めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

凍土遮水壁に効果ありと東京電力、止水はできていません

 東京電力は福島第一原発の地中に氷の壁の「凍土遮水壁」について「効果あり」と発表しました(1)(2)。凍土壁内への水の流入量を東電発表(4)から見積もると
 2017年1月~2月 1日当たり平均で712トン
 2018年1月~2月 1日当たり平均で475トン
で、3分の2近くの水が凍土壁をすり抜け内側にすり抜けています。凍土壁は「効果」があったそうですが、止水はでになったようです。
 福島第一では地下水が山から流れて来て、原子炉やタービン建屋に流入しています。あるいは海までに達しています。汚染されれば海に流せないので、これを汲みあげ浄化装置を通した後で海に流しています。ただし全ての放射性物質が浄化できる訳ではありません。東京電力はトリチウムは浄化できないとしています(5)。浄化しても排水基準(6)を満たさない汚染地下水は、タービン建屋に送っています(8)。
 地下水がタービン建屋に流れ込んだり、海岸の井戸からタービン建屋に送り込んだ地下水で汚染水は増えていきます。
増え続ける福島第一原発汚染水
 ※(9)を集計
 図―1 どんどん増える福島第一汚染水

 最新の発表(10)を集計すると総量で約111万トンに達します。以下にタービン建屋から汲み上げた直後のセシウム137の濃度をします。
1億(’Bq/l)程度のセシウムに汚染されている福島第一タービン建屋汲み上げ水
 ※(11)を集計
 図―2 タービン建屋から汲み上げた直後の汚染水のセシウム137濃度

 概ね1リットル当たりで1億ベクレルを下回る程度でしょうか?法定限度は1リットル当たり90ベクレルですので、100万倍近い高濃度です。このままでは海には流せないので、汚染水タンクを作り続け保管しています(13)。そのうちに敷地がいっぱいなり汚染水タンクの増設が困難になる日が来そうです。汚染水の増加を抑えることは近々の課題です。
 汚染水の増加を抑える対策の柱として原子炉やタービン建屋を氷の壁で囲む「凍土壁」が作られました。以下に構造を示します。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン
 ※(5)(14)にて作成
 図―3 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン

 断面の模式図は以下の通りです。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面
 ※(5)(14)にて作成
 図―4 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面)

 氷の壁で地下水の流れを阻止し、タービン建屋に流れ込む地下水や海岸にまで達する地下水を減らす計画です(14)。当初の予定では2015年3月位から運用を始める予定でしたが(15)、完全凍結が始まったのは2017年8月22日からです(16)。ほぼ2年半の遅れです。
 東京電力は3月1日の会見で、福島第一原発の地中に氷の壁の「凍土遮水壁」について
「陸側遮水壁(凍土壁)が効果を発揮し、サブドレン・フェーシング等との重層的な汚染水対策により地下水位を安定的に制御し、建屋に地下水を近づけない水位管理システムが構築されたと考えています。」
と(17)、あたかも凍土壁が効果があるような発表をしました。(1)(2)。
凍土壁の効果で水の流入がブロックされたような図を発表する東京電力
 ※(17)を引用
 図―5 凍土壁が効果があったとする東京電力

 会見の説明によれば(1)、凍土壁が遮水効果を発揮し山側から流れて来た地下水は凍土壁で遮られ凍土壁の脇を通って海に流れていくようになったそうです。
 図―3に示す様に福島第一は西側が山で東側が海です。陸側(西側)から順に凍土壁・サブドレン・建屋・サブドレン・凍土壁・ウエルポイント・地下水ドレン・海側遮水壁です。このうち凍土壁と海側遮水壁は水の流れを遮ることを意図し設けられました(5)(14)。サブドレンは地下水を汲み上げる井戸です。図-3,4に示しように凍土壁の内側になり、ここで汲み上げらる水は全量が凍土壁をすり抜けて流れ込んだ水です。
 サブドレンでの汲みあげに失敗した地下水は建屋に流れ込むか、海に向かって流れて行きます。ウエルポイント、地下水ドレンは海側に流れた地下水を汲み上げる井戸です。
 すなわち、サブドレン汲み上げ量、原子炉建屋への流入量、ウエルポイント、地下水ドレンの汲み上げ量の合計が「凍土壁」では阻止できずに流れ込んだ「水」の総量です。以下に推移を示します。
あまり減らない凍土壁内側への水の流入量
 ※1(3)を集計
 ※2 サブドレンはサブドレン汲み上げ量、流入は建屋流入量、海岸部はウエルポイント、地下水ドレンの合計汲み上げ量
 図-6 「凍土壁」で阻止できなかった「水」の量

