「2016(平成28)年の(福島)県内の観光客入り込み数は5276万4千人で、前年より245万1千人(4.9%)増加した。5717万9千人だった震災前の2010年の92.3%まで回復した。」
と報じられました(1)。福島県の発表資料(3)(4)を集計すると、事故前からある施設(以下既存施設とする)の昨年に対する増加率は0.6%(27万3千人)ですが、事故後に新設された施設(以下新規施設とする)で、観光客入り込み数の昨年に対する増加分は222万4千人で(61.4%)、137万8千人は2016年からからたに集計に加えられた施設です。今年から集計に加わった施設のうち観光客入り込み数が多い順に10施設を調べたら9施設は2012年からありました。観光客入数は事故前に比べ水増しされています。福島では復興の「水増し」が行われています。
福島原発事故によって福島は汚染されました。

※1(5)の数値データを元に(6)に示す手法で8月1日時点に換算
※2 避難区域は(7)による
図-1 事故7年目も汚染されたままの福島
図に示す通り今も国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト超えて(8)おり事故7年目の今も福島は汚染されたままです。多くの方が福島を恐れ観光に出かけなくなったと思います。以下に福島県の観光客入り込み数を示します。

※1(4)を集計
※2 凡例中「既存」は事故前より集計対象になっていた施設を示す。
※3 凡例中「新規」は事故後に集計対象になった施設を示す。
図―2 福島の観光客入り込み数
これについて福島の地方紙・福島民報は
「2016(平成28)年の(福島)県内の観光客入り込み数は5276万4千人で、前年より245万1千人(4.9%)増加した。5717万9千人だった震災前の2010年の92.3%まで回復した。」
と報じていました。図に示すように2013年以降は、既存施設の観光客はあまりふえていません。既存施設の観光客入り込み数は
2010年 5,717万9千人
2013年 4,669万1千人
2015年 4,664万5千人
2016年 4,691万8千人
です。2016年は2015年に対し27万3千人(0.6%)、2013年に対し22万7千人(0.5%)増えいますが、事故前に比べると1,026万1千人(17.9%)減っています。およそ回復しているようには見えません。
一方で新規施設は
2010年 0(2010年に集計対象になっていない施設を集計しています)
2013年 162万4千人
2015年 362万1千人
2016年 584万6千人
で2016年は2015年に対し222万4千人で(61.4%)増えています。ただし福島県の発表資料(3)(4)を比較するとこのうち137万8千人は2016年からからたに集計に加えられた施設です。全部で22施設あります。これだけの施設が2016年中にオープンしたとは思えなので、22施設中で観光客入り込み数が多い順に10施設を調べてみました。
①郡山市民文化センター 観光客入り込み数 29万2千人 1984年11月開館(9)
②逢瀬公園・緑化センター 観光客入り込み数 17万8千人 1979年開園(10)
③磐梯熱海スポーツパーク 観光客入り込み数 17万人 1991年開園(11)
④道の駅猪苗代 観光客入り込み数 11万8千人 2016年11月開駅(12)
⑤郡山市立美術館 観光客入り込み数 7万5千人 1992年11月開館(13)
⑥磐梯熱海アイスアリーナ 観光客入り込み数 7万1千人 1994年11月開館(14)
⑦開成山野球場 観光客入り込み数 6万9千人 1952年11月開場(15)
⑧大安場史跡公園 観光客入り込み数 5万5千人 2009年4月オープン(16)
⑨大山忠作美術館 観光客入り込み数 4万3千人 2009年11月開館(17)
⑩ふくしまラーメンショー 観光客入り込み数 4万3千人 2012年には開催されていた(18)
以上に示すように2016年から集計対象となった上位10施設中8施設は事故前から存在し、2016年中にオープンしたのは④道の駅猪苗代のみです。福島民報は「前年より245万1千人(4.9%)増加した」と報じていますが、これまで集計対象でなかった既存の施設を集計対象にし、「観光客入り込み数」を水増ししています。福島では復興の「水増し」が行われています。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島では復興の「水増し」が行われています。これだったら福島産の「安全」が偽装されても不思議はありません。これでは福島の皆様は不安だと思います。
福島を代表する果物にナシがあります(19)。福島県知事あベトナムで福島産ナシのPRをしたそうです(20)。

※(21)を8月26日に閲覧
図―3 福島県知事のナシのPRを報じる福島県の地方紙・福島民友
福島はナシの季節です。福島県福島市は福島を代表するナシの産地です(19)。今年の福島市のナシは甘さも十分だそうです(22)。福島県は福島産ナシを「安全」だと主張しています(23)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産ナシは無しです。

※(24)を引用
図―4 福島産ナシが無しの福島県福島市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「福島産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
県内観光客4.9%増 震災前年の9割まで回復 | 県内ニュース | 福島民報(2)
統計資料一覧 - 福島県ホームページ(3)(2)中の「
28年観光客入込状況調査 [PDFファイル/1.12MB] 」
(4)(2)中の
27年観光客入込状況調査 [PDFファイル/1.09MB] (5)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(6)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(7)
避難区域見直し等について - 福島県ホームページ(8)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(9)
郡山市民文化センター - Wikipedia(10)
逢瀬公園・緑化センター - Wikipedia(11)
磐梯熱海スポーツパーク - Wikipedia(12)
道の駅猪苗代 - Wikipedia(13)
郡山市立美術館 - Wikipedia(14)
磐梯熱海アイスアリーナ - Wikipedia(15)
郡山総合運動場開成山野球場 - Wikipedia(16)
大安場史跡公園 - Wikipedia(17)
大山忠作美術館|美術館の概要(18)
ふくしまラーメンショー 2012 出店リスト - らぁめん廃人(19)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ(20)
県産ナシ販売開始 ベトナムへ初輸出、内堀知事店頭でPR | 県内ニュース | 福島民報(21)
福島民報(22)
トピックス | JAふくしま未来(23)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(24)
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- 2017/08/26(土) 20:00:27|
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