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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

事故7年目の葬式が9.1%増えた果物作りが盛んな福島盆地、相馬・南相馬は別

 福島でも果物作りが盛んな福島盆地が広がる2市2町(1)の葬式(死者)数を福島県の発表(2)から集計すると
 事故前1年(2010年3月~11年2月)3,988人
 事故7年目(2017年3月~18年2月)4,351人
で9.1%増えていました。このような事が起こる確率を計算したら0.007%でした。一方で、果物作りがあまり盛んでない相馬・南相馬市では
 事故前1年(2010年3月~11年2月)1,294人
 事故7年目(2017年3月~18年2月)1,323人
で少し増えていますが、統計的な差はありません。
 福島はくだもの王国を自称していますが(3)、福島県全域で作られているわけではありません。概ね福島盆地と呼ばれる(1)福島県北部の極狭い地域です。以下に示します。
事故から7年以上を経て汚染されやままの福島
 ※1(4)のデータを元に(5)に示す方法で3月11日に換算
 ※2 避難区域は(6)による。
 ※3 福島盆地の範囲は(7)による。
 図―1 福島盆地と相馬・南相馬市

 図に示す通り事故から7年が経過しましたが国が除染が必要だとする毎時0.23マイクrシーベルトを超えた(8)地域が広がっています。
 福島盆地内にはフルーツラインやピーチラインと呼ばれる通りがあり果物の販売店や果物狩りができる観光果樹園が数多く並んでいます(9)。以下に示します。
放射能が舞い散る福島盆地
 ※1 セシウム降下量(2016年11月から1年間)は(10)に示す元データおよび手法で計算
 ※2 ピーチラインフルーツラインは(11)による。
 ※3 福島盆地は(7)による。
 図―2 セシウム降下量とフルーツライン・ピーチライン

 福島盆地が広がる2市2町はの市や町の花は全てモモです(7)。モモは福島盆地をそして福島を代表する果物です。以下に市町村別の生産量を示します。
福島市、伊達市、桑折町、国見町で大部分を占める福島のモモの生産
 ※(12)を集計
 図―3 福島のモモの市町村別生産量

 図に示す通り福島盆地が広がる福島市・伊達市・桑折町・国見町(7)で大部分を占めます。福島盆地は事故から7年以上が経ちましたが図―1の示す通り汚染され、図―2で示す様に放射能が舞い散っています。福島のモモ等の果物は汚染され放射能が舞い散る福島盆地で作られています。当然ながら多くの消費者が福島産モモを避けていると思います。
 事後に低迷が続く福島産モモ価格
 ※(13)を集計
 図―4 山梨・福島のモモ価格

 福島のモモは7・8月がピークです(14)。モモの生産量は山梨が1位で福島は2位です(15)。図に示す様に事故後に福島のモモは山梨産に比べ大幅に安くなりました。価格差を見ると  
  2015年 △159円安
  2016年 △211円安
  2017年 △242円安
で2年連続で価格差が広がっています。安倍出戻り総理はこれを「風評被害」と呼んでいます(16)。でも彼の内閣は森友問題で文書を改ざんするだと(17)、国民に嘘をつくことを躊躇しません。信じて良いか分かりません。そこで(=^・^=)なりに調べてみることにしました。
 福島県は福島産モモは安全だと主張しています。福島県の検査で基準値以下が確認されたとしています(18)。でも、福島県の検査ってとっても怪しげです。モモ等の福島産農水産物の出荷前検査をしているのは厚生労働省の発表(19)を見ると福島県農林水産部に属する福島県農業総合センターです。
以下に福島県産モモの検査件数を示します。
事故後に比べ大幅に減った福島盆地産モモの検査結果
 ※1(19)を集計
 ※2 福島盆地は福島市、伊達市、桑折町、国見町に広がる(7)
 図―5 福島県産モモの検査件数

 図に示す様に全体としてはそれ程には減っていませんが、モモの主産地で汚染が酷い福島盆地のモモの検査件数は大幅に減っています。福島県は汚染の酷い主産地の検査を避けてます。

 福島盆地ではブドウもとれます(11)。以下に2013年以降の福島産ブドウの検査結果を示します。
福島県外検査ではそこそこ見つかっても福島県の検査ではあまり見つらない福島産ブドウのセシウム
 ※1(19)を集計
 ※2 日付けは検査日
 ※3 凡例は検査先
 図―6 福島産ブドウの検査結果

 図に示す通り福島県外の検査ではそこそこセシウムが見つかっていますが、福島県外の検査では殆ど見つかっていません。福島産ブドウの2013年以降の検査数、セシウム発見数を加数えると
 福島県外検査 検査  7件中3件でセシウム発見
 福島県検査  検査228件中4件でセシウム発見
です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら10億分の1でした(20)。同じ福島産ブドウを検査しているのに検査結果が合いません 
 海に県境があったとしても、魚は自由に行き来できます。県境付近の魚はほぼ同じ物とみなせます。図―1に示す様に福島県新地町、相馬市は宮城県に隣接しています。以下にスズキの検査結果を示します。
宮城産から見つかっても、福島県新地町・相馬市産から見つからないスズキのセシウム
 ※1(19)を集計
 ※2 日付けは捕獲日
 ※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
 ※4()内は検査先
 ※5 淡水は除く
 図―7 スズキの検査結果(宮城県および福島県沿岸部北部)

 図に示す様に宮城県産スズキからは新潟県と宮城県の検査の両者からセシウムが見つかっています。同じ物を測れば同じ結果がでるのは当然の事です。ところが福島・宮城県境付近のスズキの福島側(新地町、南相馬市)からはセシウムが見つかっていません。宮城県より汚染源に近いのにおかしな話です。
 以下に福島産カナガシラの検査結果を示します。
福島県の検査では全くに見つからないのに東京電力が検査すると基準超となる福島産カナガシラ
 ※1 福島県の検査結果は(19)、東京電力は(22)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは捕獲日
 ※4 ()内は検査先
 ※5 基準値は(23)による。
 図―8 福島産カナガシラの検査結果

