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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島甲状腺、罹患率に地域差

 1月26日に第9回甲状腺検査評価部会が開かれました(1)。そこで福島を4地域に分けての2順目検査の集計結果が発表になりました(2)。このなかで13市町村と13市町村以外の中通りを比較すると
 13市町村       検査 34,558人中 悪性ないし悪性疑い者数17人 割合0.049%
 13市町村以外の中通り 検査207,165人中 悪性ないし悪性疑い者数39人 割合0.026%
で割合に倍近い差がありました。このような事が偶然に起こる確率を偶然に起こる確率を計算したら、統計的差がるとされる5%(3)を下回る3%でした。
 チェルノブイリ原発事故で子供の甲状腺がんの多発が見つかりました(4)。これを受けて福島でも事故当時18歳以下だった子供を対象にした甲状せん検査が実施されています(5)。当初の想定は100万人当たり2,3人です(6)。これまでの発表(8)(9)(10)を集計すると累積で
 約30万人の検査で193人
の悪性ないし悪性の疑いの方が見つりました。1万人当たりにして6人です。当初の想定に比べ比べ極めて高い割合です。以下に推移を示します。
どんどん増える福島の小児甲状腺患者
 ※(11)を集計
 図―1 どんどん増える福島の甲状腺癌

 これについて福島原発事故の為とも(12)、そうでないとも主張があります(13)。現時点の公式見解は
「事故当時5歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくいと評価する。」
です(14)。 
 甲状腺がんはヨウ素131の被ばくによって生じる物とされていますが(15)、ヨウ素131は半減期(量が半分になるまでの時間)が8日と短く(16)、その影響を後から調査するのが困難とされているようです。以下に事故直後から継続して放射線量が測定されている6地点(福島市、白河市、会津若松市、南会津町、南相馬市、いわき市平)の事故後から2012年3月末までの放射線量の推移を示します。
事故直後は急に下がりその後は下がらなくなった福島県の放射線量
 ※(17)を引用
 図―2 福島県6地点の放射線量

 図に示す様に事故直後は急激に下がり、その後は下がり方が緩慢になっています。事故直後はヨウ素131等の半減期が日単位で比較的短い(直ぐに無くなる)放射性物質からに放射線が主流で、事故から1年以上を経過すればセシウム134や137等の半減期が年単位(1年では無くらなない)放射性物からの放射線が主流をしめます。事故1年後と事故直後の放射線量に関係性がみられれば、半減期の短いヨウ素131の影響の相対的な大小をその後の放射線量で評価できます。以下に事故直後の2011年3月17日と事故1年後の2012年3月11日の放射線量の相関を示します。
事故直後と1年後で高い相関がある放射線量
 ※(17)を集計
 図―3 2011年3月17日と2012年3月11日の放射線量の相関

 図に示す様に綺麗に直線に並んでいます。ヨウ素131の半減期は短いので事故直後影響しますが、事故から1年も経てば影響は無くなります。事故直後と1年後の放射線量に高い相関があることは、ヨウ素131の影響はセシウム等の影響で評価できることを意味します。絶対的な評価は困難でも放射性セシウムの影響が強い場所や火とではヨウ素131の影響が強かったと言えますし、弱い場所ではヨウ素131の影響が低いと言えます。セシウムの影響の強弱と甲状腺がんの発生状況を比較すれば影響を把握できます。
 放射線の身体的影響には、早期効果と晩発効果の二つに分けられます。早期効果は、一度に大量の放射線を被曝した後数週間以内に現れてくる障害です。晩発効果は、被曝後しばらく症状の現れない潜伏期間があるものをいいます。発癌も晩発効果に含まれます(18)。甲状腺癌も直ぐに現れる訳ではありません。以下にチェルノブイリでの甲状腺がんの発症率の推移を示します。
1990年位から増えたチェルノブイリの甲状腺癌
 ※1(4)にて作成
 ※2 年齢は発症時の年齢
 ※3 チェルノブイリ原発事故は1986年(19)
 図―4 チェルノブイリ原発事故での甲状腺癌発生率

図に示す通りチェルノブイリ原発事故では事故の4年目以降から急な増加が見られます。
 福島県の甲状腺検査は2011~13年度に開始された1順目(先行検査)(10)、2014、15年度開始の2順目(本格調査1回目)(8)、2017、17年度開始ないし開始予定の3順目(本格調査2回目)(9)まで実施されます。甲状腺検査は1次検査と詳細な2次検査に分かれています。2次検査が完了して検査が終わったことになります。以下に2次検査完了者÷現時点(1月26日)までの発表で集計した2次検査完了率を示します。
2013年度にほぼ終わった1順目検査、2014年から確定結果が出した2順目検査
 ※1(11)を集計
 ※2 2次検査完了者÷現時点(1月26日)での最新の発表での2次検査対象者
 図―5 2次検査完了率

