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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

8-10月のナシ価格、福島値下がり、全国値上がり、当然の結果です。

 東京中央卸売市場が8-10月のナシ価格を発表しました(1)。それによると昨年(2016年)に比べ今年(2017年)は1キログラム当たりで
 福島産は△18円安
 全国平均は1円高
です。福島産ナシは値下がりしていますが、ナシ全体(全国平均)では値上がりです。これは消費者の福島産対する理解が進んだ結果であり当然のことです。
 福島県が力を入れている農産物にナシがあります。以下に市町村別の生産量を示します。
福島のナシの主要産地は福島市と須賀川市
 ※(2)を集計
 図―1 福島のナシの生産量

 図に示す様に福島県福島市、須賀川市が主要な産地です。以下に位置をしめします。
事故から7年近くなっても汚染されたままの福島のナシ産地
 ※1(3)の数値データを元に(4)に示す手法で11月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(5)による
 ※3 相馬地方の範囲は(6)による。
 図-2 福島のナシ産地と相馬地方

 図に示す通り福島のリンゴ産地は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた地域が広がっています(7)。福島のナシは汚染された地域で作られています。
 以下に福島・須賀川両市の各年11月から翌年10月までの1年間の葬式(死者)数の推移を示します。
事故後に葬式が増えた福島のナシ産地
 ※1(8)を集計
 ※2 震災犠牲者は(9)による。
 図―3 福島・ナシ産地の葬式(死者)数

 図に示しように福島のナシ産地では葬式(死者)数が増えています。
 近々の1年(2016年11月~17年10月) 4,104人
 事故前1年(2009年11月~10年10月) 3,646人
で13%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら500万分の1です。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(10)による。
有意差検定表

 同じ福島でもナシの産地ではない相馬地方では
 近々の1年(2016年11月~17年10月) 1,471人
 事故前1年(2009年11月~10年10月) 1,390人
で、少し増えていますが統計的な差はありません。飯舘村は避難地域になり今年3月末に避難指示が解除されたばかりで(5)、ほとんどの住民が今も村外に避難したまま(11)なので集計対象から除外しました。
 以下に年毎のナシの検査数を示します。
検査数が大幅に削減された福島市産ナシ
 ※(12)を集計
 図―5 福島のナシの検査数

 主産地で葬式が増えた福島市産ナシの検査数は検査数がどんどん削減されています。一方で葬式が増えていない地域に含まれる相馬市の検査数は削減されていません。
 福島のナシは汚染され葬式が増えた地域で作られています。しかも主産地の検査は事故直後に比べ大幅に削減されています。それでも福島県は福島産ナシは「安全」だと主張しています(13)。消費者の理解が得られるか興味があります。
 以下に福島産ナシの東京中央卸売市場への出荷量を示します。
8-10月は出荷時期の福島産ナシ
 ※1(1)を集計
 ※2 2010年から17年の平均、だたし2017年は10月まで
 図―6 福島産ナシの月平均の出荷量(東京中央卸売市場)

 図に示す様に8-10月がシーズンです。そこで8-10月の取引価格を集計しました。
事故後に低迷が続く福島のナシ価格
 ※(1)を集計
 図―7 8―10月の福島産ナシの取引価格(東京中央卸売市場)

 図に示す通り事故前から福島産は全国平均に比べ少し安く評判の悪いナシでした。事故後は価格差が拡大し、元に戻る気配がありません。昨年(2016年)と今年(2017年)の取引価格を見ると、1キログラム当たりで
 福島産
  昨年 255円
  今年 237円
  昨年に比べ△18円に値下がり
 全国平均
  昨年 294円
  今年 295円
  昨年に比べ1円の値上がり
です。
全国平均は値上がりしましたが、福島産は値下がりしました。これは福島産ナシの特性が消費者に正しく理解された為であり、当然の結果です。
 
<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。福島産を避けているのは福島の皆様も同じです。
 図-6に示す様に福島ではナシのシーズンは終ってしまいました。その代りに「柿」が楽しめるようです。福島県会津若松市では11月21日に陛下や御皇族の皆さんに献上する柿の箱詰め作業が行われました(14)。同市辺りの柿はとても食味がよいそうです(15)。福島県はナシ同様に福島産柿も「安全」だと主張しています(16)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産柿はありません。
他県産はあっても福島産柿が無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(17)を引用
 図―8 福島産柿が無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)東京都中央卸売市場-統計情報検索を「大分類⇒果物、中分類⇒日本なし類」で検索
(2)作物統計調査>市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次2006年中の「10 果樹 、⇒福島県⇒Excel」
3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(5)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(6)構成市町村 | 相馬地方広域市町村圏組合
(7)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(8)福島県の推計人口(平成29年10月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(9)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(10)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(11)平成29年10月1日現在の村民の避難状況について - 飯舘村ホームページ
(12)報道発表資料 |厚生労働省
(13)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(14)献上の色つや...「会津身不知柿」 一つ一つ優しく磨き箱詰めに:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(15)みしらず柿 | JA会津よつば
(16)(13)中の「くだもの編 [PDFファイル/192KB]
(17)ヨークベニマル/お店ガイド
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  1. 2017/11/27(月) 19:43:03|
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