線(24)
 1899年 3月10日 福島県内部分開通(郡山―中山宿間)
 1914年11月 1日 全通
磐越東線(本線は福島県内のみの路線)(25)
 1915年 7月10日 部分開通(平―小川郷間)
 1917年10月10日 全通
水郡線(26)
 1930年 4月16日 福島県内部分開通(東館、福島県矢祭町以南)
 1934年12月 4日 全通(最後は福島県内の区間)
只見線(6)
 1926年10月15日 福島県内で部分開通(会津若松―会津板下かん)
 1963年 8月20日 現不通区間(会津川口―只見)開通
 1971年 8月29日 全通
で、復旧は決まった只見線区間は福島県内では比較的新しい路線で「歴史的価値」がありません。日本土木学会は福島県内の鉄道施設のうち「推奨土木遺産」に掲げているのは 「磐越西線鉄道施設群」です。
 以下に日本100名山、只見線再開区間と飛んで来た放射性物質の量を示します。
汚染性物質が降り注ごく福島
 ※1 (28)に(1)(6)のデータを加筆
 ※2 ①は「飯豊山」、②は「吾妻山」、③は「安達太良山」、④は「磐梯山」、⑤は「 会津駒ヶ岳 」、⑥は「 那須岳 」
 図―5 2016年11月から1年間に飛んで来た放射性物質の量と日本100名山、只見線予定復旧区間

 図に示す通り復旧予定区間の新潟県側に位置する福島県只見町では1年間に1平方メートル当たり数万ベクレルの放射性物質の降下が認められます。再開した只見線に載って福島に遊びにいこうとしたら、放射性物質に降られるかもしれません。
 復旧予定区間の沿線には沼沢湖(29)や田子倉湖(30)といった見た目にきれいな湖沼があります。観光地のようです(29)(30)。以下に沼沢湖のヒメマスのセシウム濃度を示します。
事故7ねっめもセシウムが見つかる福島県金山町の沼沢湖・ヒメマス
 ※1(31)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 ※3 日付は捕獲日
 図―6 沼沢湖産ヒメマスのセシウム検査結果
 
 図に示す様に基準値(32)は下回ったものの事故6年目の今年もセシウム入りです。観光に出かけるならセシウム入りの魚が棲む湖沼よりセシウム無の魚が棲む湖沼の方が良いに決まっています。まして沼沢湖では事故後に遺伝子の欠陥で先天的にメラニン(色素)が欠乏するアルビノ(33)のヒメマスがみつかっています(34)。
福島県金山町の沼沢湖で見つかったアルビノヒメマス
 ※(33)を転載
 図―7 福島・沼沢湖で見つかったアルビノヒメマス

多くの方が避けたと思います。以下にだ只見線不通区間が残る福島県金山町の観光客入り込み数を示します。
回復しない福島県金山町の観光客
 ※(35)を集計
 図―8 福島県金山町の観光客入り込み数

 図に示す通り、事故前は9万人前後の観光客が区ていました事故後は半分以下の4万人に満たない状態が継続し、回復の兆しもありません。
 以下に復旧予定区間がある福島県只見町と金山町の人口の推移を示します。
減り続ける福島県只見町・金山町の人口
 ※(36)(37)(38)を集計
 図―9 福島県只見町・金山町の人口

 図に示す様に人口減少が続いています。只見線が2022年3月までに復旧したとしても
 ①放射線の不安が払しょくでいるとは言えず、事故後に落ち込んだ観光客の回復は見込めない。
 ②沿線人口が減少の一途である。
との状況は改善せずに乗客数はどんどんへって行きます。未来は暗いと思います。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 最近は水力発電所のトラブルをよく見ます。東京電力の中津川第一発電所(新潟県中魚沼郡津南町)の導水路からの水が溢れ出し土砂崩れを越したとか(39)、東京電力の湯沢発電所の屋根が落ちたとか(45)、九州電力の黒川発電所が土砂崩れをお越しました(40)。このままでは水力発電の立地地域に住民は不信感を持ちそうです。でも、水力発電は最も上手くいっている自然エネルギー(41)だと思います。安定的に運営ができるような政治的な配慮が今以上にあっても良いと思います。2011年の新潟・福島豪雨では只見線沿線の皆様は水力発電所に不信感を抱きました。でも、安倍出戻り総理はなにもしませんでした。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する野菜にアスパラガスがあります。今がシーズンです。福島県会津若松市は福島を代表するアスパラガスの産地です(42)。同市辺りのアスパラガスは高品質さで消費者の人気を集めているそうです(43)。福島県は福島産アスパラガスは「安全」だと主張しています(44)。でも、福島県*のスーパーのチラシには福島産アスパラガスはありません。
他県産はあっても福島産アスパラガスが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(45)を引用
 図―10 福島産アスパラガスが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)只見線 鉄路で復旧 2021年度全線開通目標 JR決定 | 県内ニュース | 福島民報
(2)平成23年7月新潟・福島豪雨 - Wikipedia
(3)新潟県の河川の主な被害状況 平成23年8月11日 公開(PDF形式 8111 キロバイト)
(5)いわき市・津波被害
(6)只見線 - Wikipedia
(7)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成28年9月14日~11月18日測定) 平成29年02月13日 (KMZ, CSV)」
(8)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2016年)
(9)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(10)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(11)磐越西線 - Wikipedia
(12)上越線 - Wikipedia
(13)飯山線 - Wikipedia
(14)水力発電所の復旧状況について(第15報)| 東北電力
(15)湯沢発電所の建屋屋根の崩落による発電停止に係わる報告書(中間報告)の経済産業省関東東北産業保安監督部東北支部への提出について|東京電力
(16)信濃川発電所 - Wikipedia
(17)<新潟福島豪雨5年>鉄路も河川も復興進まず | 河北新報オンラインニュース
(18)福島民報
(19)只見線応援のための活動について - 福島県ホームページ
(20)鉄道事業者 - Wikipedia
(21)東北本線 - Wikipedia
(22)常磐線 - Wikipedia
(23)奥羽本線 - Wikipedia
(24)磐越西線 - Wikipedia
(25)磐越東線 - Wikipedia
(26)水郡線 - Wikipedia
(27)福島県 | 土木学会 選奨土木遺産
(28)めげ猫「タマ」の日記 事故6年、放射性物質が飛び交う福島
(29)沼沢湖 - 金山町ホームページ
(30)田子倉湖 (たごくらこ) | 南会津の観光スポット、イベント、宿泊施設など旅行案内 | おいでよ!南会津
(31)報道発表資料 |厚生労働省
(32)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(33)めげ猫「タマ」の日記 福島に遺伝的欠陥で色素が合成できないアルビノ・ヒメマス現る。
(34)金山町 ふるさと情報発信事業 - 金色に輝くヒメマスは金山に福をもたらすか!?... | Facebook
(35)只見町 - Wikipedia
(36)金山町 (福島県) - Wikipedia
(37)只見町 - Wikipedia
(38)福島県の推計人口(平成29年5月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(39)中津川第一発電所の導水路からの溢水に係る報告書の経済産業省関東東北産業保安監督部東北支部への提出について|東京電力
(40)めげ猫「タマ」の日記 熊本、水力発電所が原因の土砂崩れ―徹底した調査を―
(41)水力発電 - 発電のしくみ | 電気事業連合会
(42)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(43)アスパラガス | JA会津よつば
(44)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(45)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
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  1. 2017/06/18(日) 19:47:36|
  2. -
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