めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島甲状腺、一般とは違う?第2回新潟県健康分科会

 2月5日に第2回新潟県健康分科会が開催されました(1)。その中で福島県民健康管理調査で見つかっている小児甲状腺がんについて、放射線の影響があり普通のものとは違うとの意見がだされました。
 チェルノブイリ原発事故で子供の甲状腺がんの多発が見つかりました(2)。これを受けて福島でも事故当時18歳以下だった子供を対象にした甲状せん検査が実施されています(3)。当初の想定は100万人当たり2,3人です(4)。これまでの発表(6)(7)(8)を集計すると累積で
 約30万人の検査で193人
の悪性ないし悪性の疑いの方が見つりました。1万人当たりにして6人です。当初の想定に比べ比べ極めて高い割合です。以下に推移を示します。
どんどん増える福島の小児甲状腺患者
 ※(9)を集計
 図―1 どんどん増える福島の甲状腺癌

 これについて福島原発事故の為とも(10)、そうでないとも主張があります(11)。現時点の公式見解は
「事故当時5歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくいと評価する。」
です(12)。 
 放射線の身体的影響には、早期効果と晩発効果の二つに分けられます。早期効果は、一度に大量の放射線を被曝した後数週間以内に現れてくる障害です。晩発効果は、被曝後しばらく症状の現れない潜伏期間があるものをいいます。発癌も晩発効果に含まれます(13)。甲状腺癌も直ぐに現れる訳ではありません。以下にチェルノブイリでの甲状腺がんの発症率の推移を示します。
1990年位から増えたチェルノブイリの甲状腺癌
 ※1(2)にて作成
 ※2 年齢は発症時の年齢
 ※3 チェルノブイリ原発事故は1986年(14)
 図―2 チェルノブイリ原発事故での甲状腺癌発生率

図に示す通りチェルノブイリ原発事故では事故の4年目以降から急な増加が見られます。
 福島県の甲状腺検査は2011~13年度に開始された1順目(先行検査)(8)、2014、15年度開始の2順目(本格調査1回目)(6)、2017、17年度開始ないし開始予定の3順目(本格調査2回目)(7)まで実施されます。甲状腺検査は1次検査と詳細な2次検査に分かれています。2次検査が完了して検査が終わったことになります。以下に2次検査完了者÷現時点(1月26日)までの発表で集計した2次検査完了率を示します。
2013年度にほぼ終わった1順目検査、2014年から確定結果が出した2順目検査
 ※1(9)を集計
 ※2 2次検査完了者÷現時点(1月26日)での最新の発表での2次検査対象者
 図―3 2次検査完了率

 図に示すように1順目の検査では図―4との比較においてチェルノブイリでは発祥が増加する以前の事故後4年以内の2014年3月末に概ね終わっています。2順目の検査は同じくチェルノブイリでは増加がみられた4年目以降に確定しています。チェルノブイリの例を習うなら1順目の検査に比べ、2順目以降の検査は事故の影響を強く受けた結果が出ます。
 以下に0-19歳の方の事故後4ヶ月間の被ばく線量分布を示します。
1mSv未満が多く全体の被ばく線量分布
 ※1(15)を集計
 ※2 年齢は事故時
 図―4 事故後4ヶ月間の0-19歳の被ばく線量分布

 図に示す様に0-9歳と10-19歳の分布に大きな差はありません。0-19歳の被ばく線量分布はほぼ同一であり、これを甲状腺検査の対象である0-18歳にも適応できます。数値を記載すると
 1ミリシーベルト未満の方 92,606人 
 1ミリシーベルト以上の方 55,960人
で(15)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は38%で1ミリシーベルト以下が大半です。
以下に1順目の検査で、罹患者と判定された方の事故から4ヵ月間の放射線量分布を示します。
1mSv未満が多い1順目の悪性または疑いの方
 ※1(16)にて作成
 ※2 被ばく線量は事故から4ヶ月間
 図―5 1順目(先行検査)の罹患者の被ばく線量分布

 数値を記載すると
  1ミリシーベルト未満 47人(全体の71%)
  1ミリシーベルト以上 19人(全体の29%)
で全体の被ばく線量分布と同様に1ミリシーベルト未満が大半です。
 以下に2順目の検査で罹患者と判定された方の事故から4ヵ月間の放射線量分布を示します。
1mSv以上が多い悪性または疑いの方
 ※1(6)にて作成
 ※2 被ばく線量は事故から4ヶ月間
 図―6 2順目(本格検査1回目)の罹患者の被ばく線量分布

 数値を記載すると
  1ミリシーベルト未満 15人(全体の32%)
  1ミリシーベルト以上 21人(全体の58%)
です。
 二順目検査では
 ①全体の被ばく線量分布に比べ、悪性または疑いと診断された方の分布は高い線量側にずれている。
 ②事故3年以内に開始された1順目検査に比べ、悪性または疑いと診断された方の分布は高い線量側にずれている。
との特徴が認められます。
2順目検査では、1順目検査に比べ放射線影響を強く受けている可能性が否定できません。
 一方で1回目検査では甲状腺がんは一定の大きさで成長が止まるとの報告がなされています(18)。
「甲状腺がんは一定の大きさで成長が止まる」される健康管理調査検討委員会資料
 ※(18)にて作成
 図―7 「甲状腺がんは一定の大きさで成長が止まる」される健康管理調査検討委員会資料

