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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島産クロダイから30(Bq/kg)のストロンチウム90

東京電力は福島県沖で捕れたクロダイから1キログラム当たり30ベクレルのストロンチウム90が見つかったと発表しました(1)。厚生労働省の発表資料(2)から読み取れるストロンチウム90の許容値は1キログラム当たり9ベクレルですので4倍以上です。福島産のストロンチウム90の検査は不要され(2)、殆ど検査されていません。一方で福島第一の放水路からは法定限度を超えるストロンチウム90由来の全ベータが見つかっています。
 福島第一原発構内には幾つもの排水路が走っています(4)。ストロンチウム90の法定限度は1リットル当たり30ベクレルで(5)、全ベータの半分はストロンチウム90なので(6)、全ベータの法定限度は1リットル当たり60ベクレルです。以下に福島第一原発内の排水路の一つのK排水路を流れる排水の放射性物質濃度を示します。
事故から7年目も汚染排水が流れづつける福島第一K排水路
 ※1(4)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―1 K排水路の放射性物質濃度

 図に示す通り過去にも法定限度を超えた法律違反の汚染排水が幾度となく海に流れています。事故から7年目になりますが、福島第一ではストロンチウム90等の放射性物質を環境中に流し、汚染を続けています。
 食品のストロンチウム90汚染が気になります。ところが厚生労働省はストロンチウム90の検査は必要ないとしています。セシウム以外の放射性物質はセシウムに対する割合が想定できるのでセシウムを管理すれば放射性物質汚染全体が管理できるとの主張です(2)。厚生労働省は放射性物質がセシウムだけなら1キログラム当たり120ベクレルまで「安全」であり基準値は100ベクレルとしています(2)。すると20ベクレル分がストロンチウム90等の放射性物質よる被ばく分です。1ベクレルの放射性物質を取り込んだとして
 セシウム137では  0.013マイクロシーベルト
 ストロンチウム90では0.028マイクロシーベルト
の被ばくをします(7)。この割合から考えると厚生労働省が想定しているストロンチウム90の限度は1キログラム当たりで
  9ベクレル(20×0.013÷0.028)
になります。現行の基準値を下回った食品から1キログラム当たり9ベクレルを超える物が見つかれば厚生労働省のストロンチウム90の検査は不要とする主張は成立しえなくなります。
 東京電力は福島県楢葉町木戸川沖2kmで採れたクロダイから1キログラム当たり30ベクレルのストロンチウム90が見つかったと発表しました。セシウムは基準値以下の50.2ベクレルですので、危険なレベルのストロンチウム90です。
以下にストロンチウム90汚染クロダイが見つかった位置を示します。
福島第一20km圏内に位置する福島県楢葉町
 ※1(8)の数値データを元に(9)に示す手法で7月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(10)による
 図-2 事故7年目も汚染されたままの福島 

 東京電力は
 ・骨を含めての測定である。
 ・少量食べてもさしたる被ばくはしない
と言い訳をしています(1)。確かにクロダイの骨を食べる人はいないと思います。福島ではシラス漁が始まりました。ゆでて乾燥させてから出荷されるそうです(11)。こちらは骨つきでしかも乾燥して凝縮されています。(=^・^=)の知るがりストロンチウム90の検査結果を知りません。
 以下に楢葉町木戸川沖で捕れた魚のストロンチウム90濃度とカルシウム含有量の相関をしめします。
カルシウム含有量が多いと濃くなる福島のお魚のストロンチウム90
 ※1(12)を集計
 ※2 カルシウム含有量は100当たりで(13)による。
 図―3 木戸川沖で捕れた魚のストロンチウム90濃度とカルシウム含有量の相関

 図に示す通りカルシウム含有量が多くなるとストロンチウム90濃度も上昇します。福島の牛乳もカルシウムが豊富なようです(14)。福島県楢葉町では高濃度の全ベータに汚染された物体がいくつも見つかっています(15)。どうみてもたまたま見つかってので大部分は発見されることなく汚染されたまま放置されているはずです。楢葉町では原乳の出荷が再開されました(16)。でもストロンチウム90の検査結果を知りません。
 今回見つかったクロダイは福島産はストロンチウム90の検査がされなかれば安全とは言えない事を示しています。でも、福島産は(=^・^=)が知るかが入り極限られた魚の除きストロンチウム90の検査はされていません。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 楢葉町産原乳の出荷先の乳業メーカーは(16)
 「福島県内で製造しているということで売上が激減しました。」
と主張していますが(17)、必要な検査が実施されていないので売上が激減するとのは当然なことだと思います。この思いは福島の皆さんも同じだと思います。
 福島を代表する果物にモモがあります(18)。福島では今日(7月20日)から「ももももらえるキャンペーン!」が始まりました(19)。福島はモモの季節です。福島のモモは福島のモモは一つ一つの美味しさが保証されているそうです(20)。福島県は福島産モモは「安全」だと主張しています(21)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産モモはありません。
他県産はあっても福島産モモが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―4 福島産モモが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「福島産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)2017年7月13日魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域> 2016年度 第4四半期採取分(PDF 756KB)
(2)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(3)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(5)サンプリングによる監視|東京電力
(6)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(7)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(8)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成28年9月14日~11月18日測定) 平成29年02月13日 (KMZ, CSV)」
(9)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2016年)
(10)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(11)シラスの試験操業開始 相馬双葉漁協 | 県内ニュース | 福島民報
(12)(3)中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域> 20**年度 第*四半期採取分」
(13)五訂増補日本食品標準成分表 [第2章]中の「10 魚介類(PDF:283KB)
(14)東北協同乳業株式会社 | 福島県本宮市にある11/19-B1乳酸菌ヨーグルトをはじめ、牛乳・プリンなどを製造している会社です。
(15)めげ猫「タマ」の日記 福島・楢葉町から高濃度の汚染が疑われる物体が見つかる。8個目
(16)原乳出荷を再開 旧避難区域では事故後初 楢葉の蛭田牧場 | 東日本大震災 | 福島民報
(17)東北協同乳業株式会社 | 福島県本宮市にある11/19-B1乳酸菌ヨーグルトをはじめ、牛乳・プリンなどを製造している会社です。
(18)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(19)7月20日から「モモ」もらえるキャンペーン フクラムカード推進協 | ホッとニュース | 福島民報
(20)フルーツを食す - 福島市
(21)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(22)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
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  1. 2017/07/20(木) 19:55:34|
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