食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。9月1週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム汚染食品が見つかっています(4)。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
①検査数887件中1件の基準超え
②平均は、1キログラム当たり4.2ベクレル、最大110ベクレル(山形県産チチタケ)。

※1 牛肉を除く
※2 単位については(5)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2017年9月1週)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
今週のデータを分析すると
・山形から基準超のセシウム汚染食品、出荷制限はありません。
・福島県郡山市で子どもがダイコン等の収穫体験、検査結果がありません。
・宮城産スズキからセシウム、福島県相馬産は47件連続ND
・福島産ヤナギダコから突然のセシウム
等の特徴があり、およそ「安全」とはいえません。
1.山形から基準超のセシウム汚染食品、出荷制限はありません。
山形産チチタケ(キノコの一種(7))から基準値(6)を超える1キログラム当たり110ベクレルのセシウムが見つかったと厚生労働省は発表しました(3)。この件は8月28日に山形県が既に発表しています(8)。1週間以上が経過しているので出荷制限をかける時間はあっと思います。そこで出荷制限を確認したら、出荷制限の対象になっていません(9)。8月28日以降の山形県の報道発表を見たのですが、「出荷自粛の要請」は出ていません(10)。
厚生労働省は
「食品の安全・安心を確保するため、放射性物質についての新しい基準値を設定し、安全な食品が流通するよう、検査を続けています。」
と主張していましが(6)、基準超が出てもなにも対応を取らなければ「安全・安心を確保」することはできません。安倍出戻り内閣は北朝鮮のミサイルからアメリカを守ることには熱心なようですが(11)、国民を守る気はないようです。
2.福島県郡山市で子どもがダイコン等の収穫体験、検査結果がありません。
以下に福島県の夏ダイコンの出荷量を示します。

※(12)より作成
図―2 福島の夏ダイコン出荷量
図に示す通り郡山市がトップです。同市の布引高原はダイコンの産地だそうです(13)。そんなわけでしょうか?郡山市の布引高原で子ども達を対象としたダイコン等の野菜の収穫体験が行われたそうです(14)。

※(14)を引用
図―3 ダイコンを手にする可愛い女の子
子ども達が食べる物です。検査されているか心配です。以下に今年6月以降の福島県によるダイコンの検査状況を示します。

※1(15)の数値データを元に(16)に示す手法で9月1日時点に換算
※2 避難区域は(17)による
※3 相馬地方は(18)による。
※4 ダイコンマーク一つが1回の検査を示し(1)(19)による。
図-4 福島県郡山市と相馬地方と今シーズンの夏ダイコンの検査状況
図に示す様に福島県郡山市産夏ダイコンの検査結果がありません。郡山市は図にしめすように国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(20)地域が広がっています。そして事故前に比べ葬式が15%増えています(21)。一方で図―2に示すように夏ダイコンの主要な産地ではない相馬市、南相馬市では葬式は増えていません(22)。
福島産は汚染が酷い地域を避けた検査で安全され出荷されます。
3.宮城産スズキからセシウム、福島県相馬産は47件連続ND
宮城県産スズキからセシウムが見つかったと発表がありました(23)。以下に検査結果を示します。

※1(1)を集計
※2 ()内は検査先を示す。
※3 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※4 日付けは捕獲日
図―5 スズキの検査結果
図では検査先を()内に示しますが、宮城産スズキは宮城県の他に新潟県が検査しています。どちらの検査からもセシウムが見つかっており宮城県と新潟県の検査は一致しています。福島県相馬地方は図―4に示すように福島県沿岸部北部にあり宮城県に接しています。図に示す様に全てが検出限界未満(ND)です。厚生労働省を発表を数えると47件あります。宮城に比べ汚染源に近い福島産スズキが宮城産に比べ低くでるのはおかしな話です。
図に示すように福島産スズキの検査は福島県以外では検査されていません。スズキに限らず福島産農水産物の出荷前の精密検査は福島県農林水産部に所属する福島県農業総合センターです(24)。
福島産は他よりも低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
4.福島産ヤナギダコから突然のセシウム
福島産ヤナギダコから1キログラム当たり13ベクレルのセシウムが見つかったと発表がありました(25)。以下に推移を示します。

※1(1)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 日付けは捕獲日
図―6 福島産ヤナギダコの検査結果
図に示すように2012年度より5年以上の間・検出限界未満(ND)が継続していました。それが突然のセシウムです。
福島産はセシウムが上昇する物があります。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
・基準超が見つかっても出荷制限がされないセシウム汚染食品
・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
・セシウム濃度が上昇する事がある福島産
福島の皆様は不安だと思います。
福島県会津若松市ではブドウ狩りやナシがりが楽しめます(26)。福島県会津若松市はブドウやナシのシーズンです。福島のブドウは深い紫色やさわやかな翡翠色が高級感を漂わせ、しっかりとした甘さが楽しめます。ナシはサクサクとした歯ごたえとさわやかな甘味がすがすがしいそうです(27)。福島県は福島産ブドウもナシも「安全」だと主張しています(28)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産ブドウもナシも無しです。