 図に示すように凍土壁で阻止できなかった「水」の量はあまり減っていません。凍土壁は2017年8月に「完全凍結」がはじっまたので、近々2ヵ月と完全凍結開始間前の同月との流量を比較してみました。
 2017年1月~2月 1日当たり平均で712トン
 2018年1月~2月 1日当たり平均で475トン
で、3分の2近くの水が凍土壁をすり抜け内側にすり抜けています。凍土壁の止水効果は不完全です。それでも東京電力が図―5に示すようにあたかも止水効果があったような発表をしています。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 凍土壁には「国費」が使われています(18)。効果がなければ安倍出戻り内閣の失政になります。東京電力が安倍度戻り総理の意向を「忖度」するなら、「凍土壁」に効果があろうが無かろうが「遮水効果」はあったとしたようです(19)。福島では「事実」よりも安倍出戻り総理の意向が優先するそうです。安倍出戻り総理は福島は「安全」だと主張しています(20)。まわりは「忖度」して、安全でなくとも「安全」を喧伝すると思います。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 2月27日に、いわき海星高の海洋練習船「福島丸」が遠洋航海実習を終えていわき市の小名浜港に帰港し、漁獲したマグロなどを初めて水揚げしました(21)。
福島県いわき市小名浜港に水揚げされるマグロ
 ※(22)をキャプチャー
 図―7 小名浜港に水揚げされるマグロ

 福島県は福島産はマグロ「安全」だと主張しています(23)。でも、福島県いわき市小名浜のスーパーのチラシには福島産マグロはありません。
他県産はあっても福島産マグロが無い福島県いわき市小名浜のスーパーのチラシ
 ※(24)を引用
 図―8 福島産マグロが無い福島県いわき市小名浜のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市小名浜の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)2018/3/1(木) 中長期ロードマップ進捗状況について
(2)凍土壁で「汚染水の量半減」 第1原発、東京電力が効果初公表:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(3)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2018年3月1日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第51回事務局会議)
(4)(3)中の【資料3-1】汚染水対策(30.4MB)
(5)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(6)サンプリングによる監視|東京電力
(7)報道配布資料|東京電力
(8)(7)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(9)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社ちゅの「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(10)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第342報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(11)(7)中の「水処理設備の放射能濃度測定結果」
(12)第56回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(13)(11)中の「資料6:フランジ型タンクに関するリスク低減策の進捗[東京電力]【PDF:2MB】
(14)陸側遮水壁|東京電力
(15)2014年3月12日 凍土式遮水壁の計画及び進捗状況について(資源エネルギー庁)
(16)2017年8月22日福島第一原子力発電所 陸側遮水壁第三段階開始について(PDF 786KB)
(17)(3)中の【資料2】中長期ロードマップの進捗状況(概要版)(17.9MB)
(18)凍土壁、頼りなさ露呈 福島第一、遠い廃炉:朝日新聞デジタル
(19)めげ猫「タマ」の日記 福島第一、建屋流入の5割雨水…汚染水増の一因と読売新聞、排水路の効果を考慮してません。
(20)平成29年7月6日 日EU共同記者会見 | 平成29年 | 総理の演説・記者会見など | 記者会見 | 首相官邸ホームページ
(21)6代目福島丸帰港 小名浜、マグロ初水揚げ | ホッとニュース | 福島民報
(22)ローカルTime FNN被災地発...
(23)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の海産魚介類編 [PDFファイル/203KB]
(24)ヨークベニマル/お店ガイド
スポンサーサイト
  1. 2018/03/02(金) 19:49:08|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月1週)―宮城県産マコガレイからセシウム、福島・相馬産は116件連続ND― | ホーム | 「最大で15.7メートルの津波」と東電関連会社、「だれがあそこに、くるということを事前に言っていたんですか」と東電原発設備責任者>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/tb.php/2453-e30c38f4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)