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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

凍土壁の完全凍結開始から1ヶ月、効果が見えません。

 福島第一の凍土壁の完全凍結が8月22日に始まって(1)から1ヶ月が経過しました。凍土壁内側に流れ込んだ地下水量を(=^・^=)なりに集計すると
 完全凍結開始前の7月 1日当たり774トン
 完全凍結開始後の9月 1日当たり806トン(18日までの集計)
で減っていません。凍土壁の完全凍結開始から1ヶ月ですが効果が見えません
 福島第一原発では原子炉・タービン建屋に地下水等が流れ込み溶け落ちた核燃料(デブリ)に触れ汚染されることで生じる汚染水が日々増え続けています。
日々、増え続ける福島第一汚染水
 ※(2)を集計
 図―1 日々増え続ける福島第一汚染水

 最新のデータ(3)を集計するとその量は107万トンになります。汚染水の増加を抑えるのは福島第一の安定化において重要な課題です。
 汚染水の増加を抑える対策の柱として原子炉やタービン建屋を氷の壁で囲む「凍土壁」が提唱されました。以下に構造を示します。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン
 ※(4)(5)にて作成
 図―2 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン

 当初の予定では2015年3月位から運用を始める予定でしたが(6)、完全凍結が始まったのは2017年8月22日からです(1)。 断面の模式図は以下の通りです。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面
 ※(4)(5)(8)にて作成
 図―3 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面)

 原子力規制委での議論を聞いていると(9)、凍土壁によって地下水の流れが悪くるなりタービンや原子炉建屋周囲の地下水位が建屋内より低くなり汚染水が原子炉やタービン建屋から漏れだすことが心配されていました。
 そこで凍結する範囲を順次広げて様子をみていました。2016年6月6日は「山側」の大部分の凍結が始まりました(10)。そして6月28日の原子力規制委・監視評価検討会で東京電力が「凍土壁」によって「現状」でも地下水の流れが抑えらえ効果があったと「東京電力」は説明しましいた(10)。
凍土壁ですり抜ける水の量が減ったと主張する東京電力
 ※(8)を引用
 図―4 凍土壁によって地下水の流れが減少したと主張する東京電力

 図―3に示す様に福島第一は西側が山で東側が海です。陸側(西側)から順に凍土壁・サブドレン・建屋・サブドレン・凍土壁・ウエルポイント・地下水ドレン・海側遮水壁です。このうち凍土壁と海側遮水壁は水の流れを遮ることを意図し設けられました(4)(5)。サブドレン、ウエルポイント、地下水ドレンは地下水を汲み上げる井戸です。汲み上げられた地下水はサブドレン排水として海に捨てられるか、タービン建屋に送られ汚染水の増加要因になります。山側の凍土壁をすり抜けた地下水はサブドレン、ウエルポイント、地下水ドレンで汲み上げられ排水さるかタービン建屋に送られます。直接に原子炉やタービン建屋流れ込んだ地下水はそのまま汚染水増加量になります。すると山側と濃度壁をすり抜けた地下水はサブドレン排水か汚染水になるので、サブドレン排水と汚染水の増加量が凍土壁をすり抜けた水の総量になります。以下に推移を示します。
凍土壁・完全凍結開始後も減る気配が無い凍土壁内への地下水入流量
 ※1(2)(10)を集計
 ※2 2017年9月は23日まで
 図―5 凍土壁をすり抜けた水の量

 図に示すように凍土壁をすり抜けた量は殆ど減っていません。
凍土壁内側に流れ込んだ地下水量を(=^・^=)なりに集計すると
 完全凍結開始前の7月 1日当たり774トン
 完全凍結開始後の9月 1日当たり806トン(18日までの集計)
で減っていません。凍土壁の完全凍結開始から1ヶ月ですが効果が見えません。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 凍土壁には345億円の税金が使われています(11)。このままでは税金の無駄遣いです。でも安倍出戻り内閣はだれも責任を取ろうとしません。まったく無責任です。これでは福島の皆様は不安だとおもいます。
 福島を代表する夏野菜にピーマンがあります(12)。9月ですが今も楽しめます(13)。福島のピーマンは生食でも味わい良く、加熱すると柔らかくなり、独特のにおいも和らぎ風味が良いそうです(12)。福島県は福島産*を「安全」だと主張しています(14)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産ピーマンはありません。
他県産はあっても福島産ピーマンが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(15)を引用
 図―6 福島産ピーマンが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「福島産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)2017年8月22日福島第一原子力発電所 陸側遮水壁第三段階開始について(PDF 786KB)
(2)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社ちゅの「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(3)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第321報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(4)陸側遮水壁|東京電力
(5)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(6)2014年3月12日 凍土式遮水壁の計画及び進捗状況について(資源エネルギー庁)
(7)第54回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(8)(7)中の「資料1-1:建屋滞留水処理の進捗状況について[東京電力]【PDF:5MB】
(9)(7)中の第54回特定原子力施設監視・評価検討会(平成29年06月28日) 会議映像
(10)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(11)福島原発:凍土壁 遮水効果はっきりせず - 毎日新聞
(12)夏 | ふくしまの野菜 | JA全農福島
(13)福島県の旬(出回り時期) 野菜編
(14)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「やさい編 [PDFファイル/178KB]
(15)イオン福島店
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  1. 2017/09/26(火) 19:51:59|
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