 図に示すように1順目の検査では図―4との比較においてチェルノブイリでは発祥が増加する以前の事故後4年以内の2014年3月末に概ね終わっています。2順目の検査は同じくチェルノブイリでは増加がみられた4年目以降に確定しています。チェルノブイリの例を習うなら1順目の検査に比べ、2順目以降の検査は事故の影響を強く受けた結果が出ます。
 以上の議論を纏めれば、
 ①ヨウ素131の影響を絶対値として評価できなくとも、その後のセシウム等の影響で相対的な評価が可能である。
 ②チェルノブイリの例の習えば事故3年以内にほぼ終わった1順目の検査に比べ、4年目以降に結果が確定した2順目以降の検査は事故の影響を強く受けた結果でる。
になります。2順目以降の検査でセシウム汚染が酷い場所や人とそうでない場所や人を比較すれば事故の影響が分かりそうな気がします。
 福島県の放射線リスクアドバイザーの高村昇氏は
 「県民健康調査で行われている『甲状腺検査』のうち先行検査で甲状腺がんあるいはその疑いと診断された方の発症頻度を地域別に比較したところ、避難区域等の13市町村(田村市や伊達市、川俣町含む)で10万人当たり33.5人、中通りで38.4人、浜通り(避難区域以外のいわき市、相馬市、新地町)で43.0人、会津地方で35.6人と甲状腺がんの頻度はほぼ同じであり、少なくとも事故当時に東京電力福島第一原発の近くにいらっしゃった方に甲状腺がんが多いということはありません。」
との寄稿文を福島県地方紙の福島民報に寄せています(20)。 以下に当該分における地域分けを記載します。
中通りに比べ汚染が酷い13市町村
 ※1(21)のデータを元に(22)に示す手法で1月1日に換算
 ※2 避難地域等の13市町村は避難勧奨地点が設定された伊達市および緊急時避難準備区域のみの広野町を含む(23)
 ※3 福島県の区域分けは(24)による。
 ※4 浜通り、中通りは13市町村以外
 ※5 中通り中の数字は2順目検査開始年次、なお13市町村は2014年、浜通り会津は2015年(8)。
 図―6 福島民報での甲状腺の区域分け

 1月26日に第9回甲状腺検査評価部会が開かれました(1)。そこで福島を4地域に分けての2順目検査の集計結果が発表になりました(2)。「悪性ないし悪性疑い者数」を「罹患者」、「悪性ないし悪性疑いの割合」を罹患率とすると
 13市町村       検査 34,558人中 罹患者17人 罹患率0,049%
 13市町村以外の中通り 検査207.165人中 罹患者39人 罹患率0.026%
 13市町村以外の浜通り 検査 72,871人中 罹患者10人 罹患率0.020%
 会津          検査 51,766人中 罹患者 5人 罹患率0.016%
 合計(福島県全体)   検査381,256人中 罹患者71人 罹患率0.026%
で、地域によって大きな差があります。これについて
「地域別の発見数については、年齢、性別、検査間隔、年齢階級別一次検査受診率、二次検査受診率など、様々な因子が影響している可能性があるため、今後、解析方法を詳細に議論した上での評価が必要と考えられる。」
と主張し(2)、これが事故影響を証明する物ではないとしています。
 そして罹患率だけでなく種々のパラメータに差があるとしています(2)。甲状腺検査は1次検査、2次検査、細胞診の順で実施されます(25)。この中で地域ごとに最も大きな差があったのが最終の細胞診受診率です。以下に記載します。
 13市町村       2次検査受診  293人中 細胞診受診 38人 受診率13.0%
 13市町村以外の中通り 2次検査受診  967人中 細胞診受診127人 受診率13.1%
 13市町村以外の浜通り 2次検査受診  340人中 細胞診受診 31人 受診率 9.1%
 会津          2次検査受診  188人中 細胞診受診 10人 受診率 5.1%
 合計(福島県全体)   2次検査受診1,788人中 細胞診受診206人 受診率11.5%
でした。細胞診受診率に大きな差があります。特に13市町村と会津で大きな差があります。これについては2つの解釈が可能だと思います。
 ①図―6に示すように13市町村に比べれば会津の汚染はかなりマシです。放射線影響は出にくく、細胞診が必要な方の割合が少なくなった。
 ②会津の汚染が少ないので、会津の方は放射線影響をあまり心配しておらず、細胞診よりも経過観察を選ぶ方が多く、結果として細胞診受診率が下がった。
です。第9回甲状腺検査評価部会の議論(26)(27)(28)(29)を聞いていたのですが、この点は明らかにならなかった気がします。でも、13市町村と13市町村以外の中通りの細胞診受診率は共に約13%であり比較可能です。そこで、このような事が偶然に起こる確率を計算しました。結果は統計的に差があるとされる5%(3)を下回る2.2%でした。
 以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果(13市町村と中通りの比較)
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(30)による
有意差検定表(2順目)