※(29)を引用
図―7 福島産ブドウもナシも無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「福島産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第1049報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(8月5週)―山形産チチタケから720(Bq/Kg)、安倍出戻り内閣は発表しません。秘匿されるセシウム汚染食品―(5)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(6)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(7)
チチタケ - Wikipedia(8)
野生きのこ「チチタケ」の放射性物質検査結果及び対応について ? 山形県ホームページ(9)(3)中の「(参考3)
原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限等(PDF:377KB)」
(10)
報道発表資料 — 山形県ホームページ(11)
めげ猫「タマ」の日記 「地上型イージス導入」では日本は守れない。(12)
作物統計調査>市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の「9-1 ⇒野菜(根菜類) ⇒福島県 ⇒Excel」
(13)
あさか開拓市場<物産品部>(14)
アグリカレッジinこおりやま - JA福島さくらの情報サイト TORETATE(15)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(16)
めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(17)
避難区域見直し等について - 福島県ホームページ(18)
相馬地方広域市町村圏組合(19)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を「ダイコン、ダイコン(施設)」で9月5日に検索
(20)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(21)
めげ猫「タマ」の日記 福島産を許容する郡山市の事故7目の葬式は15%増、相馬・南相馬は別(2017年7月末集計)(22)
めげ猫「タマ」の日記 福島産を許容する郡山市・三春の事故7目の葬式は16%増、相馬・南相馬は別(2017年7月末集計)(23)(3)中の「1 自治体の検査結果⇒
検査結果(PDF:9,537KB)中のNo2807」
(24)
農林水産部 - 福島県ホームページ(25)(3)中の「2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果⇒
検査結果(PDF:782KB)中のNo216
(26)
フルーツランド北会津(27)
特産品情報 | 地区別くらし情報 福島地区 | JAふくしま未来(28)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(29)
アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ

※(1)を集計
図 A-1 群馬・新潟のシイタケ検査結果
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テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記
- 2017/09/05(火) 19:56:10|
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新潟県でも路地栽培の椎茸の測定結果がありません❗調べると、数字が出るからではないかと推測しています。いやな感じです。今年に入って何ヵ月もたつのに…怪しいものは測定しない❗それは福島に限ったものではないように思います。
- 2017/09/08(金) 21:38:11 |
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- ぶぶ #-
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ぶぶ様
おと言わせいただきありがとうございます。
Q> 新潟県でも路地栽培の椎茸の測定結果がありません❗調べると、数字が出るからではないかと推測しています。いやな感じです。今年に入って何ヵ月もたつのに…怪しいものは測定しない❗それは福島に限ったものではないように思います。
A>ご指摘の通り、新潟県産露地栽培シイタケの検査は厚生労働省の発表を見る限り昨年10月31日に行われたもの(
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11135000-Shokuhinanzenbu-Kanshianzenka/0000120525_58.pdf中のNo261)。ただし露地栽培ものは収穫時期に制約があり、新潟のシイタケ(露地栽培)は11,12月です(
http://ja-niigata.or.jp/season/)。
- 2017/09/09(土) 19:56:58 |
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- mekenekotama #-
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それが、新潟県ホームページでは路地栽培の日程は限定的ではないのです。それで、徐々に検査数が減っていき、箘床栽培の検査結果ばかりが狂ったように並んだため疑問に思ったしだいです。どーなんでしょうねぇ~???
- 2017/09/10(日) 00:38:52 |
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- ぶぶ #-
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ぶぶ様
お問い合わせありがとうございます。回答が遅れすいません。
Q> それが、新潟県ホームページでは路地栽培の日程は限定的ではないのです。それで、徐々に検査数が減っていき、箘床栽培の検査結果ばかりが狂ったように並んだため疑問に思ったしだいです。どーなんでしょうねぇ~???
A>図A-1に新潟県と群馬県の施設栽培を除くシイタケの検査結果をアップしました。ご指摘の通り昨年までは春頃にも検査結果が出ていました、今年はありません。これは群馬県も同様です。こちらの方がリスクがはるかに高いと思います。通常は露地栽培シイタケは春と秋に旬を迎えます(
http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/shiitake.htm)。新潟は雪が降るので冬は露地栽培は無理だと思います。当然ながら「春」に出荷はできません。一方で群馬は雪が降りません。当然ながら「春」も出荷できます。でも、今年は「春」の検査をしていません。群馬は原木シイタケに限れば全国3位の生産量ですが、新潟はランク外(11位以下)(
https://www.ousyou-shiitake.jp/%E6%A4%8E%E8%8C%B8%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%B1%80/%E9%83%BD%E9%81%93%E5%BA%9C%E7%9C%8C%E5%88%A5%E6%A4%8E%E8%8C%B8%E7%94%9F%E7%94%A3%E9%87%8F/)。新潟の主力は施設栽培のようです。どう見ても群馬産シイタケの方がはるかにリスクが高いと思います。そんな訳で、(=^・^=)は福島産はもとより事故後は北関東産シイタケの購入も控えています。
シイタケはセシウムに汚染されやすいと思います。後は個人の考えだと思います。大分、宮崎、熊本の乾しシイタケでの代替えも可能と思います。そっちの方が復興応援にもなるし・・・
- 2017/09/11(月) 19:00:58 |
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- mekenekotama #-
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お返事ありがとうございます❗私も九州をメインに椎茸は食べています❗検査結果の比率にかなり納得していません❗公平な検査を希望したいですね❗
- 2017/09/11(月) 22:19:25 |
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- ぶぶ #-
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