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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

中間貯蔵施設は永久保管施設、8000(Bq/kg)以下は造成工事に使用

 福島第一原発事故で除染廃棄物を一次的に保管することになっている中間貯蔵施設(1)の造成工事に1キログラム当たり8000ベクレル以下のセシウム汚染土壌を使うそうです(2)。
 福島第一原発事故によって福島第一原発から放射能が各地に「うつり」、福島は汚染されました。
事故から7年近く経て汚染されたままの福島
 ※1(3)のデータを元に(4)に11月1に換算
 ※2 避難区域は(5)による。
 図―1 事故から7年近く経て汚染されたままの福島

 事故から7年近くがたちましたが、国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(6)地域が広がっています。こうした状況を改善する為に国は「除染」を実施しました(7)。以下に福島県の住宅除染の進行状況を示します。
完了した福島の住宅除染
 ※(7)を集計
 図―2 福島県の住宅除染の進行状況

 図に示す通り福島の除染がほぼ完了しています。一方で図―1に示す様に今も福島では除染が必要なエリアが残っています。除染の効果は極めて限定的です。それでも大量の除染廃棄物が発生しました(8)。
福島の除染廃棄物仮置き場
 ※Google Mapを引用
 図―3 除染廃棄物仮置き場(福島県二本松市)

 仮置きされている除染廃棄物は福島県内に儲けられた中間貯蔵施設に一時的に保管(最大30年間)されたあと、福島県外の最終処分場に搬出されることになっています(1)。
 放射性廃棄物に含まれる放射性セシウムについて、1キログラム当たり100ベクレル と 8,000ベクレルの基準があります。環境省は従前に
 1キログラム当たり100ベクレル以下―「廃棄物を安全に再利用できる基準」

 1キログラム当たり8,000ベクレル以下―「廃棄物を安全に処理するための基準」
と説明しています(9)。
 環境省の説明では1キログラム当たり8,000ベクレルのセシウム汚染物上で年間1000時間作業した場合にはICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(10)に相当すると説明しています(11)。1年間は1000時間でなく約9000時間(365×24)ですので、このような場所に暮らせば年9ミリシーベルトの被ばくを覚悟する必要があります。
 ところがいつのまにか1キログラム当たり8,000ベクレル以下のセシウム汚染物は「再利用」できるようになっていました(12)。そして福島からの報道によると中間貯蔵施設の造成に使う方向で検討するそうです(2)。
汚染土壌の再利用を報じる福島民報
 ※(2)を11月26日に閲覧
 図―4 1キログラム当たり8,000ベクレル以下の汚染土の再利用を報じる福島県の地方紙・福島民報

30年を経て放射能汚染物の福島県外への搬出が始まったとしても、中間貯蔵施設の「造成」に使われた1キログラム当たり8,000ベクレル以下のセシウム汚染物はそのまま残され「中間貯蔵施設」は実質は「永久保管施設」です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください 。すくなくとも安倍が出戻る前は
 1キログラム当たり100ベクレル以下―「廃棄物を安全に再利用できる基準」

 1キログラム当たり8,000ベクレル以下―「廃棄物を安全に処理するための基準」
だったのが、出戻っていつのまにか
 1キログラム当たり8,000ベクレル以下―「廃棄物を安全に再利用できる基準」
になってしまいました。(=^・^=)の調べた限りではそこに科学的な根拠はありません。(=^・^=)は不安なので「買わない」「食べない」「出かけない」のフクシマ3原則を決めています。でもこれって(=^・^=)だけではないようです。
 福島県会津若松市では11月21日に陛下や御皇族の皆さんに献上する柿の箱詰め作業が行われました(13)。同市辺りの柿はとても食味がよいそうです(14)。福島県はナシ同様に福島産柿も「安全」だと主張しています(15)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産柿はありません。
他県産はあっても福島産柿が無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(16)を引用
 図―5 福島産柿が無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ



―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)中間貯蔵施設について|除染で取り除いた土壌等の管理|除染情報サイト:環境省
(2)福島民報を11月26日に閲覧
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(5)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(6)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(7)福島県 福島市|除染実施区域(市町村除染)の概要・進捗|除染情報サイト:環境省
(8)除染土の中間貯蔵を開始 福島、仮置き解消なお遠く:一面:中日新聞(CHUNICHI Web)
(9)100Bq/kg と 8000Bq/kg の二つの基準の違いについて - 環境省
(10)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA
(11)指定廃棄物について|放射性物質汚染廃棄物とは|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省中の「コラム(8000Bq/kgとは?)/(処分する指定廃棄物のレベルは?)」
(12)最終処分量2万7000立方メートル 除染廃棄物 | 東日本大震災 | 福島民報
(13)献上の色つや...「会津身不知柿」 一つ一つ優しく磨き箱詰めに:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(14)みしらず柿 | JA会津よつば
(15)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「くだもの編 [PDFファイル/192KB]
(16)ヨークベニマル/お店ガイド
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  1. 2017/11/26(日) 19:41:34|
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