これを受けてでしょうか?
「(甲状腺を調べる)超音波検査のメリット(利益)とデメリット(不利益)が伝わっていない。学校検診という形で半強制的に検査が行われている」
等の、甲状腺検査の見直しの議論がなされています(19)。
2月5日に第2回新潟県健康分科会が開催されました(1)。その議論を(20)を聞いていたら、木村委員が
「話の根本からして、予後がいいとか、速度が遅いとか、その進行の速度が遅いとか言うのは
一般の甲状腺がんの話ですよ
事故由来の放射線による影響っていうものはまるっきり僕は違うと認識しています。」
と発言し、甲状腺検査の見直しに疑問を示していました。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島の甲状腺問題は新潟県原子力発電所事故による健康と生活への影響に関する検証委員会健康分科会(1)と福島県県民健康管理調査(3)で別々に議論されることになりました。議論を聞く限りスタンスの違いを感じます。新潟の議論は柏崎刈羽を再稼働しても「安全」が担保されるかです。いわば将来の問題です。いろいろなリスクを考えこれに対して確実な対応が取られているかが重要です。一方で福島県は日本一の人口減問題(21)、特に若い女性の福島脱出(22)や、福島を避ける福島県民(23)の問題を抱えています。当然ながら「安全」「安心」に議論が向かいます。
 福島の甲状腺が事故の影響であるともないとも決着がついていません。今、重要なのはたとえ事故影響だと後日に判明して被害を最小限度に抑えるための保険だと思います。そのためには受診率の向上が必要です。でも、熱心に討論されるのが「甲状腺検査を巡り医療関係者は放射線の影響の有無と関係なく、必ずしも治療の必要がないがんを見つける『過剰診断』の可能性」です(19)。この結果、受診者が大幅に減れば福島の子ども達から保険が奪われます。一方で、事故を起こした方は救済されます。福島事故による健康影響は公式には無い事になっています。それがあったとなれば事故を起こした方は責任を追及されます。(=^・^=)は甲状腺検査見直し論議には福島の子ども達ためとは別の大きな「思惑」が働いている気がします。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島県もイチゴ栽培が盛んだそうです(24)。福島県会津若松市ではイチゴ狩りが楽しめます(25)。同市はイチゴの季節です。同市辺りのイチゴは身の詰まったしっかりした食感で、食べると果汁が溢れるそうです(26)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(27)。でも福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(28)を引用
 図―8 福島産*が無い福島県のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)新潟県:新潟県原子力発電所事故による健康と生活への影響に関する検証委員会
(2)放射線被曝とがんとの関連性3 | トピックス | 日本臨床検査薬協会
(3)県民健康調査について - 福島県ホームページ
(4)第3回「県民健康調査」検討委員会(平成23年7月24日開催) - 福島県ホームページ中の当日配布資料
(5)第28回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成29年10月23日)の開催について - 福島県ホームページ
(6)(5)中の「資料2-1 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査2回目)】」結果概要 [PDFファイル/1017KB]
(7)(5)中の「資料2-2 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査3回目)】」実施状況 [PDFファイル/991KB]
(8)第27回「県民健康調査」検討委員会及び第7回「甲状腺検査評価部会」について(平成29年6月5日開催) - 福島県ホームページ中の「資料2-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)結果概要【平成28年度追補版】  [PDFファイル/1.19MB]
(9)「県民健康調査」検討委員会 - 福島県ホームページ
(10)「福島の子供の甲状腺がん発症率は20~50倍」 津田敏秀氏ら論文で指摘
(11)福島県における小児甲状腺超音波検査について
(12)県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ
(13)人体に及ぼす放射線被曝の影響
(14)チェルノブイリ原子力発電所事故 - Wikipedia
(15)(5)中の「資料1    県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/384KB]
(16)第27回「県民健康調査」検討委員会及び第7回「甲状腺検査評価部会」 の資料について(平成29年6月5日開催) - 福島県ホームページ中の「資料2-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)結果概要【平成28年度追補版】  [PDFファイル/1.19MB]
(17)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(18)第9回甲状腺検査評価部会(平成30年1月26日)の資料について - 福島県ホームページ中の  資料3-2 論文報告「原発事故後の超音波検査で発見された若年者の甲状腺がんの成長パターンの解析」 [PDFファイル/694KB]
(19)甲状腺検査『説明と同意』手法検証へ 情報提供・自由意思原則:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(20)第2回 新潟県「健康生活検証委員会」健康分科会 OurPlanet-TV
(21)転出超過数:福島県、全国最多に 復興需要ピーク過ぎ - 毎日新聞
(22)めげ猫「タマ」の日記 2017年も若い女性が逃げて行く福島
(23)めげ猫「タマ」の日記 東北中央道開通、米沢の観光客増加は福島市の3.6倍
(24)福島県オリジナル品種「ふくはる香」をお見逃し無く! | ふくしま 新発売。
(25)フルーツランド北会津
(26)いちご | JA会津よつば
(27)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(28)会津アピオ店|店舗・チラシ情報|リオン・ドール
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  1. 2018/02/08(木) 20:37:45|
  2. -
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