 現時点で13市町村と13市町村以外の中通りでは3順目の検査が進められています(9)。13市町村で新たに3人、13市町村以外の中通りで新たに4人の罹患者が見つかっています。これを加え、偶然に起こる確率を計算すると0.7%になりました。
 表―2 偶然に起こる確率の計算結果(2,3順目)
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(30)による
有意差検定表(2,3順目)

 先行検査(1順目)で地域差がないので、福島の甲状腺の罹患率に地域差が無いので事故影響ではないと主張されました(20)(25)。2,3順目では明らかに「地域差」が見つかっています。でも、議論(26)(27)(28)(29)を聞く限りまともな議論はされていません。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島の甲状腺が事故の影響であるともないとも決着がついていません。今、重要なのはたとえ事故影響だと後日に判明して被害を最小限度に抑えるための保険だと思います。そのためには受診率の向上が必要です。でも、議論(26)(27)(28)(29)を聞いていると熱心に討論されるのが「甲状腺検査を巡り医療関係者は放射線の影響の有無と関係なく、必ずしも治療の必要がないがんを見つける『過剰診断』の可能性」です(31)。この結果、受診者が大幅に減れば福島の子ども達から保険が奪われます。一方で、事故起こした方は救済されます。福島事故による健康影響は公式には無い事になっています。それがあったとなれば事故を起こした方は責任を追及されます。(=^・^=)は甲状腺検査見直し論議には福島の子ども達ためとは別の大きな「思惑」が働いている気がします。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島県が力を入れている農畜産物に牛肉があります(32)。福島県郡山市には「うめね牛」なるブランド牛があります。美味しいそうです(33)。福島県は福島産牛肉は「安全」だと主張しています(34)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島牛はありません。
他県産はあっても福島産牛肉が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(35)を引用
 図―7 福島産牛肉が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)第9回甲状腺検査評価部会(平成30年1月26日)の資料について - 福島県ホームページ
(2)(1)中の「  資料2-2 地域別にみたB・C判定者、および悪性ないし悪性疑い者の割合について [PDFファイル/395KB]
(3)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(4)放射線被曝とがんとの関連性3 | トピックス | 日本臨床検査薬協会
(5)県民健康調査について - 福島県ホームページ
(6)第3回「県民健康調査」検討委員会(平成23年7月24日開催) - 福島県ホームページ中の当日配布資料
(7)第28回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成29年10月23日)の開催について - 福島県ホームページ
(8)(7)中の「資料2-1 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査2回目)】」結果概要 [PDFファイル/1017KB]
(9)(7)中の「資料2-2 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査3回目)】」実施状況 [PDFファイル/991KB]
(10)第27回「県民健康調査」検討委員会及び第7回「甲状腺検査評価部会」について(平成29年6月5日開催) - 福島県ホームページ中の「資料2-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)結果概要【平成28年度追補版】  [PDFファイル/1.19MB]
(11)「県民健康調査」検討委員会 - 福島県ホームページ
(12)「福島の子供の甲状腺がん発症率は20~50倍」 津田敏秀氏ら論文で指摘
(13)福島県における小児甲状腺超音波検査について
(14)県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ
(15)実効線量とは何か(放射線と原子力発電所事故についてのできるだけ短くてわかりやすくて正確な解説)
(16)半減期 - Wikipedia
(17)平成22・23・24年度 県内7方部環境放射能測定結果 - 福島県ホームページ
(18)人体に及ぼす放射線被曝の影響
(19)チェルノブイリ原子力発電所事故 - Wikipedia
(20)放射線 放射性物質 Q&A 甲状腺がん 浜通りの割合高い? | 東日本大震災 | 福島民報
(21)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(22)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(23)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(24)福島県 - Wikipedia
(25)福島県での甲状腺がん検査結果の現状(鈴木眞一氏)|エネ百科|きみと未来と。
(26)第9回 甲状腺検査評価部会(1) OurPlanet-TV
(27)第9回 甲状腺検査評価部会(2) OurPlanet-TV
(28)第9回 甲状腺検査評価部会(3) OurPlanet-TV
(29)第9回 甲状腺検査評価部会~記者会見 OurPlanet-TV
(30)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(31)甲状腺検査『説明と同意』手法検証へ 情報提供・自由意思原則:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(32)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(33)うねめ牛 美味しさへのこだわり of 福島県郡山市采女牛を育てる会 郡山ブランド認証産品
(34)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(35)イトーヨーカドー 郡山店
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  1. 2018/01/28(日) 19:48:59|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

会津と13市町村の罹患率、3倍も違うのですか。
セシウムの汚染度と正比例しているのですね。

そしたら、脳みそがウンコになっていない限り、原因は原発事故に由来するのではないかと、演繹法でも帰納法でもなるよね?
  1. 2018/01/29(月) 11:31:55 |
  2. URL |
  3. きなこ #-
  4. [ 編集 ]

甲状腺癌て本来女の人に多いもののようです。私たちの業界ではそれが原発事故に関連するという証拠だと言っています。
  1. 2018/01/31(水) 16:23:51 |
  2. URL |
  3. ぶぶ #-
  4. [ 編集 ]

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