東京電力は2017年12月末までの福島事故での賠償支払い額を公表しました(1)。それをもとに除染を除く各年の賠償支払い額を集計すると
2016年 6,037億円
2017年 4,255億円
で3割減です。福島県予算も2018年度は事故後最低の14,000億円台の見込みです(2)。福島復興バブルは崩壊に向かっています。
福島原発事故後に福島には3本の金脈は繋がれ、福島復興バブルいえる状況(3)が生まれました。福島原発事故に伴う賠償、汚染された福島を綺麗にし、生活環境を改善する復興予算。福島第一の廃炉費用です。
以下に賠償支払い額を示します。

※(1)を集計
図―1 福島第一事故の賠償支払い額
このうち除染費用が国の立て替え分を東京電力が国に支払うので(4)、福島の皆様の収入にはなりません。そこで除染を除いた賠償額に注目します。
2016年は6,037億円
です。福島県の 県内総生産(名目)は7兆円前後(5)ですので決して少ない額ではありません。ところが図に示すように毎年減っています。
2017年は4,255億円
で3割減です。今年はもっと減るはずです。
以下に福島県の予算・決算額を示します。

※1 2009年から15年度は決算(歳出)額(6)
※2 2016・17年度は補正後の予算額(7)
※3 2017年度は(2)による。
図-2 福島県の予算・決算額
図に示す通り、事故前は8,000億円程度でしたが事故後は2兆円前後で推移していした。ところが2018年度は14,000億円台に減るそうです。
福島にお金が流れが細っています。以下に福島県の県内総生産(名目)を示します。2015年までしかありませんが、2015年はマイナスになっています。

※(5)にて作成
図―3 福島県の県内総生産(名目)
2016年、17年も福島はマイナス成長になりそうです。そして今年も。福島復興バブルは崩壊に向かっています。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島の復興が進んでいる訳ではありません。以下に福島のモモの産地の伊達市・伊達郡(8)のセシウム量を示します。

※ 集計方法およびリファレンスは(9)による
図―4 伊達市および伊達郡(全域が県北地方80km圏内の市や町)の放射性セシウム量
図に示す通りほんど減っていません。福島の放射性物質が放置されたまま福島復興は終ろうとしています。福島は汚染されたたまま放置されます。これでは不安なので(=^・^=)は「買わない」「食べない」「出かけない」の「フクシマ3原則」を決めています。でもこれって(=^・^=)だけではないみたいです。
福島を代表する冬野菜にネギがあります。福島産ネギは美味しいそうです。福島県郡山市は福島のネギの産地の一つです(10)。福島県は福島産ネギは「安全」だと言っています(11)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産ネギはありません。

※(12)を引用
図―5 福島産ネギが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
賠償金のお支払い状況|東京電力(2)
福島県予算案は「1兆4000億円台」 3年連続で前年度下回る:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet(3)
【復興の道標・復興バブル後-5】住宅特需に落ち着き 「高騰イメージ」危惧:復興の道標:福島民友新聞社 みんゆうNet(4)
除染費用にともなう補助金・予算などについて | 除染・放射線Q&A | 環境再生プラザ:環境省(5)
10の指標にみる福島県のいまVer.28を掲載しました。 - 福島県ホームページ中の「
平成29年12月15日公表分 10の指標にみる福島県のいまVer.28 [PDFファイル/600KB] (6)
決算関係資料 - 福島県ホームページ(7)
予算の概要 - 福島県ホームページ(8)
ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ」
(9)
めげ猫「タマ」の日記 ばら撒かれた放射性セシウムの6割が残ったままの福島県二本松市(10)
栄養と美味しさ満点!ふくしまの冬野菜たち! | ふくしま 新発売。(11)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「
やさい編 [PDFファイル/173KB]」
(12)
郡山東店|店舗・チラシ情報|リオン・ドール
スポンサーサイト
- 2018/01/24(水) 19:50:32|
- -
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0