 図に示す様に東京電力の検査では今回だけでなく過去にもセシウムが見つかっています。一方で福島県の検査では2017年3月以降の検査で全てが検出限界未満(ND)です。福島県の検査で検出限界未満(ND)でも、他が検査すると基準超の可能性があります。以上の通り福島県の検査では「安全」は担保去れません。
 6月にはサクランボ、7月からはモモとあと(11)3ヶ月で果樹のシーズンです。食べて良いか不安です。福島盆地の直売所では「いちごまつり」が開催されました(24)。いちごが果物か否かは議論はありますが(25)、福島はイチゴシーズンです。福島盆地が広がる福島県伊達市は福島県最大の福島市は3位のイチゴの産地です。
 福島県各地に店舗を展開するスーパーチェーンがあります(26)。以下に伊達市と相馬市の店舗のチラシを示します。
福島産イチゴがある福島県伊達市のスーパーのチラシ   他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
 (a)伊達市店舗                         (b)相馬市店舗
 ※(a)は(27)、(b)は(28)を引用
 図―9 福島のスーパーチェーンのイチゴのチラシ

 図に示す様にイチゴ栽培が盛んな伊達市では福島産ですが、そうでは無い相馬市では他県産です。図には示しませんが福島市は福島産イチゴでしたが(29)、南相馬市は他県産でした(30)。福島盆地は「フクシマ産」くだものには寛容なようです。そこモモ等のくだもの産地の福島盆地が人がる市町村とそうでない相馬・南相馬市を比較し差が無ければ福島産果物は「安全」、差があれば「安全」とは言えないと思います。
 以下に福島盆地の葬式(死者)数を示します。
事故後に葬式が増えた福島盆地が広がる2市2町
 ※1 各年3月からの1年間
 ※2 震災犠牲者は(31)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―10 福島盆地が広がる2市2町の各年3月から1年間の葬式(死者)数

 福島盆地が広がる2市2町の葬式(死者)数は
 事故前1年(2010年3月~11年2月)3,988人
 事故7年目(2017年3月~18年2月)4,351人
で9.1%増えていました。このような事が起こる確率を計算したら0.007%でした。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(32)による。
有意差検定表

 以下に相馬・南相馬市の合計の葬式(死者)数を示します。
事故後でも葬式が増えていない相馬・南相馬市
 ※1 各年3月からの1年間
 ※2 震災犠牲者は(31)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―11 相馬・南相馬市の各年3月から1年間の葬式(死者)数

相馬・南相馬市の葬式(死者)数は合計で
 事故前1年(2010年3月~11年2月)1,294人
 事故7年目(2017年3月~18年2月)1,323人
で少し増えていますが、統計的な差はありません。
 福島産果物について纏めると
 ①福島県全域で作られているのでなく、汚染されており放射能が舞い散る福島盆地で主に作られている。
 ②福島県は検査で安全が確認されたと主張しているが、福島県の検査は怪しげである。
 ③くだもの作りが盛んな福島盆地が広がる2市2町では葬式が有意に増えているが、そうではない相馬・南相馬市では増加が認められない。
になります。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 もうひとつ議論が必要だとしたら福島の皆様がどのように「フクシマ産」を見ているかです。
 福島県が力を入れている野菜にトマトがあります(33)。白河市辺りではこともトマトの出荷が始まりました。このトマト味が濃くフルーツのような甘さだそうです。福島県は福島産は「安全」だと主張しています(18)。でも、福島県白河市近郊のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県白河市のスーパーのチラシ
 ※(34)を引用
 図―12 福島産トマトが無い福島県白河市近郊のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県白河市や近郊の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)くだものづくりがさかんな福島盆地
(2)福島県の推計人口(平成30年3月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(3)福島県くだもの消費拡大委員会ホームページ
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(5)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(6)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(7)福島盆地 - Wikipedia
(8)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(9)くだもの – 一般社団法人福島市観光コンベンション協会公式ページ
(10)めげ猫「タマ」の日記 放射能が舞い散る福島(2017)
(11)くだもの狩り情報
(12)作物統計調査>市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の「10 果樹 ⇒福島県⇒Excel」
(13)東京都中央卸売市場-統計情報検索
(14)福島県の旬(出回り時期) 果物編
(15)もも(モモ/桃)の収穫量ランキング: 教えて!全国ランキング 2017  ~都道府県ランキング 日本の統計~
(16)安倍首相:「風評被害払拭を応援」 福島の牧場で激励 - 毎日新聞
(17)【森友文書改ざん】政治の責任明らかに(3月13日) | 県内ニュース | 福島民報
(18)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(19)農林水産部 - 福島県ホームページ
(20)報道発表資料 |厚生労働省
(21)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(11月2週)―福島産米の測定誤差は1キログラム当たり70ベクレル以上―
(22)報道配布資料|東京電力中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域>(同所港湾内を除く)」
(23)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(24)いちごまつり – 農産物直売所 みらい百彩館「んめ~べ」
(25)いちごやメロンは野菜なの? 果物コラム
(26)ヨークベニマル/お店ガイド
(27)ヨークベニマル/お店ガイド
(28)ヨークベニマル/お店ガイド
(29)ヨークベニマル/お店ガイド
(30)ヨークベニマル/お店ガイド
(31)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(32)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(33)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(34)トピックス | JA夢みなみ
(35)イオン白河西郷店 | お買物情報やお得なチラシなど
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