めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

凍土遮水壁、ほぼ凍結と福島民報、止水はできていません

 福島県の地方紙・福島民報は福島第一原発の地中に氷の壁の「凍土遮水壁」について「ほぼ凍結」と報じていました(1)。凍土壁内への水の流入量を東電発表(2)から見積もると
 2016年12月~17年1月 1日当たり平均で762トン
 2017年12月~18年1月 1日当たり平均で491トン
で、3分の2近くの水が凍土壁をすり抜け内側にすり抜けています。凍土壁は凍結しましたが止水はでになったようです。
 福島第一では地下水が山から流れて来て、原子炉やタービン建屋に流入しています。あるいは海までに達しています。汚染されれば海に流せないので、これを汲みあげ浄化装置を通した後で海に流しています。ただし全ての放射性物質が浄化できる訳ではありません。東京電力はトリチウムは浄化できないとしています(3)。浄化しても排水基準(4)を満たさない汚染地下水は、タービン建屋に送っています(5)。
 地下水がタービン建屋に流れ込んだり、海岸の井戸からタービン建屋に送り込んだ地下水で汚染水は増えていきます。
どんどん増える福島第一汚染水
 ※(7)を集計
 図―1 どんどん増える福島第一汚染水

 最新の発表(8)を集計すると総量で約111万トンに達します。以下にタービン建屋から汲み上げた直後のセシウム137の濃度をします。
1億(’Bq/l)程度のセシウムに汚染されている福島第一タービン建屋汲み上げ水
 ※(9)を集計
 図―2 タービン建屋から汲み上げた直後の汚染水のセシウム137濃度

 概ね1リットル当たりで1億ベクレルを下回る程度でしょうか?法定限度は1リットル当たり90ベクレルですので、100万倍近い高濃度です。このままでは海には流せないので、汚染水タンクを作り続け保管しています(11)。そのうちに敷地がいっぱいなり汚染水タンクの増設が困難になる日が来そうです。汚染水の増加を抑えることは近々の課題です。
 汚染水の増加を抑える対策の柱として原子炉やタービン建屋を氷の壁で囲む「凍土壁」が作られました。以下に構造を示します。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン
 ※(3)(12)にて作成
 図―3 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン

 断面の模式図は以下の通りです。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面
 ※(3)(12)にて作成
 図―4 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面)

 氷の壁で地下水の流れを阻止し、タービン建屋に流れ込む地下水や海岸にまで達する地下水を減らす計画です(12)。当初の予定では2015年3月位から運用を始める予定でしたが(13)、完全凍結が始まったのは2017年8月22日からです(14)。ほぼ2年半の遅れです。
 福島県の地方紙・福島民報は福島第一原発の地中に氷の壁の「凍土遮水壁」について「ほぼ凍結」と報じていました。ただし「水」を止めることが出来たか否かはふれてませんでした。そこで(=^・^=なりに見積もる事にしました。
 図―3に示す様に福島第一は西側が山で東側が海です。陸側(西側)から順に凍土壁・サブドレン・建屋・サブドレン・凍土壁・ウエルポイント・地下水ドレン・海側遮水壁です。このうち凍土壁と海側遮水壁は水の流れを遮ることを意図し設けられました(3)(12)。サブドレンは地下水を汲み上げる井戸です。図-3,4に示しように凍土壁の内側になり、ここで汲み上げらる水は全量が凍土壁をすり抜けて流れ込んだ水です。
 サブドレンでの汲みあげに失敗した地下水は建屋に流れ込むか、海に向かって流れて行きます。ウエルポイント、地下水ドレンは海側に流れた地下水を汲み上げる井戸です。東京電力はこの辺りを「護岸エリア」と呼んでいます(2)。
 すなわち、サブドレン汲み上げ量、原子炉建屋への流入量、ウエルポイント、地下水ドレンの汲み上げ量の合計が「凍土壁」では阻止できずに流れ込んだ「水」の総量です。以下に推移を示します。
あまり減らない凍土壁を超えて流れる水の量
 ※1(2)を集計
 ※2 サブドレンはサブドレン汲み上げ量、流入は建屋流入量、護岸はウエルポイント、地下水ドレンの合計汲み上げ量
 図-5 「凍土壁」で阻止できなかった「水」の量

 図に示すように凍土壁で阻止できなかった「水」の量はあまり減っていません。凍土壁は2017年8月に「完全凍結」がはじっまたので、近々2ヵ月と完全凍結開始間前の同月との流量を比較してみました。
 2016年12月~17年1月 1日当たり平均で762トン
 2017年12月~18年1月 1日当たり平均で491トン
で、3分の2近くの水が凍土壁をすり抜け内側にすり抜けています。凍土壁は凍結しましたが止水はでになったようです。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
  凍土壁には「国費」が使われています(15)。効果がなければ安倍出戻り内閣の失政になります。東京電力が「凍土壁」に効果があろうが無かろうが「遮水効果」はあったとしたようです(16)。福島民報の当該記事(1)は
「東電はさらにデータを分析し、3月をめどに凍土遮水壁の効果を詳しく評価する。」
とも報じています。凍土壁が完全凍結したのに効果の検証は先送りの様です。(=^・^=)は不安なので「買わない」「食べない」「出かけない」の「フクシマ3原則」を決めています。
 福島県もイチゴ栽培が盛んだそうです(17)。福島県伊達市は福島最大のイチゴの産地です(18)。同市辺りの直売所で「いちごまつり」が開かれます(19)。同市のイチゴは食味は甘くてとってもジューシーだそうです(20)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(21)。でも、福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。 
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―5 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)凍土遮水壁、ほぼ凍結 東電発表 来月めどに効果評価 | 県内ニュース | 福島民報
(2)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2018年2月1日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第50回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(22.6MB)
(3)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(4)サンプリングによる監視|東京電力
(5)報道配布資料|東京電力
(6)(5)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(7)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社ちゅの「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(8)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第338報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(9)(5)中の「水処理設備の放射能濃度測定結果」
(10)第56回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(11)(10)中の「資料6:フランジ型タンクに関するリスク低減策の進捗[東京電力]【PDF:2MB】
(12)陸側遮水壁|東京電力
(13)2014年3月12日 凍土式遮水壁の計画及び進捗状況について(資源エネルギー庁)
(14)2017年8月22日福島第一原子力発電所 陸側遮水壁第三段階開始について(PDF 786KB)
(15)凍土壁、頼りなさ露呈 福島第一、遠い廃炉:朝日新聞デジタル
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島第一、建屋流入の5割雨水…汚染水増の一因と読売新聞、排水路の効果を考慮してません。
(17)福島県オリジナル品種「ふくはる香」をお見逃し無く! | ふくしま 新発売。
(18)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月2週)―福島はイチゴの安全宣言、汚染産地の検査はありません。―
(19)いちごまつり – 農産物直売所 みらい百彩館「んめ~べ」
(20)特産品情報 | 地区別くらし情報 伊達地区 | JAふくしま未来
(21)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(22)保原店|店舗・チラシ情報|リオン・ドール
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  1. 2018/02/03(土) 19:44:21|
  2. -
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